Oracle® Enterprise Manager Cloud Control Oracle Fusion Middlewareマネージメント・ガイド リリース12.1.0.8 B66835-11 |
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この章ではOracle Enterprise Managerを使用してビジネス・アプリケーションのパフォーマンスを監視する方法について説明します。
ビジネス・アプリケーションは論理アプリケーションを表すEnterprise Managerのターゲットであり、ユーザーにとっては管理の単位を定義するものです。ビジネス・アプリケーションはRUEIアプリケーションとBTMトランザクションで構成されます。Enterprise Manager Consoleを使用することにより、ユーザーはビジネス・アプリケーションを表示してRUEIおよびBTMのパフォーマンス・データや、アプリケーションがサポートしているインフラストラクチャ(アプリケーション・サービスが実行されているホストおよびサーバー)に関する情報にアクセスします。
Enterprise Managerを使用してRUEIアプリケーションやBTMトランザクションを作成することはできません。その作業は、前の章で説明したスタンドアロン製品、RUEIおよびBTMを使用して行う必要があります。ビジネス・アプリケーションの監視を設定するためには、「エンドツーエンド監視の設定」に説明されている手順を完了する必要があります。また、第18.2項「前提条件および考慮事項」に記載されたタスクを完了している必要があります。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Enterprise Managerを使用してビジネス・アプリケーションを監視することにより、アプリケーションがそのピークで実行しているかどうか、エンド・ユーザーがそのパフォーマンスに満足しているかどうかを確認できます。
ビジネス・アプリケーションを使用すると、システム状態の問題にのみ焦点を当てる従来のIT中心アプローチよりもかなり多くの重要な利点が得られます。特に、ビジネス・アプリケーションにより次のことができるようになります。
エンドユーザーの操作に基づくビジネス・コンテキスト、測定およびアラートでアプリケーションを管理できます。
複数層複合アプリケーションで、カスタマイズ可能なダッシュボードに完全な可視性が提供されます。
ビジネス・サービス内ですべてのターゲットの関係を視覚化できます。
Oracle Enterprise Manager内には、2種類のターゲット(システムとサービス)があります。サービス・ターゲットは、システムで提供される機能やサポートされる機能を表します。ビジネス・アプリケーションはサービス・ターゲットです。そのため、ビジネス・アプリケーションを作成する場合、そのアプリケーションを、サービス機能を支えるインフラストラクチャを表すシステムと関連付ける必要があります。
物理(システム)リソースの集合で実装されるオーダー入力アプリケーションが含まれるビジネス・アプリケーションの例を考えてみましょう。アプリケーションは、WebLogicドメインにデプロイされ、メンバーが個々の管理対象サーバーであるシステム・ターゲットとしてモデル化されます。ビジネス・アプリケーションには、コンテナにデプロイされるトランザクションが含まれます。各コンテナはアプリケーション・サーバーで、おそらく単一のWebLogicドメイン内にあります。この場合、WebLogicドメインがシステム・ターゲットになります。(トランザクションの範囲が複数のドメインに及ぶ場合、Oracle Enterprise Manager内に複合アプリケーションを作成することをお薦めします。)
ビジネス・アプリケーションの可用性を判断するために、システム・ターゲット内のどの重要コンポーネントを監視するかを指定します。たとえば、トランザクションの場合、重要なコンポーネントは、トランザクションを構成するサービスが実行するサーバーになります。
システム監視では、監視対象アプリケーション・インフラストラクチャの動作に対する洞察を提供します。これは、ホストからアプリケーション・サーバーおよびデプロイされたJava EEアプリケーションまでのすべてのコンポーネントの状態に関するメトリックを収集してレポートを作成します。また、アプリケーション・サーバーとデータベースに関する徹底した診断ツールも提供されます。
ビジネス・アプリケーションの性質を示すために、エンド・ユーザーが、支払などのタスクを実行できる銀行取引アプリケーション(MyBank)にアクセスする状況を考えます。このビジネス・アプリケーションは、図18-1に示すインフラストラクチャから配信されます。
MyBankビジネス・アプリケーションのエンドユーザー操作がRUEIによって監視される一方で、キー・パフォーマンス・インジケータ(Key Performance Indicator: KPI)を使用して、アプリケーションの重要な側面(ログオン・ページの可用性やパフォーマンス、転送レスポンスやオンライン支払でのエラー数など)を監視します。
BTMは、ビジネス・アプリケーションの配信に使用されるアプリケーション環境内にデプロイされるサービスとトランザクションのパフォーマンスを監視します。これは、各トランザクションがアプリケーションの様々な層に進むにつれて、そのトランザクション実行を追跡することで行われます。根本原因の分析を実行して、ボトルネック、エラーおよび不完全なトランザクションのインスタンスを見つけることで補完されます。
プロアクティブなアプリケーション監視は、パフォーマンスと可用性の受入れ可能なレベルを設定するビジネス目標を定義することで実現されます。Oracle Enterprise Manager内では、これらのビジネス目標は、サービス・レベル合意(Service Level Agreement: SLA)と呼ばれ、特定のメトリックを測定するサービス・レベル目標値(Service Level Objective: SLO)で構成されます。
ビジネス・アプリケーションの操作や配信に関するこうした重要な各側面への洞察は、Oracle Enterprise Managerコンソールの多数の専用リージョンから得ることができます。
この項では、ビジネス・アプリケーション機能を使用するために満たす必要のある要件と、考慮する必要がある問題について説明します。ビジネス・アプリケーションの作成に進む前に、この情報を慎重に検討することを強くお薦めします。
重要: My Oracle SupportのWebサイトを参照して、サポートされているRUEIおよびBTM製品、パッチ、構成、既知の問題および回避策に関する最新情報を確認することをお薦めします。 |
この項の内容は次のとおりです。
RUEIを使用してビジネス・アプリケーションのパフォーマンスを監視するには、次の要件を満たしていることを確認する必要があります。
RUEIバージョン12.1.0.6(またはそれ以上)が、必要なアプリケーション、スイートおよびサービスを監視するようにインストールされて構成されていること。デプロイメント・オプションおよび要件については、『Oracle Real User Experience Insightインストレーション・ガイド』を参照してください。
Enterprise Manager for Oracle Fusion Middlewareプラグインは、Oracle Management Service(OMS)、およびビジネス・アプリケーション・ターゲットを監視する各Management Agentにデプロイする必要があります。
プラグインをOMSにデプロイするための詳細は、『Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の「Oracle Management Serviceへのプラグインのデプロイ」の章を参照してください。
http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/doc.121/e24473/plugin_mngr.htm#CJGCDHFG
プラグインを管理エージェントにデプロイするための詳細は、『Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』の「Oracle Management Agentでのプラグインのデプロイ」の章を参照してください。
http://docs.oracle.com/cd/E24628_01/doc.121/e24473/plugin_mngr.htm#CJGBIAGJ
レポータ・システムが、ポート443でHTTPS通信を介してOracle Enterprise Managerにアクセスできること。他のコンポーネント・ホスト・システム(Collector、Processing Engineおよびデータベース・サーバーなど)は、管理対象ターゲットにする予定がない場合は、Oracle Enterprise Managerにアクセスできるようにする必要はありません(第18.3項「RUEI/BTMシステムの登録」を参照)。
統計データの保持設定(違反カウンタなどの統計情報の可用性を制御)は、ビジネス・アプリケーションのレポート要件と矛盾のないよう構成されています。この手順については、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照してください。
セッション診断機能でセッション情報をエクスポートする場合、エクスポートするセッションが、フル・セッション・リプレイ(FSR)データ保持設定で指定された期間より前でないことを確認します。また、URL接頭辞マスキング設定を完全ロギングと指定する必要があります。詳細は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照してください。
RUEIインストールは、自己署名証明書を使用できます。これは、『Oracle Real User Experience Insightインストレーション・ガイド』に記載されています。ただし、Oracle Enterprise Managerは、信頼できる認証局(CA)で発行された、有効な共通名(CN)を含むSSL証明書しか受け入れません。そのため、Oracle Enterprise ManagerにRUEIインストールを登録できるようにするには、次の操作を行う必要があります。
注意: Oracle Enterprise Managerシステムにおけるすべての指示は、OMSおよびAgentを実行しているユーザーとして実行する必要があります。 |
証明書が有効であることを確認します。確認する方法の1つとして、ブラウザからHTTPSでOracle Real User Experience Insightシステムにアクセスし、証明書の詳細を表示します。証明書の日付の有効性を確認する必要があります。証明書の日付範囲にOracle Real User Experienceシステムが動作する期間が含まれない場合、その証明書を使用することはできません。
使用するOracle Enterprise Managerシステムに証明書をダウンロードします。多くのブラウザには、自己署名証明書のセキュリティ例外の作成時に証明書をファイルに保存するオプションがあります。ブラウザですでにセキュリティ例外を承認している場合、Mozilla Firefoxでは次の例で実行できます。
ホスト名の左にあるセキュリティ・アイコンをクリックする
「詳細」をクリックしてから「証明書の表示」をクリックする
「詳細」タブを選択し、「エクスポート」をクリックする
エクスポートするファイルは、Enterprise Managerを実行しているシステムにコピーする必要があります。次の例では、証明書を含むファイルを~/ruei.certに保存したと仮定します。
使用するOracle Enterprise Managerシステムに証明書をダウンロードするためのより直接的な方法は、システム上で実行できます。Oracle Enterprise Managerシステムで次のコマンドを発行します。
openssl s_client -showcerts -connect <RUEI_REPORTER_HOST
>:443 </dev/null \
| openssl x509 -inform PEM > ~/ruei.cert
キーストアに証明書を追加します。Oracle Enterprise Manager内では、RUEIシステムにSSLで通信する場合に2つのコンポーネントが使用されます。1つはRUEIのステータスのポーリング用、もう1つはRUEIとの通信用です。どちらのキーストアにも同じ証明書が含まれる必要があります。Oracle Enterprise Managerシステムで次のコマンドを発行します。
Agentの場合:
cd <agent instance home
>/bin ./emctl secure add_trust_cert_to_jks \ [-password <keystore password, default "welcome">] \ -trust_certs_loc ~/ruei.cert -alias <unique alias
>
OMSの場合
<path_to_Oracle_WT
>/jdk/bin/keytool -import \ -keystore <path_to_wlserver_10.3
>/server/lib/DemoTrust.jks \ -file ~/ruei.cert -alias <unique alias
> -storepass DemoTrustKeyStorePassPhrase
Oracle Enterprise Managerが新しい証明書で動作するには、OMSおよびAGENTのバウンスを実行します。次のコマンドを発行します。
<OMS oracle home
>/bin/emctl stop oms -all <OMS oracle home
>/bin/emctl start oms <AGENT oracle home
>/bin/emctl stop agent <AGENT oracle home
>/bin/emctl start agent
BTMを使用してビジネス・アプリケーションのパフォーマンスを監視するには、次の要件を満たしていることを確認する必要があります。
BTMバージョン12.1.0.6(またはそれ以上)が、インストールされて構成されていること。インストールと構成の手順は、Oracle Business Transaction Managementインストレーション・ガイドに記載されています。
中央のBTMサーバーがデプロイされるサーバーは、BTMシステムの管理対象サーバーがリスニングするポートでOracle Management Server(OMS)にアクセスできること。
ビジネス・アプリケーション機能を介して監視するビジネス・トランザクションが、BTMユーザー・インタフェースを使用して定義されていること。この手順については、ビジネス・トランザクション管理オンライン・ヘルプを参照してください。
RUEIで監視されるアプリケーションおよびサービス、またはBTMで監視されるトランザクションに基づいてビジネス・アプリケーションを作成する前に、まず、適切なRUEIまたはBTMシステムをOracle Enterprise Managerに登録する必要があります。
注意: 「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページにアクセスするには、スーパー管理者権限が必要です。 |
次の手順を実行します。
「設定」メニューから、ミドルウェア管理、「アプリケーション・パフォーマンス管理」の順に選択します。図18-2に示す「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページが表示されます。現時点で登録されているシステムがリストされます。
「追加」ドロップダウンから、「Real User Experience Insightシステム」または「ビジネス・トランザクション管理システム」を選択します。図18-3に示すようなページが表示されます。
注意: Oracle Fusion Middleware管理プラグインのリリース12.1.0.6では、複数のRUEIシステムを登録できます。Oracle Fusion Middleware管理プラグインの以前のリリースでは、2番目のRUEIシステムを登録する場合に、既存のターゲットを削除することを求めるプロンプトが表示されました。 |
RUEIまたはBTMシステムが、標準の場所で実行されるか、カスタムの場所で実行されるかを指定します。
レポータ・システムまたはBTMスフィアが置かれるホスト・システムを指定します。「ターゲットの選択」をクリックします。新しいウィンドウが開き、利用可能なシステムが表示されます。「ターゲット・タイプ」メニューを使用して、特定のターゲット・タイプを検索できます。
RUEIレポータまたはBTMスフィアとの通信に使用するポート番号を指定します(たとえば443)。
RUEIレポータまたはBTMスフィアとの通信にセキュアな接続を指定します。セキュアでない接続はテスト目的でのみ使用してください。
ユーザー名とパスワードの有効な組合せを指定します。RUEIシステムの場合、指定されるユーザーはOracle Enterprise Managerアクセス権限を有している必要があります。このユーザーに対するOracle SSO認証はサポートされていません。Enterprise Manager UIでのセッションのダウンロードおよび詳細の再生表示を許可するためには、セキュリティ管理者権限も推奨されます。このようにすれば、Enterprise Managerはこのデータを取得できます。さらに、追加の(エンドユーザーごとの) Enterprise Managerロールが、セッションのzipダウンロード・ボタンおよびコンテンツのダウンロード・ボタンに適用されます。
オプションで、RUEIまたはBTMのシステム名に追加する文字列を指定します。たとえば、"SanitySite"を指定した場合、システムの各コンポーネント名の接頭辞は"SanitySite_"で、"SanitySite_BTM_System"のようなシステム名を作成します。
カスタムの場所の場合、WSDL RUEIまたはBTM検出サービスの完全なURLを指定します。BTMシステムの場合、これは、次の形式である必要があります。
http://host:port/btmcentral/sphere/discoveryService/?wsdl
RUEIインスタンスの場合、これは、次の形式である必要があります。
http://host
:port
/ruei/service.php?endPoint=uxDiscoveryService&wsdl
システムのメトリック情報を収集するために使用される管理エージェントのURLを指定します。管理エージェントがOracle Enterprise Managerで管理される場合、「選択」をクリックしてURLを指定できます。
「接続テスト」をクリックして、RUEIまたはBTMシステムに対して有効な接続を確立できるかどうかを確認します。
「検出」をクリックします。選択されたシステムに関連付けられているコンポーネントの概要が表示されます。例を図18-4に示します。
RUEIシステムの場合、資格証明を入力して、「インシデント・アラートの資格証明の編集」というラベルの付いた画面のセクションで、RUEIからのインシデントの通信を有効にする必要があります。
EMリポジトリ接続情報についての接続情報を確認します。デフォルトでは、Enterprise Managerリポジトリの資格証明が適切なフィールドに入力されています。
注意: RUEIシステムは、Enterprise Managerリポジトリと通信するために、このセクションで指定されたポートに対するアクセス権を持っている必要があります。 |
Oracle EMリポジトリの資格証明の詳細を入力します。このセクションで、スーパー管理者のユーザー名(通常はsysman
)とパスワードを入力します。
注意: このセクションの「テスト」ボタンは、有効なユーザー名およびパスワードが入力されていることのみをテストします。ユーザーが必要な権限を持っているかどうかはテストしません。 |
Oracle RUEIウォレットの資格証明の値を入力します。パスワードを2回入力した後、後で必要になった場合に認識できるように、意味のある名前を指定して資格証明を保存します。デフォルト値には<
および>
文字が含まれているため、受け入れられないことに注意してください。
「ターゲットの追加」をクリックすると、システムの各コンポーネントがOracle Enterprise Manager内の管理対象ターゲットになります。この操作を行う場合、各システムが管理エージェントにアクセスできるようにする必要があることに注意してください。管理対象ターゲットに関する詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』で入手できます。前述の手順で指定した資格証明のいずれかを編集する必要がある場合、値を編集できる画面を表示するために、ターゲットを選択して、「構成」ボタンをクリックします。
次の手順では、1つ以上のOracle Enterprise ManagerインスタンスによってRUEIからのKPIを監視できるように、接続を設定する方法について説明します。このプロシージャは、次の状況で使用できます。
KPIの初期設定
Enterprise Managerホスト名の変更後
sysmanユーザーの資格証明の変更後
Enterprise ManagerデータベースのTNS設定の変更後
KPIの初期設定を使用した問題の修正
「設定」メニューから、ミドルウェア管理、「アプリケーション・パフォーマンス管理」の順に選択します。図18-5に示す「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページが表示されます。現時点で登録されているシステムがリストされます。
設定するRUEIシステムを選択して、「構成」をクリックします。「RUEI設定ページ」が表示されます。
「資格証明の編集」タブを選択し、「編集」をクリックします。図18-6に示されるRUEI設定ページが表示されます。適切なEMリポジトリ資格証明を入力します。RUEIウォレット・パスワード(通常RUEIリポジトリの設定時に指定されます)も入力する必要があります。
RUEIホストで、RUEIを構成してmkstoreユーティリティを使用します。
mkstoreユーティリティの場所を決定します。このユーティリティには、Oracle DatabaseおよびOracleクライアント・ランタイムが含まれています。どちらの場合も、$ORACLE_HOME/bin
にあります。
/etc/ruei.conf
ファイルを編集して、次の行を追加します。mkstore_locationは、前述の手順で決定したパスです。
export MKSTORE_BIN=mkstore_location
「システム」、「メンテナンス」、「システム・リセット」の順に選択して、RUEIを再起動します。「最新構成の再適用」オプションを選択し、「次」をクリックして、行った変更を適用します。
注意: この手順はRUEIリリース12.1.0.6に対して有効です。他のリリースは、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』の付録D「Enterprise Managerリポジトリへの接続の設定」を確認してください。 |
ビジネス・アプリケーションを作成するには、アプリケーションのベースとなるRUEI監視のアプリケーション、スイートおよびサービスと、BTM監視のトランザクションを指定する必要があります。ビジネス・アプリケーションにRUEIアプリケーションとBTMトランザクションの両方を含める必要はありません。
次の手順を実行します。
「ターゲット」メニューから「ビジネス・アプリケーション」を選択します。現在定義されているビジネス・アプリケーションが表示されます。図18-7に一部示されているページが表示されます。
「作成」をクリックします。図18-8のページが表示されます。
新しいビジネス・アプリケーションには一意の名前を指定します。名前の一部に、ビジネス・アプリケーションの目的および範囲を示す内容を含めることをお薦めします。デフォルト名に<
または>
文字が含まれている場合は、無効になるため受け入れないでください。ビジネス・アプリケーションの名前は後から変更できないため、注意してください。準備ができたら、「次へ」をクリックします。図18-9のページが表示されます。
「追加」をクリックします。ビジネス・アプリケーションのベースとなる、RUEI監視のアプリケーション、スイートおよびサービスを選択できる新しいウィンドウが開きます。「タイプ」メニューを使用して、リストを特定のタイプに制限できます。選択したRUEIシステムに関連付けられた、すべてのアプリケーション、スイートおよびサービスのリストから複数選択できます。準備ができたら、「次へ」をクリックします。図18-10のページが表示されます。
「追加」をクリックします。ビジネス・アプリケーションのベースとなる、BTM監視のトランザクションを選択できる新しいウィンドウが開きます。準備ができたら、「次へ」をクリックします。図18-11のページが表示されます。
「システムの選択」をクリックして、ビジネス・アプリケーションをホストするシステムを選択します。これは、ビジネス・アプリケーションが実行するインフラストラクチャを含むシステムにします。
「キー・コンポーネント」チェック・ボックスを使用して、ビジネス・アプリケーションの可用性の計算で使用するシステム・メンバーを選択します。ビジネス・アプリケーションの主要コンポーネントの、指定したすべてが稼働中である必要がある、または、少なくとも1つが稼働中である必要がある(デフォルト)、という2つのルールのいずれかを使用できます。次に、「次へ」をクリックします。図18-12のページが表示されます。
新しいビジネス・アプリケーションを作成する前に、そのプロパティを確認します。必要に応じて、「戻る」および「次へ」ボタンを使用して、そのプロパティを変更します。準備ができたら、「ビジネス・アプリケーションの作成」をクリックします。新規作成されたビジネス・アプリケーションが「ビジネス・アプリケーション」ページ(図18-7)に表示されます。
ビジネス・アプリケーションを作成したら、「ビジネス・アプリケーション」ホーム・ページを使用して、そのパフォーマンスと可用性、および各システム(ホスト、データベースおよびミドルウェア・コンポーネント)のステータスを監視できます。
RUEIコンポーネントおよびビジネス・トランザクションに関する詳細情報へのアクセスも、この「ビジネス・アプリケーション」ホーム・ページから可能です。
RUEIコンポーネントに関する詳細情報を取得するには、「ビジネス・アプリケーション」ドロップ・ダウン・メニューからRUEI関連のいずれかのビューを選択します。「RUEI監視オプション」を参照してください。
ビジネス・トランザクションに関する詳細情報を取得するには、「ビジネス・トランザクション」領域にリストされたトランザクションのいずれかを選択します。
ビジネス・アプリケーションの監視に関連するタイムアウトの問題がある場合、Enterprise Manager WebLogicの構成で、使用しているネットワーク構成に適した値(60秒など)に、APM_WEBSERVICE_CREATE_TIMEOUTシステム・プロパティを設定できます。
「ビジネス・アプリケーション」のホーム・ページを表示する手順は、次のとおりです。
「ターゲット」メニューから「ビジネス・アプリケーション」を選択します。現在定義されているビジネス・アプリケーションがリストされます。例を図18-7に示します。
既存のビジネス・アプリケーションの名前に加えて、このページにはステータス、システム、RUEIのメトリックおよびRUEI KPIに関するサマリー情報も表示されます。「表示」→「列」メニュー・オプションを使用して、表示する列を追加または削除します。
「システム」ペインにリストされている名前の1つをクリックすることにより、システム・ターゲットに関する情報を自由に表示することもできます。
表示したいビジネス・アプリケーションをクリックします。選択したビジネス・アプリケーションのホーム・ページが表示されます。例を図18-13に示します。
各リージョンでは、選択したビジネス・アプリケーションの様々な操作状況に関する特定の情報が表示されます。デフォルトでは、次のリージョンを使用できます。
一般: ビジネス・アプリケーションのステータスおよび可用性を示します。「可用性(%)」項目をクリックすると、選択した期間でステータスの履歴が表示されます。
システム・ステータス: 過去24時間のシステムの可用性を示します。最も影響を受けたメンバーが、可用性を決定するうえでの主要変数として、メンバーが定義されているかどうかという表示と一緒に、隣に表示されます。
インシデントと問題の概要: 選択したビジネス・アプリケーションの様々な側面に関連付けられた、未処理のクリティカル、警告およびエラー・アラートの数を示します。
ビジネス・トランザクション: ビジネス・アプリケーションに含まれるビジネス・トランザクションをリストします。この領域の使用法は、第18.8項「Enterprise ManagerでのBTMトランザクションの監視」に記載されています。
RUEI - キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI): ビジネス・アプリケーションのターゲットに関連付けられたKPIのステータスを示します。
サービス・テストのステータス: サービス・テストのステータスと履歴を示します。
SLAステータス: このビジネス・アプリケーションに定義されたサービス・レベル合意を示します。サービス・レベル合意の定義に関する詳細は、『Oracle® Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。
「ビジネス・アプリケーション」ホーム・ページから利用できる「ビジネス・アプリケーション」ドロップ・ダウン・メニューには、Real User Experience (RUEI)項目について3つのオプションがあります。
Real User Experience (RUEI)データ: この内容は「RUEI監視データ」で説明されています。
RUEIセッション診断: この内容は「セッション診断の操作」で説明されています。
RUEIメトリック: この内容は「RUEIメトリックの監視」で説明されています。
「ビジネス・アプリケーション」→「Real User Experience」メニューから「RUEIデータ」オプションを選択すると、4つのタブがある領域が表示されます。この項では各タブの内容について説明します。
「RUEI - キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)」タブには、ビジネス・アプリケーションの基となるRUEIアプリケーション、スイート、またはサービスの主要側面に関する情報が表示されます。たとえば、可用性、パフォーマンスおよびビジター・トラフィックなどのKPIがあります。例を図18-14に示します。
レポートのメトリック値の理解
KPIのメトリック値は、常に1分間隔で計算されます。つまり、メトリックの値はその1分間の平均値から導出されます。RUEIインスタンスの構成内のKPIの計算範囲では、メトリックのレポート値を計算するときに、1分間の平均をいくつ使用するかを指定します。デフォルトでは、計算範囲は1分です。ただし、期間を長くして極端な値が平均になるようにする場合は、計算範囲を長めに指定できます。たとえば、計算範囲を10分と指定すると、レポート対象の各1分間のメトリック値は、直前の10個の1分間の平均に基づいて計算されます。同様に、15分の計算範囲では、レポートされる値は、直前の15個の1分間の平均から導出されます。
自動ターゲットおよび固定ターゲット
KPIは、固定ターゲットの他に自動(または自動学習)ターゲットに基づきます。ビジターのトラフィックと使用パターンは1日の間に大きく変化する場合があるため、自動学習された最小および最大ターゲットは、過去30日間の同じ直近1分間に測定されたメトリック値をベースとした、直近1分間の移動平均として計算されます。たとえば、KPIメトリックが10:45AMに測定される場合、その比較対照となる平均は、過去30日間の10:45AMの測定に基づいて計算されます。最小および最大ターゲットは、これらの移動平均からの差異(小、中または大)を使用して定義できます。これとは対照的に、固定KPIターゲットはその性質上、最小と最大のどちらの場合も直線になります。これは、図18-15に示されています。
アラートの処理
KPIは、オプションで、定義された境界外を移動する場合にアラートを生成するようにRUEI内で構成できます。これが有効な場合、構成は、アラートの生成前にKPIを停止する必要がある期間、レポートされたインシデントの重大度、KPIがその定義境界に戻ったときに追加の通知を生成する必要があるかどうかを定義します。これらのアラートのレポート作成については、第18.7項「KPIおよびSLAアラートのレポート作成の監視」で説明します。
「使用状況データ」タブには、上位実行済ユーザー・リクエストおよび上位ユーザーに関する情報が表示されます。
上位実行済ユーザー・リクエストの表示を次の図に示します。このリージョンでは、最も頻度の高いユーザー・リクエストおよびアクション、ならびにそれらによるビジネス・アプリケーションへの影響を表示できます。これらのアクションは、特定のページ名、またはスイート固有のディメンション(Siebelの画面、モジュールおよびビュー名など)が該当します。
上位ユーザー・リージョンでは、ビジネス・アプリケーションに関連付けられたターゲットの最もアクティブなユーザーを監視できます。これには、セッションおよびページ・ビュー情報の他、ユーザーおよびアプリケーションの違反インジケータが含まれます。例を図18-17に示します。
このリージョンを使用して、ビジネス・アプリケーションに関連付けられる最も一般的なユーザー・リクエスト(ダウンロードや支払処理など)のパフォーマンスを検証します。
あるユーザーを選択するとRUEIセッション診断機能が開き、選択したユーザーに関する詳細情報が表示されます。詳細は、第18.6.2項「セッション診断の操作」を参照してください。
「違反データ」タブでは、関連付けられた違反件数の最も高いスイートやアプリケーションのページやサービス機能を検査できます。例を図18-18に示します。
アプリケーション違反カウンタでは、Webサイト、ネットワーク、サーバーおよびコンテンツのエラー数が報告され、ユーザー違反カウンタでは、コンテンツ通知およびクライアントによる中断の数が報告されます。コンテンツの通知は、ページ内で事前に定義された文字列(「Order processed successfully(注文は正常に処理されました)」など)の検出になりますが、クライアントによる中断は、ページのロード中にクライアントがブラウザを閉じたり、リロードをクリックしたり、あるいはクリックを行ったためにクライアントから中断されたページ表示になります。
スイート・インスタンスごとに、その関連付けられたスイートに固有の各データ項目(Oracle FusionビューIDなど)について、カウンタ総数も報告されます。これらの項目の詳細は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照してください。
カテゴリにリストされる項目(ページ名やスイートに固有のデータ項目など)の数は、「表示」メニューから制御できます。たとえば、最も違反が多い項目のみが5または10個リストされます。最小違反メニューでは、レポート作成の前にページに関して満たす必要がある違反インシデントのしきい値を指定できます。
違反レポート
ページまたはオブジェクトで複数のタイプのエラー(たとえば、ネットワーク・エラーとWebサービス・エラーの両方)が発生した場合、ページ・エラーまたはオブジェクト・エラーは複数回記録されません。かわりに、エラーは特定の順序(Webサイト、サーバー、ネットワーク、コンテンツの順)でレポートされます。たとえば、あるオブジェクトでWebサイト・エラーとネットワーク・エラーの両方が発生した場合、そのエラーはWebサイト・エラーとして記録されます。
アプリケーション違反カウンタは、Webサイト、ネットワーク、サーバーおよびコンテンツ・エラーの合計数をレポートします。ユーザー違反カウンタは、コンテンツ通知とクライアント中断の合計数をレポートします。これらのカウンタの使用例は、特定のアプリケーションの一般的な状態を追跡するダッシュボードの作成などです。これらのカウンタは、KPIメトリックとしても使用できます。
「ユーザー・フロー」タブには、現在のビジネス・アプリケーションと関連付けられたユーザーに関する情報が表示されます。このタブに表示されるデータの例を図18-19に示します。表示される情報には定義済ステップによるユーザーのロスのグラフィック表示、完了済ステップ数、および中断されたステップ数などがあります。
セッション診断機能によって、操作の問題の根本原因を分析できます。セッション・パフォーマンス・ブレークダウンがサポートされ、失敗したページやヒットがセッションに及ぼす影響、失敗した各ページの完全なコンテンツ、さらにオブジェクト、ページ・ビュー、セッションの関係などが表示されます。さらに、監視対象のWebサイトのビジターがいつどのようなエラー・メッセージを受け取ったかを正確に追跡することができます。この機能を使用してアプリケーションの失敗を再現することで、Webページで不備や問題のある箇所を特定し、除去できます。
この項ではセッション診断機能の使用法について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
必要な診断情報を検索する手順は、次のとおりです。
「ビジネス・アプリケーション」ホーム・ページで、「ビジネス・アプリケーション」ドロップダウンから「Real User Experience (RUEI)」、「RUEIセッション診断」の順に選択します。
「データの表示」メニューを使用して、必要な期間を選択します。セッション診断情報の可用性は、関連付けられたRUEIインスタンスに指定される統計およびセッション診断データ保持ポリシーの設定で決まることに注意してください。詳細は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照してください。
適切な検索基準を指定して、必要なユーザー・レコードを検索します。利用可能なデフォルトの検索基準は、RUEIインスタンスの構成(第18.6.2.2「セッション診断レポートのカスタマイズ」を参照)で制御されます。「フィールドの追加」をクリックすると、追加の検索基準を使用できます。ワイルドカード文字(*)の使用はサポートされますが、その他の検索文字はすべてリテラルとして処理されることに注意してください。また、検索に指定したすべての基準が一致しないと、一致したユーザー・レコードはレポートされません。
「フィールドの追加」をクリックして必要なディメンションを選択すれば、1つのディメンションに複数の値を指定できます。この場合、一致が行われるようにするには、指定した値の中で1つのみを検索する必要があります。
適切な検索フィルタを更新した後、「保存」をクリックして検索の組合せを保存できます。保存された検索を変更すると、「フィールドの追加」機能内で利用可能なフィールドが影響を受ける可能性があることに注意してください。また、利用可能なディメンションのあらかじめ定義されたリストは、ビジネス・アプリケーションの定義に基づきます。たとえば、ビジネス・アプリケーションがOracle Fusionスイートとして定義される場合、利用できるのはOracle Fusionに固有のディメンションのみです。
次に、「検索」をクリックします。検索結果が領域の下部に表示されます。例を図18-20に示します。
検索基準としてECIDを指定し、ECID値が疑似ヒットを参照する場合で、ページ・プロパティに関連するフィルタも指定している場合、疑似ヒットに関連付けられたページがないため、結果は表示されません。
表示されたリストで、表示したいユーザー・レコードをクリックします。図18-21のような情報が表示されます。
概要には、選択したユーザー・レコード内に記録されたページとアクションが表示されます。このアイコン上にマウスを置くとツールチップが表示されます。アイコンにより、処理が遅いオブジェクトや失敗したオブジェクト、ページ・ロード満足度、リプレイ・コンテンツの有無、JVM診断でクリックアウトを使用してアクティビティ情報が提供されるかどうかが示されます。(クリックアウト機能はOracleアイコンで示されます。)カメラ・リプレイでは、ヒットの全内容をポップアップ表示できます。オリジナルのHTMLの全詳細にアクセスできます。図18-28のアイテム1のアイコンは、問題をデバッグするための関連ログへのリンクを示します。
選択したユーザー・セッション内のページまたはオブジェクトをクリックして、そのページまたはオブジェクトに関する詳細技術情報を示すウィンドウを開くことができます。例を図18-22に示します。
リプレイ・コンテンツが利用できる場合、図18-21のようにアイコンがセッション・アクティビティ・リストに表示されます。アイコンをクリックするとポップ・アップが開き、記録されたリプレイ・コンテンツを表示できます。例を図18-23に示します。
画面の右上にある「リプレイ表示」リンクをクリックすると、RUEIサーバーにリダイレクトされ、そこでセッション・リプレイ・コンテンツのブラウザ・ビューを表示できます。RUEIサーバーへのログインが必要になる場合があります。
図18-20に示す、一致したユーザー・セッションのリストは、「表示」メニューで選択した期間に基づきます。たとえば、「過去1時間」の期間を選択した場合、一致するユーザー・セッションのリストは、その期間アクティブだったセッションに基づきます。ただし、この期間外ではセッションは開始または完了している可能性があります。このため、図18-21の下部のスライダーを使用して、表示されたページのビューやアクションをさらに指定した期間に制限できます。
オプションで、「Zipとしてエクスポート」をクリックしてセッションの完全なコンテンツを外部ユーティリティにエクスポートし、詳細な分析を行うか(第18.6.2.3項「フル・セッション情報のエクスポート」を参照)、「XLSとしてエクスポート」をクリックしてセッション内のページのサマリーをエクスポートします(第18.6.2.4項「Microsoft Excelへのセッション・ページのエクスポート」を参照)。
アプリケーション、スイートおよびサービスの「セッション診断」の「セッション・アクティビティ」部分で、レポートされる特定のディメンションを制御できます。これは次のように行います。
「設定」メニューから、ミドルウェア管理、「アプリケーション・パフォーマンス管理」の順に選択します。現在登録されているRUEIインスタンスは、図18-2に示す「アプリケーション・パフォーマンス管理」ページの「RUEIシステム」行に表示されます。
必要なRUEIシステムを選択します。「構成」をクリックします。図18-24に示す「ディメンション・リストの編集」ページが表示されます。
「アプリケーション・タイプ」メニューを使用して、汎用アプリケーション(スイートベースでないアプリケーション)、サービスまたはスイートのディメンション・リストを変更するかどうかを選択します。後者の場合はスイート・タイプを指定する必要があります。
「移動」と「削除」を使用して、リストする必要があるディメンションを選択します。選択すると、リストに表示される項目の順序を制御できます。次に、「保存」をクリックします。
セッション情報の表示だけでなく、完全なセッション・コンテンツを外部ユーティリティにエクスポートして、詳しい分析や他のデータとの統合を行うことができます。たとえば、完全なリアルユーザー・セッションをベースにして、テスト・スクリプト生成を行うことができます。Oracle Application Testing Suite(ATS)などのテスト・プラットフォームは簡単に構成でき、アプリケーションで最もよく発生する使用シナリオに対して自動テスト・スクリプトを生成できます。
また、この機能を使用して根本原因分析をサポートすることもできます。アプリケーションまたは運用のスペシャリストに完全なユーザー・セッション情報を提供することができ、珍しい問題や切り分けにくい問題を特定するために役立ちます。エクスポートされたデータの機密情報は、HTTPプロトコル項目のマスキング機能で定義される動作に応じてマスキングされます。これについては、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』で説明されています。
セッション情報をエクスポートするには:
必要なセッションを探して、Zipでエクスポートをクリックします。
ブラウザの構成方法によって異なりますが、zipファイルの保存場所の指定を求められるか、定義済のデフォルトの場所にセッションがすぐに保存されます。
重要
セッション・エクスポート・ファイルを正しく作成するためには、次のようにする必要があります。
第18.2項「前提条件および考慮事項」に記載のセッション情報のエクスポートの要件が満たされていることを確認します。
エクスポートされたRUEIセッションを外部ユーティリティにインポートする前に、エクスポートされたコンテンツ・ファイル(次の項を参照)が存在することを確認します。
エクスポート・データの構造について
エクスポートされるセッションのzipファイルには次のファイルが含まれます。
data.tab
: コレクタのログ・ファイルから抽出された、選択したセッションの直接(RAW)ヒット情報が含まれます。
page.tab
: 選択したセッションの直接(RAW)ページ情報がコレクタのログ・ファイルから抽出されます。
content_
hitno
.tab
: 指定されたヒットの完全な(RAW)コンテンツ情報が含まれます。data.tab
ファイル内のコンテンツを含む各ヒットに対して1つのファイルがあります。たとえば、3番目のヒットと6番目のヒットにコンテンツがある場合には、2つのファイルcontent_3.tab
とcontent_6.tab
が作成されます。
ヒット・ファイルで指定されたファイルの表示可能なバージョンは、content_viewer
ディレクトリでも使用できます。これは、チャンク化されたエンコーディングで転送されたデータをすぐに表示できることを意味します。data.tabファイルと同じ
hitnoがファイル・ネーミングに使用されます。
index.html
: 開発者およびRUEI外部のその他の関係者が、セッション診断機能内に表示されるセッション詳細を表示して分析でき、ソース、ページ、オブジェクトの詳細、および要素識別にアクセスできます。
注意: エクスポート・セッション・ファイルを作成する基礎として使用されるログ・ファイルも、RUEIによって内部で使用されます。これらのファイルの形式と内容は予告なしに変更される場合があります。 |
現在選択しているセッション内のページのサマリーをMicrosoft Excelにエクスポートできます。
必要なセッションを探して、「XLSとしてエクスポート」をクリックします。ブラウザの構成方法によって異なりますが、ファイルを直接開くツール(デフォルトはMicrosoft Excel)の指定を求められるか、定義済のデフォルトの場所にセッションがすぐに保存されます。
Microsoft Excelで、生成されたファイルを表示して編集できます。エクスポートされたページ表示履歴とセッション・サマリーを使用して、一連のリアルユーザー・セッションをまとめることができ、それをベースにしてテストやパフォーマンス分析を行うことができます。
行の作成および順序設定の制御
Microsoft Excelのエクスポートで表示される行は、現在指定されているRUEI構成に基づくことに注意してください。これについては、第18.6.2.2「セッション診断レポートのカスタマイズ」で説明します。
ビジネス・アプリケーション監視の一環として、「RUEIメトリック」ページにはユーザー選択可能なメトリックの一定期間内の有益な概要が表示されます。これらのメトリックは件数(ページ・ビュー件数など)か、集計値(中央ページ・ロード時間など)が可能です。
「RUEIメトリック」ページを表示するには、「Real User Experience (RUEI)」を選択し、「ビジネス・アプリケーション」ドロップ・ダウンから「RUEIメトリック」を選択します(図18-25を参照)。
このページにより、パフォーマンス・メトリックを選択し、関連付けられた平均および中央データをグラフィカルに表示します。
データの期間を設定でき、RUEIセッション診断ページのような検索フィルタによって戻されるデータの精度をさらに高めることができます。フィルタ設定は保存して後で使用できます。メトリックは、2つのタブ(「集計」は時間集計されたメトリックを示し、「インスタンス」は個別のイベントを示します)に表示されます。
集計
「集計」タブでは、選択可能なメトリックが階層ツリー・パレットに配置されます。リストには、構成済のビジネス・アプリケーションの種類に適切な項目セットが表示されます。このセットを展開してシステム・メトリックを含めることができます。たとえば、アプリケーションがWebLogic Serverに関連付けられている場合は、RUEIメトリックに加えてJVMメトリックが使用できるようになります。メトリック・パレットの例を図18-26に示します。
グラフ・ツールバーを使用して、個々のメトリック・グラフを1つのチャートに合成できます。また、リストされたグラフの一部では、1つのチャートに合成されたメトリック・パレットの異なる部分からのデータが表示されます。図18-27では、最上部のチャートは「中央値」ページのサーバー時間と「中央値」ページのネットワーク時間の両方のグラフを示しています。
インシデント・マネージャを使用すると、KPIイベントから「RUEIメトリック」ページに直接ナビゲートできます。この際に、「RUEIメトリック」ページにはKPIイベントのコンテキストに関連する時間およびフィルタ設定の情報が入力されます。したがって、問題のあるイベントの関連メトリックを検査したり、一定期間保留したり、元のKPIイベントに対応するフィルタより条件を緩めることがことができます。
「RUEIメトリック」ページからセッション診断機能への直接のリンクがあります。このリンクをクリックすると、検索プロパティと期間条件が再利用され、有効な基準に一致するセッションが検索されます。
注意: 長期間の条件に対して中央値を選択すると、パフォーマンスに影響する場合があります。 |
インスタンス
「インスタンス」タブには、設定した基準(たとえば、クライアント・ブラウザ = Chrome)を使用してフィルタ処置されたイベントが表示されます。基準としてECIDを指定し、ECID値が疑似ヒットを参照する場合は、疑似ヒットに関連付けられたページがないために、結果は表示されません。結果の各アイテムでは、次のことができます。
セッション・アクティビティ、タイミングおよびユーザー情報(使用可能な場合)の確認。対応する場合、より詳細に表示するためにアイテムを拡張および縮小できます(たとえば、セッション・アクティビティまたはページ属性に関連付けられた特定のURL)。
イベントに関するセッション情報の表示(「セッション診断の使用」を参照)。
図18-29に示す各アイテムのアイコン(番号1から5)の確認。
アイコン1は、ログ・ビューアへのリンクを示し、現在のアイテムに関連付けられたログを表示します。
アイコン2は、インスタンス診断リクエストへのリンクを示し、現在のアイテムのJVM診断を行います。
アイコン3は、満足度レベル(「十分」など)を表示するツールチップが表示され、ページ・ロードの満足度を示します。
アイコン4は、コンテンツ(利用可能な場合は元のhtmlなど)のリプレイへのリンクを示します。
アイコン5は、より詳細なセッション診断へのリンクを示します(「セッション診断の使用」を参照)。
表示されている一部のアイコンは、セッション診断のアイコンと同じです(図18-20「セッション診断の検索結果」を参照)。
この項では、RUEIアプリケーションとBTMトランザクションの両方で使用できるKPI関連の情報について説明します。
アプリケーション、スイート、サービス、およびビジネス・アプリケーションを構成するトランザクションのSLAに定義されたKPIによって生成されたアラートは、インシデント・マネージャでイベントとしてレポートされます。これらのイベントを表示するには、次のようにします。
「エンタープライズ」メニューから、「監視」、「インシデント・マネージャ」の順に選択します。
「インシデントのないイベント」事前定義済ビューを開きます。
イベントの詳細を表示するには、目的のイベントをクリックします。
イベントの詳細情報は、そのイベントがRUEI KPIまたはBTM SLAのどちらに基づいているかによって異なります。それぞれについては、以降の項で説明します。
また、ビジネス・アプリケーションのホーム・ページから「ビジネス・アプリケーション」メニューを使用して、「インシデントのないイベント」ビューにアクセスすることもできます。「監視」、「インシデント・マネージャ」、「インシデントのないイベント」の順に選択します。このオプションにより、選択したビジネス・アプリケーションのコンテキストでイベントが表示されます。
RUEIイベントの詳細
「インシデントのないイベント」ビューにアクセスすると、図18-29に示すようなイベント・リストが表示されます。
RUEIイベントをクリックすると、画面下部の「ガイドされた解決」リージョンにイベント詳細が表示されます(図18-30参照)。
KPI違反の期間と、KPIに対して設定されたフィルタのコンテキストでRUEIメトリックを選択し、「RUEIメトリック」ページまでドリルダウンします。「RUEIメトリック」ページにはKPI定義の基となっているメトリックも表示されます。
ビジネス・アプリケーションを構成するアプリケーション、スイートおよびサービスに定義されるKPIのステータスは、「RUEI - キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)」タブ(第18.6.1.1項「「RUEI - キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)」タブ」を参照)で報告されます。
このイベント詳細では、KPIに関連付けられたビジネス・アプリケーションの情報と、KPIのベースとなるメトリックの情報が提供されます。管理しやすいように、RUEI内のKPIはカテゴリにグループ化され、カテゴリは、関連するパフォーマンス・インジケータを含むようにカスタマイズできます。たとえば、ユーザー・フロー完了率、ビジターのトラフィック、Webサイトの可用性など、ビジネス関連の問題とIT関連の問題用に別々のカテゴリを定義できます。
重要: インシデント・マネージャでKPIアラートを表示するには、RUEIとOracle Enterprise Managerリポジトリとの間の接続を設定する必要があります。これを行う手順については、18.3.1項「RUEIとOracle Enterprise Managerリポジトリ間の接続の設定」で説明します。 |
BTMイベントの詳細
BTM SLAアラートに関する情報は、BTMの「アラート」タブおよびSLAコンプライアンスタブに表示されます。これらのアラートに対応するイベントは、インシデント・マネージャの「インシデントのないイベント」ビューにも表示されます。関連するイベントをクリックすると、図18-31に示すような情報が表示されます。
次の内容に関する情報が提供されます。
ターゲット: イベントが報告されたサービスまたはトランザクションを含むビジネス・アプリケーション。
レポートされたイベント: イベントが報告された日時。
最終更新: イベントの重大度が変わった場合、その変更日時を示します。
メッセージ: イベントと、イベントをトリガーした状況に関する詳細。
最終コメント: インシデント・マネージャの「コメント」リンクからイベントに手動で追加されたコメントを示します。何も追加されていない場合、元のメッセージが報告されます。
内部イベント名: しきい値違反した管理対象オブジェクト・タイプ(business_transaction
、service
またはservice_endpoint
)と元のSLAポリシー名の組合せ。
イベント・タイプ: BTM SLAアラートの場合、必ず「アプリケーション・パフォーマンス管理のKPIアラート」になります。
カテゴリ: BTM SLAアラートの場合、必ず「パフォーマンス」になります。
重要: BTMサービス・レベル合意のアラートがOracle Enterprise Managerでイベントとしてレポートされるためには、BTMとEMリポジトリ間の接続を設定する必要があります。この接続の構成方法の手順については、ビジネス・トランザクション管理インストレーション・ガイドを参照してください。 |
「ビジネス・アプリケーション」ホーム・ページ(図18-13)に表示される「ビジネス・トランザクション」リージョンには、選択したビジネス・アプリケーション内の各トランザクションの概要が示されます。例を図18-32に示します。
トランザクションごとに次の内容を示します。
トランザクションの現在のコンプライアンス・ステータス。
期間内に起動されたトランザクション・インスタンスの数。トランザクション・インスタンスは、プライマリ操作フローのインスタンスが開始すると開始します。
期間内に完了したトランザクション・インスタンスの数。開始と終了の両方のメッセージが観察されれば、条件アラートの発生に関係なく、インスタンスは完了したとみなされます。
トランザクションの完了にかかった平均時間。トランザクション・インスタンスごとに、インスタンスの開始メッセージが観察された時点から終了メッセージが観察された時点までの時間として計算されます。
トランザクションの完了にかかった最大時間。これは、期間内に観察されたすべてのトランザクション・インスタンスのうち最も長い単一レスポンス時間です。
トランザクションをクリックすると、その詳細を表示できます。これにより、トランザクションのホームページが開き、このページで次のリージョンを表示できます。
サマリー: トランザクションのコンプライアンス全体とコアのメトリックがグラフィカルに表示されます。例を図18-33に示します。
ビジネス・トランザクション集計フロー: 選択したトランザクションおよびそのステータスを構成する操作をグラフィックで表示します。例を図18-34に示します。
集計フロー・リージョンは、トランザクションの全体像を表示し、その全体像からの作業フローの把握に役立ちます。この全体像を使用して、パフォーマンスに関連する問題を特定して解決したり、ビジネス・プロセスで機能しないコンポーネントの原因を切り分けたりすることができます。検出で明らかになる依存性に基づき、トランザクション内で相互作用するサービスも明らかになります。通常は、操作または操作自体をつなぐリンクにカーソルを移動すると、追加情報を入手できます。これにより、ボトルネック、障害のあるコンポーネント、速度の遅いコンポーネント、異常に軽いまたは重いトラフィックを特定できます。
操作: トランザクションに関連付けられているすべての論理操作が示されます。例を図18-35に示します。
操作を拡張して、その対応するエンドポイントを表示できます。操作がレプリケートされた場合や、異なるエンドポイントがセキュアな通信またはセキュアではない通信に使用される場合、その操作には複数の対応するエンドポイントがある可能性があります。エンドポイントごとに、そのエンドポイントが存在するコンテナのホスト名とポートが、ステータスやパフォーマンスのデータとともに表示されます。「操作」または「ビジネス・トランザクション集計フロー」リージョンでエンドポイントを右クリックすると、物理操作に関連付けられたタブの表示を選択できます。操作タブを右クリックして表示されるコンテキスト・メニューには、「JVMD」ビューや「インスタンス診断リクエスト」ビューにアクセスするオプションも表示されます。
「JVM診断」ビューでは、指定の操作が実行する期間内で、実行中のJava仮想マシン(JVM)プロセスの詳細を表示できます。スレッドを実行するためのスタック・フレーム、スレッド状態に関する情報、メソッド実行の頻度やコストに関する集計情報、JavaおよびDBロックの保持に関する情報、Javaヒープのオブジェクトに関する詳細を確認できます。JVMDは、それが監視する各JVMの履歴データも保存するため、過去に発生した出来事に関連するデータを表示したり、履歴傾向の要点を取得したりすることができます。
「インスタンス診断リクエスト」ビューでは、WebLogicドメインでリクエストのパスをトレースしたり、リクエストの特定のインスタンスに関連するすべてのメトリックのレポートを作成したりすることができます。
これらのビューの詳細は、第17章「詳細実行情報の取得」を参照してください。
選択したトランザクションの詳細情報には、トランザクション・ホームページの右上の「BTMの起動」をクリックするとアクセスできます。これによって、ビジネス・トランザクション管理コンソールの新規ウィンドウが開き、選択したトランザクションの詳細情報が表示されます。このウィンドウを初めて開く場合は、有効なBTMユーザー名とパスワードを指定する必要があります。例を図18-36に示します。
以降の項では、指定のトランザクションに適用される際のタブの表示について説明します。物理操作でタブを確認すると同様の情報が表示されます。詳細は、Oracle Business Transaction Managementオンライン・ヘルプを参照してください。
「サマリー」タブでは、4つのペインと1つのグリッド・ビューを使用して、トランザクション・サマリー・ダッシュボードにパフォーマンス情報を表します。次の要素が含まれています。
トランザクションのコンプライアンス全体を示す「ステータス」ペイン。
開始したトランザクションと完了したトランザクションの数、平均レスポンス時間、最大レスポンス時間の詳細を示す測定とベースラインペイン。ベースラインがトランザクションに定義されている場合、これらはグレーの線で表示されます。
トランザクション・リンクごとに平均レスポンス時間の詳細を示すトランザクションのマップ。カーソルを各サービス・アイコンに置くと、そのサービスのパフォーマンスの詳細情報が取得されます。矢印の厚みはスループットを示します。
「遅延分析」ペイン。このペインとマップ・ペインを一緒に使用すると、トランザクションの各ホップ(リンク)で消費されるレスポンス時間全体の割合がグラフで表示されます。
グリッドの色付けされた各領域はトランザクション・リンクに対応します。色付けされたリージョン内をクリックすると、マップ内の対応するリンクがハイライト表示され、そのホップでの所要レスポンス時間の割合が表示されます。
このペインの下部のグラフには、平均レスポンス時間と最大レスポンス時間、および開始したトランザクションの数が表示されます。ペイン内をクリックすると、縦の赤線が表示され、色付けされた割合がメッセージ・トラフィック・フローにどのように対応しているかが示されます。
トランザクションを構成する論理および物理操作と、違反アラート、平均レスポンス時間、最大レスポンス時間、スループットおよびフォルトのそれぞれに関するインスツルメントを示すグリッド・ビュー。
「分析」タブには、選択したトランザクションの現在のパフォーマンスと使用情報が詳しく表示されます。この中には、表18-1で説明するペインが含まれます。
表18-1 「分析」タブ内のペイン
ペイン | 説明 |
---|---|
パフォーマンス |
開始したトランザクションと完了したトランザクション、条件アラート、平均レスポンス時間、最大レスポンス時間に関するデータを提供します。データは、グラフ形式やグリッド・ビューで表示されます。 |
条件 |
指定期間にトリガーされた条件アラートに関する情報(満たされた条件の名前、条件アラートがトリガーされたエンドポイント、トリガーされた条件アラートの数)を提供します。条件は、収集および表示される情報に定義されている必要があります。 |
コンシューマ使用状況 |
指定期間にコンシューマでセグメント化されたパフォーマンス情報(開始したトランザクションと完了したトランザクション、平均レスポンス時間、最大レスポンス時間)を表示します。収集および表示される情報に対してコンシューマが定義され、コンシューマ・セグメントが有効化されている必要があります。 |
クライアント・アドレスによるブレークダウン |
クライアントIPアドレスでセグメント化されたパフォーマンス情報(開始したトランザクションと完了したトランザクション、平均レスポンス時間、最大レスポンス時間)を表示します。クライアント・アドレスは、リクエストの送信元のマシンのホスト名です。表には、リクエストを送信したすべてのクライアント・アドレスと、各クライアント・アドレスに関連付けられたパフォーマンス測定の集計が表示されます。クライアントIPアドレスによるセグメント化は、収集および表示されるデータに対して有効化されている必要があります。 |
違反アラート |
サービス・レベル合意(SLA)の違反に関する情報を表示します。この表示により、警告アラートと障害アラートが区別されます。グラフには、違反アラートの集計測定が表示されます。グリッド・ビューには、SLAポリシーごとのアラートを示す詳細情報がリストされます。SLAは、収集および表示される情報に対して作成されている必要があります。 |
カスタム・チャート |
選択したインスツルメントで、「パフォーマンス」ペインのようなカスタマイズされたチャートや表を設定できます。インスツルメントの選択をクリックして、チャートや表に表示するインスツルメントを選択します。複数のインスツルメントを選択できます。トランザクションにカスタムのチャートや表を設定した場合、選択したどのトランザクションにもチャートや表を使用できます。 |
カスタム内訳 |
セグメント化された複数のインスツルメントのカスタム表を様々な方法で設定できます。インスツルメントの選択をクリックして、表に表示するインスツルメントを選択します。セグメントの選択をクリックして、測定をセグメント化する方法を選択します。複数のセグメントを選択できます。 |
「アラート」タブには、指定期間で発生するすべてのアラートに関する情報が表示されます。ビジネス・トランザクション管理では、次の種類のアラートが発行されます。
トランザクションに定義したパフォーマンスの標準からの偏差が生じた場合に発行されるサービス・レベル合意アラート。
条件が満たされた場合に発行される条件アラート。条件は、フォルト、特定のプロパティ値または失われたメッセージに対してテストできます。
監視インフラストラクチャの状態に関する情報を提供する場合に発行されるシステム・アラート。
グリッド・ビューには、各アラートの情報(発生時間、アラートの重大度を示すアイコン、アラートの発生元、測定されたインスツルメント、SLAアラートの場合は強制値)が表示されます。特定のアラートに関する詳細を取得するには、インスペクタ・アイコンをクリックしてインスペクタ・ウィンドウを開きます。
サービス・レベル合意アラートは、インシデント・マネージャのイベントとしても報告されます。これらのイベントへのアクセスの詳細は、第18.7「KPIおよびSLAアラート・レポートの監視」を参照してください。
「インスタンス」タブでは、取得したトランザクション・インスタンスを表示できます。
トランザクションは、通常、指定期間に何度か実行されます。トランザクション・インスタンスのロギングを有効にしているか、フォルト監視を有効にしている場合、ビジネス・トランザクション管理は、トランザクションに含まれるメッセージのフローを追跡し、これらを特定のトランザクション・インスタンスにマップします。これは、次の場合、トランザクション・インスタンスのメッセージをアセンブルします。
フォルトの結果アラートが生成される場合、または条件が満たされる場合。
アセンブリを明示的に要求する場合。
トランザクション・インスタンスをアセンブルすると、「インスタンス」タブを使用して、そのインスタンスのパフォーマンスの詳細情報にアクセスできます。「メッセージ・ログ」タブを使用して、特定のプロパティ値を含むメッセージを検索することもできます。
集計情報の表示
「インスタンス」タブでは、表のID列に、アセンブルされたインスタンス(ID値が割り当てられている)とアセンブルされていないインスタンス(列が空白)の両方がリストされます。各インスタンスの情報により、インスタンスの取得時間、トランザクション・インスタンス全体の応答時間、プロパティの値(プロパティを作成した場合)が示されます。
「インスタンスの表示」フィルタ処理制御では、指定期間に発生したインスタンスをリストしたり、アセンブルしたインスタンスのみを表示したりすることができます。
どのインスタンスをアセンブルするかは、目的によって異なります。たとえば、レスポンス時間が異常に遅いインスタンスをアセンブルする場合や、プロパティ値が予想外のインスタンスをアセンブルする場合などがあります。
大量のメッセージを取得している場合、「メッセージ・ログ」タブを使用し、プロパティ値に基づいて検索対象となるメッセージの量を減らしてから、インスタンスを1つ以上アセンブルできます。
アセンブルしたインスタンスの調査
インスタンスをアセンブルするには、インスタンスのインスペクタ(拡大鏡アイコン)をクリックします。これにより、トランザクション・インスタンス・インスペクタが開きます。これは次の3つに分かれています。
インスペクタの上部には、トランザクションの名前、アセンブルしたインスタンスの実行開始時間、そのID、メッセージ交換の数、交換したメッセージの総数、開始メッセージから終了メッセージまでのレスポンス時間が表示されます。警告またはフォルトも表示されます。
インスタンス・マップには、トランザクション・インスタンス全体と、リクエスト/レスポンス・リンクごとに指定されたレスポンス時間が表示されます。カーソルを操作名に移動すると、サービス・タイプ、エンドポイント名、ホスト名およびポートが表示されます。操作を右クリックすると、JVM診断を表示できます。
グリッド・ビューには、トランザクション・インスタンスに含まれる各メッセージの詳細が表示されます。プロパティ値が定義されている場合、ビューにはそのプロパティ値が含まれます。行を右クリックすると、JVM診断を表示できます。
操作の拡大鏡(切取り式制御)をクリックすると、メッセージ・コンテンツ・インスペクタ・ウィンドウが開き、該当操作に対してメッセージ・コンテンツのロギングを有効にしている場合、選択したメッセージのコンテンツが表示されます。
「メッセージ・ログ」タブを使用して、次の情報を表示できます。
インスタンスのロギングが有効な場合、指定期間でログが記録される各メッセージに関する情報と、メッセージに関連付けられたプロパティの値を表示できます。メッセージ・ログの検索ツールを使用して、関連するプロパティ値を含むメッセージを検索することもできます。
メッセージ・コンテンツのロギングが有効な場合、指定期間でログが記録される各メッセージに関する情報と、そのコンテンツを表示できます。この場合、プロパティ値に基づいてメッセージを検索する以外に、メッセージ要素のコンテンツに基づいて検索することもできます(自由テキスト検索)。
ビジネス・トランザクション管理は、次の操作を行った場合にのみ、メッセージ・コンテンツまたはインスタンスおよびプロパティ値のログを記録します。
トランザクションに対する監視の有効化。
トランザクション(インスタンスまたはメッセージ)に対する適切なタイプのロギングの有効化。
メッセージ・ロギングに対する1つ以上の操作の選択。
ログが記録された情報は、トランザクションの作成時に定義する記憶域設定に従って保存されます。
メッセージ・コンテンツの表示
「メッセージ・ログ」タブはグリッド・ビューを使用してメッセージのリストを表示します。リクエスト・メッセージの到着時間、選択した操作を含むサービス、サービスを実装するエンドポイントの場所、操作(メッセージ)および操作のタイプを表示します。操作にプロパティが関連付けられている場合、その値は、タイトルがプロパティ名になる追加列に表示されます。
メッセージ・コンテンツのロギングが有効な場合、メッセージをダブルクリックすると、メッセージのコンテンツが表示されます。グリッドに表示されるメッセージのセットは、タブの上部に表示されるフィルタの設定によって異なります。これらのメッセージによって次の内容を確認できます。
すべての操作、またはドロップダウン・リストから選択された特定の操作。
すべてのレスポンス、成功した操作のみ、障害のみ。
最後に指定された期間で示される時間間隔内、特定の時間以降、または特定の時間と時間の間に到着したメッセージ。
これらの制御を使用して、グリッドに表示されるメッセージの選択を絞り込むことができます。フィルタ設定を変更したら、「検索」を再度クリックしてグリッドに再移入します。検索をさらに制限するには、コンテンツの選択...リンクからアクセスするメッセージ検索ツールを使用します。これにより、プロパティ値やメッセージ・コンテンツに基づいて(メッセージ・コンテンツが有効な場合)メッセージを検索できます。このツールについては、次の項で説明します。
メッセージの検索
現在のトランザクションに属するメッセージを検索するには、「メッセージ・ログ」タブからコンテンツの選択...リンクをクリックします。これにより、検索基準の指定に使用する3つの領域(メッセージ・プロパティ検索領域、ECID領域、自由テキスト検索領域)を含むダイアログが表示されます。これらの領域の制御を使用して、プロパティ値、ECID値およびテキスト・コンテンツ(あるいはこのいずれか)に基づいてメッセージのセットを検索します。プロパティ、ECIDおよび自由テキストの値を入力すると、ダイアログの上部のテキスト・ボックスに検索式が構築されます。テキスト・ボックスをクリアして開始するには、「クリア」を押します。
Oracle問合せ言語を使用して問合せを構築する方法の詳細は、次の場所で入手できます。
http://download.oracle.com/docs/cd/B28359_01/text.111/b28304/cqoper.htm#BABBJGFJ
検索で使用される式を定義したら、「OK」をクリックします。次に、「検索」をクリックして、新たに定義された検索基準に従いグリッドに再移入します。特定のECIDでメッセージを検索するメッセージ・ログ検索ツールの詳細は、ビジネス・トランザクション管理オンライン・ヘルプを参照してください。
SLAコンプライアンスタブには、選択したトランザクションに対するサービス・レベル合意(SLA)のコンプライアンスの現在の状態が表示されます。これらは、トランザクションの作成時に指定されます。このような合意を使用して、ビジネス・アプリケーションのパフォーマンスの標準を設定します。その後、これらの標準からの偏差を監視できます。条件アラートとSLAアラートをどちらも表示するには、「アラート」タブを使用します。SLAコンプライアンスタブには、次のサブタブがあります。
しきい値コンプライアンスサブタブでは、選択したトランザクションのリアルタイムの監視が行われます。これはグリッド・ビューを使用します。各行は、1つのパフォーマンス目標を表します。列には、目標を特定して定義する各種統計情報が表示されます。また、次の動的列がリアルタイムの監視値で表示されます。
「現在のステータス」列には3つの値があります。緑の円は、トランザクションがSLAコンプライアンス内にあることを示し、黄色の三角形は、トランザクションの警告しきい値が現在違反していることを示し、赤いひし形は、目標に対する失敗のしきい値が現在違反していることを示します。
「値」列には、目標がベースとするインスツルメントの現在の値が表示されます。値の横の拡大鏡をクリックすると、インスツルメントの最新履歴を示すチャートがポップアップ表示されます。
「ベースライン」サブタブには、参照ポイントとして使用できるトランザクションの履歴ベースライン値が表示されます。選択したオブジェクトのベースラインが定義されている場合のみデータが表示されます。
「ポリシー」タブを使用して、トランザクションに関連付けられたポリシーに関する情報を表示します。タブには、適用されるポリシーに関する情報がデフォルトで表示されます。フィルタ制御を使用して、変更されたポリシー、無効になったポリシー、保留中のポリシー、拒否されたポリシーおよび適用されなかったポリシーを表示することができます。適用されたポリシーの名前は、ツリー・ビューの「名前」列に表示されます。ポリシー・ノードを展開すると、次の情報が表示されます。
ポリシー・ステータス詳細は、ポリシーの適用で生じる問題をリストします。
監視対象オブジェクト・タイプは、ポリシーの適用先ターゲットを指定します。
「場所」は、ターゲット・エンドポイントのアドレスを指定します。
管理の仲介は、ポリシーを適用するビジネス・トランザクション管理エージェントを指定します。
「ポリシー」タブのポリシー名をダブルクリックすると、選択したポリシーのアラート、プロファイルおよびターゲット情報の表示に使用できる新しいウィンドウが開きます。
トランザクションを定義する場合、1つ以上の条件をトランザクションに関連付けることができます。条件は、ビジネス・トランザクション管理がトランザクションの各インスタンスと照らし合せて評価する式です。条件は、フォルト、特定のプロパティ値または失われたメッセージに対してテストできます。「条件」タブを使用して、トランザクションに定義された条件を表示します。このタブでは、次の操作を行うことができます。
フォルト監視のステータス(有効または無効)を表示します。
条件の定義とステータスを表示します。
「アラート」タブを使用して、いずれかの条件が違反しているかどうかを確認します。フォルト監視ステータスや条件の定義は、Enterprise Managementコンソールから変更できません。
プロパティは、操作のリクエストやレスポンス・フェーズに関連付けられる値を保持する変数です。プロパティは、検索の簡素化、メッセージ・コンテンツのログを記録しないメッセージ要素の表面化、条件の定義、およびコンシューマのセグメント化の有効化に共通して使用されます。「プロパティ」タブを使用して、トランザクションに含まれるメッセージに定義されたすべてのプロパティのリストを表示します。このタブには、プロパティのリスト以外に、次の内容に関する情報が表示されます。
プロパティが定義されるサービスと操作。
操作のフェーズ(リクエストとレスポンス)。
プロパティ値のデータ型。
値の大文字/小文字の区別。
コンシューマにマップされるかどうか(左側の人型アイコンで示される)、コンシューマにマップされるどの属性が関連付けられるか。
プロパティを作成したときに値を指定した場合の説明。
プロパティ値は、Enterprise Managementコンソールから変更できません。