Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

ProcedureConfigure プログラムを実行するには

ここでは、Messaging Server 設定プログラムの設定手順を紹介していきます。

手順
  1. セットアップでは、DNS が適切に設定されていること、およびローカルサブネット上にないホストにルーティングする方法が明確に指定されていることを確認します。

    • /etc/defaultrouter に、ゲートウェイシステムの IP アドレスが含まれているはずです。このアドレスはローカルサブネット上にある必要があります。

    • /etc/resolv.conf が存在し、到達可能な DNS サーバーとドメインサフィックスに対する適切なエントリが含まれます。

    • /etc/nsswitch.conf で、hosts: 行と ipnodes: 行に filesdns、および nis キーワードが追加されています。キーワードの filesdnsnis の前に置く必要があります。そのため、行が次のような場合、


      hosts:  nis dns files
      ipnodes:  nis dns files

      次のように変更します。


      hosts:  files nis dns
      ipnodes:  files nis dns
    • FQDN が /etc/hosts ファイルの 1 番目のホスト名であることを確認します。

      /etc/hosts ファイルのインターネットホストテーブルが次のようである場合、


      123.456.78.910 budgie.west.sesta.com
      123.456.78.910 budgie loghost mailhost

      ホストの IP アドレスが 1 行だけ存在するように変更します。1 番目のホスト名が完全修飾ドメイン名であることを確認します。例:


      123.456.78.910 budgie.west.sesta.com budgie loghost mailhost
    • 次のコマンドを実行して、行が正しく読み取られることを確認できます。


      # getent hosts ip_address
      # getent ipnodes ip_address
      

      行が正しく読み取られる場合、IP アドレス、FQDN、その他の値の順に表示されます。例:


      # getent hosts 192.18.126.103
      192.18.126.103  budgie.west.sesta.com budgie loghost mailhost
  2. 次のコマンドを使って、Messaging Server 初期実行時設定を起動します。


    /msg_svr_base/sbin/configure [flag]
    

    Messaging Server をリモートシステムで設定する場合は、xhost(1) コマンドを使用する必要が生じることがあります。

    次の表に、configure プログラムを使って設定できるオプションフラグを示します。

    フラグ 

    説明 

    -nodisplay

    コマンド行の設定プログラムを起動します。 

    -noconsole

    GUI ユーザーインタフェースプログラムを起動します。 

    -state [statefile]

    サイレントインストールファイルを使用します。-nodisplay および -noconsole フラグとともに使用する必要があります。「サイレントインストールを実行するには」を参照してください。

    configure コマンドを実行すると、次の設定プログラムが起動します。

  3. ようこそ

    設定プログラムの最初のパネルは、著作権ページです。続行するには「次へ」を選択し、終了するには「キャンセル」を選択します。管理サーバーを設定しなかった場合は警告が表示されるので、OK を選択して続行します。

  4. 完全修飾ホスト名 (FQHN) を入力します。

    これは、Messaging Server が動作するマシン名です。Java Enterprise System インストーラを使用してサーバーをインストールしたときに、すでに物理ホスト名を指定済みである場合があります。しかし、クラスタ環境をインストールする場合は、論理ホスト名を使用する必要があります。ここで、最初に指定していたホスト名を変更できます。

  5. 設定およびデータファイルを保存するディレクトリを選択します。

    Messaging Server の設定およびデータファイルを保存するディレクトリを選択します。msg_svr_base の下にはないパス名を指定します。設定とデータディレクトリへのシンボリックリンクが msg_svr_base に作成されます。これらのシンボリックリンクの詳細は、「インストール後のディレクトリレイアウト」を参照してください。

    これらのファイルを保存するのに十分なディスク容量があることを確認します。

  6. コンポーネントが読み込まれていることを示す、小さいウィンドウが表示されます。

    コンポーネントの読み込みには数分かかることがあります。

  7. 設定するコンポーネントを選択します。

    設定を行う Messaging コンポーネントを選択します。

    • Message Transfer Agent: ルーティング、ユーザーメールの配信、および SMTP 認証を処理します。MTA は、ホストドメイン、ドメイン別名、サーバー側フィルタの機能をサポートします。

    • メッセージストア: メッセージストアを介して、一貫性のあるメッセージングサービスを提供します。メッセージストアには、HTTP、POP、および IMAP プロトコルを介してアクセスできます。メッセージストアを設定するだけの場合、MTA も選択する必要があります。

    • Messenger Express: メッセージストアからメッセージを取得する HTTP プロトコルを処理します。Messenger Express を設定するだけであれば、メッセージストアと MTA も選択する必要があります。

    • Messaging Multiplexor: 組織内の複数のメッセージングサーバーマシンに対するプロキシとして機能します。ユーザーは Multiplexor サーバーに接続し、Multiplexor サーバーが各接続を適切なメールサーバーにリダイレクトします。このコンポーネントは、デフォルトでは無効になっています。MMP とメッセージストアのチェックを行うと、それらが同じシステム上で有効になります。設定後、ポート番号を変更するための警告メッセージが表示されます (この手順については、「インストール後のポート番号」を参照)。

      MMP の設定方法については、第 7 章「マルチプレクササービスの設定および管理」を参照してください。

      設定するコンポーネントにチェックマークを付け、設定しないコンポーネントのチェックマークを外します。

  8. 設定されたファイルを所有するシステムユーザー名とグループを入力します。

    システムユーザーおよびグループの設定の詳細は、「UNIX システムのユーザーとグループを作成する」を参照してください。

  9. Configuration Directory Server パネル

    Configuration Directory LDAP URL、管理者、およびパスワードを入力します。これは管理サーバー設定から取得されます。

    Directory Server のインストールから Configuration Server LDAP URL を収集します。表 E–1 にある Directory Server インストールワークシートを参照してください。

    Directory Manager には、Directory Server、および Directory Server を使用するすべての Sun Java System サーバー (Messaging Server など) に対する包括的な管理権限が付与されています。また、Directory Server 内のすべてのエントリの管理に必要なすべてのアクセス権も与えられています。デフォルトかつ推奨される識別名 (DN) は、cn=Directory Manager です。これは Directory Server の設定時に設定されます。


    注 –

    デフォルト以外の値を選択すると、管理サーバーと Configuration Directory Server の間に不一致が発生します。この場合、設定後に手動での作業が必要になります。したがって、このエントリを変更するのは、十分な知識がある場合だけにしてください。


  10. User/Group Directory Server パネル

    ユーザーおよびグループの Directory LDAP URL、管理者、およびパスワードを入力します。

    ホストからユーザーおよびグループのサーバー LDAP URL 情報を収集し、Directory Server インスタンスからポート番号情報を収集します。表 E–1 にある Directory Server インストールワークシートを参照してください。

    Directory Manager には、Directory Server、および Directory Server を使用するすべての Sun Java System サーバー (Messaging Server など) に対する包括的な管理権限が付与されており、Directory Server 内のすべてのエントリの管理に必要なすべてのアクセス権が与えられています。デフォルトかつ推奨される識別名 ( DN) は、cn=Directory Manager です。これは Directory Server の設定時に設定されます。

    レプリケートされた Directory Server インスタンスに対してインストールする場合は、マスターディレクトリではなく、レプリカの資格情報を指定する必要があります。

  11. ポストマスターの電子メールアドレス

    ポストマスターの電子メールアドレスを入力します。

    管理者が頻繁に監視するアドレスを選択します。たとえば、siroe ドメインのポストマスターの場合は pma@siroe.com です。このアドレスは「Postmaster」から始めることはできません。

    電子メールアドレスのユーザーは自動的には作成されません。このため、プロビジョニングツールを使って作成する必要があります。

  12. 管理者アカウントのパスワード

    PAB 管理者と SSL パスワードに対してだけでなく、サービス管理者、サーバー、ユーザーおよびグループの管理者、エンドユーザー管理権限に対しても使用する初期パスワードを入力します。

    初期実行時設定のあとで、このパスワードを個々の管理者アカウント用に変更することもできます。詳細は、「パスワードを変更するには」を参照してください。

  13. デフォルトの電子メールドメイン

    デフォルトの電子メールドメインを入力します。

    この電子メールドメインは、ほかにドメインが指定されていない場合に使用されるデフォルトです。たとえば、デフォルトの電子メールドメインが siroe.com の場合、ドメインのないユーザー ID に宛てられたメッセージはこのドメインに送られます。

    User Management Utility (Sun LDAP Schema 2 を含むユーザーとグループのプロビジョニングのためのコマンド行インタフェース) を使用する場合は、設定中に同じデフォルトのドメインを指定します。詳細は、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator 管理ガイド』を参照してください。

  14. 組織 DN

    ユーザーやグループを作成する組織の DN を入力します。デフォルトは、電子メールドメインの前にユーザー/グループサフィックスを付けたものです。

    たとえば、ユーザー/グループサフィックスが o=usergroup で、電子メールドメインが siroe.com の場合、デフォルトは o=siroe.com, o=usergroup です。ここで o=usergroup「UNIX システムのユーザーとグループを作成する」で指定したユーザー/グループのディレクトリサフィックスです。

    組織 DN と同じユーザー / グループのディレクトリサフィックスを選択すると、ホストドメインを作成するよう決定した場合に移行の問題が起きることがあります。初期実行時設定でホストドメインを設定する場合はユーザーおよびグループサフィックスの 1 つ下のレベルの DN を指定してください。

  15. 設定準備完了

    設定プログラムは、マシンに十分なディスク容量があるかを確認してから、設定の準備が完了したコンポーネントの概略を示します。

    Messaging のコンポーネントを設定するには、「すぐに設定」を選択します。設定変数を変更するには、「戻る」を選択します。また、設定プログラムを終了するには、「キャンセル」を選択します。

  16. Starting Task Sequence、Sequence Completed、および Installation Summary パネル

    「インストールの概要」パネルで「詳細」を選択することで、インストールの状態を確認することができます。プログラムを終了するには、「閉じる」を選択します。

    ログファイルは、/msg_svr_base/install/configure_YYYYMMDDHHMMSS.log に作成されます。ここで、YYYYMMDDHHMMSS は、設定の 4 桁の年、月、日、時、分、および秒を示します。

    これで、Messaging Server の初期実行時設定が設定されます。設定パラメータに変更を加える場合は、このマニュアルでその手順に該当する部分を参照してください。

    Messaging Server を起動するには、次のコマンドを使用します。


    /opt/SUNWmsgsr/sbin/start-msg