Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 高可用性 (HA) 管理ガイド

HTTP および HTTPS のフェイルオーバーの設定

HTTP/HTTPS セッションが接続されていた元のアプリケーションサーバーインスタンスが無効化された場合、ロードバランサプラグインは、そのセッションを別のアプリケーションサーバーインスタンスにフェイルオーバーします。この節では、HTTP/HTTPS ルーティングとセッションフェイルオーバーを有効にするようにロードバランサプラグインを設定する方法について説明します。

ここで説明する内容は次のとおりです。

HTTPS ルーティング

HTTPS (HTTP Secure) プロトコルは、SSL (Secure Socket Layer) を使用して、セキュリティー保護された通信のための HTTP 要求の暗号化および復号化を実現します。HTTPS ルーティングを動作させるには、1 つまたは複数の HTTPS リスナーを設定する必要があります。

ロードバランサプラグインは、すべての着信 HTTP または HTTPS 要求をアプリケーションサーバーインスタンスにルーティングします。ただし、HTTPS ルーティングが有効になっている場合、ロードバランサプラグインは HTTPS ポートのみを使用して HTTPS 要求をアプリケーションサーバーに転送します。HTTPS ルーティングは、新しい要求とスティッキ要求の両方について実行されます。

HTTPS 要求が受信され、処理中のセッションがない場合、ロードバランサプラグインは設定されている HTTPS ポートを使用して使用可能なアプリケーションサーバーインスタンスを選択し、要求をそのインスタンスに転送します。

処理中の HTTP セッションで、同じセッションに対して新しい HTTPS 要求が受信された場合、HTTP セッション中に保存されたセッションおよびスティッキ情報を使用して HTTPS 要求がルーティングされます。新しい HTTPS 要求は、最後の HTTP 要求が処理された同じサーバーにルーティングされます。ただし、HTTPS ポートが使用されます。

HTTPS ルーティングの設定

create-http-lb-config コマンドの httpsrouting オプションは、負荷分散に関わるすべてのアプリケーションサーバーに対して HTTPS ルーティングが有効か無効かを制御します。このオプションが false に設定されている場合、すべての HTTP および HTTPS 要求は HTTP として転送されます。新しいロードバランサ設定を作成する場合、または、作成後に asadmin set コマンドを使用して変更する場合には、このオプションを true に設定してください。


注 –

https-routingtrue に設定されていて、クラスタ内に正常な HTTPS リスナーが存在していない状態で新しい要求またはスティッキ要求が着信した場合、その要求はエラーを生成します。


既知の問題

ロードバランサには、HTTP/HTTPS 要求の処理に関する次の制限事項があります。