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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control Oracle Fusion Middlewareマネージメント・ガイド
リリース12.1.0.8
B66835-11
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29 Oracle Identity Managementスタート・ガイド

ビジネスでOracle Identity and Access Management Suiteに依存してそのミッションクリティカル・アプリケーション(パッケージ・アプリケーションとカスタム構築Webアプリケーションの両方)へのアクセスを制御し、その組織間でリソースをプロビジョニングする機会がますます増えるにつれて、Oracle Identity Managementシステムの予測可能なパフォーマンスと可用性を実現する必要性は、多くのビジネスにとって最優先になっています。たとえば、アクセス・サービスやアイデンティティ・サービスが停止したり、パフォーマンスが遅れる場合、エンドユーザーがミッションクリティカル・アプリケーションにログインできないため、ビジネスの収支に悪影響を与えることがあります。

Oracle Identity Managementシステムの価値を最大限に生かし、最高の所有体験を提供しながらシステム管理コストを抑えるために、Oracle Management Pack Plus for Identity Management(Identity Management Pack)が用意されています。これは、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの高度な管理機能を活用して、Oracle Identity Management環境に統合されたトップダウン・ソリューションを提供します。

Oracle Identity Managementについてのビデオを見るには、「ここ」をクリックしてください。

29.1 Identity Management Packを使用する利点

Identity Management Packを使用する利点は次のとおりです。

  • テスト、ステージングおよび本番環境などの複数のOracle Identity Managementデプロイメントを1つのコンソールから効率的に管理する集中システム管理ソリューションの使用

  • パフォーマンスの速度低下や機能停止を発生させる可能性のある問題の根本的な原因を突き止めるために、重要なすべてのIdentity Managementコンポーネントの各種パフォーマンス・メトリックの監視が可能

  • 構成管理の自動化による問題の早期解決

  • 合成Webトランザクション(またはサービス・テスト)の記録による、Identity Management Serviceの可用性の監視とエンド・ユーザーのレスポンス時間の分析

  • 即時利用可能なシステムレベルのメトリックおよびエンドユーザー体験メトリックの観点からのサービス・レベル目標値(SLO)の定義による、サービス・レベル合意(SLA)コンプライアンスの正確な監視とレポート作成

29.2 Identity Management Packの機能

Identity Management Packの機能は次のとおりです。

  • Oracle Identity Managementのエンタープライズ全体のビュー

    • 「Identity and Accessダッシュボード」では、すべてのOracle Identity Managementコンポーネント(Identity Management 10gおよびIdentity Management 11gコンポーネントなど)の集中管理ビューが提供されます。

    • 「Identity and Accessダッシュボード」から、ユーザーは、基本の依存関係に基づいて、関連付けられたシステムやサービスのパフォーマンス・サマリーを表示したり、Identity Management環境の状態全体を監視したりすることができます。

  • パフォーマンス管理

    • パフォーマンスの速度低下、レスポンス時間の延長、または停止の発生を生じる可能性のある問題の根本的な原因を突き止めるための即時利用可能な各種パフォーマンス・メトリック

    • パフォーマンス・グラフのドラッグ・アンド・ドロップが可能な「メトリック・パレット」を使用してパフォーマンス・サマリーのカスタマイズが可能

  • 構成管理

    • 主要な構成管理タスクを実行します。例として、診断および規制に関する目的での構成変更の継続的な追跡、構成を格納するスナップショットの作成、同じ環境または異なる環境内で構成の一貫性を保持するためのコンポーネント構成の比較などがあります。

29.2.1 このリリースの新機能

Identify Management Packの新機能は次のとおりです。

  • 問題の分析

    問題の分析はIDMターゲットで使用できます。詳細は、第32章「問題の調査および分析」を参照してください。

  • パフォーマンス・ページ

    このページには、Oracle Access Manager (OAM) Enterprise Managerターゲットに対応するデータベースのパフォーマンスが表示されます。このデータを使用して、OAM管理者はパフォーマンスのボトルネックの原因となる問題を識別できます。

  • 比較テンプレートの構成

    テンプレートを使用すると、差異を無視するフラグを設定して、一般的に比較における誤検出となるプロパティを削除できます。たとえば、ホストを比較する場合に、ホスト名が異なることはわかっているため、名前プロパティ値の差異を無視するよう指定できます。

  • パフォーマンス管理

    • Oracle Internet Directory、Oracle Access ManagerおよびOracle Identity Managerの即時使用可能レポート

    • OIMに固有の表およびユーザーのコンテキストで、基本のOracle Identity Managerデータベースのパフォーマンスを分析するOracle Identity Managerのデータベース・パフォーマンス・ページ。注意: データベース・パフォーマンス・ページですべての機能を利用するには、データベース・ターゲットを検出する必要があります。

  • 構成管理

    顧客がコンプライアンスとレポート作成要件を満たす際に役立つOracle Identity Managerのコンプライアンスの監視および変更の検出の自動化を利用できるようになりました。

    Oracle Identity Manager Clusterターゲットとのコンプライアンス標準のアソシエーションを有効にします。次の手順を実行します。

    1. Oracle Identity Managerクラスタ・ターゲットをクリックします。「ターゲット」メニューで、「コンプライアンス」「標準アソシエーション」の順に選択します。

    2. 「アソシエーション設定の編集」をクリックします。「追加」をクリックして、「Oracle Identity Managerクラスタ構成のコンプライアンス」を選択します。

    3. 「OK」をクリックし、再度「OK」をクリックすると、新しいアソシエーション設定が有効になります。

  • 監視サポート

    Oracle Access Management Suiteの一部として、Oracle Mobile and Social, Identity Federationへの監視サポートが追加されました。これには、優れたMobile and SocialメトリックのコレクションとともにMobile and Socialサービスの稼働中/停止ステータスが含まれています。

29.3 Enterprise ManagerでのOracle Identity Managementコンポーネントの監視

Enterprise Managerを使用して次のIdentity Management 11gコンポーネント(表29-1)を監視できます。

表29-1 Identity Management 11gターゲットのライセンスのあるターゲット

Enterprise Managerターゲット・タイプ 説明

Oracle Adaptive Access Manager

Oracle Access Manager

Oracleディレクトリ統合プラットフォーム

Oracle Identity Federation

Oracle Identity Manager

Oracle Internet Directory

Oracle Virtual Directory

各コンポーネントは、ターゲットの概要、カスタマイズ可能なパフォーマンス・サマリー、プロセス制御、構成管理、コンプライアンス分析および情報パブリッシャ・レポートにアクセスできるインタフェースを提供するEnterprise Managerのターゲットとして表示されます。

同じWebLogicドメイン内にデプロイされるすべてのOracle Adaptive Access Manager、Oracle Access ManagerおよびOracle Identity Managerの場合、クラスタ・ターゲットはコンポーネントごとに作成されます。

  • Oracle Adaptive Access Managerクラスタ

  • Oracle Access Managerクラスタ

  • Oracle Identity Managerクラスタ

各クラスタ・ターゲットは、一単位として管理される、論理的に関連したコンポーネントのグループです。

すべてのターゲットは、WebLogicドメインの一部になります。

Oracle Directory Server Enterprise Edition

次のタイプのターゲットは、Oracle Directory Server Enterprise Editionデプロイメントごとに作成されます。

  • Oracle Directory Server Enterprise Edition Server

    ターゲットは、LDAPサービスとすべての内部リソースを表します。

  • Directory Serverグループ

    Oracle Directory Server Enterprise Edition Serverのユーザー論理グループ

  • Directory Server Enterprise

    Directory Serverグループなどのサービスに参加する、ネットワークで接続される一連のOracle Directory Server Enterprise Edition Server。

各ターゲットでは、ターゲットの概要、カスタマイズ可能なパフォーマンス・サマリー、プロセス制御および構成管理にアクセスできるEnterprise Managerのインタフェースを提供します。


次のIdentity Management 10gコンポーネントはEnterprise Manager(表29-2)で監視できます。

表29-2 Identity Management 10gターゲットのライセンスのあるターゲット

Enterprise Managerターゲット・タイプ 説明

Oracle Delegated Administration Server

Oracleディレクトリ統合プラットフォーム

Oracle Internet Directory

Oracle Single Sign-On

各コンポーネントは、ターゲットの概要やパフォーマンス・サマリーにアクセスできるインタフェースを提供するEnterprise Managerのターゲットとして表示されます。

Oracle Access Manager - Access Server

Oracle Access Manager - Identity Server

Oracle Identity Federation

各コンポーネントは、ターゲットの概要やパフォーマンス・サマリーにアクセスできるインタフェースを提供するEnterprise Managerのターゲットとして表示されます。

システム・ターゲットはコンポーネントごとに作成され、コンポーネントのエンドツーエンド・システム指向ビューを提供します。

  • Access Manager - Access System

  • Access Manager - Identity System

  • Identity Federation System

基礎となるLDAPサーバー、データベース・インスタンスおよびホストは、システム内で監視されます。

Oracle Identity Manager

次のタイプのターゲットは、Oracle Identity Managerごとに作成されます。

  • Identity Manager Server

    ターゲットは、Oracle Identity Managerのサーバー層を表します。

  • Identity Manager Repository

    ターゲットは、Oracle Identity Managerのデータおよびエンタープライズの統合層を表します。

システム・ターゲットはOracle Identity Managerごとに作成され、コンポーネントのエンドツーエンド・システム指向ビューを提供します。

  • Identity Manager System

基礎となるLDAPサーバー、データベース・インスタンスおよびホストは、システム内で監視されます。


リリース10gおよびリリース11gの両方に関連付けられるIdentity Management Packの監視対象ターゲットを表29-3にまとめています。

表29-3 Identity Management 10gターゲットおよびIdentity Management 11gターゲットの両方に関連付けられるターゲット

Enterprise Managerターゲット・タイプ 説明

汎用サービス

Management Pack Plus for Identity Managementを使用すると、ユーザーは監視対象Identity Managementシステム(Access Manager - Access System、Access Manager - Identity System、Identity Federation System、Identity Manager SystemおよびIdentity and Access System)に関連付けられる汎用サービス・タイプのターゲットを作成できます。汎用サービス・ターゲットでは、パフォーマンスおよび使用量メトリック、サービス・テスト、サービス・レベル・ルール、サービス可用性の定義、アラート、チャートおよびトポロジ・ビューにアクセスできる、監視対象Oracle Identity Managementターゲットのエンドツーエンド・サービス指向ビューを提供します。

ホスト

メトリック、アラート、パフォーマンス・チャート、リモート・ファイル・エディタ、ログ・ファイル・アラート、ユーザー定義メトリック、ホスト・コマンドおよびカスタマイズ・レポートへのアクセスを提供するOracle Identity Managementコンポーネントを実行するホストの表現。

Oracle Database

メトリック、アラート、パフォーマンス・チャート、コンプライアンス・サマリーおよび構成管理へのアクセスを提供するOracle Identity Managementコンポーネントで使用されるOracle Databaseの表現。

Oracle Identity and Access System

検出されるOracle Identity Managementターゲット(Identity Management 10gターゲットおよびIdentity Management 11gターゲットの両方を含む)と、基本ホストおよびデータベースによって、監視対象Identity Management環境のエンドツーエンド・システム指向ビューを提供する主要コンポーネントとしてモデル化が可能なシステム・ターゲット。Identity and Access Systemターゲットでは、メンバー・ステータス、メトリック、チャート、インシデントおよびトポロジ・ビューへのアクセスを提供します。

Oracle SOA Suite

SOAインフラストラクチャ・インスタンスとそのサービス・エンジンのメトリック、アラート、パフォーマンス・チャートおよび構成管理へのアクセスを提供するOracle Identity Manager 11gで使用されるOracle SOA Suiteの表現。