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Oracle® WebCenter Content Site Studio Designerユーザーズ・ガイド
11g Release 1 (11.1.1)
B72416-01
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1 概要

この項の内容は次のとおりです。

1.1 Site Studioについて

Site Studioは、エンタープライズ規模のWebサイトを設計、構築および管理するための包括的なアプローチを提供する、強力で柔軟なWeb開発アプリケーション・スイートです。従来の単なるWebサイト開発ソリューションとは異なり、Webサイト作成機能やコンテンツ管理機能がすべて1つに統合されています。すべてのサイト・アセット(テンプレート、グラフィック、CSSファイルなど)やすべてのサイト・コンテンツを含め、Webサイトに関連するものはすべてコンテンツ・サーバーに格納され、そこで管理されます。Site Studioを使用することで生産性が大幅に向上するとともに、組織は、企業サイト全体の一貫したブランディングとプレゼンテーションで、Webコンテンツを正確で適時性の高い最新の状態に維持できます。Site Studioでは、サイトのアーキテクチャとプレゼンテーションを集中制御しながら、コンテンツ開発と継続的なメンテナンスを各ビジネス・ユニットやその他のチームに分散できます。


注意:

Site Studio 11gR1は、10gR4に対する完全な下位互換性を備えています。Site Studio Designer 11gR1は、Site Studioリリース10gR3以前で作成されたサイトにも対応しています。ただし、Site Studioバージョン10gR3以前で作成されたサイトは引き続きレガシー・モードで動作します。すなわち、Site Studio 11gR1のアーキテクチャや機能を利用することはできません。

1.2 デザイナ、マネージャおよびコントリビュータ

Site Studioは、Site Studioの3つの異なるユーザーに対応する3つのアプリケーション(デザイナ、マネージャおよびコントリビュータ)から構成されます。

Site Studio Designerアプリケーションは、個人ユーザー(サイト・デザイナ)がサイトを作成、設計および配信できる開発環境を提供します。デザイナは、通常、Webマスター、Web開発者、サイト管理者、または同様の役職にあるその他のユーザーです。一般的に、1人のデザイナが複数のマネージャおよびコントリビュータと共同で作業します。

Site Studio Managerアプリケーションは、サイトの構造を管理する1人以上のサイト・マネージャが使用できるWebベースのサイト管理コンソールを提供します。多くの場合、マネージャは部課長です。詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio管理者およびマネージャーズ・ガイド』を参照してください。

Site Studio Contributorアプリケーションでは、組織内の割り当てられた個人ユーザー(コントリビュータ)が、Webサイトから直接呼び出せるインライン編集環境を使用して、必要な場合にいつでもWebサイトのコンテンツを更新できます。コントリビュータは通常、マーケティング担当チームや販売担当チームのメンバーなど、技術者以外のユーザーです。詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio Contributorユーザーズ・ガイド』を参照してください。

サイト・デザイナは、作業時間の多くをデザイナ・アプリケーションの使用に費やし、マネージャおよびコントリビュータ・アプリケーションは、主にサイトのプレビューまたはテストに使用します。各マネージャは、作業時間の多くをマネージャ・アプリケーションの使用に費やしますが、簡単な編集のためにコントリビュータ・アプリケーションを使用することもあります。各コントリビュータは、通常、コントリビュータ・アプリケーションのみを使用します。もちろん、(小規模な組織でよくあることですが)同じ個人ユーザーがWebサイトの設計、管理および投稿を行うこともできます。

これらのアプリケーションは別個のものですが、相互に緊密に統合されています。デザイナで実行されるタスクはマネージャとコントリビュータに影響し、マネージャで実行されるタスクはコントリビュータに影響します。たとえば、デザイナで実行されるマネージャ・フラグメントの設定やページへのコンテンツ割当て、またはコントリビュータが使用できるメニューの変更や編集は、マネージャおよびコントリビュータの外観と動作に直接影響します。

1.3 Oracle Content ServerとSite Studio

Oracle Content Serverは、Webサイトのメイン・リポジトリです。Oracle Content Serverにより、組織内のすべてのユーザーは、コンテンツを簡単に投稿し、多様なライブラリ・サービスでコンテンツを効率的に管理して、任意の場所にあるコンテンツに安全にアクセスできます。

Universal Content Management (UCM)の一部であるSite Studioでは、管理対象コンテンツ、Idocスクリプト、セキュリティ、ワークフローなど、コンテンツ・サーバーが提供する必要のある多くの組込みのサービスを導入しています。コンテンツ・サーバーの「Site Studioの管理」ページを使用して、Site Studioに関連する複数のタスクを管理できます(5.19項「Oracle Content Serverの「Site Studioの管理」ページ」を参照)。

Site Studioは、Dynamic ConverterやCheck Out and Openなどの他のコンポーネントとも連携して動作するため、ユーザーは、Webサイトにネイティブ・ドキュメント(Microsoft Word、Excel、PowerPointなど)をシームレスに組み込むことができます。Dynamic Converterは、ネイティブ・ドキュメントをWebページに変換し、Webサイトに表示するために使用します。Check Out and Openは、ドキュメントが表示されるWebページで直接コンテキスト内チェックアウト・オプションを提供するために使用します。また、このオプションを使用するとネイティブ・アプリケーションが起動され、編集のためにファイルが開かれます。

各コントリビュータがサイトにコンテンツを簡単に発行できるように、Oracle Content Serverのフォルダなどの機能を有効化することも可能です。Oracle Content Serverとそのアドオンの使用経験は、Site StudioでWebサイトを作成および管理する際に役立ちます。詳細は、Oracle Content Serverのドキュメントを参照してください。

1.4 再利用可能なアセットとコンテンツ

ほとんどのWebサイトは、HTMLまたはスクリプトベースの単一のWebページを作成することから始めます。サイトのルック・アンド・フィールを設計し、サイト・ナビゲーションを決定します。コンテンツは、通常、テキストとグラフィックの組合せであり、最後に追加します。サイトの成長に応じて、最初のページを新しい名前で保存し、将来のWebページの基本テンプレートとして使用できます(これらのWebページは、すべて結合されます)。

このアプローチがうまくいくのは、Webサイトにグローバル変更が発生するまでです。グローバル変更が発生すると、サイト上のすべてのページに個別の編集が必要になります。これに対応するため、多くの大規模Webサイトでは、動的インクルードやデータベース駆動型のWebページを使用したモジュール方式のアプローチを採用しています。その結果、Webブラウザによるリクエスト時にコンテンツの各部分が組み合され、単一のWebページとして表示されます。これにより、頻繁に変更されるサイト・ナビゲーション、広告、ヘッダーとフッター、および情報は、一度更新するだけで即座にサイトに反映できます。ただし、これには多くの開発作業と調整作業が必要になります。

Site Studioでは同様のアプローチを使用しますが、再利用可能なレイアウトとコンテンツという一歩進んだ機能を提供しています。ページ・テンプレート、リージョン・テンプレート、プレースホルダのような一部のサイト・アセットは、標準的なWebページの背景情報(ルック・アンド・フィール)を提供しますが、リージョン定義や要素定義のようなそれ以外のアセットでは、レイアウトとコンテンツの変更とフィルタが可能であるため、ページのコンテンツの大部分を各コントリビュータがページ内で自由に作成および編集できます。Webページの個々の部分(コンテンツとレイアウトの両方)を再利用可能に設定できるため、これらのアセットはページ・テンプレート自体の使用や再利用と同じ方法で複数回使用および再利用できます。

1.5 HCSP、JSPおよびASPのWebサイト

Site StudioでWebサイトを作成する前に、Site Studio 11gR1のアーキテクチャと機能を利用できるサイト・タイプがHCSPサイトのみであることを認識しておいてください。レガシー(10gR4より前)サイトは、Site Studio 11gR1でも以前と同じように動作しますが、11gR1のアーキテクチャと機能を利用するために古いHCSP Webサイトを変換することを強くお薦めします。ASPおよびJSPサイトは依然としてレガシー(10gR4より前)プロジェクトに使用できますが、gR1の機能はありません。以前のリリースのSite Studioと同じように機能します。

次のことに注意してください。

1.6 新機能

Site Studio 11gリリース1 (11.1.1)には、以前のリリースと比較して多くの新機能や拡張機能が含まれています。

1.6.1 Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.546)との比較

Site Studio 11gR1では、Site Studioリリース10.1.4.5.0の機能に加えて次の拡張機能が含まれます。

セクション・レベル・レプリケーション

現在、Site Studioでは、Webサイトの特定のセクションをレプリケーションに含めないように、移動の準備ができていないものとしてマーキングすることができます。これにより、セクションに対して重要な変更を行っている間、そのセクションをレプリケーションの準備ができていないものとしてマーキングできます。セクションをレプリケートする準備が整ったときに、プロパティをデザイナまたはマネージャでリセットできます。あるいは、コントリビューション・モードでページから直接変更することもできます。この機能を有効にすると、新しいセクションを追加したときや、セクションでコンテンツの切替えを実行したときに、この値が準備未完了に自動的に設定されます。これで新しいコンテンツが別のサーバーに自動的にレプリケートされることはありません。詳細は、12.1.11項「Webサイトおよびセクション・プロパティの表示と編集」を参照してください。

1.6.2 Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較

Site Studio 11gR1には、1.6.1項「Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.546)との比較」の拡張機能に加えて次の拡張機能が含まれます。

「管理」ページでのコントリビュータ・コンソールの有効化

以前のバージョンのSite Studioでは、コントリビュータ・コンソール・ウィンドウを有効にするためには、フォルダからフォルダにファイルを手動で移動する必要がありました。現在、コンソールを有効化する際には、ファイルを移動するためのボタンが「管理」ページにあります。詳細は、5.19項「Oracle Content Serverの「Site Studioの管理」ページ」を参照してください。

定義のバンドル

現在、Site Studioでは、他のWebサイトにレプリケートするために関連する定義やテンプレートのコレクションをバンドルする方法が提供されます。これにより、たとえば、特定のレイアウト方法に関する情報を構成する定義とテンプレートのセットを再利用できます。つまり、個々の定義とテンプレートを手動で再作成する必要はありません。定義とテンプレートのバンドルを1つの単位として別のWebサイトにコピーして使用できます。詳細は、9.12項「定義バンドル」を参照してください。

新しいコントリビュータの外観

Site Studio Contributorのインタフェースが新しくなり、コントリビュータでの編集タスクおよびワークフロー・タスクの多くが最適化されます。

「編集」メニューでのリージョン・コンテンツの削除

現在、Site Studio Contributorの「コントリビューション・リージョン」メニューによってリージョン・コンテンツの削除オプションが開きます(Site Studio Designerで有効になっているとき)。これによって、コントリビュータがコンテンツの切替えウィザードを使用せずにコンテンツをすぐに削除できます。

Site Studioコンポーネントのリセット

現在、Site Studioにはコンポーネント更新番号をリセットするオプションがあります。これにより、必要な場合には、ベース・コンテンツ・サーバーのインストールとは別に、インストールの元のアセットを再デプロイできます。

コントリビューション・モードのURL

URLに/contributor/を付けると、Site Studio Contributorのコントリビューション・モードを開くことができます。これは、コントリビューション・モードのサードパーティ・インタフェースを作成する場合に主に使用されます。このURLの機能が作動するためには、構成フラグを設定する必要があります。

ブロックされたアセットの読取り専用モード

現在、Site Studio Designerは、別の場所で編集のために開かれているサイト・アセットをユーザーが開くとアラートを生成し、読取り専用として開くためのオプションを提供します。以前は、他のユーザーがアセットを編集している場合はそのアセットを開くことができませんでした。

DAMレンディション

現在、Site Studioはデジタル・アセット管理レンディションと一緒に機能します(このコンポーネントがコンテンツ・サーバーにインストールされている場合)。

1.6.3 Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.470)との比較

Site Studio 11gR1には、1.6.2項「Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較」の拡張機能に加えて次の拡張機能が含まれます。

デザイン・モード

現在、Site Studioには、デザイナとしてWebサイトを操作する新たな方法が追加されています。デザイン・モードは、Site Studio Designerのツールの一部をコントリビュータ・インタフェースで提供する方法です。この機能は、JDeveloper用のSite Studio拡張機能を使用するユーザーにとって特に役立ちます。

オンデマンド・エディタ

現在、Site Studioには、ページに多数の要素が含まれるときにコントリビュータのロード時間を短縮する機能があります。オンデマンド・エディタが有効化されると、各要素のデータのプレビューが開き、要素をクリックしてその情報を編集できます。

ページ名の制御

現在、Site StudioではデフォルトURLページ名をindex.htmから変更することができます。

直接配信

現在、Site Studioではネイティブ・ドキュメントを直接配信することができます。ネイティブ・ドキュメントをWebページに変換してパブリッシュするかわりに、ローカル・コンピュータにダウンロードして簡単に配信できます。

1.6.4 Site Studio 10gR4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.454および9.0.0.410)との比較

Site Studio 11gR1には、1.6.2項「Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較」1.6.3項「Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.470)との比較」の拡張機能に加えて次の拡張機能が含まれます。

JavaScriptとCSSの圧縮

Site Studioには、Webサイトで使用されるCSSとJavaScriptを圧縮および連結する機能があります。この機能により、コントリビュータのロード中にブラウザがダウンロードする必要があるJavaScriptファイルとCSSファイルの数が減少され、サイズが縮小されます。

ワークフローのすべてを承認

現在、Site Studioでは、1ユーザーのワークフローにおいて1つのWebページにあるすべての項目を1回のクリックで承認することができます。

1.6.5 Site Studio 10gR4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.354)との比較

Site Studio 11gR1には、1.6.2項「Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.506)との比較」1.6.3項「Site Studio 10gR4 (10.1.4.5.0 - ビルド9.0.0.470)との比較」および1.6.4項「Site Studio 10gR4 (10.1.4.0.0 - ビルド9.0.0.454および9.0.0.410)との比較」の拡張機能に加えて次の拡張機能が含まれます。

オンデマンドWebサイト

現在、Site Studioの管理者はWebサイトをオンデマンド用としてマークできます。オンデマンドWebサイトとしてマークされたWebサイトは、サイトの表示やデザイナでのサイトの編集に関するリクエストが受信されないかぎり、コンテンツ・サーバーのメモリーにロードされません。オンデマンドWebサイトを使用すると、アクセス数の少ないサイトのためにコンテンツ・サーバー・リソースが拘束されなくなり、コンテンツ・サーバー起動時のロード時間が短縮されます。

コンテンツ・サーバーの「Webサイトの管理」ページには「オンデマンドWebサイト」ボタンが含まれます。このボタンをクリックすると、オンデマンド・サイトとしてサイトをマークできるページが開きます。オンデマンドとして指定されたサイトは、ユーザーが最初にアクセスするときに少し遅れて表示されます。

ドメインベースとフォルダベースのアドレス指定の変更

現在、Site Studioではフォルダとドメインの組合せでWebサイトを識別できます。以前のバージョンのSite Studioでは、フォルダベースとドメインベースいずれかのアドレスを使用する必要がありました。現在、管理者はドメイン、フォルダまたは両方を指定してWebサイトにマップすることができます。詳細は、7.2項「サイト・アドレス指定」を参照してください。

1.6.6 Site Studio 10gR3との比較

10gR4リリースと比較された拡張機能に加えて、10gR3リリースと比較した次の新機能と拡張機能がSite Studio 11gリリース1 (11.1.1)に含まれます。

サイト・アセットとコンテンツの再利用性の向上

Site Studioでは、サイト・アセットとコンテンツの再利用性を高めるために、内部的な設計全体が見直されました。Site Studioを使用したWebサイトの設計および構築時に、Webサイトのあらゆる部分を最大限まで再利用できるようになりました。これにはWebサイトの構造も含まれ、ページ・テンプレート、リージョン・テンプレート、要素定義などの構造的コンポーネントが再利用されます。さらに、Webサイトに表示されるコンテンツと情報のあらゆる部分も再利用できます。Webサイトのすべてのアセットが個別に管理されるオブジェクトになり、部分ごとに使用および再利用できるため、Webサイトがはるかに管理しやすくなりました。

ページ・テンプレートの各部分が再利用しやすくなり、より多くの部分が個別に管理されるようになりました。以前のリリースでは、インライン要素を持つレイアウト・ページが使用されていました。このリリースではページ・テンプレートが導入され、Webページ上でサイト・コンテンツの編集または置換が可能な場所を定義するためにプレースホルダが使用されます。

Webページの各部分は、ページ・テンプレート、プレースホルダ、サブテンプレートおよびリージョン・テンプレートで構成することができ、それぞれに対応する定義とともに使用して、特定のコンテンツの特定の実装を変更します。

個別に管理されるサイト・アセットの追加

再利用性を高めるために、Site Studioでは個別に管理されるサイト・アセットが追加されています。新規のアセットは次のとおりです。

  • 要素定義: 要素タイプの編集操作を定義するファイル。特に、コントリビュータが要素の編集時に実行可能な操作を指定します。

  • リージョン定義: リージョンで使用できる要素定義を定義するファイル。これによって、そのリージョンを含むページに対してコントリビュータが開かれるときの編集環境の構成が決まります。また、リージョン定義は、コントリビューション・リージョンにコントリビュータが使用できるコンテンツ作成および切替えオプションを指定し、これらのリージョンに関連付けられるコンテンツ・ファイルのデフォルト・メタデータを設定します。

  • プレースホルダ定義: 関連付けられたプレースホルダに許可されるリージョン定義、リージョン・テンプレートおよびサブテンプレートを定義するファイル。プレースホルダに対して許可されるコントリビュータ・アクションも指定します。

  • ページ・テンプレート: コントリビューション・リージョン(ページ上の編集可能領域)の配置、ナビゲーション補助(フラグメントの形式によるもの)およびサイト全体のイメージ(バナーなど)を含む、Webページのレイアウトと上位レベルのルック・アンド・フィールを定義する完全に形成されたHTMLファイル。ページ・テンプレートは最上位レベルのサイト設計オブジェクトです。

  • リージョン・テンプレート: Webページ内にあるコントリビューション・リージョンのデータのレイアウトとルック・アンド・フィールを定義する部分的なHTMLファイル(ヘッドおよびボディ・セクションのないファイル)。

  • サブテンプレート: ページ・テンプレートを独自のプレースホルダとコントリビューション・リージョンを持つさらに小さい再利用可能な領域に分割するために、ページ・テンプレートのプレースホルダに挿入可能な部分的なHTMLファイル(ヘッドおよびボディ・セクションのないファイル)。

  • カスタム構成スクリプト: コントリビュータにカスタマイズした編集操作を提供するために、デフォルトのコントリビュータ・エディタ構成を上書きするJavaScriptファイル。

以前のリリースのSite Studioに含まれていた次のサイト・アセットに加えて、新しいサイト・アセットが追加されました。

  • コントリビュータ・データ・ファイル: Site Studioによって生成されるXML形式のコンテンツ・ファイル。コントリビュータ・データ・ファイルは、Site Studio Contributorアプリケーションを使用して編集されます。

  • ネイティブ・ドキュメント: サード・パーティ・アプリケーション(Microsoft Wordなど)を使用して作成されたコンテンツ・ファイル。ネイティブ・ドキュメントは、Dynamic Converterを使用してHTML形式に変換され、関連付けられたアプリケーションを使用して編集されます。

  • イメージ: コンテンツ・ファイルまたはページ・テンプレートに含まれる、企業のバナーや製品イメージなどのグラフィック・ファイル(JPG、GIF、PNG)。

  • スクリプト: 実行可能な一連のコマンドを提供するJavaScriptファイル。多くの場合、スクリプトはWebページに追加機能を提供するために使用されます。

  • Cascading Style Sheet (CSS): ページ・コンテンツの表示方法(具体的には、ヘッダーやリンクなどの様々なHTML要素がページ上にどのように表示されるか)を制御するファイル。CSSファイルへのリンクはページ・テンプレートに埋め込まれていることが多いため、その書式設定ルールはこれらのテンプレートに基づいてすべてのWebページに適用されます。

  • カスタム要素フォーム: カスタム要素とは、要素で使用するカスタム・フォームを定義するカスタマイズ可能なHTMLファイル(特定のファイル・タイプを選択するフォームなど)です。Site Studioには、複数の事前定義済のカスタム要素フォームが付属します([CS-Dir]\custom\SiteStudio\support内)。これらを使用すると、完全にカスタマイズした編集環境を作成することができます。この編集環境は通常のSite Studio要素と同様にコントリビュータに配置できます。カスタム要素フォームはまた、Site Studioコンポーネントがインストールされるとコンテンツ・サーバーにチェックインされます。

  • 検証スクリプト: 要素データが要件(最大長を超えていないことや、不正な文字が含まれていないことなど)を満たしているかどうかを判断するための検証ルールを定義するJavaScriptファイル。

  • フラグメント・ライブラリ: Site Studio Webサイトの機能を拡張する(たとえば、動的ナビゲーション補助や標準のページ・フッターを提供して拡張する)コードのチャンク(フラグメント)の集合。

  • マネージャ構成設定: Site Studio Managerで使用できる機能を定義するファイル。マネージャはWebベースのツールで、指定されたユーザー(サイト・マネージャ)がWebサイトの構造を変更する場合に使用できます。

  • 変換定義: Webサイト上のネイティブ・ドキュメントの変換ルールを指定するファイル。

  • その他のメディア: Flashアニメーション、ビデオ・ファイル、オーディオ・ファイルなど、Webサイトで使用される可能性があるその他のメディア・ファイル。

詳細は、第3章「Site Studio Webサイトの理解」第8章「テンプレートの操作」第9章「定義の操作」第10章「コンテンツ・ファイルの操作」および第11章「スクリプトとフォームの操作」を参照してください。

新しいデフォルト・コントリビュータ・エディタ

Site Studio Contributorで、FCKeditorがデフォルトのエディタとして使用されるようになりました。

コントリビュータ・アプリケーションの詳細は、『Oracle WebCenter Content Site Studio Contributorユーザーズ・ガイド』を参照してください。

静的リストと動的リストの要素化

静的リストと動的リストが要素になり、要素定義を使用してより簡単に実装や変更ができるようになりました。以前のバージョンのSite Studioでは、リストはフラグメントでした。

カスタム要素の追加

このリリースのSite Studioでは、カスタム要素のタイプが追加されています。多くのデータ駆動型Webサイトには、コンテンツを制御する値(ブールや整数など)を含めることができます。カスタム要素が追加されたため、デザイナとコントリビュータはより多くのデータ制御フォームを使用できます。Site Studio Designerには、複数の事前定義済のカスタム要素フォームが付属します([CS-Dir]\custom\SiteStudio\support内)。これらのフォームはまた、Site Studioコンポーネントがインストールされるとコンテンツ・サーバーにチェックインされます。

カスタム構成スクリプト

Site Studioでは、エディタのカスタマイズにカスタム構成スクリプトが使用されるようになりました。デザイナはコントリビュータ・インタフェースを特定のビジネス・ニーズにあわせて変更できます。

詳細は、第11章「スクリプトとフォームの操作」を参照してください。

コンテンツの切替えウィザード

コンテンツの変更がウィザードで処理されるようになりました。このウィザードによって、サイト上でのサイト・アセットの使用と再利用が簡単になります。ウィザードを使用して別のコントリビュータ・データ・ファイル、ネイティブ・ドキュメントまたはサブテンプレートに切り替えることができます。

詳細は、12.3項「コンテンツの切替えウィザードでのコンテンツの割当て」を参照してください。

リンク・ウィザード

リンク・ウィザードが使いやすさを考慮して再設計されました。ウィザードによってより簡単かつ迅速にリンクが作成されるため、様々なリンク形式やリンク・ターゲットを選択できます。

詳細は、12.4項「リンクの操作」を参照してください。

ダイアログと設計環境のより緊密な統合

サイト・アセット定義と構成ダイアログがサイト設計環境でより緊密に統合されました。これらのダイアログは、設計領域ではタブとして表示できます。

詳細は、5.6.1項「ダイアログとタブ」を参照してください。

1.7 アクセシビリティの機能

Site StudioはOracleのアクセシビリティ・ガイドラインに準拠しています。アクセシビリティの機能は様々な箇所で提供されます。

1.7.1 コンテキスト・メニュー

Site Studio Designerのコンテキスト・メニューは、アプリケーションの現在のコンテキストに対応するオプションを提供します。たとえば、コントリビューション・フォルダが選択されている場合は、そのフォルダにその特定のコンテキストで適用できるオプションが表示されます。コンテキスト・メニューを表示するには、デザイナのツールボックスまたは作業領域を右クリックするか、キーボードのメニュー・キーを押します。

1.7.2 標準Windowsキーボード・ショートカット

Site Studioでは、次のようなほとんどの標準Windowsキーボード・ショートカットがサポートされます。

  • [Ctrl]+[C]: コピー

  • [Ctrl]+[X]: 切取り

  • [Ctrl]+[V]: 貼付け

  • [Del]: 削除

  • [F2]: 名前の変更

  • [Tab]: 次の項目に移動

  • [Space]: チェックボックスを選択または選択解除します。

  • [Alt]+[F]: 「メニュー」ツールバーの「ファイル」セクションを開きます。

このリストはごく一部です。Windowsナビゲーションで使用される一連のキーボード・コマンドがSite Studio Designerで使用されます。ただし、1.7.3項「Site Studio Designer固有のキーボード・ショートカット」で説明するように、動作が異なるものもあります。

1.7.3 Site Studio Designer固有のキーボード・ショートカット

次のショートカットを使用して、Site Studio Designerの様々な領域を操作します。

  • 作業領域画面:

    • [Ctrl]+[Tab]: 開いているドキュメントを移動します。

    • [Ctrl]+[Page Up][Ctrl]+[Page Down]: 特定のドキュメントの「ソース」「設計」および「プレビュー」タブを移動します。

    • [1]: フォームに列形式エントリがあるサイト・アセット(WYSIWYG要素など)を表示しているとき、[1]を押すと最初の列が選択されます。

    • [2]: フォームに列形式エントリがあるサイト・アセット(WYSIWYG要素など)を表示しているとき、[2]を押すと2番目の列が選択されます。

    [Tab]キーの動作は、ソース・コードを操作するときは他のエントリの場合とは異なります。ソース・コードでは、[Tab]を押すとテキスト位置を調整するタブが挿入されます。他の入力フォームでは、[Tab]を押すと次の選択肢に移動します。

  • デザイナのペイン:

    • [Ctrl]+[Tab]: ペイン(「セクション・プロパティ」ペインなど)のセクションを移動します。

    • [Ctrl]+[Shift]+[Tab]: 該当する場合(「プロパティ」ペインなど)に、項目をアルファベット順またはグループ別にソートします。

    • [Enter]: 「セクション・プロパティ」で[Enter]を押すと、テキスト入力にフォーカスが移動します。[Shift]を押しながら[Enter]を押すと、テキスト入力が終了し、プロパティ名にフォーカスが戻ります。

    • [Shift]+[Enter]: フォーカスがセクション・プロパティにあるが、特定のプロパティのテキスト入力にはない場合、[Shift]を押しながら[Enter]を押すと、「追加情報」ボタンがクリックされます。

  • ダイアログ:

    • [Esc]: フォーム・エントリがあるダイアログ(フラグメント・エディタなど)で[Esc]を押すと、情報を変更するフォームが開きます。

    • [Shift]+[Esc]: フォーム・エントリがあるダイアログ(フラグメント・エディタなど)で[Shift]を押しながら[Esc]を押すと、フォームを離れて、フォーカスがテキスト入力の外部に移動します。

    また、リスト・コントロールを含むダイアログでは、コンテキスト・メニューを使用してリスト内での追加、削除または移動を行うことができます。

  • リンク・ウィザード:

    リンク・ウィザードはWebページと同様に動作します。矢印キーでは階層内で移動できません。かわりに[Tab]を押して選択項目を移動し、[Enter]を押して選択します。また、[Tab]を押してラジオ・ボタン・グループに移動し、[Enter]を押してボタンを選択します。

1.7.4 フラグメントとアクセシビリティ

デザイナでフラグメントを操作する方法は2つあります。フラグメント・ツールボックスというデザイナのペインがあります。ただし、このツールボックスにはマウスを使用しないとアクセスできません。

完全なアクセシビリティのため、フラグメントはダイアログ(「フラグメントの選択」ダイアログ)からもアクセスされます(A.81項「「フラグメントの選択」ダイアログ」を参照)。このダイアログは他のダイアログと同じくメニューから開くことができ、キーボードを使用してナビゲートできます。

1.8 システム要件

Site Studioデザイナ・アプリケーションのシステム要件は次のとおりです。