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Oracle Solaris Studio 12.3 の概要 Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
Oracle Solaris Studio 12.3 の概要
Oracle Solaris Studio ソフトウェアの概要
Oracle Solaris Studio での開発者ワークフロー
大量の計算を行うプログラムのための Sun Performance Library
er_print ユーティリティーでパフォーマンスデータを調べる
Oracle Solaris Studio ソフトウェアには、次の機能を備えた C、C++、および Fortran コンパイラが付属しています。
C、C++、および Fortran プログラミング言語の最新の規格に準拠しています。
指定されたコマンド行オプションに従って、特定のオペレーティングシステム、プロセッサ、アーキテクチャー、メモリーモデル (32 ビットおよび 64 ビット)、浮動小数点演算などを対象とするコードを生成します。
シリアルソースコードに対して自動並列化を実行し、マルチコアシステムで強化されたパフォーマンスを発揮するバイナリを生成します。
アプリケーションおよび配備環境に合わせて、コマンド行オプションで指定できる方法で最適化されたコードを生成します。
ほかの Oracle Solaris Studio ツールによるデバッグまたは解析を強化するためのバイナリを準備します。
これらの機能を指定するために、すべてのコンパイラで同じコマンド行オプションを使用します。
コンパイル済みのコードを最適化して速度を高め、プロセッサの命令セットおよび機能を最大限に活用するために使用できる Oracle Solaris Studio コンパイラのオプションには、次のものがあります。
1 から 5 までの数にできる n によって示される最適化のレベルを指定します。最適化レベルが高いほど、実行時のパフォーマンスの高いバイナリが作成されます。
実行可能コードの速度を高めるために最適なコンパイルオプションの組み合わせを選択します。-fast は最大限の実行時パフォーマンスを得る目的で実行可能ファイルを調整するための出発点として、効果的に使用できます。
dbx によるデバッグおよびパフォーマンスアナライザによる分析のために、バイナリ内に追加情報を生成します。-g オプションを指定してコンパイルすると、注釈付きソース、関数情報、およびプログラムのコンパイル時にコンパイラが実行した最適化と変換について説明するコンパイラの注釈メッセージの表示など、パフォーマンスアナライザの機能を最大限に利用できます。
Oracle Solaris Studio コンパイラは、コードの理解に役立つ情報をほかのコンパイラよりもはるかに多く提供します。最適化を行うと、コンパイラは、コードに対して実行した変換、並列化の障害、ループの繰り返しの実行回数などについて説明する注釈を挿入します。コンパイラの注釈は、パフォーマンスアナライザなどのツールで表示できます。
Oracle Solaris Studio の C コンパイラは、『Programming Language - C (ISO/IEC 9899:1999)』規格および『Programming Languages-C (ISO/IEC 9899:1990)』規格に準拠しています。C コンパイラは、OpenMP 3.1 共有メモリー並列化 API もサポートしています。
C コンパイルシステムはコンパイラ、アセンブラ、およびリンカーから構成されます。cc コマンドは、コマンド行オプションを使用して手順を別々に実行しないかぎり、これらのコンポーネントをそれぞれ自動的に起動します。
cc コマンドの構文です。
cc [compiler-options] source-files [-llibrary]...
コンパイラオプションはソースファイル名より前に配置します。cc -flags と入力すると、可能なすべてのコンパイラオプションの短い説明を表示できます。
ソースファイル名は .c、.s、.S、または .i で終えることができます。名前がこれらの接尾辞のいずれかで終わらないファイルは、リンクエディタに渡されます。
必要に応じて、ソースファイル名の後ろに -l library オプションを指定して、オブジェクトライブラリをリンカーの検索ライブラリのリストに追加できます。
リンクエディタはデフォルトで、a.out という名前の動的にリンクされた実行可能ファイルを生成します。- o filename オプションを使用すると、別の実行可能ファイル名を指定できます。-c オプションを使用すると、ソースファイルをコンパイルし、オブジェクト (.o) ファイルを作成しますが、リンクしないでおくことができます。
test.c という名前のソースファイルをコンパイルして、a.out という名前の実行可能ファイルを生成するには:
% cc test.c
ソースファイル test1.c および test2.c をコンパイルして、test という名前の実行可能ファイルにリンクするには:
% cc -o test test1.c test2.c
2 つのソースファイルを別々にコンパイルして、それらを実行可能ファイルにリンクするには:
% cc -c test1.c % cc -c test2.c % cc test1.o test2.o
C コンパイラおよび cc コマンドとそのオプションの使用方法についての詳細は、『Oracle Solaris Studio 12.3: C ユーザーガイド』および cc (1) のマニュアルページを参照してください。新機能と変更された機能、ソフトウェアの修正事項、問題と解決策、コンパイラの制限事項と互換性の問題については、『Oracle Solaris Studio 12.3 リリースの新機能』を参照してください。
Oracle Solaris Studio C++ コンパイラ (CC) は、ISO International Standard for C++, ISO IS 14822:2003, Programming Language — C++ をサポートしています。この CC コンパイラは、OpenMP 3.1 共有メモリー並列化 API もサポートしています。OpenMP 3.1 API は Oracle Solaris Studio 12.3 に付属しています。
C++ コンパイラは、フロントエンド、オプティマイザ、コードジェネレータ、アセンブラ、テンプレートのプリリンカー、リンクエディタから構成されています。CC コマンドは、コマンド行オプションでほかの指定をしないかぎり、これらのコンポーネントをそれぞれ自動的に起動します。
CC コマンドの構文です。
CC [compiler-options] source-files [-llibrary]...
コンパイラオプションはソースファイル名より前に配置します。CC -flags と入力すると、可能なすべての CC コンパイラオプションの短い説明を表示できます。
ソースファイル名は .c、.C、.cc、.cxx、.c++、.cpp、または .i で終えることができます。名前がこれらの接尾辞のいずれかで終わらないファイルは、オブジェクトファイルまたはライブラリとして扱われ、リンクエディタに渡されます。
必要に応じて、ソースファイル名の後ろに -l library オプションを指定して、オブジェクトライブラリをリンカーの検索ライブラリのリストに追加できます。
デフォルトでは、ファイルは指定された順序でコンパイルおよびリンクされ、a.out という名前の出力ファイルが生成されます。- o filename オプションを使用すると、別の実行可能ファイル名を指定できます。-c オプションを使用すると、ソースファイルをコンパイルし、オブジェクト (.o) ファイルを作成しますが、リンクしないでおくことができます。
test.C という名前のソースファイルをコンパイルして、a.out という名前の実行可能ファイルを生成するには:
% CC test.c
2 つのソースファイル test1.c および test2.C を別々にコンパイルしてから、それらを test という名前の実行可能ファイルにリンクするには:
% CC -c test1.c % CC -c test2.C % CC -o test test1.o test2.o
C++ コンパイラおよび CC コマンドとそのオプションの使用方法についての詳細は、『Oracle Solaris Studio 12.3: C++ ユーザーズガイド』および CC (1) のマニュアルページを参照してください。新機能と変更された機能、ソフトウェアの修正事項、問題と解決策、コンパイラの制限事項と互換性の問題については、『Oracle Solaris Studio 12.3 リリースの新機能』を参照してください。
Oracle Solaris Studio の Fortran コンパイラは、マルチプロセッサシステム上の Oracle Solaris 向けに最適化されています。このコンパイラは、自動的かつ明示的なループ並列化を実行できるため、プログラムをマルチプロセッサシステム上で効率的に実行できます。
この Fortran コンパイラは、Fortran77、Fortran90、および Fortran95 規格との互換性を備え、OpenMP 3.1 をサポートしています。
f95 コマンドは、 Oracle Solaris Studio Fortran コンパイラを起動します。
f95 コマンドの構文です。
f95 [compiler-options] source-files... [-llibrary]
コンパイラオプションはソースファイル名より前に配置します。f95 -flags と入力すると、可能なすべてのコンパイラオプションの短い説明を表示できます。
ソースファイル名は、.f、.F、.f90、.f95、.F90、.F95、または .for で終わる 1 つまたは複数の Fortran ソースファイル名にする必要があります。
必要に応じて、ソースファイル名の後ろに -l library オプションを指定して、オブジェクトライブラリをリンカーの検索ライブラリのリストに追加できます。
2 つのソースファイルから Fortran プログラムをコンパイルするためのサンプルコード:
% f95 -o hello_1 foo.f bar.f
同じプログラムを別個のコンパイルおよびリンク手順でコンパイルするには:
% f95 -c -o bar.o bar.f % f95 -c -o foo.o foo.f % f95 -o hello_1 bar.o foo.o
同じプログラムをコンパイルして、libexample というライブラリにリンクするには:
% f95 -o hello_1 foo.f bar.f -lexample
Fortran 95 コンパイラおよび f95 コマンドとそのオプションの使用方法についての詳細は、『Oracle Solaris Studio 12.3: Fortran ユーザーズガイド』および f95(1) のマニュアルページを参照してください。新機能と変更された機能、ソフトウェアの修正事項、問題と解決策、コンパイラの制限事項と互換性の問題については、『Oracle Solaris Studio 12.3 リリースの新機能』を参照してください。