Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

ゲートウェイプロファイルのオプション

ゲートウェイプロファイルの数はゼロ以上です。SMS Gateway Sever の設定ファイルのオプショングループ内で、各ゲートウェイプロファイルは次の形式で宣言されています。


[GATEWAY_PROFILE=profile-name]
option-name-1=option-value-1
option-name-2=option-value-2
...
option-name-n=option-value-n

文字列 profile-name は、このプロファイルをほかのオリジナルのプロファイルから区別するためだけに使用されます。

表 D–24 に、SMS Gateway Server プロファイルオプションの一覧を示します。

表 D–24 SMS Gateway Server プロファイルオプション

オプション 

デフォルト 

説明 

「CHANNEL」

sms

メッセージをキューに入れるために使用されるチャネルです 

「EMAIL_BODY_CHARSET」

US-ASCII

電子メールメッセージ本文に使用される文字セットです 

「EMAIL_HEADER_CHARSET」

US-ASCII

電子メールメッセージヘッダーに使用される文字セットです 

「FROM_DOMAIN」

 

電子メールを SMS にルーティングし直すために使用されるドメイン名です 

「PARSE_RE_0, PARSE_RE_1, ..., PARSE_RE_9」

 

SMS メッセージテキストを構文解析するために使用される正規表現です 

「PROFILE」

GSM

GSM、TDMA、または CDMA の環境で機能する SMS プロファイルですGSM, TDMA, or CDMA 

「SELECT_RE」

 

プラグインの選択に使用される正規表現です 

「SMSC_DEFAULT_CHARSET」

US-ASCII

SMSC のデフォルトの文字セットです 

「USE_SMS_PRIORITY」

0

Gateway SMS の電子メールへの優先順位フラグです 

「USE_SMS_PRIVACY」

0

Gateway SMS の電子メールへのプライバシインジケータです 

CHANNEL

(文字列、1 〜 40 文字) 電子メールメッセージをキューに入れるために使用される MTA チャネルの名前。指定されていない場合は、「sms」と仮定されます。指定するチャネルは、MTA の設定で定義されている必要があります。

EMAIL_BODY_CHARSET

(文字列、文字セット名) 電子メールメッセージ本文への挿入前に、SMS テキストを変換するために使用する文字セット。必要に応じて、変換後のテキストは MIME でエンコードされます。デフォルト値は US-ASCII です。SMS メッセージに文字セットにないグリフが含まれている場合、そのグリフはニーモニック文字に変換されます。ニーモニック文字は、受取人にとっては意味をなさない場合があります。

MTA に認識される文字セットの一覧は、次のファイルで示されています。

installation-directory/config/charsets.txt

EMAIL_HEADER_CHARSET

(文字列、文字セット名) RFC 822 Subject: ヘッダー行への挿入前に、SMS テキストを変換するために使用する文字セット。必要に応じて、変換後の文字列は MIME でエンコードされます。デフォルト値は US-ASCII です。SMS メッセージに文字セットにないグリフが含まれている場合、そのグリフはニーモニック文字に変換されます。ニーモニック文字は、受取人にとっては意味をなさない場合があります。

FROM_DOMAIN

(文字列、IP ホスト名、1 〜 64 文字) 電子メール用にエンベロープ From: アドレスを作成する際、SMS ソースアドレスに付加するドメイン名。指定する名前は、電子メールを SMS にルーティングし直す場合に使用される正しい名前である必要があります。(たとえば、MTA SMS チャネルに関連付けられたホスト名。) 指定しない場合は、CHANNEL オプションで指定されている正式なチャネル名が使用されます。

PARSE_RE_0, PARSE_RE_1, ..., PARSE_RE_9

(文字列、UTF-8 正規表現) モバイルを起点とする電子メールの場合、ゲートウェイプロファイルは SMS メッセージのテキストから宛先電子メールアドレスを抽出する必要があります。これは、1 つまたは複数の POSIX 準拠の正規表現 (RE) を使用することによって処理されます。SMS メッセージのテキストは、各正規表現によって、宛先電子メールアドレスを生成する一致が見つかるか、あるいは正規表現のリストが尽きるまで評価されます。


注 –

PARSE_RE_*ROUTE_TO の各オプションの使用は、互いに排他的です。これらの両方を同一のゲートウェイプロファイルで使用すると、設定エラーになります。


各正規表現は、POSIX に準拠していて、UTF-8 文字セットにエンコードされている必要があります。正規表現では、宛先アドレスは文字列 0 として出力されます。状況に応じて、Subject: ヘッダー行で使用されるテキストは文字列 1 として、メッセージ本文で使用されるテキストは文字列 2 として出力されることがあります。正規表現によって「消費」されないテキストはいずれも、メッセージ本文で使用され、文字列 2 のテキスト出力に続きます。

正規表現は、PARSE_RE_0、PARSE_RE_1、... 、の順序で、PARSE_RE_9 まで試されます。正規表現が指定されていない場合、次に示すデフォルトの正規表現が使用されます。

[ \t]*([^\( ]*)[ \t]*(?:\(([^\)]*\))?[ \t]*(.*)

このデフォルトの正規表現は、次に示す構成要素から成ります。

[ \t]*

先頭のホワイトスペース文字 (SPACE および TAB) を無視します。

([^\( ]*)

宛先電子メールアドレス。これは最初に報告される文字列です。

[ \t]*

ホワイトスペース文字を無視します。

(?:\(([^\)]*)$1\))?

括弧で囲まれたオプションの件名テキスト。これは 2 番目に報告される文字列です。先頭の ?: によって、外側の括弧は文字列を報告しなくなります。括弧は、括弧内の内容を末尾の ? の単一の RE にグループ化するためにのみ使用されます。末尾の ? によって、この RE 構成要素は、0 回または 1 回のみ照合されます。これは {0,1} の表現と同等です。

[ \t]*

ホワイトスペース文字を無視します。

(.*)

残りのテキストをメッセージ本文へ。これは 3 番目に報告される文字列です。

例として、上記の正規表現で次のサンプル SMS メッセージを処理する場合を示します。

dan@sesta.com(Testing)This is a test

この場合、次の電子メールメッセージが生成されます。


To: dan@sesta.com
Subject: Testing

This is a test

別の例として、次の SMS メッセージの場合を示します。

sue@sesta.com This is another test

この場合、次の電子メールメッセージが生成されます。

To: sue@sesta.com

This is another test

これらの正規表現で評価される前に、SMS メッセージは Unicode のエンコード方式である UTF-16 に変換されることに注意してください。その後、変換されたテキストは、UTF-8 から UTF-16 に変換済みの正規表現で評価されます。評価の結果は、宛先電子メールアドレスの場合は US-ASCII に変換されます。Subject: テキスト (ある場合) には EMAIL_HEADER_CHARSET、メッセージ本文 (ある場合) には EMAIL_BODY_CHARSET が使用されます。

PROFILE

(文字列、「GSM」、「TDMA」、または「CDMA」) 仮定される SMS プロファイル。現在のところ、この情報は SMS 優先順位フラグを RFC 822 Priority: ヘッダー行にマップするためにのみ使用されます。したがって、このオプションは、USE_SMS_PRIORITY=0 (デフォルト) の場合は無効です。

SELECT_RE

(文字列、US-ASCII 正規表現) US-ASCII POSIX 準拠の正規表現。各 SMS メッセージの SMS 宛先アドレスと照合するために使用します。SMS メッセージの宛先アドレスがこの RE と一致した場合、SMS メッセージは通過するゲートウェイのゲートウェイプロファイルに合致する電子メールに送信されます。

SMS メッセージの宛先アドレスは US-ASCII 文字セットで指定されているので、この正規表現も US-ASCII で表現されている必要があることに注意してください。

SMSC_DEFAULT_CHARSET

(文字列、文字セット名) リモート SMSC で使用されるデフォルトの文字セットの名前。このオプションに選択する一般的な値は 2 つあり、それは US-ASCII と UTF-16-BE (USC2) です。指定されていない場合は、US-ASCII と仮定されます。

USE_SMS_PRIORITY

(整数、0 または 1) デフォルト (USE_SMS_PRIORITY=0) では、SMS メッセージ内の優先順位フラグは無視され、電子メールメッセージとともには送信されません。優先順位フラグを電子メールに付けて渡すには、USE_SMS_PRIORITY=1 と指定します。表 D–25 に、優先順位フラグを電子メールに付けて渡した場合の SMS から電子メールへのマッピングを示します。

表 D–25 優先順位フラグの SMS から電子メールへのマッピング

SMS プロファイル 

SMS 優先度フラグ 

電子メールの Priority: ヘッダー行 

GSM 

0 (優先でない)

123 (優先)

ヘッダー行なし (Normal を示す)

Urgent

TDMA 

0 (バルク)

1 (標準)

2 (至急)

3 (大至急)

Nonurgent

ヘッダー行なし (Normal を示す)

Urgent

Urgent

CDMA 

0 (標準)

1 (インタラクティブ)

2 (至急)

3 (緊急)

ヘッダー行なし (Normal を示す)

Urgent

Urgent

Urgent

電子メールの Priority: ヘッダー行の値は、NonurgentNormal、および Urgent です。

USE_SMS_PRIVACY

(整数、0 または 1) デフォルト (USE_SMS_PRIVACY=0) では、SMS プライバシの指示は無視され、電子メールメッセージとともには送信されません。この情報を電子メールに付けて渡すには、USE_SMS_PRIVACY=1 と指定します。表 D–26 に、プライバシ情報を電子メールに付けて渡した場合の SMS から電子メールへのマッピングを示します。

表 D–26 プライバシフラグの SMS から電子メールへのマッピング

SMS プライバシフラグ 

電子メールの Sensitivity: ヘッダー行 

0 (制約なし)

ヘッダー行なし 

1 (制限あり)

Personal

2 (親展)

Private

3 (秘密)

Company-confidential

電子メールの Sensitivity: ヘッダー行の値は、PersonalPrivate、および Company-confidential です。