Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

CPU 制御の概要

Sun Cluster ソフトウェアを使用すると、CPU の使用率を制御できます。Solaris 9 OS で可能な構成の選択肢は、Solaris 10 OS で可能な選択肢とは同じではありません。

CPU 制御機能は、Solaris OS で利用可能な機能に基づいて構築されています。ゾーン、プロジェクト、リソースプール、プロセッサセット、およびスケジューリングクラスの詳細については、『System Administration Guide: Solaris Containers-Resource Management and Solaris Zones』を参照してください。

SPARC: Solaris 9 OS では、CPU シェアをリソースグループに割り当てることができます。

Solaris 10 OS では、次の作業を実行できます。


注 –

この章のすべての手順は、 Solaris 9 OS に固有であると明記していないかぎり、Solaris 10 OS で使用するためのものです。


シナリオの選択

構成の選択肢と、選択するオペレーティングシステムのバージョンに応じて、さまざまなレベルの CPU 制御を行うことができます。この章で説明する CPU 制御のすべての局面は、リソースグループプロパティー RG_SLM_TYPEautomated に設定されていることに依存します。

表 9–1 で、使用可能なさまざまな構成シナリオを説明します。

表 9–1 CPU 制御のシナリオ

説明 

参照先 

SPARC:リソースグループが Solaris 9 OS 上で動作する 

CPU シェアをリソースグループに割り当て、project.cpu-shares の値を提供する

「SPARC: Solaris 9 OS で CPU 使用率を制御する」

リソースグループが Solaris 10 OS の大域ゾーンで動作する 

CPU シェアをリソースグループとゾーンに割り当て、project.cpu-shares および zone.cpu-shares の値を提供する

非大域ゾーンが構成されているかどうかに関係なく、この手順を実行できます。 

「大域ゾーンで CPU 使用率を制御する」

リソースグループはデフォルトのプロセッサセットを使用することにより非大域ゾーンで動作する 

CPU シェアをリソースグループとゾーンに割り当て、project.cpu-shares および zone.cpu-shares の値を提供する

この手順は、プロセッサセットのサイズを制御する必要がない場合に実行します。 

「デフォルトのプロセッサセットを使用して非大域ゾーンの CPU 使用率を制御する」

リソースグループは専用のプロセッサセットを使用して非大域ゾーンで動作する 

CPU シェアをリソースグループに割り当て、project.cpu-shareszone.cpu-shares の値、および専用のプロセッサセット内のプロセッサの最大数を提供する

専用のプロセッサセット内のプロセッサセットの最小数を設定します。 

CPU シェアと、プロセッサセットのサイズを制御したい場合に、この手順を実行します。専用のプロセッサセットを使用することにより、この制御は非大域ゾーンでのみ実行できます。 

「専用のプロセッサセットを使用して非大域ゾーンの CPU 使用率を制御する」

公平配分スケジューラ

CPU シェアをリソースグループに割り当てる手順の最初のステップは、システムのスケジューラを公平配分スケジューラ (FSS) に設定することです。デフォルトでは、Solaris OS のスケジューリングクラスはタイムシェアスケジューラ (TS) です。スケジューラを FSS に設定し、シェア構成を有効にします。

選択するスケジューラクラスに関係なく、専用のプロセッサセットを作成できます。