システム管理者は、既存のOracle Tuxedoアプリケーション内に複数のOracle Tuxedoサービスを設定していることがあります。これらの定義を手動でリポジトリ・データベース内に作成すると、完了までに何時間もかかることがあります。Joltバルク・ローダーは、すでに定義されている複数のOracle Tuxedoサービスを一度にJoltリポジトリ・データベースにロードできるコマンド・ユーティリティです。jbld
プログラムを使用すると、バルク・ローダー・ユーティリティによってOracle Tuxedoサービス定義が指定されたテキスト・ファイルから読み取られ、Joltリポジトリにバルク・ロードされます。サービスは、1回のバルク・ロードでリポジトリ・データベースにロードされます。サービスがJoltリポジトリに移入された後は、Joltリポジトリ・エディタを使用して、サービスを作成、編集およびグループ化できます。
jbld
プログラムはJavaアプリケーションです。jbld
コマンドを実行する前に、Joltクラス・ディレクトリ(jolt.jar
やjoltadmin.jar
)の場所を指すようにCLASSPATH
環境変数(またはそれに相当するもの)を設定してください。CLASSPATH
変数が設定されていないと、Java仮想マシン(JVM)はJoltクラスを検出できません。
セキュリティ上の理由により、jbld
ではユーザー認証情報(ユーザー・パスワードまたはアプリケーション・パスワード)を指定する場合にコマンドライン引数を使用しません。サーバーのセキュリティ・レベルに応じて、jbld
はユーザーにパスワードの入力を自動的に要求します。
バルク・ローダー・ユーティリティは、コマンドライン引数および入力ファイルから入力を取得します。
java bea.jolt.admin.jbld [-n][-p
package
][-u
usrname
][-r
usrrole
]
//host:port filename
バルク・ロード・ファイルは、サービスおよびそれに関連付けられたパラメータを定義するテキスト・ファイルです。バルク・ローダーは、デフォルトでBULKPKGというパッケージ名を使用して、バルク・ロード・ファイル内に定義されているサービスをJoltリポジトリにロードします。-p
コマンドを使用して、パッケージに任意の名前を指定し、デフォルトをオーバーライドすることもできます。同じ-p
オプションを指定してバルク・ローダー・ファイルから再度ロードを実行すると、元のパッケージ内のサービスはすべて削除され、新しいバルク・ローダー・ファイルからのサービスで新しいパッケージが作成されます。
-p
オプションを使用して指定したパッケージ以外のパッケージにサービスが存在していると、バルク・ローダーにより競合が報告され、バルク・ローダー・ファイルからリポジトリへのサービスのロードは行われません。リポジトリ・エディタを使用して重複するサービスを削除し、再度バルク・ローダー・ファイルをロードしてください。詳細は、「Joltリポジトリ・エディタの使用」を参照してください。
各サービス定義は、サービス・プロパティおよび決められた数のパラメータ・プロパティを持つパラメータで構成されます。各プロパティは、キーワードと値で表されます。
jbld
プログラムによって、テキスト・ファイルからサービス定義が読み取られます。キーワードを使用する際は、表2-2のガイドラインに従ってください。
バルク・ロード時の転送エラーを回避するため、データ・ファイル内のキーワードは適切な順序で指定する必要があります。
バルク・ローダー・データ・テキスト・ファイル内の最初のキーワード定義は、最初のservice=<NAME>
キーワード定義にする必要があります(リスト「データ・ファイル内のキーワード階層順序」を参照)。service=<NAME>
キーワードの後は、このサービスに適用されるその他すべてのサービス・キーワードを最初のparam=<NAME>
定義より前に指定する必要があります。これらの残りのサービス・キーワードは、任意の順序で指定できます。
サービスに関連付けるすべてのパラメータを指定する必要があります。param=<NAME>
キーワードの後には、このパラメータに適用されるすべてのパラメータ・キーワードを、次のパラメータ定義より前に指定します。これらの残りのパラメータ・キーワードは、任意の順序で指定できます。最初のサービスに関連付けるすべてのパラメータを定義したら、新しいservice=<NAME>
キーワード定義を指定します。
リスト2-1に、データ・ファイル内のキーワード階層順序を示します。
service=<NAME>
<service keyword>=<value>
<service keyword>=<value>
<service keyword>=<value>
param=<NAME>
<parameter keyword>=<value>
<parameter keyword>=<value>
param=<NAME>
<parameter keyword>=<value>
<parameter keyword>=<value>
サービス定義はservice=<NAME>
キーワードで始まっている必要があります。CARRAY、STRINGまたはXMLのバッファ・タイプを使用するサービスに指定できるパラメータは1つのみです。CARRAY
バッファ・タイプを使用するサービスの場合、パラメータ名としてCARRAY
、データ型としてcarray
を指定することをお薦めします。STRING
バッファ・タイプを使用するサービスの場合、パラメータ名としてSTRING
、データ型としてstring
を指定することをお薦めします。XML
バッファ・タイプを使用するサービスの場合は、パラメータ名としてXML
、データ型としてxml
を指定することをお薦めします。
表2-3に、サービスレベルのキーワードおよび各キーワードで許容される値を使用する際のガイドラインを示します。
パラメータの最初にはparam=<NAME>
キーワードを指定し、続いていくつかのパラメータ・キーワードを指定します。パラメータの最後には、別のparam
キーワードかservice
キーワードまたはend-of-fileが指定されます。param=<NAME>
キーワードより後のパラメータは、任意の順序で指定できます。
表2-4に、パラメータレベルのキーワードおよび各キーワードで許容される値を使用する際のガイドラインを示します。
バルク・ローダー・ユーティリティの使用中に問題が発生した場合は、表2-5を参照してください。バルク・ローダー・ユーティリティのエラー・メッセージおよび解決策の完全なリストについては、「システム・メッセージ」を参照してください。
リスト2-2に、UNIXコマンドcat servicefile
を使用した正しい形式のサンプル・データ・ファイルを示します。このサンプルでは、TRANSFER、LOGINおよびPAYROLLサービス定義がBULKPKG
にロードされます。
service=TRANSFER
export=true
inbuf=FML
outbuf=FML
param=ACCOUNT_ID
type=integer
access=in
count=2
param=SAMOUNT
type=string
access=in
param=SBALANCE
type=string
access=out
count=2
param=STATLIN
type=string
access=out
service=LOGIN
inbuf=VIEW
inview=LOGINS
outview=LOGINR
export=true
param=user
type=string
access=in
param=passwd
type=string
access=in
param=token
type=integer
access=out
service=PAYROLL
inbuf=FML
outbuf=FML
param=EMPLOYEE_NUM
type=integer
access=in
param=SALARY
type=float
access=inout
param=HIRE_DATE
type=string
access=inout