この章では、ExalyticsマシンのAuto Service Request (ASR)をインストールする方法について説明します。
注意: この機能は、Oracle Exalyticsリリース1パッチ・セット1(1.0.0.1)で利用できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Exalytics In-Memory Machineインストレーションおよび管理ガイド』の「Exalyticsマシンの新機能」の章を参照してください。 |
次のトピックが含まれます:
Auto Service Request(ASR)は、ハードウェア・コンポーネントに一般的な障害が発生した際の自動ケース生成を提供する、セキュアで、スケーラブル、さらにお客様でインストール可能な保証およびOracleカスタマ・サポート・センターのソフトウェア機能です。ASRは、一般的なハードウェア・コンポーネントの障害に関してOracleカスタマ・サポート・センターと連絡をとる必要をなくし、電話連絡の必要回数と電話に必要な時間全体を削減することで、迅速に問題を解決できるように設計されています。また、ASRは、電子診断データを使用してサポート業務を簡素化します。インストールおよび配置が簡単なため、ASRはお客様によって完全に管理され、セキュリティを確実なものにします。ASRはコンポーネントの障害のみに適用されます。すべてのコンポーネント障害が対象となるわけではありませんが、一般的なほとんどのコンポーネント(ディスク、ファン、電源など)が対象となっています。
注意: ASRは、お客様のデータ・センター内で、SMTPアラートやSNMPアラートなど、他の監視メカニズムの代替にはなりません。交換ハードウェアの発送を促進および簡素化する補完メカニズムです。ASRは、高優先度システムのダウンタイム・イベントに使用することはできません。高優先度イベントの場合は、Oracleサポート・サービスまで直接ご連絡ください。 |
ASRマネージャは、データ・ネットワークとは別の管理専用ネットワーク上にあるExalytics外部のマシンにインストールするよう構成することをお薦めします。サポートされるオペレーティング・システムはOracle Linux 5.3以降およびSolaris 10 Update 5以降です。
注意: ASRマネージャを結合データ・ネットワーク・インタフェースと同じサブネットに配置することはできません。ETH0は結合データ・ネットワークと重複しない別のサブネットに配置する必要があります。 |
ASRをインストールする前に、次の条件を満たす必要があります。
My Oracle Support (http://support.oracle.com
)にアクセスでき、連絡情報が適切で最新であることを確認します。
すべてのExalyticsマシン・アセットに連絡先が割り当てられ、その連絡先が適切で最新であることを確認します。
Exalyticsの外部にあり、ASRマネージャとして機能するシステムを特定し、指定します。
ASRマネージャのIPアドレスを取得します。
ASRアセットを識別および確認します。
HTTPSを使用してインターネットへの接続を確認します。
Oracle Exalytics構成ユーティリティ・パッチとASRユーティリティをExalyticsホスト・マシンにダウンロードしてインストールします。
構成ユーティリティ・パッチとASRユーティリティをダウンロードおよびインストールするには、次の処理を実行します。
次のリンクのOracle Software Delivery Cloud Webサイトから、Oracle Exalyticsリリース1パッチ・セット1(ex_x2-4_config_utils_linux_x86_64.zipファイル)のOracle Exalytics構成ユーティリティ・パッチ(1.0.0.4)およびASRユーティリティをダウンロードし、インストールします。
そのファイルを一時ディレクトリに解凍します。
zipファイルには、表8-1にリストされたファイルが含まれています。
表8-1 Oracle Exalytics構成ユーティリティのzipファイル内のファイル
ファイル名 | 備考 |
---|---|
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Oracle Exalyticsネットワーク構成スクリプト |
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Oracle Exalytics上のASR(Auto Service Request) |
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Oracle Exalytics上のASRメール・スクリプト |
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Oracle Exalytics上のASR |
|
Oracle Exalytics上のASR |
次のディレクトリを作成します。
mkdir -p /opt/exalytics
mkdir -p /opt/exalytics/asr
configure_network_for_exalytics.sh
ファイルを/opt/exalytics
にコピーします。/opt/exalytics/asr
ディレクトリに次のファイルをコピーします。
bda_mon_hw_asr.pl
setup_asr_ilom.pl
common_subs.pm
SUN-HW-TRAP-MIB.mib
注意: ファイルをコピーする前にまず、既存のファイルをconfigure_network_for_exalytics.sh_V1として確実にバックアップします。 |
Oracle Exalyticsネットワーク構成スクリプトを実行して、ネットワーク・インタフェースを構成します。
#cd /opt/exalytics
#./configure_network_for_exalytics.sh
次の手順を実行し、ASRを構成します。
/opt/exalytics/asr
ディレクトリに移動して次のコマンドを実行し、2つのPerlファイルに実行権限を追加します。
chmod +x bda_mon_hw_asr.pl
chmod +x setup_asr_ilom.pl
次の行を/etc/inittab
ファイルに追加します。
emh1:345:respawn:/opt/exalytics/asr/bda_mon_hw_asr.pl -server
コマンド・ラインでinit q
コマンドを実行して、bda_mon
サーバーを初期化してから起動します。
ASRマネージャをスタンドアロン・システムにインストールする必要があります(Oracle Linuxを実行するExalytics外部のマシン。『Oracle Auto Service Requestインストレーションおよびオペレーション・ガイド』のソフトウェアのインストールに関する項を参照してください)。
ILOMおよびExalyticsホスト・マシンのテレメトリ・ソースを構成して、そのテレメトリをASRマネージャに転送する必要があります。ILOMとホストの両方を構成するためのスクリプトが提供されています。このスクリプトは/opt/exalytics/asr
にあります。これらのスクリプトはExalyticsホスト・マシン上で実行する必要があります。
次の手順を実行します。
root
ユーザーとしてログインします。
次のコマンドを実行し、Exalyticsホスト・マシン・テレメトリを構成します。
#cd /opt/exalytics/asr #./bda_mon_hw_asr.pl -set_snmp_subscribers type=asr,host=<IP Address Of ASR Manager>,fromip=<ETH0 IP of Node>
ASRアセット(ASRがアクティブ化されたExalyticsマシン・コンポーネント)を表示して確認するには、ASRマネージャ・システムから次のコマンドを実行します。
asr> list_asset
: このASRマネージャと関連付けられたすべてのアセットがリストされます。
たとえば、次のようになります。
xx.xxx.xxx.xx exalytics 1234567890 Enabled SNMP FMA SUN FIRE X4470 M2 SERVER x86/x64 System
xx.xxx.xxx.xxx exalytics-sp 1234567890 Enabled SNMP ILOM SUN FIRE X4470 M2 SERVER
次の手順を実行し、Exalyticsマシン・アセットを有効化します。
「My Oracle Support」ダッシュボードで、「詳細」タブをクリックします。次に、メニューから「設定」を選択します。
ウィンドウ左側の「設定」ペインで、(「管理」サブメニューの下にある)「アセット」を選択します。サポートIDについて、ソート・フィルタからASRステータスを選択し、「すべてのステータス」ドロップダウン・メニューから「保留中」を選択します。
「保留中」アセットは、次の2つの方法で承認できます。
アセット・ツールバーによるアクティブ化
アセットのシリアル番号をクリックすると、次のオプションを含むツールバーが表示されます。
連絡先の割当て - アセットに連絡先を割り当てるには、このオプションを選択します。連絡先にできるのは、サポートIDに関連付けられているユーザーのみです。
住所の変更 - アセットの物理的な場所を更新するには、このオプションを選択します。
承認 - 「承認」をクリックすると、「保留中」のアセットに対してASRを有効化できます。
その他のアクション - 「アクティブ化」(非アクティブなアセットに対して)、「非アクティブ化」(アクティブなアセットに対して)、または「拒否」(保留中のリクエストに対して)など、その他のアクションを実行できます。
アセットの詳細によるアクティブ化
「アセット」ペインの下部にアセットの詳細表示オプションがあります。アセットのシリアル番号をクリックしてアセットの詳細表示をクリックすると、アセットに関する情報を更新できます。ASRアセットのアクティブ化における必須フィールドはアスタリスク(*)で示されています。
詳細は、My Oracle Supportでナレッジ記事1329200.1を参照してください。My Oracle Supportでこの記事を確認するには、次の手順を実行します。
テスト・アラートを送信するには、次を実行します。
root
ユーザーとしてログインします。
次のコマンドを実行し、ILOMテレメトリのテスト・アラートを送信します。
ipmitool sunoem cli "set /SP/alertmgmt/rules/1 testrule=true"
次のコマンドを実行し、Exalyticsホスト・マシンのテスト・アラートを送信します。
#./opt/exalytics/asr/bda_mon_hw_asr.pl -validate_snmp_subscriber -type asr
テスト・アラートの電子メール通知が届きます。
注意: テスト・アラートは、ILOMおよびExalyticsホスト・マシンから送信することを強くお薦めします。 |
ExalyticsのホストおよびILOMを手動でアクティブ化する必要がある場合は、ASRマネージャで次の手順を実行します。
root
ユーザーとしてASRマネージャにログインします。次のコマンドを実行して、ASRメニューを起動します。
#cd /opt/SUNWswasr/bin #./asr
次のコマンドを実行し、Exalyticsホスト・マシン上でASRをアクティブ化します。
asr> activate_asset -i
IP_address_of_exalytics_host_machine
または
asr> activate_asset -h
host_name_exalytics_machine
次のコマンドを実行し、ExalyticsのILOMを個別にアクティブ化します。
asr> activate_asset -i
ILOM_IP_address_of_compute_node
または
asr> activate_asset -h
ILOM_host_name_of_exalytics_machine
詳細は、Oracle ASR ILOMフォルト・カバレッジを参照してください。