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Oracle® Real User Experience Insightインストレーション・ガイド
12cリリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64
E61774-01
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6 RUEIの構成

この章では、RUEIの初期構成の手順について説明します。この作業は、組織内でRUEIスーパー管理者ロール(つまりadminユーザー)を割り当てられているユーザーによって実行されます。ロールの詳細は、『Oracle Real User Experienceユーザーズ・ガイド』を参照してください。

重要:

RUEIを構成した後、収集したネットワーク通信を組織内のネットワーク・エンジニアに検証してもらうことを強くお薦めします。これを行う手順は、付録F「監視対象ネットワーク通信の検証」で説明されています。

6.1 概要

RUEIを起動および実行するには、サーバー・システムをRUEI用に準備し、RUEIソフトウェアをインストールする必要があります。これについては、第2章「RUEIソフトウェアのインストール」で説明しています。その後、インストール・タイプとメール設定を指定し(第6.2項「RUEIの初期構成の実行」で説明)、いくつかのインストール後の構成(第6.4項「インストール後の構成の実行」で説明)を実行する必要があります。これはレポート作成を開始するために必要です。これには、ページおよびユーザーの識別方法の決定と、ネットワーク環境での監視範囲の指定が含まれます。最後に、システムの初期ユーザーを、第6.4.6項「初期ユーザーの認可」の説明のとおりに定義する必要があります。分割サーバー構成をインストールする場合は、各コレクタ・システムの構成が必要になることに注意してください。これは、第6.3項「コレクタ・システムの構成」で説明しています。

重要:

RUEIの構成については、組織のネットワーク・トポロジに精通したユーザーと相談する必要があります。

6.2 RUEIの初期構成の実行

RUEIでデータの監視およびレポート作成を開始するには、ネットワーク・インフラストラクチャに関する情報を使用して構成する必要があります。構成が完了すると、ユーザー通信のレポート作成が可能になります。この初期構成は、必要に応じて後から変更できます。初期構成は、単に実際のユーザーの監視およびレポート作成を開始するために、RUEIに十分な情報を提供するためのものです。

RUEIの初期構成を実行するには、次のようにします。

  1. ブラウザでhttps://Reporter/rueiを指定することにより、初期設定ウィザードを起動します。

    Reporterには、インストール済RUEIのホスト名またはIPアドレスを指定します。図6-1のダイアログが表示されます。

    図6-1 ログイン・ダイアログ

    図6-1の説明が続きます。
    「図6-1 ログオン・ダイアログ」の説明

  2. adminユーザーと、set-admin-passwordスクリプトで定義したパスワードを指定します(第2.7.6項「レポータ・ソフトウェアのインストール」で定義)。準備ができたら、ログインをクリックします。図6-2に示すダイアログが表示されます。

    図6-2 初期設定ウィザード

    図6-2の説明が続きます。
    「図6-2 初期設定ウィザード」の説明

    ユーザーが初めてログオンすると、Webサーバーでサイトの証明書のIDを検証できなかったという警告が表示されます。セキュリティ・ポリシーに応じて、この証明書を永続的に受け入れるか、このセッション用に一時的に受け入れるか、あるいは証明書を拒否するかのいずれかを選択できます。認証局(CA)から証明書を購入することもできます。また、SSL証明書を作成することもできます。詳細は次のサイトを参照してください。

    http://httpd.apache.org/docs/2.2/ssl/ssl_faq.html#realcert
    
  3. 「次へ」をクリックして、構成を続行します。図6-3のダイアログが表示されます。

    図6-3 「メール設定」ダイアログ

    図6-3の説明が続きます。
    「図6-3 「メール設定」ダイアログ」の説明

  4. 表6-1で説明している要求された情報を指定します。

    表6-1 「電子メール設定」のフィールド

    フィールド 説明

    返信用アドレス

    失敗した電子メールまたは問題が発生した電子メールのレポート先となる電子メール・アドレスを指定します。このアドレスを定期的にチェックすることを強くお薦めします。

    送信元アドレス

    受信者のメール・クライアントに表示されるアドレスを指定します。

    返信先アドレス

    ユーザーが電子メール内でクリックして返信できるアドレスを指定します。これが指定されていない場合は、「送信元アドレス」設定が使用されます。

    メール・サイズ制限

    電子メールの最大許容メッセージ・サイズ(KB単位)を指定します。電子メールにこの制限を超えるレポートが含まれる場合は、この制限に対応するために、レポートが個別の電子メールに分割されます。個別に送信するには大きすぎるレポートは送信されず、ユーザーに問題が通知されます。デフォルトのメール・サイズ制限は5000KBです。

    レポータURL

    電子メールの受信者がレポータ・システムに接続するために必要となる詳細なURLを指定します。通常、このURLは、RUEIユーザーがレポータ・システムにアクセスするために使用するURLと同じです。


    電子メール情報は、内部ネットワークに対するRUEIのインタフェースを構成するために使用され、問題の報告にも使用されます。必要な情報を入力したら、「次へ」をクリックします。図6-4のダイアログが表示されます。

    図6-4 「設定の概要」ダイアログ

    図6-4の説明が続きます。
    「図6-4 「設定の概要」ダイアログ」の説明

  5. 「設定の概要」で、指定した情報が正しいことを確認します。「戻る」「次」を使用すると、必要に応じてダイアログ間を移動できます。準備ができたら、「次」をクリックします。図6-5のダイアログが表示されます。

    6-5 「設定を適用」ダイアログ

    図6-5の説明が続きます。
    「図6-5 「設定を適用」ダイアログ」の説明

  6. このダイアログは、指定した設定のシステムでの適用進捗状況を示します。通常、このプロセスには最大で15分かかります。終了したら、「終了」をクリックして、ダイアログを閉じます。

6.3 コレクタ・システムの構成

コレクタをレポータ・システムに登録するには、次のようにします。

  1. 必要なシステムにコレクタ・ソフトウェアをインストールします。これについては、第2章「RUEIソフトウェアのインストール」で説明しています。

  2. コレクタ・システムをレポータに登録します。この手順については、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照してください。

6.3.1 コレクタ・システムのリセット

何らかの理由で、以前に構成したものとは異なるレポータ・システムにコレクタ・システムを登録する必要がある場合、次のようにします。

  1. コレクタ・システムにmoniforceユーザーとしてログオンし、次のコマンドを発行して、コレクタの現在定義されているレポータ割当てを削除します。

    su - moniforce
    appsensor delete wg
    
  2. 『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で説明されている手順に従って、コレクタを必要なレポータに登録します。

6.4 インストール後の構成の実行

レポート作成を開始するために、RUEIでは監視対象のネットワーク環境に関する特定の情報が必要です。RUEIが広範囲のネットワーク環境内で機能するように設計されているということを理解することが重要です。したがって、構成の選択により、報告されるデータの精度や有用性に影響があります。この項で説明している設定を慎重に検討することを強くお薦めします。

6.4.1 Cookieテクノロジの指定

RUEI内では、セッション情報はCookieに基づいています。したがって、RUEIでは、組織内で使用されているCookieテクノロジが認識および理解されている必要があります。これを構成する手順は、サポートされているCookieテクノロジの構造とともに、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で説明されています。

Cookie情報がない場合、ユーザー・トラッキングは、ビジターのIPアドレスに基づいて行われます。これが原因で、セッション情報が信頼できないものになる可能性があります。たとえば、プロキシ・サーバーの後ろにいるユーザーの場合、そのネットワークから来るユーザーはすべて同じユーザーとして識別されます。

6.4.2 HTTPS SSLキーの追加/アップロード

SSLキーをシステムにアップロードすることは、HTTP通信の大部分がSSLセッションに基づいている場合、特に重要です。システムで使用可能なSSLキーがないと、コレクタは、そのSSLセッションの通信を復号化できません。これらの状況では、Cookie、ユーザーの識別およびアプリケーション・ページの構成をさらに進めても、ほとんど意味がありません。HTTPS SSLキーを、構成プロセスのできるだけ早い段階で、確実にアップロードしてアクティブ化します。SSLキーの管理は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で詳細に説明されています。

6.4.3 ユーザーの識別方法の指定

RUEI内でのユーザーIDは、最初はHTTP認可フィールドに基づいています。その後、ユーザーIDは、URL内で指定したGET/POST引数から導出されます。したがって、URL内で引数を使用する場合は、ユーザーIDに使用されるこれらの中のアイテムは、信頼できる結果が得られるように指定する必要があります。これについては、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で詳細に説明されています。

6.4.4 アプリケーションおよびページ識別の定義

RUEI内でのページ識別は、定義されたアプリケーションに基づいています。一般的に、アプリケーションはWebページの集合です。これは、Webサイト上のページが、通常は特定のアプリケーションにバインドされているためです。システムでは、検出されるページごとに、使用可能なアプリケーション定義を使用して、名前を割り当てます。これらの定義を使用して識別できなかったページの情報は廃棄されるため、レポートやデータ・ブラウザでは使用できないことに注意してください。これについては、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で詳細に説明されています。

スイート

汎用アプリケーション以外に、専用サポートは、特定のOracle Enterpriseアーキテクチャ(Oracle E-Businessスイート、Siebel、WebLogic Portalなど)の監視に使用できます。現在サポートされているアーキテクチャを監視対象の環境で使用している場合は、この機能を使用することを強くお薦めします。この機能を使用すると、アプリケーション定義にかかる時間が短縮され、スイート内のアプリケーションの互換性が高くなるのみでなく、これらのアーキテクチャが正しく監視されるようにもなります。

6.4.5 監視範囲の指定

RUEI内で、SYSTEMで監視するTCPポートを指定することで、通信監視の範囲を制御します。当然ながら、監視対象ではないポートの情報は得られません。また、監視対象を特定のサーバーやサブネットに限定できます。これについては、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で詳細に説明されています。

6.4.6 初期ユーザーの認可

ユーザーがRUEIで作業を開始できるようにするには、必要なユーザーを認可する必要があります。インストール後に使用可能なユーザーは、adminのみです。初期のadminユーザー・パスワードを設定する手順は、第2.7.6項「レポータ・ソフトウェアのインストール」で説明されています。必要なユーザーをすべて作成し、レポータGUIを使用して、必須のロールやアクセス権限を割り当てる必要があります。特に、セキュリティ関連の構成を完了するために、専用のSecurity Officerアカウントを作成することをお薦めします。ユーザー・ロールおよびユーザー・アカウントの作成および管理は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で説明しています。

ユーザー名とパスワードは、大文字と小文字が区別されます。エントリを容易にするために、パスワードに付加記号文字(ウムラウトなど)は含めないことをお薦めします。

6.5 構成の検証と評価

RUEIで収集および分析されるデータの質と量を保証するには、いくつかの基本的なメトリックを使用して、システムの構成を検証することを強くお薦めします。これらについては、この後の項で説明しています。

6.5.1 トラフィック・サマリーの表示

「システム」「ステータス」「データ処理」の順に選択して、監視されるネットワーク・トラフィックの概要を開くことができます。これにより、ヒット、ページ、セッション処理およびシステム・ロードに関する情報が即座に表示されます。例を図6-6に示します。

図6-6 データ処理ダイアログ

図6-6の説明が続きます。
「図6-6 データ処理ダイアログ」の説明

識別されたセッション、ページ・ビューおよびヒットの割合の正確な数字は、どれだけ正確に構成するかに大きく依存しています。すべての通信を測定する場合は、セッション、ページ・ビューおよびヒットの少なくとも80%が識別済として報告されることが推奨されます。報告されるデータの質と量を保証するために、報告される数値や割合を定期的に確認することもお薦めします。


重要:

Cookie、ユーザーIDおよびアプリケーション・ページ構造の初期構成後、システムで「セッション」/「ヒット」/「ページ」タブの緑の棒が更新されるまで、少なくとも5から10分かかります。初期構成後、20から30分たっても、どのタブにも緑の棒が表示されない場合は、RUEI初期構成を再確認してください。棒に何のアクティビティも示されていない場合は、第1.7項「サーバーの要件」で概説したシステムのネットワーク・カード構成を再確認してください。

6.5.2 データ収集の確認

この時点で、RUEIでは、関連付けられた各コレクタからデータが収集されます。これらのコレクタのステータスは、「システム」「ステータス」「コレクタ・ステータス」の順に選択すると、簡単に確認できます。これにより、「ネットワーク・データ・コレクタ」ウィンドウが開きます。これについては、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で詳細に説明されています。

コレクタ・システムによって収集されたデータは、さらに分析を進めるために、RUEIデータ処理モジュールに提供されることを理解する必要があります。データが収集されないと、データを処理できる手段がありません。

6.6 T3プロトコルのサポートの構成

RUEI 12.1.0.7には、T3プロトコルの限定的なサポートが組み込まれています。T3は、Oracle WebLogic Serverインスタンスへの通信およびOracle WebLogic Serverインスタンス間の通信用のOracle独自のプロトコルです。RUEIのこのリリースでは、Oracle WebLogic Serverインスタンス間のサービス・コールを監視できますが、RUEIの将来のリリースではT3のサポート内容が変更され、12.1.0.7構成の下位互換性がなくなる可能性があります。

T3プロトコルのサポートを構成する手順は、次のとおりです。

  1. RUEIでT3ポートを構成します。「構成」→「セキュリティ」を選択し、「プロトコル」オプションを選択します。表示される画面については、RUEIユーザーズ・ガイド「セキュリティ関連情報の管理」で説明されています。T3プロトコルの場合は「HTTP」、ST3プロトコルの場合は「HTTPS」を選択し、ポート番号(通常は7001)を入力します。

  2. RUEIユーザーズ・ガイド「スイートおよびWebサービスの使用」の説明に従って、タイプが「T3 Java RMI」のスイートを作成します。「T3 Java RMI」タイプは、手順1の説明に従ってT3プロトコル・ポートを構成した後で初めて使用可能になります。

  3. 必要に応じて、新しく定義したスイートを、T3トラフィックを監視するように変更します。T3プロトコルでは、コンテンツ・メッセージを使用したデータ・マスキングおよび識別はサポートされていません。