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Oracle Solaris 管理: ネットワークインタフェースとネットワーク仮想化 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
この Oracle Solaris リリースでのネットワーク構成
7. プロファイルでのデータリンクおよびインタフェース構成コマンドの使用
10. Oracle Solaris 上での無線インタフェース通信の構成
各 TLV ユニットにはプロパティーがあり、これらのプロパティーは特定の値を使用してさらに構成できます。その TLV ユニットが LLDP エージェントのプロパティーとして有効になると、その TLV ユニットは、指定された値のみを使用してネットワーク内で通知されます。たとえば、システムの機能を通知する TLV 値 syscapab を考えてみます。これらの機能には、ルーター、ブリッジ、リピータ、電話などのデバイスに対するサポートが含まれる可能性があります。ただし、ルーターやブリッジなどの、特定のシステム内で実際にサポートされている機能のみが通知されるように syscapab を設定できます。
TLV を管理するための手順は、グローバルな TLV またはエージェントごとの TLV のどちらを構成しているかによって異なります。
グローバルな TLV は、システム上のすべての LLDP エージェントに適用されます。次の表は、グローバルな TLV 値とそれに対応する、取り得る構成を示しています。
表 16-2 グローバルな TLV とそのプロパティー
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グローバルな値を取ることのできない TLV ユニットは、LLDP エージェントのレベルで管理されます。エージェントごとの TLV ユニットでは、指定した値は、特定の LLDP エージェントがその TLV ユニットの転送を有効にしたときに使用されます。
次の表は、LLDP エージェントの TLV 値とそれに対応する、取り得る構成を示しています。
表 16-3 エージェントごとの TLV ユニットとそのプロパティー
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次の手順は、グローバルな TLV 値を定義する方法を示しています。エージェントごとの TLV ユニットを定義する方法については、「データセンターブリッジング」を参照してください。
この手順は、特定の TLV ユニットにグローバルな値を指定する方法を示しています。グローバルな TLV 値を設定するには、llpadm set-tlvprop サブコマンドを使用します。
参考のため、表 16-2 を参照してください。
# lldpadm set-tlvprop -p tlv-property=value[,value,value,...] tlv
# lldpadm show-tlvprop
例 16-3 システムの機能と管理 IP アドレスの指定
この例では、次の 2 つの目的を達成します。
LLDP パケットで通知されるシステムの機能に関する特定の情報を指定します。この目的を達成するには、syscapab TLV ユニットの supported プロパティーと enabled プロパティーの両方を構成する必要があります。
通知で使用される管理 IP アドレスを指定します。
# llpdadm set-tlvprop -p supported=bridge,router,repeater syscapab # llpdadm set-tlvprop -p enabled=router syscapab # llpdadm set-tlvprop -p ipaddr=192.168.1.2 mgmtaddr # llpdadm show-tlvprop TLVNAME PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE syscapab supported rw bridge, bridge,router, other,router, router, station repeater,bridge, repeater wlan-ap,telephone, docis-cd,station, cvlan,svlan,tpmr syscapab enabled rw router none bridge,router, repeater mgmtaddr ipaddr rw 192.162.1.2 none --
FCoE (Fibre Channel over Ethernet) トラフィックをサポートするために、Oracle Solaris での LLDP 実装にはデータセンターブリッジング (DCB) のサポートが含まれています。
トラフィック交換に従来の Ethernet を使用するネットワークでは、ネットワークがビジー状態のときにパケットが破棄されるリスクが継続的に発生します。FCoE トラフィックに対する主要な要件として、転送中にパケットの破棄が発生する可能性がないことがあります。データセンターブリッジング交換 (DCBx)、優先順位ベースのフロー制御 (PFC) TLV、およびアプリケーション TLV のサポートにより、パケットの破棄が回避されます。
PFC では、標準の PAUSE フレームが、パケットの優先順位情報を含むように拡張されます。通常、PAUSE フレームは、トラフィック負荷が高い場合に、受信側がすでに受信したパケットを処理できるようにするためにリンク上で送信されます。PFC では、リンク上のすべてのトラフィックを停止するために PAUSE フレームを送信する代わりに、各パケットに対して定義された優先順位に応じてトラフィックが一時停止されます。PFC フレームは、トラフィックを一時停止する必要のある優先順位で送信できます。送信側がその特定の優先順位のトラフィックを停止する一方で、ほかの優先順位のトラフィックは影響を受けません。指定された時間が経過すると、一時停止されたトラフィックを再開できることを通知するために、別の PFC フレームが送信されます。
PFC 構成情報は、DCBx を使用してピアステーション間で交換されます。トラフィック交換におけるピアの PFC 構成が一致している場合、PFC は必要に応じて、トラフィック転送を一時停止または再開することができます。パケットごとに異なる優先順位を割り当てることができるようにするために、アプリケーション TLV を使用して優先順位情報が定義されます。ピアの PFC 構成が一致していない場合は、次の手順に示すように、ほかのピアの構成を受け入れるように PFC TLV をカスタマイズできます。
データセンターブリッジングは、「TLV ユニットの管理」で説明されているエージェントごとの TLV ユニットを構成する方法を示す特定のケースです。
この手順は、llpadm set-agenttlvprop サブコマンドを使用して LLDP エージェントのレベルで TLV 値を設定する方法を示しています。
参考のため、表 16-3 を参照してください。
# lldpadm set-agenttlvprop -p tlv-property[+|-]=value[,value,value,...] -a agent tlv-name
# lldpadm show-agenttlvprop
例 16-4 LLDP エージェントでの情報の受け入れを有効にして、TLV アプリケーションの優先順位を指定する
この例は、pfc や appln の TLV 値をカスタマイズする方法を示しています。この例での TLV ユニットは、FCoE トラフィックに対する DCB の動作方法を指定します。システムは、ローカルの構成がピアの構成に一致していない場合に、ピアの PFC 構成を受け入れるように構成されています。この例はまた、LLDP エージェントのアプリケーション TLV に対して優先順位がどのように設定されるかも示しています。
# lldpadm set-agenttlvprop -p willing=on -a net0 pfc # lldpadm set-agenttlvprop -p apt=8906/1/4 -a net0 appln # lldpadm show-agenttlvprop AGENT TLVNAME PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE net0 pfc willing rw on off on,off net0 appln apt rw 8906/1/4 -- --