ヘッダーをスキップ
Oracle® Real User Experience Insightインストレーション・ガイド
12cリリース6 (12.1.0.7) for Linux x86-64
E61774-01
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

F 監視対象トラフィックの検証

この付録では、TCP診断機能を使用して、RUEIにより必要なすべてのネットワーク通信が監視されていることを検証する方法について説明します。RUEIをインストールし、構成した後、収集したネットワーク通信を組織内のネットワーク・エンジニアに検証してもらうことを強くお薦めします。

F.1 概要

TCP診断ユーティリティを使用すると、選択したコレクタによって監視されているネットワーク通信の1分間のスナップショットを作成できます。このスナップショットは、予想したトラフィック・フローに差があるかどうかを判断するのに役立ちます。たとえば、構成されていないポート番号や、正しく指定されていないVLAN IDがある可能性があります。

TCP通信は、ポート番号やVLAN IDはもとより、クライアントやサーバーのIPアドレスおよびMACアドレス全体にわたって分析できます。ネットワーク通信情報に関する各スナップショットの範囲は、図F-1のとおりです。

図F-1 ネットワーク・トポロジの例

図F-1の説明が続きます
「図F-1 ネットワーク・トポロジの例」の説明

F.2 トラフィック・スナップショットの作成

TCP通信のトラフィック・スナップショットを作成するには、次のようにします。

  1. 「構成」機能で、コレクタ・ステータスの表示アイコンをクリックします。または、「システム」「ステータス」「コレクタ・ステータス」の順に選択します。図F-2の「ネットワーク・データ・コレクタ」ウィンドウが開きます。これについては、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で詳細に説明されています。

    図F-2 ネットワーク・データ・コレクタ

    図F-2の説明が続きます
    「図F-2 ネットワーク・データ・コレクタ」の説明

  2. 必要なコレクタをクリックします。システム(localhost)項目は、レポータ・システムで実行中のコレクタ・インスタンスを指します。ネットワーク内の他のコレクタは、それぞれのIPアドレスで表されます。

  3. 「TCP診断」タブをクリックします。例F-0と同じようなパネルが表示されます。

  4. ツールバーの「新規スナップショット」アイコンをクリックします。図F-4に示すダイアログが表示されます。

    図F-4 「新規TCPトラフィック・スナップショット」ダイアログ

    図F-4の説明が続きます
    「図F-4 「新規TCPトラフィック・スナップショット」ダイアログ」の説明

  5. 「フィルタの適用」チェック・ボックスを使用して、選択したコレクタの監視対象である通信すべて、またはコレクタで現在定義されているフィルタに合う通信のみのいずれについてレポートするトラフィック・スナップショットを作成するかを指定します(詳細は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照)。フィルタは、ダイアログの下部に表示されます。フィルタは、ツールバーの「スナップショット・フィルタの表示」アイコンをクリックしても表示できます。準備ができたら、「スナップショットの作成」をクリックします。


    注意:

    RUEIインストール内の全コレクタ・システムにわたるトラフィック・スナップショットの最大数は15です。この最大数に達すると、一番古いスナップショットが新しく作成されたスナップショットに自動的に置き換えられます。

  6. スナップショットの作成中に、1分の遅れが生じます。完了すると、新たに作成されたスナップショットの概要が表示されます。例を図F-5に示します。

    図F-5 TCPトラフィック・スナップショットの概要

    図F-5の説明が続きます
    「図F-5 TCPトラフィック・スナップショットの概要」の説明

F.3 トラフィック情報の分析

作成したスナップショットを分析するには、次のようにします。

  1. スナップショット・メニューから必要なスナップショットを選択するか、「TCP診断」メイン・パネル(図F-3)からクリックします。フィルタを適用して作成したスナップショットは、フィルタ処理済列のチェック・マークで示されます。チェック・マークをクリックすると、適用されたフィルタを表示できます。

  2. 選択したスナップショットの概要(図F-5に示したものに類似)が表示されます。選択可能な項目をクリックすると、それに対してフィルタ処理が行われます。たとえば、報告される項目のリストは、特定のサーバーIPアドレスを含むものに制限されます。パネルのフィルタ・セクションでフィルタの横の削除アイコンをクリックすると、そのフィルタを削除できます。

    オプションで、スナップショット・メニューの右にあるソート・メニュー(図F-6)を使用して、表示項目に使用する第1列を選択します。

    図F-6 ソート・メニュー

    図F-6の説明が続きます
    「図F-6 ソート・メニュー」の説明

  3. 図F-5「ステータス」列は、スナップショットの期間に監視されたTCP通信に、起こり得る問題が存在するかどうかを示します。失敗のステータスが報告されている場合、そのステータス・アイコンをクリックすれば、追加情報を表示できます。起こり得る確認済の問題は、表F-1で説明されています。

    表F-1 問題および考えられる原因の識別

    ステータス 説明

    クライアント/サーバーのパケット率が高すぎる。

    サーバー・パケットに比べてクライアント・パケットの数が、異常に多いように思われます。これは、そのコレクタでは両方向の通信を監視できない(または、1方向の重複した通信を監視している)、またはサーバー関連の問題(たとえば、サーバーのスイッチが切れている)があることを示している可能性があります。

    サーバー/クライアントのパケット率が高すぎる。

    クライアント・パケットに比べてサーバー・パケットの数が、異常に多いように思われます。これは、そのコレクタでは両方向の通信を監視できない(または、1方向の重複した通信を監視している)、またはクライアント関連の問題(たとえば、受信未確認のサーバー・パケット)があることを示している可能性があります。

    分析に不十分なサーバーおよびクライアントのパケット数。

    信頼できるクライアント/サーバーの比率分析を実行するには、通信量(TCPパケット)が不十分でした。最低100パケットが必要です。これは、サーバーへの正常な通信レベルが低いためと考えられます。さもなければ、RUEIでネットワーク通信の一部を監視できないルーティングの問題を示している可能性があります。

    サーバーのVLAN IDがクライアントのVLAN IDと一致しない。

    これは、通常、ルーティングの問題を示します。たとえば、クライアントからサーバーへの通信が、あるVLAN経由で送信されているのに、サーバーからクライアントに戻る通信は別のVLANを経由して送信されています。RUEIでは、一度に1つのVLANセグメント上の通信しか監視できないことに注意してください。