この章では、Oracle Exalytics In-Memory Machineを管理するためのOracle Integrated Lights Out Manager(ILOM)の設定とアクセス方法について説明します。次のトピックが含まれます:
Oracle Integrated Lights Out Manager(ILOM)は、高度なサービス・プロセッサ(SP)のハードウェアおよびソフトウェアを備えており、これらを使用してOracle Exalytics In-Memory Machineを管理および監視できます。
ILOMを使用すると、オペレーティング・システムの状態に関係なくOracle Exalytics In-Memory Machineをアクティブに管理および監視できるため、信頼できるLights Out Management(LOM)システムが実現します。
ILOMでは、次の操作を積極的に実行できます。
ハードウェアのエラーやフォルトが発生すると、これらについて学習します。
計算ノードの電力状態をリモートで制御します。
ホストのグラフィカルおよび非グラフィカルなコンソールを表示します。
システムのセンサーとインジケータの現在のステータスを表示します。
システムのハードウェア構成を決定します。
IPMI PET、SNMPトラップまたは電子メール・アラートにより、システム・イベントに関して生成されたアラートを事前に受信します。
ILOMサービス・プロセッサ(SP)は、その独自の組込みオペレーティング・システムを実行し、専用イーサネット・ポートを備えているため、バンド外管理機能も提供します。さらに、Oracle Exalytics In-Memory Machineにインストールされているオペレーティング・システム(Oracle Linux)からILOMにアクセスできます。ILOMを使用すると、ローカルに取り付けられたキーボード、モニター、マウスを使用しているかのように計算ノードをリモートで管理できます。
ILOMは、計算ノードに電源が投入されるとすぐに自動で初期化します。フル機能が装備された、ブラウザベースのWebインタフェースを提供し、それと同等のコマンドライン・インタフェース(CLI)も備えています。
ILOMは、その機能にアクセスするための複数のインタフェースに対応しています。ブラウザベースのWebインタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用できます。
Webインタフェース
Webインタフェースは、使いやすいブラウザ・インタフェースを提供します。このインタフェースを使用すると、SPにログインしてシステムを管理および監視できます。
コマンドライン・インタフェース
コマンドライン・インタフェースを使用すると、キーボード・コマンドでILOMを操作できます。このインタフェースは、業界標準DMTFスタイルCLIとスクリプト・プロトコルに従っています。ILOMはSSH v2.0とv3.0に対応して、CLIへのセキュアなアクセスを実現します。CLIを使用する場合、Sunシステムで既存のスクリプトを再利用でき、使い慣れたインタフェースでタスクを自動化できます。
サービス・プロセッサの静的IPアドレスが1つ以上必要です(ILOMアクセス)。
次の点に注意してください。
一般的な規約では、rootがデフォルトのユーザー名として使用されます。
サービス・プロセッサ(SP ILOM)パスワードのデフォルト値は、changemeです。
通常の状況では、ネットワークでILOMにアクセスできます。イーサネット接続の方法を使用してILOMに接続できます。ILOM IPアドレスを把握しておく必要があります。ILOMのデフォルトのIPアドレスは192.168.1.200
(ネットマスクは255.255.255.0
)です。CLIまたはWebインタフェースのいずれかを使用してILOMにアクセスできます。あるいは、リモートKVMセッションを開始してILOMにアクセスすることもできます。
注意: この接続方法は、ILOM IPアドレスが構成され、ネットワークでそのアドレスにアクセスできる場合のみ使用可能です。ネットワークは、Oracle Exalytics In-Memory Machineの この接続方法を使用して、Oracle Exalytics In-Memory MachineのILOMにアクセスすることをお薦めします。 |
このセクションのトピックは次のとおりです:
PuTTYなどのSSHクライアントを起動します。
「Host Name(またはIP address)」フィールドに、Oracle Exalytics In-Memory MachineのILOM IPアドレスを入力します。デフォルトのILOM IPアドレスは192.168.1.200
です。
「Connection Type」に「SSH」が選択されていることを確認します。
プロンプトが表示されたら、ユーザー名とパスワードを入力します。デフォルトのユーザー名はroot
、デフォルトのパスワードはchangeme
です。
CLIコマンド・プロンプトが表示されます。
Webブラウザのアドレス・バーに、Oracle Exalytics In-Memory MachineのILOM IPアドレスを入力します。デフォルトのILOM IPアドレスは192.168.1.200
です。
[Enter]を押します。
ログイン画面が表示されます。
ユーザー名とパスワードを入力します。デフォルトのユーザー名はroot
、デフォルトのパスワードはchangeme
です。
「ログイン」をクリックします。
Web GUIが表示されます。
ILOMに接続するOracle Exalytics In-Memory MachineのILOMコンソールにアクセスするには、次のようにします。
リモート・コンソールを起動する前に、ポップアップ・ブロッカがブラウザで無効になっていることを確認します。
ブラウザのアドレス・バーに、Oracle Exalytics In-Memory MachineのILOM IPアドレスを入力します。
デフォルトのユーザー名とパスワード(root
およびchangeme
)を使用してILOMにログインします。ログイン後、ILOMのホーム・ページが表示されます。
「リモート制御」タブをクリックして、「リモート・コンソールの起動」をクリックします。
リモート・コンソールが表示されます。
次の問題が原因でネットワークからILOMにアクセスできない場合、シリアル接続でILOMに接続できます。
ネットワークの構成の誤り
ILOM IPアドレスの構成の誤り
Ciscoイーサネット・スイッチ・ポートの構成の誤り
サイドバンド構成の問題
シリアル接続を使用してILOMに接続するには、次の手順を完了します。
シリアル・ケーブルを端末または端末エミュレーション・ソフトウェアを実行するPCから、Oracle Exalytics In-Memory MachineのSER MGT
ポートに取り付けます。ケーブルの長さは15フィート以下にします。
端末またはラップトップが機能していることを確認します。
次の設定を使用するように端末デバイスまたは端末エミュレーション・ソフトウェアを構成します。
8N1: 8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビット
9600ボー(デフォルト。ただし、最大で115200の任意の標準レートに設定可能)
ソフトウェアのフロー制御を無効化(XON/XOFF)
ハードウェア制御を無効化
電源がいずれかのPSUに供給されていることを確認します。
いずれかのPSUに電源が投入されている場合、ILOMは、計算ノードの電力状態に関係なく機能します。
端末デバイスで[Enter]を押します。端末デバイスとILOMとの接続が確立されます。
ILOMログイン・プロンプトが表示されます。
デフォルトのユーザー名とパスワード(root
およびchangeme
)を使用してCLIにログインします。
ILOMのデフォルトのコマンド・プロンプトが表示されます。
シリアル接続やイーサネット接続を使用してILOMに接続したら、ネットワーク・アクセスを構成する必要があります。
注意: ネットワーク・アクセスの再構成が必要になる場合は、イーサネット接続の使用をお薦めします。 |
このセクションの内容は次のとおりです。
シリアル接続の使用
「シリアル接続によるILOMへの接続」の説明に従い、シリアル接続を使用してILOMに接続します。
ILOMコマンド・プロンプトで次のコマンドを実行します。
cd /SP/network
set pendingipdiscovery=static
set pendingipaddress=<ip_address>
set pendingipnetmask=<ip_netmask>
set pendingipgateway=<ip_gateway>
set commitpending=true
イーサネット接続の使用
「ネットワークによるILOMへの接続」の説明に従い、イーサネット接続を使用してILOMに接続します。
ILOMコマンド・プロンプトで次のコマンドを実行します。
cd /SP/network
set pendingipdiscovery=static
set pendingipaddress=<ip_address>
set pendingipnetmask=<ip_netmask>
set pendingipgateway=<ip_gateway>
set commitpending=true
SPネットワーク情報が失われた場合のipmitoolコマンドの使用
サービス・プロセッサ(SP)ネットワーク情報が失われた場合、次の例のように、SSHシェルを使用して計算ノードのオペレーティング・システムのETH0インタフェースに接続し、適切なipmitool
コマンドを実行してネットワーク設定を再構成できます。
/opt/ipmitool/bin/ipmitool sunoem cli 'set /SP/users/rootpassword=somepasswd' somepasswd
この例では、ILOMのrootパスワードが再設定されます。
注意:
|
ILOM IPアドレスの構成に誤りがある場合、ILOM IPアドレスを手動で構成できます。通常の状況では、ILOM IPアドレスを手動で構成する必要はありません。
IPアドレスを手動で構成するには、次の手順を完了します。
Cisco 4948スイッチを接続するネットワークから、空いている静的IPアドレスを取得します。
シリアル・ポート接続を使用して、IPアドレスとサイドバンド管理を次のように構成します。
計算ノードの背面にあるSER MGTポートにシリアル・ケーブルを挿入して、計算ノードのSPに対するシリアル接続を確立します。
端末のウィンドウで次の設定を構成します。
8N1: Eight data bit, no parity, one stop bit
9600 Baud
Disable hardware control
Disable software control
ログイン・プロンプトで、ユーザー名root
およびパスワードchangeme
を入力します。
図6-1に示すように、現在作業しているディレクトリから、cd
コマンドを使用して/SP/network
ディレクトリに移動します。
コマンド・プロンプトで次のコマンドを実行します。
cd /SP/network
set pendingipdiscovery=static
set pendingipaddress=<ip_address>
set pendingipnetmask=<ip_netmask>
set pendingipgateway=<ip_gateway>
set commitpending=true