Oracle Tuxedoシステムのインストール

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Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)の概要とインストール情報

次の各項では、Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)の概要を示し、Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)ソフトウェア・コンポーネントをインストールするための前提条件および準備に関する情報を説明します。

 


Oracle Joltについて

Oracle Joltは、リモートのJavaクライアントがOracle Tuxedo ATMIサービスにアクセスするためのJavaクラス・ライブラリとAPIです。次の図C-1に示すように、Oracle Joltは既存のTuxedo ATMIアプリケーションの機能を拡張し、イントラネットやインターネットにも対応できます。

図C-1 Joltアプレットを使用したOracle Joltの通信アーキテクチャ

Joltアプレットを使用したOracle Joltの通信アーキテクチャ

上の図は、Oracle Joltでサポートされている5種類のJoltクライアント・パーソナリティの中の1つを示しています(すべてのパーソナリティについて簡潔に「Oracle Joltクライアント・パーソナリティ」で説明されています)。

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Oracle Joltコンポーネント

Oracle Joltは、企業ファイアウォール内のサーバーへの安全で信頼性のあるアクセスを可能にし、Tuxedo ATMIサービスにアクセスするJavaベースのクライアント・プログラムを作成するための、次のコンポーネントで構成されています。

次の図C-2に示すように、Joltサーバーの実装は1つ以上のJoltサーバー・ハンドラ、1つ以上のJoltサーバー・リスナー、および唯一のJoltリポジトリ・サーバーで構成され、これらはすべて同じOracle Tuxedoサーバー・マシン上で稼働します。

図C-2 Oracle Joltサーバーの実装

Oracle Joltサーバーの実装

Joltサーバーは、Joltクライアントからのネットワーク接続の受け付け、Joltメッセージの変換、複数のクライアントの単一プロセスへの多重化、Tuxedo ATMIアプリケーションとの間でのリクエストの送受信を行います。すべてのTuxedoシステム実行可能プログラムと同様、Joltサーバー・コンポーネントはtux_prod_dir/binディレクトリに常駐しますが、tux_prod_dirはOracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)がインストールされているディレクトリを表します。

Joltサーバー・リスナー

Joltサーバー・リスナー(JSL)は、Tuxedoサーバーで稼働するリスニング・プロセスで、Joltクライアントからの接続リクエストを受け付け、同様にTuxedoサーバーで稼働するJoltサーバー・ハンドラに接続を割り当てます。また、Joltサーバー・ハンドラ・プロセスのプールを管理し、負荷に対応して起動させます。

Joltサーバー・ハンドラ

Joltサーバー・ハンドラ(JSH)は、Tuxedoサーバーで稼働するゲートウェイ・プロセスで、JoltクライアントとTuxedo ATMIサーバー・アプリケーション間の通信を処理します。JSHプロセスはアプリケーションの管理ドメインに常駐し、ローカルのTuxedoの掲示板にクライアントとして登録されます。

各JSHプロセスは、複数のJoltクライアントを管理できます。JSHはすべてのリクエストを多重化し、1つのJoltクライアントに1つの接続で応答します。

Joltリポジトリ・サーバー

Joltリポジトリ・サーバー(JREPSVR)は、Tuxedoサーバーで稼働し、Joltサービス定義をJoltリポジトリから取り出して、そのサービス定義をJoltサーバー・ハンドラに返します。また、Joltリポジトリ・サーバーは、JoltリポジトリへのJoltサービス定義の更新や追加のユーザー・サポートも提供します。

Joltリポジトリ

Joltリポジトリは、Tuxedoサーバーに常駐し、Tuxedo ATMIサービスの定義が収められている中央リポジトリです。これらのJoltリポジトリ定義情報は、JoltがTuxedoサービスにアクセスする時点で利用されます。また、Joltクライアント・アプリケーションにサービスをエクスポートしたり、Joltクライアントから定義を見えなくすることによってサービスをアンエクスポートしたりできます。リポジトリ・エディタを使用すると、クライアント・アプリケーションからは独立して、新規または既存のTuxedoサービスをテストできます。

Joltインターネット・リレー

Joltインターネット・リレーはJoltクライアントからのメッセージをJoltサーバー・リスナー(JSL)またはJoltサーバー・ハンドラ(JSH)にルーティングします。これにより、JSL、JSHおよびTuxedoアプリケーションをWebサーバーと同じマシンで実行する必要がなくなります。Joltインターネット・リレーは次のコンポーネントで構成されます。

図C-3は、Joltインターネット・リレーの接続パスを示しています。

図C-3 Oracle Joltインターネット・リレーの接続パス

Oracle Joltインターネット・リレーの接続パス

Joltサーバーは、イントラネットのJoltクライアントには直接接続でき、インターネット上のJoltクライアントにはJoltインターネット・リレーを介して間接的に接続でき、すべて同時に接続することが可能です。Joltインターネット・リレーはJoltサーバーおよびJoltクライアントからは透過的です。

JRLY実行可能プログラム(jrly)はtux_prod_dir/udataobj/jolt/relayディレクトリに常駐し、JRAD実行可能プログラムはtux_prod_dir/binディレクトリに常駐します。

Joltクラス・ライブラリ

Joltクラス・ライブラリは、Jolt APIを実装するクラス・ファイルで構成されています。これらのクラスによって、JavaクライアントはOracle Tuxedo ATMIサービスを呼び出すことができるようになります。Joltクラス・ライブラリには、通信属性、通知、ネットワーク接続、トランザクション、およびサービスについての設定、検索、管理および呼出しを行う機能が含まれています。

Joltクラス・ライブラリ・ファイルはtux_prod_dir/udataobj/joltディレクトリに常駐し、次のJARファイルに格納されています。

Jolt JARファイルの内容を表示するには、JDK 1.3(またはそれ以上)ソフトウェアへのパスがPATH変数の最初に含まれていることを確認した後、tux_prod_dir/udataobj/joltディレクトリに移動して次のコマンドを入力します。

prompt> jar -tvf filename.jar

例:

prompt> jar -tvf jolt.jar
   0 Thu Aug 08 07:19:02 EDT 2002 META-INF/
   68 Thu Aug 08 07:19:02 EDT 2002 META-INF/MANIFEST.MF
   547 Thu Aug 08 07:19:00 EDT 2002
     bea/jolt/ApplicationException.class
   741 Thu Aug 08 07:19:00 EDT 2002 bea/jolt/BData.class
   951 Thu Aug 08 07:19:00 EDT 2002 bea/jolt/ByteArrayUtil.class
   .
   .
   .

JoltBeans

Oracle JoltBeansには、Oracle Jolt用のJavaBeans対応インタフェースが用意されています。JoltBeansは、Joltクライアントを作成するため、JavaBeans対応の統合開発環境(IDE)で使用されるBeansコンポーネントです。

JoltBeansは、JoltBeansツールキット(Oracle Jolt用のJavaBeans対応インタフェースで、JoltServiceBean、JoltSessionBean、JoltUserEventBeanが含まれる)とJolt GUI Bean (Jolt対応Abstract Window Toolkit (AWT) BeanとJolt対応Swing Bean)の2つのJava Beanのセットで構成されています。Oracle Joltをこれらのコンポーネントに分離することにより、クライアントおよびサーバー・アプリケーションのトランザクション・コンポーネントおよびインターネット・コンポーネントを別々に実装し、大規模なインターネットおよびイントラネット・サービスに要求される安全性およびスケーラビリティを確保できます。

 


Oracle Joltクライアント・パーソナリティ

Javaプログラマは、Oracle Joltを使用して既存および新規のTuxedoアプリケーションをリモートに起動するクライアント・アプレットおよびアプリケーションを作成する以外にも、HTTPリクエストに応じてサーバー側Javaタスクを実行するHTTPサーブレットを作成できます。この後者のJolt接続により、単純なWebクライアントであっても、汎用サーブレットをサポートするWebアプリケーションを通じてTuxedoアプリケーション・サービスにアクセスできるようになります。

Oracle Joltでは、次のタイプのJavaクライアント・パーソナリティをサポートしています。

 


Oracle Joltの機能

JavaアプレットまたはスタンドアロンJavaクライアント・アプリケーションとして動作している場合、Oracle Joltは次の機能をサポートしています。

Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)サーバー(JSL、JSH、JREPSVR)およびJoltインターネット・リレー(JRLY、JRAD)コンポーネントを使用するには、使用環境に2MBのディスク領域が必要です。Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)のシステム要件およびサポートするプラットフォームは、「Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)プラットフォーム・データ・シート」を参照してください。

 


Oracle Joltクライアントのサポート

「Oracle Joltクライアント・パーソナリティ」で説明されているとおり、Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)は次の4つのクライアント・タイプをサポートしています。

図C-1に、Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)アプレットおよびアプリケーションのクライアント・タイプの要件を示します。

表C-1 Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)アプレットおよびアプリケーションのクライアント・タイプ要件
クライアント・タイプ
サポートする環境
ブラウザで動作するJavaアプレット
Microsoft Internet Explorer (IE) 6.0以上
デスクトップ環境で動作するJoltアプリケーション(スタンドアロン・アプリケーション)
Java Development Kit (JDK) 1.4.x

図C-2は、Webサーバー内で動作するHTMLベースのJoltクライアント・クラスによって実装される残りの3つのJoltクライアント・タイプの要件を示します。表には、Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)の動作が保証されているWebサーバーが記されています。

表C-2 Webサーバー・ベースのOracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)クライアント・タイプ要件
ベンダー
Webサーバーのバージョン
OSのバージョン
Oracle Joltクライアント・パーソナリティ
備考
任意のベンダー
Java Servlet Engine
(任意のバージョン)
JDK 1.4.xを実行する任意のOS
JSE Connectivity for Oracle Tuxedo
説明は、この表の後の最初の注意を参照してください。
Oracle Systems, Inc.
Oracle WebLogic Enterprise 5.1またはOracle WebLogic Server 6.0以上
任意
WebLogic Connectivity for Oracle Tuxedo (Oracle Jolt for Oracle WebLogic Serverとも呼ばれる)
サンプルのインストール手順は、「Oracle WebLogic ServerへのOracle Jolt 11gリリース1 (11.1.1.2.0)のインストール」を参照してください。

注意: JSE Connectivity for Oracle Tuxedoは、Oracle Tuxedoアプリケーション環境でのサーブレットの処理を単純化するJolt Webアプリケーション・サーバーの名前です。JSEはJava Servlet Engineの略称です。

Oracle Joltクライアントの要件

Oracle Joltには、次のクライアントの要件があります。

Oracle Joltクライアント・クラス・ライブラリ

Javaには様々な実装がありますが、機能は大きく異なりません。Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)はJDK 1.5.0_0_9に基づいています。

Oracle Joltのクラス・ライブラリは、図C-3に示すブラウザおよびJDKのバージョンと互換性があります。

表C-3 Oracle Joltクラス・ライブラリの互換性
ベンダー
ブラウザのバージョン
Java仮想マシン(JVM)
OSのバージョン
Microsoft
Internet Explorer 6.0
JDK 1.5.0_0_9
Windows 2003 Server、Windows XP Professional

 


Oracle Joltリリースの相互運用性

Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)クライアントは、Oracle Jolt 1.2、1.2.1、8.0、8.1、9.0、9.1または10.0サーバー実装と相互運用が可能で、クライアントはOracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)の新機能を使用できます。

Oracle Jolt 1.2、1.2.1、8.0、8.1、9.0、9.1、10.0クライアントはOracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)サーバー実装と相互運用が可能ですが、Oracle Joltサーバー側コンポーネントがOracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)にアップグレードされて新機能が追加されても、Oracle JoltクライアントはOracle Jolt 1.2、1.2.1、8.0、8.1、9.0、9.1、または10.0の機能しか使用できません。

 


Oracle Joltのインストール前のチェックリスト

Windowsシステムでは、Oracle Jolt 11gリリース1(11.1.1.2.0)によって自動的に2つのMicrosoftのダイナミック・リンク・ライブラリ((DLL)、MSVCRT.DLLおよびMSVCRP71.DLLがインストールされます。

 


Oracle Joltのドキュメント

Oracle Joltの詳細は、次のドキュメントを参照してください。


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