Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busインストレーション・ガイド 11g リリース1(11.1.1.6.0) B61431-04 |
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この章では、Oracle Service Busおよびこのガイドの概要について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Service Busでは、インテリジェントなメッセージ・ブローカリングとサービスのモニターおよび管理を統合しているため、1つのソフトウェア製品でサービス指向アーキテクチャ(SOA)の実装とデプロイを行うことができます。この統合により、企業のインフラストラクチャにスケーラブルで動的なルーティングとトランスフォーメーション・レイヤーを組み込み、さらにサービス登録、サービス使用状況、およびサービス・レベル合意(SLA)準拠を管理するサービス・ライフサイクル管理機能を追加できます。
この節では、以下の内容について説明します。
Oracle Service Busのインストーラを使用すると、システムに次のコンポーネントをインストールできます。
Oracle Service Busサーバー: Oracle Service Busを構成するコンポーネントのフルセット(Oracle Service BusサンプルとOracle Service Bus IDEを除く)。
Oracle Service Bus IDE: Oracle Service Busプラグインは、Oracle Service Busの統合設計環境です。Oracle Service Bus IDEを使用するには、Oracle Enterprise Pack for Eclipseをインストールする必要があります。
注意: Oracle Service Bus IDEをHP-UXまたはAIXオペレーティング・システムにインストールすることはできません。 |
Oracle Service Busサンプル: Oracle Service Busサンプルでは、プロキシ・サービスを使用した実行時機能を設計環境で簡単に使ってみることができます。サンプルでは主要な機能が紹介されており、Oracle Service Busコンソールを使用してリソースやサービスの設計および構成に着手する際に役立ちます。このサンプルは、Oracle Service Busを使用してビジネス・サービスとの通信を行う、ユーザー主導の構成済みのシナリオです。サンプルの内容は、クライアントとビジネス・プロセス間の通信にOracle Service Busプロキシ・サービスを使用することによって利点が得られる一般的なビジネス・シナリオに基づいています。サンプルを実行してOracle Service Busの実行時環境での動作を確認したり、サンプルを開発環境で構築してプロキシ・サービスの構成の方法を詳しく知ることができます。
注意: 標準インストールでは、デフォルトでOracle Service Busサンプルはインストールされません。サンプルをインストールするには、カスタム・インストール・オプションを選択してください。詳細は、1.2「Oracle Service Busのインストール・タイプについて」を参照してください。 |
Oracle Service Busは、Oracle WebLogic Serverランタイム機能に基づきます。Oracle WebLogic Server固有の機能を利用して、可用性、拡張性、および信頼性に優れた機能を提供します。
Oracle WebLogic Serverは、信頼性、高可用性、スケーラビリティおよびパフォーマンスの高いアプリケーション実行環境を保証する、コア・サービスを提供します。
Oracle WebLogic Serverは、システムにインストール可能な以下のサブコンポーネントで構成されています。
Server: コアJava Enterprise Edition 2 (Java EE 2)機能とApache Beehiveが組み込まれたOracle WebLogic Serverプログラム・ファイル。
Server Examples: Oracle WebLogic ServerとMedRecのサンプル・ドメインとサンプル・アプリケーション。これらのサーバーとサンプル・アプリケーションは、Java EE 2の各種機能の実例です。各サンプル・アプリケーションを構築、構成、実行できるリソースが用意されています。Server Examplesをインストールして使用するには、Serverサブコンポーネントをインストールする必要があります。
Oracle WebLogic Serverも、インストーラの起動に必要なJRockit JDKに付属しています。別のJDKを使用する場合は、このバージョンのOracle Service Busで使用できるJDKをOracle Fusion Middleware 11gR1でのシステム要件とサポートされているプラットフォームに関するドキュメントで確認する必要があります。このドキュメントは、Oracle Fusion Middlewareのサポートされているシステム構成に関するページから入手できます。
Oracle Enterprise Pack for Eclipse (OEPE)は、Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発、デプロイ、デバッグをサポートするために設計された、認可されたEclipseプラグイン・セットです。Eclipseプラグインを使用すると、Oracle WebLogic Server上でのJava SE、Java EE、Webサービス、ORMおよびSpringアプリケーションの開発が容易になります。
Oracle Service Bus IDEを使用するには、OEPEをインストールする必要があります。OEPEのインストーラにはOracle WebLogic Serverも含まれているため、両方のインストーラを入手する必要はありません。
OEPE(Oracle WebLogic Serverを含む)のインストーラの入手およびインストール手順の詳細は、2.1「ソフトウェアの入手」および2.2「Oracle Enterprise Pack for EclipseおよびOracle WebLogic Serverのインストール」を参照してください。
Oracle Service Busには、メッセージ・レポート用のJMSレポート・プロバイダが含まれます。Oracle Service Bus管理コンソールの「レポート」モジュールには、このレポート・プロバイダから取り込まれた情報が表示されます。Oracle Service Busのインストールで提供されるJMSレポート・プロバイダを使用しない場合は、そのレポート・プロバイダを割当て解除し、レポート・サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)を使用して独自のレポート・プロバイダを作成できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus管理者ガイド』のJMSレポート・プロバイダを割当て解除する方法に関する説明を参照してください。
JMSレポート・プロバイダを使用する場合は、動作保証されたデータベースを起動および実行し、リポジトリ作成ユーティリティを実行してデータベースにSOAインフラストラクチャ(SOAINFRA
)スキーマをインストールする必要があります。詳細は、2.1「ソフトウェアの入手」および2.4「レポート機能およびOWSMのためのスキーマのインストール」を参照してください。
Derby評価データベースの使用
開発環境でレポート機能を使用している場合は、Derby(Oracle WebLogic Serverのインストールに含まれる評価データベース)を選択できます。この場合、Oracle Service Bus用にOracle Web Services Managerの機能が必要なければ、RCUを使用してスキーマを作成してロードする必要はありません。
Oracle WebLogic Serverのインストールにカスタム・インストール・オプションを使用している場合は、評価データベースを選択してください。標準インストール・オプションを使用している場合、評価データベースはデフォルトでインストールされます。
Oracle Service Busのレポート作成表は、サーバーがはじめて起動したときに評価データベースで作成されます。Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用してOracle Service Busドメインを作成している場合は、データベース・タイプ・レポートをDerbyとして構成し、パスワードを適切に設定します。評価データベースはOracle WebLogic Serverが起動している場合のみ起動するため、ウィザードのテスト接続アクションは無視してかまいません。
Oracle Service Busは、ポリシー管理およびインフラストラクチャのセキュリティのために、Oracle Web Services Manager(OWSM)を使用して構成することもできます。この場合は、動作保証されたデータベースを起動および実行し、リポジトリ作成ユーティリティを実行してデータベースにメタデータ・サービス(MDS
)スキーマをインストールする必要があります。詳細は、2.1「ソフトウェアの入手」および2.4「レポート機能およびOWSMのためのスキーマのインストール」を参照してください。
インストール作業中、インストールするOracle Service Busコンポーネントを選択する場合に、次のオプションがあります。
標準タイプのインストールを選択すると、Oracle Service BusのインストーラによってOracle Service BusサーバーおよびOracle Service Bus統合開発環境(IDE)のバイナリが新しいOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。
Oracle Service Bus IDEがインストールされるため、Oracle Enterprise Pack for Eclipse(OEPE)がシステムに存在している必要があります。OEPEの詳細は、1.1.3「Oracle Service Bus IDEに必要なOracle Enterprise Pack for Eclipse」を参照してください。
カスタム・タイプのインストールを選択する場合、次のOracle Service Busコンポーネントを選択してインストールできます。
Oracle Service Busサーバー(これは必須コンポーネントであり、選択解除はできません)
Oracle Service Bus統合開発環境
Oracle Service Busサンプル
Oracle Service Bus IDEのインストールを選択した場合は、OEPEもシステムにインストールする必要があります。OEPEの詳細は、1.1.3「Oracle Service Bus IDEに必要なOracle Enterprise Pack for Eclipse」を参照してください。
図1-1は、開発環境でOracle Service Busをインストールしてドメインを作成するプロセスを示しています。
表1-1に、フローチャートの各項目に関するドキュメントや追加情報へのリンクを示します。
表1-1 開発環境でのOracle Service Busインストールの説明
タスク | 説明 |
---|---|
最新のOracle WebLogic Serverを含むOEPEをインストールします。 |
Oracle Service Bus IDEがインストールされるため、OEPEが必要です。詳細は、2.1「ソフトウェアの入手」および2.2「Oracle Enterprise Pack for EclipseおよびOracle WebLogic Serverのインストール」を参照してください。 |
レポート機能を使用するかどうか。 |
開発環境でレポート機能を使用する場合は、次のいずれかを選択できます。
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OWSMを使用するかどうか。 |
OWSMを使用する場合は、2.1.2「データベースとレポート機能およびOWSMのためのRCUの入手」および2.4「レポート機能およびOWSMのためのスキーマのインストール」の説明に従って、他の動作保証されたデータベースを使用し、RCUを実行してMDSスキーマを作成する必要があります。 |
Oracle Service Busをインストールします。 |
すべてのOracle Service Busコンポーネントをインストールするには、「標準」インストール・タイプを選択してください。 詳細は、2.5.1「Oracle Service Busのインストーラの起動」および2.5.2「Oracle Service Busインストール画面および手順の理解」を参照してください。 |
Oracle Service Bus用にWebLogic Serverドメインを作成および構成します。 |
詳細は、第3章「Oracle Service Busの構成」を参照してください。 |
管理サーバーと管理対象サーバーを起動します。 |
詳細は、3.6「サーバーの起動」を参照してください。 |
インストールおよび構成を確認します。 |
詳細は、3.7「Oracle Service Busのインストールおよびドメインの構成の確認」を参照してください。 |
インストールおよび構成が終わると(レポート作成機能およびOracle Web Services Managerポリシーが使用されていない場合)、トポロジは図1-2のようになります。この図に従って、インストールおよび構成後に、Oracle WebLogic ServerとOracle Service Busのインストールを検証します。
Fusion Middlewareのディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のOracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造に関する説明を参照してください。
図1-3は、本番環境でOracle Service Busをインストールしてドメインを作成するプロセスを示しています。
表1-2に、フローチャートの各項目に関するドキュメントや追加情報へのリンクを示します。
表1-2 本番環境でのOracle Service Busインストールの説明
タスク | 説明 |
---|---|
Oracle WebLogic Serverをインストールします。 |
最新のOracle WebLogic Serverをインストールします。詳細は、2.1「ソフトウェアの入手」および2.3「Oracle WebLogic Serverのインストールとミドルウェア・ホームの作成」を参照してください。 |
レポート機能を使用するかどうか。 |
開発環境でレポート機能を使用する場合は、次のいずれかを選択できます。
|
OWSMを使用するかどうか。 |
OWSMを使用する場合は、2.1.2「データベースとレポート機能およびOWSMのためのRCUの入手」および2.4「レポート機能およびOWSMのためのスキーマのインストール」の説明に従って、他の動作保証されたデータベースを使用し、RCUを実行してMDSスキーマを作成する必要があります。 |
Oracle Service Busをインストールします。 |
「カスタム」インストール・タイプを選択し、Oracle IDEは選択しないでください。 詳細は、2.5.1「Oracle Service Busのインストーラの起動」および2.5.2「Oracle Service Busインストール画面および手順の理解」を参照してください。 |
RCUを実行してデータベース・スキーマを作成します。 |
Oracle Service Busのレポート機能またはOracle Web Services Managerポリシーを使用する場合は、RCUを実行して必要なデータベース・スキーマを作成します。 |
Oracle Service Bus用にWebLogic Serverドメインを作成および構成します。 |
詳細は、第3章「Oracle Service Busの構成」を参照してください。 |
管理サーバーと管理対象サーバーを起動します。 |
詳細は、3.6「サーバーの起動」を参照してください。 |
インストールおよび構成を確認します。 |
詳細は、3.7「Oracle Service Busのインストールおよびドメインの構成の確認」を参照してください。 |
インストールおよび構成が終わると(レポート作成機能およびOracle Web Services Managerポリシーが使用されていない場合)、トポロジは図1-2のようになります。この図に従って、インストールおよび構成後に、Oracle WebLogic ServerとOracle Service Busのインストールを検証します。
Fusion Middlewareのディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のOracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造に関する説明を参照してください。
このガイドには、高可用性(HA)構成でOracle Service Busをインストールし、構成する方法は記載されていません。高可用性構成でOracle Service Busをインストールする場合は、次のドキュメントを参照してください。
『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のOracle Service Busと高可用性の概要に関する説明
『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busデプロイメント・ガイド』のOracle Service Busの高可用性の理解についての説明