Oracle ファイル用ストレージリソースの登録と構成

ストレージリソースを使用すると、グローバルデバイスグループやファイルシステムの障害監視と自動障害回復が可能になります。

Oracle ファイル用としてグローバルデバイスグループまたは共有ファイルシステムを使用している場合、Oracle ソフトウェアが依存しているストレージの可用性を管理できるようにストレージリソースを構成します。

次の種類のストレージリソースを構成します。

• グローバルデバイスグループ:

  • Solaris Volume Manager for Sun Cluster 複数所有者ディスクセット

• 共有ファイルシステム:

  • Oracle RAC のある 修飾 NAS 上のファイルシステム:

    • Oracle の Sun ZFS Storage Appliance NAS デバイス

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    注 - ゾーンクラスタの NAS NFS は、既存のツールを使用して構成できます。「Oracle ファイル用の認定済み NAS デバイスを構成するためのタスク」を参照してください。

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このセクションでは、Oracle ファイル用ストレージリソースの登録と構成に関する次の情報を示します。

• 「Oracle ファイル用ストレージリソースを登録および構成するためのツール」

• 「clsetup を使用して Oracle ファイル用ストレージリソースを登録および構成する方法」

Oracle ファイル用ストレージリソースを登録および構成するためのツール

Oracle Solaris Cluster には、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタで Oracle ファイル用ストレージリソースを登録および構成するための次のツールが用意されています。

• clsetup(1CL) ユーティリティー。詳細は、「clsetup を使用して Oracle ファイル用ストレージリソースを登録および構成する方法」を参照してください。

• Oracle Solaris Cluster メンテナンスコマンド。詳細は、「Oracle Solaris Cluster の保守コマンドを使用したストレージ管理リソースの作成」を参照してください。

clsetup ユーティリティーは、Oracle ファイル用ストレージリソースを構成するウィザードを提供します。ウィザードは、コマンドの構文エラーや漏れから生じる構成エラーの可能性を低減します。また、このウィザードは、すべての必須リソースが作成され、リソース間で必要なすべての依存関係が設定されるようにします。

clsetup を使用して Oracle ファイル用ストレージリソースを登録および構成する方法

この手順はクラスタの 1 つのノードからのみ実行します。

始める前に

次の前提条件を満たしていることを確認します。

• Oracle RAC フレームワークリソースグループが作成済みで、オンラインになっていること。詳細は、「Oracle RAC フレームワークリソースグループの登録と構成」を参照してください。

• 複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループが作成済みで、オンラインになっていること。詳細は、「複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの登録と構成」を参照してください。

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  注意 - /var/run/nodelist ファイルを手動で作成しようとしないでください。作成すると、クラスタ全体でパニックが発生する恐れがあります。

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• 必要なボリューム、グローバルデバイスグループ、およびファイルシステムが作成済みであること。詳細は、次のセクションを参照してください。

  • 「Oracle RAC のサポート を使用したストレージ管理ソフトウェアのインストール」

  • 「Oracle RAC データベース用のグローバルデバイスグループの作成」

• 必要なファイルシステムがマウントされていること。

次の情報を用意してください。

• Oracle ファイルに使用するスケーラブルな各デバイスグループの名前 (使用する場合)

• Oracle ファイルに使用する各共有ファイルシステムのマウントポイント (使用する場合)

1. クラスタの 1 つのノードで、スーパーユーザーになります。
2. clsetup ユーティリティーを起動します。

   # clsetup

   clsetup のメインメニューが表示されます。

3. 「データサービス」メニュー項目を選択します。

   データサービスメニューが表示されます。

4. 「Oracle Real Application Clusters」メニュー項目を選択します。

   clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート に関する情報を表示します。

5. Return キーを押して続行します。

   clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート の初期構成を実行するか既存の構成を管理するかを選択するように求めます。

6. 「Oracle RAC 構成の作成」メニュー項目を選択します。

   clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC クラスタの場所を選択するよう求めます。この場所は、グローバルクラスタまたはゾーンクラスタのどちらかにできます。

7. Oracle RAC クラスタの場所に対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。
   • グローバルクラスタのオプションを選択した場合、clsetup ユーティリティーは、構成するコンポーネントのリストを表示します。手順 9 に進みます。
   • ゾーンクラスタのオプションを選択した場合、clsetup ユーティリティーは、必要なゾーンクラスタを選択するよう求めます。手順 8 に進みます。
8. 必要なゾーンクラスタに対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

   clsetup ユーティリティーは、構成する Oracle RAC のコンポーネントのリストを表示します。

9. 「Oracle ファイル用のストレージリソース」メニュー項目を選択します。

   clsetup ユーティリティーは、この作業を実行するための前提条件のリストを表示します。

10. 前提条件が満たされていることを確認し、Return キーを押します。

    スケーラブルなデバイスグループ用のリソースを要求された場合は、この手順を省略します。

11. Oracle ファイル用ストレージ管理スキームを選択するように求められた場合は、該当するスキームを選択します。

    • NAS デバイス

12. 適切なリソースがない場合や使用するデバイスグループのリソースがない場合は、リストにリソースを追加します。

    clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されているスケーラブルなデバイスグループのリソースのリストを表示します。適切なリソースがない場合、このリストは空になります。

    使用するすべてのデバイスグループのリソースがある場合は、この手順を省略します。

    追加するリソースごとに、次の手順を実行します。

    1. Return キーを押します。

       clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されているスケーラブルなデバイスグループのリストを表示します。

    2. 使用するデバイスグループに対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

       デバイスグループを選択したあと、ディスクグループ全体を選択するか、ディスクグループ内の論理デバイスまたはディスクを指定できます。

    3. 論理デバイスを指定するかどうかを選択します。
       • 論理デバイスを指定するには、yes と入力します。手順 d に進みます。
       • ディスクグループ全体を選択するには、no と入力します。手順 e に進みます。
    4. 選択する論理デバイスまたはディスクに対応する番号のリストをコンマで区切って入力するか、a と入力してすべてを選択します。

       clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されているスケーラブルなデバイスグループのリソースのリストに戻ります。

    5. デバイスグループの選択を確定するには、d と入力し、Return キーを押します。

       clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されているスケーラブルなデバイスグループのリソースのリストに戻ります。作成するリソースがリストに追加されます。

13. まだ選択していない場合は、必要なリソースに対応する番号を入力します。

    既存のリソース、まだ作成されていないリソース、または既存のリソースと新しいリソースの組み合わせを選択できます。複数の既存のリソースを選択する場合、選択するリソースは同じリソースグループに属する必要があります。

14. デバイスグループのリソースの選択を確定するには、 d と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されている共有ファイルシステムマウントポイントのリソースのリストを表示します。適切なリソースがない場合、このリストは空になります。

15. 適切なリソースがない場合や使用するファイルシステムマウントポイントのリソースがない場合は、リストにリソースを追加します。

    使用するすべてのファイルシステムマウントポイントのリソースがある場合は、この手順を省略します。

    追加するリソースごとに、次の手順を実行します。

    1. Return キーを押します。

       clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されている共有ファイルシステムのリストを表示します。

    2. Oracle ファイルに使用するファイルシステムに対応する番号のリストをコンマまたはスペースで区切って入力し、Return キーを押します。
    3. ファイルシステムの選択を確定するには、d と入力し、Return キーを押します。

       clsetup ユーティリティーは、クラスタで構成されているファイルシステムマウントポイントのリソースのリストに戻ります。作成するリソースがリストに追加されます。

16. まだ選択していない場合は、必要なリソースに対応するオプションの番号を入力します。

    既存のリソース、まだ作成されていないリソース、または既存のリソースと新しいリソースの組み合わせを選択できます。複数の既存のリソースを選択する場合、選択するリソースは同じリソースグループに属する必要があります。

17. ファイルシステムマウントポイントのリソースの選択を確定するには、d と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーで作成されるか構成に追加される Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前を表示します。

18. ユーティリティーで作成される Oracle Solaris Cluster オブジェクトを変更する必要がある場合は、オブジェクトを変更します。
    1. 変更する Oracle Solaris Cluster オブジェクトに対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

       clsetup ユーティリティーは、オブジェクトに設定されたプロパティーのリストを表示します。

    2. 変更するプロパティーごとに、次のようにして変更します。
       1. 変更するプロパティーに対応するオプションの番号を入力し、Return キーを押します。

          clsetup ユーティリティーは、新しい値を入力するよう求めます。

       2. プロンプトで、新しい値を入力し、Return キーを押します。

          clsetup ユーティリティーは、オブジェクトに設定されたプロパティーのリストに戻ります。

    3. 変更する必要があるプロパティーをすべて変更したら、d と入力し、Return キーを押します。

       clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーで作成されるか構成に追加される Oracle Solaris Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。

19. 変更する必要がある Oracle Solaris Cluster オブジェクトをすべて変更したら、d と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、ストレージリソースの構成先の Oracle RAC フレームワークリソースグループに関する情報を表示します。

20. 構成を作成するには、c と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了した時点で、clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにユーティリティーが実行したコマンドを表示します。

21. Return キーを押して続行します。

    clsetup ユーティリティーは、Oracle RAC のサポート を構成するためのオプションのリストに戻ります。

22. (省略可能) clsetup ユーティリティーが終了するまで繰り返し q と入力し、Return キーを押します。

    必要に応じて、ほかの必要な作業を実行している間、clsetup ユーティリティーを動作させたままにし、そのあとでユーティリティーを再度使用できます。clsetup を終了する場合、ユーザーがユーティリティーを再起動する際に、ユーティリティーは既存の Oracle RAC フレームワークリソースグループを認識します。

23. ウィザードで作成されたリソースグループがオンラインになっているかどうかを確認します。

    # clresourcegroup status

24. ウィザードで作成されたリソースグループがオンラインになっていない場合は、それらのリソースグループをオンラインにします。

    オンラインにするリソースグループごとに、次のコマンドを入力します。

    # clresourcegroup online -emM rac-storage-rg

    rac-storage-rg

    オンラインにするリソースグループの名前を指定します。

リソースの構成

次の表に、この作業の完了時に clsetup ユーティリティーによって作成されるデフォルトのリソースの構成を示します。

次の手順

Oracle ASM, を使用する場合は、「Oracle ASM リソースグループの登録と構成」に進みます。

それ以外の場合は、第 4 章クラスタでの Oracle RAC の実行の有効化に進みます。