Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 高可用性 (HA) 管理ガイド

高可用性の設定

この節では、高可用性クラスタを作成し、HTTP セッション持続性をテストするための手順について説明します。

ここで説明する内容は次のとおりです。

前提条件

HADB を設定する前に、次の手順を実行します。

Procedure高可用性のためにシステムを準備するには

  1. Application Server インスタンスとロードバランサプラグインをインストールします。

    詳細については、『Java Enterprise System インストールガイド』(Java ES を使用している場合)、または『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 Installation Guide』(Application Server のスタンドアロンインストーラを使用している場合) を参照してください。

  2. Application Server ドメインおよびクラスタを作成します。

    詳細については、『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 管理ガイド』を参照してください。

  3. Web サーバーソフトウェアをインストールおよび設定します。

    詳細については、「負荷分散のための Web Server の設定」を参照してください。

  4. 負荷分散をセットアップおよび設定します。

    詳細については、「HTTP 負荷分散の設定」を参照してください。

HADB 管理エージェントの起動

管理エージェント (ma) は、HADB ホストで管理コマンドを実行するとともに、HADB ノードスーパーバイザープロセスが失敗した場合は再起動することによってその可用性を保証します。

本稼働配備の場合は、管理エージェントをサービスとして起動し、その可用性を保証します。この節では、管理エージェントをデフォルトの設定でサービスとして起動するための手順について簡単に説明します。

管理エージェントをテストまたは評価のためにコンソールモードで起動する手順や、その設定のカスタマイズに関する情報などの詳細については、「HADB 管理エージェントの使用法」を参照してください。

この節では、Java Enterprise System を使用している場合に、管理エージェントをデフォルトの設定でサービスとして起動する方法について説明します。

ProcedureSolaris または Linux で Java Enterprise System を使用して管理エージェントを起動するには

  1. ファイル /etc/init.d/ma-initd への次のソフトリンクを作成します。


    /etc/rc0.d/K20ma-initd
    /etc/rc1.d/K20ma-initd
    /etc/rc2.d/K20ma-initd
    /etc/rc3.d/S99ma-initd
    /etc/rc5.d/S99ma-initd
    /etc/rcS.d/K20ma-initd
  2. マシンを再起動します。

    エージェントの自動起動および停止を解除するには、これらのリンクを削除するか、リンク名中の文字 K とS を小文字に変更します。

ProcedureWindows で Java Enterprise System を使用して管理エージェントを起動するには

  1. コマンドウィンドウを開きます。

  2. 次のコマンドを入力します。HADB_install_dir\bin\ma -i.

    これにより、管理エージェントがデフォルトの設定でインストールされ、起動されます。

次の手順

管理エージェントを停止してサービスから削除 (登録解除) するには、次のコマンドを使用します。HADB_install_dir\bin\ma -r

ProcedureSolaris または Linux でスタンドアロンの Application Server を使用して管理エージェントを起動するには

  1. シェルで、カレントディレクトリを HADB_install_dir /bin に変更します。

  2. シェルスクリプト ma-initd を編集します。

    スクリプト内の HADB_ROOT と HADB_MA_CFG のデフォルト値を、実際のインストールを反映するように置き換えます。

  3. ma-initd をディレクトリ /etc/init.d にコピーします。

  4. ファイル /etc/init.d/ma-initd への次のソフトリンクを作成します。


    /etc/rc0.d/K20ma-initd
    /etc/rc1.d/K20ma-initd
    /etc/rc2.d/K20ma-initd
    /etc/rc3.d/S99ma-initd
    /etc/rc5.d/S99ma-initd
    /etc/rcS.d/K20ma-initd

ProcedureWindows でスタンドアロンの Application Server を使用して管理エージェントを起動するには

  1. コマンドウィンドウを開きます。

  2. 次のコマンドを入力します。HADB_install_dir\bin\ma -i ma.cfg

    これで、プロセスが失敗するか、またはマシンが再起動した場合は、管理エージェントが自動的に再起動されます。

次の手順

管理エージェントを停止してサービスから削除 (登録解除) するには、次のコマンドを使用します。HADB_install_dir\bin\ma -r ma.cfg

高可用性のためのクラスタの設定

この節の操作を開始する前に、1 つ以上の Application Server クラスタが作成されている必要があります。クラスタの作成方法については、「クラスタを作成するには」を参照してください。

ドメイン管理サーバーが稼働しているマシンで、次のコマンドを使用して、HADB を使用するようにクラスタを設定します。

asadmin configure-ha-cluster --user admin --hosts hadb_hostname ,hadb_hostname --devicesize 256 clusterName

hadb_hostname を HADB が稼働しているマシンのホスト名に、clusterName をクラスタの名前に置き換えます。1 つのマシンだけを使用している場合は、そのホスト名を 2 回指定する必要があります。

この簡単な例により、同じマシン上で HADB の 2 つのノードが実行されます。本稼働の設定では、複数のマシンを使用することをお勧めします。

高可用性のためのアプリケーションの設定

管理コンソールで、「アプリケーション」>「エンタープライズアプリケーション」の下のアプリケーションを選択します。可用性を有効にするチェックボックスをチェックし、「保存」をクリックします。

クラスタの再起動

管理コンソールでクラスタを再起動するには、「クラスタ」>「cluster-name」を選択します。「インスタンスの停止」をクリックします。インスタンスが停止されたら、「インスタンスの起動」をクリックします。

あるいは、次の asadmin コマンドを使用します。

asadmin stop-cluster --user admin cluster-name
asadmin start-cluster --user admin cluster-name

これらのコマンドの詳細については、stop-cluster(1)およびstart-cluster(1)を参照してください。

Web Server の再起動

Web Server を再起動するには、次の Web Server コマンドを入力します。

web_server_root/https-hostname/reconfig

web_server_root を Web Server のルートディレクトリに、hostname をホストマシンの名前に置き換えます。

Procedureロードバランサとして機能している Web Server インスタンスをクリーンアップするには

  1. 次に示すように、ロードバランサ設定を削除します。

    asadmin delete-http-lb-ref --user admin --config MyLbConfig FirstCluster

    asadmin delete-http-lb-config --user admin MyLbConfig

  2. 新しい Web Server インスタンスを作成した場合は、次の方法で削除できます。

    1. Web Server の管理コンソールにログオンします。

    2. インスタンスを停止します。

      インスタンスを削除します。