2 Oracle VMの新機能

2.1 Oracle VM 3.1.1の新機能
2.2 Oracle VM 3.0.3の新機能
2.3 Oracle VM 3.0.2の新機能

ここでは、Oracle VMの新機能および拡張機能について説明します。この情報は、以前のリリースのOracle VMを使用していたユーザーに役立ちます。

2.1 Oracle VM 3.1.1の新機能

Oracle VMリリース3.1.1の新機能および拡張機能は次のとおりです。

パフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティ

  • Xenハイパーバイザの更新: Xenはリリース4.1.2に更新されています。

  • 新しいDom0カーネル: Dom0カーネルは、Oracle Linuxで使用されるOracle Unbreakable Enterprise Kernel 2 (UEK2)と同一で、Oracle Linuxでサポートされているドライバとの完全なバイナリの互換性があります。Oracle VM Dom0環境(より一般的な目的のOracle Linux環境ではない)の特殊な性質上、一部のLinuxドライバは、Oracle LinuxのUEK2カーネルとの完全な互換性がある場合でも、Oracle VMのコンテキストでサポートするために適切でない場合があります。Oracleサポート・サービスから指示されないかぎり、追加のドライバをインストールしないでください。

  • ジャンボ・フレームのサポート: 様々なMTUサイズが完全にサポートされています。ネットワークMTUサイズの設定の詳細は、ボンディングされたインタフェースの管理に関する説明を参照してください。

  • LUNのサイズ変更: LUN (記憶域リポジトリまたはサーバー・プール・ファイル・システムのいずれかとして使用される)はOCFS2ファイル・システムのサイズも変更することができます。

  • OCFS2記憶域リポジトリへのバックアップ/リストア・アクセス: NFS共有としてOCFS2記憶域リポジトリを示し、記憶域リポジトリのコンテンツをバックアップおよびコピーするために外部ツールへのアクセスを有効にします。記憶域リポジトリのバックアップの有効化の詳細は、記憶域リポジトリのバックアップの有効化に関する説明を参照してください。

  • サーバー・プール間でのOCFS2リポジトリの移動: あるサーバー・プールからOCFS2記憶域リポジトリを削除して他のサーバー・プールへ追加します。あるサーバー・プールから他のサーバー・プールへの記憶域リポジトリの移動のプロセスは簡素化され、障害時リカバリをより簡単にし、記憶域のアジリティが向上されています。

インストール

  • マルチパスSANからのブート: Oracle VM Serverをインストールして、ローカル記憶域のタイプを問い合せずにマルチパスSANからブートを実行できます。

ユーザビリティの改善

  • 仮想マシン・テンプレートの作成: 仮想マシンは、テンプレートとしてクローニングされ、テンプレートは他のテンプレートの作成に使用され、ウィザードを使用した仮想マシンの作成と同様の方法でテンプレートを作成できます。仮想マシン・テンプレートの作成の詳細は、仮想マシン・テンプレートの作成に関する説明を参照してください。

  • 仮想マシンおよびテンプレートの移動またはクローニング: (構成情報、ディスク・リソース、記憶域およびネットワークを含む)仮想マシンまたはテンプレートの移動またはクローニング。仮想マシンおよびテンプレートの移動およびクローニングの詳細は、仮想マシンまたはテンプレートのクローニングに関する説明仮想マシン・テンプレートの移動に関する説明および仮想マシン・テンプレートの移動に関する説明を参照してください。

  • vCPUのホットアド: 仮想CPUを実行中の仮想マシンに即時追加します。仮想マシンの編集および実行中の仮想マシンへのvCPUの追加の詳細は、仮想マシンの編集に関する説明を参照してください。

  • ホスト名およびIPを使用した複数のOracle VM Serverの検出: 個々のIPアドレスを別々に入力するかわりに、テキスト・フィールドに複数のホスト名またはIPアドレスを入力または貼付けして、Oracle VM Serverを検出します。Oracle VM Serverの検出の詳細は、Oracle VM Serverの検出に関する説明を参照してください。

  • 仮想マシンのキーボード・マッピング: サーバー・プールだけでなく個々の仮想マシンで様々な言語でのキーボード・マッピングをサポートします。仮想マシンの作成時のキーボード・マッピングの詳細は、仮想マシンの作成に関する説明を参照してください。

  • 仮想マシン・コンソール: 仮想マシン・コンソールが他のユーザーによって使用されている場合、仮想マシン・コンソールの制御を引き継ぐことができます。仮想マシン・コンソールの詳細は、仮想マシンへの接続に関する説明を参照してください。

  • ユーザー・インタフェースの改善: ユーザー・インタフェースの大幅な改善により、使用がより簡単になり、ワーク・フローがより直感的になり、タスクの実行に必要なクリック数を削減しました。Oracle VM Managerユーザー・インタフェースの詳細は、Oracle VM Managerの使用に関する説明を参照してください。

  • ドラッグ・アンド・ドロップ: ユーザー・インタフェースでオブジェクトをドラッグ・アンド・ドロップできます。ドラッグ・アンド・ドロップ機能の使用の詳細は、ドラッグ・アンド・ドロップに関する説明を参照してください。

2.2 Oracle VM 3.0.3の新機能

Oracle VMリリース3.0.3の新機能および拡張機能は次のとおりです。

パフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティ

  • アンチ・アフィニティのサポート: 同じOracle VM Serverに配置できない仮想マシンを定義します。この機能を使用して、重要なリソースが共有シングル・ポイント障害に配置されないようにすることで、可用性を向上させます。アンチ・アフィニティの詳細は、アンチ・アフィニティ・グループに関する説明を参照してください。

  • Oracle VM Agentパスワードの変更: サーバー・プール内のすべてのOracle VM ServerのOracle VM Agentパスワードは、Oracle VM Managerから変更できます。Oracle VM Agentパスワードの変更の詳細は、Oracle VM ServerのOracle VM Agentパスワードの変更に関する説明を参照してください。

インストール

ユーザビリティの改善

  • ユーザー・インタフェース: ウィザードが改善され、操作がよりスムーズになり、操作のニーズに対応しています。

  • 仮想マシン: 仮想マシンの作成時に、明示的に最大メモリーを設定します。仮想ディスク属性の更新に柔軟に対応できます。シック・プロビジョニングまたはシン・プロビジョニングを選択します。CDROMの動的な更新を実行します。仮想マシン・コンソールでは、ユーザー名/パスワードは必要ありません。これらの新しい仮想マシン機能の詳細は、仮想マシンの管理に関する説明を参照してください。

  • ライブ移行アシスタント: ライブ移行中に、「Live Migration」ダイアログ・ボックスで許可するターゲットOracle VM Serverのみを選択できます。移行先のほかのサーバーが表示されない理由に関する説明の項では、特定のサーバーに移行できない理由が説明されています。アンチ・アフィニティおよびCPUファイリなどのハードウェア要因が考慮されています。

  • 最大ゲスト・メモリー: 新しい「Create Virtual Machine」ウィザードには、最大メモリーの設定が含まれています。これは、実行中の仮想マシンに構成できるRAMの最大量です。

2.3 Oracle VM 3.0.2の新機能

Oracle VMリリース3.0.2の新機能および拡張機能は次のとおりです。

パフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティ

  • Xen 4.0ハイパーバイザの更新: より効率的な電力管理機能が提供され、ハードウェア・サポートの範囲が広がり、ハードウェア仮想化ゲストと準仮想化ゲストの両方のパフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティが向上しています。

  • 新規ドライバによるDom0 Linuxカーネルの更新: 最新のUnbreakable Enterprise Kernelにより、パフォーマンスが向上するようにハードウェア・サポートが強化されています。

  • スケーラビリティの向上: Oracle VM Serverで最大160のCPUと2TBのメモリーのサポートが可能。

  • OCFS2 1.8クラスタ・ファイル・システムの更新: OCFS2 1.8でのインスタント・クローンのサポートによって、仮想マシンのプロビジョニングおよびクローニングが大幅に高速に行われるようになります。

  • OVFのサポート: Oracle VM Managerを使用して、Oracleで作成される幅広いOpen Virtualization Format(OVF)ベースのソフトウェア・アセンブリをインポートし、アプリケーションのデプロイを迅速に行うことができるようになりました。アセンブリの使用方法については、アセンブリに関する説明を参照してください。

ネットワークと記憶域の構成および管理

  • ネットワークの構成および管理: Oracle VM Serverのすべての論理ネットワーク構成および管理(NICポートのボンディングやVLAN Networksの構成など)は、Oracle VM Managerを使用して行われるようになりました。Oracle VM Managerでのネットワーク管理の詳細は、ネットワークの管理に関する説明を参照してください。

  • 記憶域の構成および管理: Oracle VM Storage Connectフレームワークを使用すると、Oracle VM Managerで既存のストレージ・システムのリソースや機能に直接アクセスできるため、ネイティブ・ストレージ・サービス(SANやNFSの記憶域の作成、削除、拡張など)がサポートされます。これによって、Oracle VM Managerでは、使用可能な記憶域を自動的に検出したり、新しい記憶域リポジトリを作成したり、RAW記憶域を仮想マシンに直接マップできるようになります。記憶域の管理の詳細は、記憶域の管理に関する説明を参照してください。

物理ステータスおよび仮想ステータスとリソース情報

  • リソース情報: 物理Oracle VM Serverおよび仮想マシンごとに、CPU、メモリー、ディスクおよびネットワークについてのパフォーマンス統計が使用可能です。物理オブジェクトおよび仮想オブジェクトごとにイベント(ポートの起動/停止ステータスなど)が表示されます。IPアドレスやその他の構成情報は、直接ユーザー・インタフェースに表示されます。

    注意

    Oracle VM Managerのユーザー・インタフェースですべてのメトリックが公開されるわけではありません。

ポリシーベースのリソース管理

  • 容量管理のための分散リソース・スケジューリング(DRS): DRSでは、サーバー・プールをリバランスして、実行中の仮想マシンに一貫性のあるリソースを提供するための目標を設定し、Oracle VM Serverの使用状況をリアルタイムで監視できます。DRSでは、負荷の高いOracle VM Serverから負荷の低いOracle VM Serverに負荷を移行します。

  • 電力消費が最小限になるようにサーバー・プールを最適化するための分散電源管理(DPM): DPMはDRSを補完して、リソース使用率が低い期間がある場合にサーバー・プールのOracle VM Serverの数を削減します。DPMによって、リソース使用率が増加したときに、必要に応じて自動的に容量が追加されます。

DRSおよびDPMの使用方法の詳細は、サーバー・プールのポリシーに関する説明を参照してください。

ユーザビリティの改善

  • ユーザー・インタフェース: 最新のOracle Application Development Framework (ADF)に基づいて、Oracle VM Managerには、物理環境および仮想環境のリアルタイムな状態を表示するための、完全にインタラクティブなツリー・ビューおよび自動リフレッシュが追加されています。新しいユーザー・インタフェースの使用については、Oracle VM Managerの使用方法に関する説明を参照してください。

  • 仮想マシン: インストールを簡略化するために起動順序を指定します(ディスクやCD-ROMなど)。RAW記憶域または仮想ディスク(vdisks)を直接アタッチします。仮想マシンの詳細は、仮想マシンの管理に関する説明を参照してください。