3.7. 仮想マシンとしてのOracle VM Managerの実行

Oracle VM Managerは、必ずしも環境内の別の物理サーバーで実行する必要はありません。Oracle VM Managerを仮想マシンに変えることで、リソースを節約できます。この結果、ハードウェア統合、高可用性、ライブ・マイグレーションなど、仮想化の標準的なすべての利点からメリットが得られます。Oracle VM Managerは1つの物理サーバーに結び付けられていないため、他のアプリケーションのためにより多くの物理リソースが残され、同時に、サーバーのメンテナンスが必要な場合に、停止時間なしで他のハードウェアにホット・クローニング、バックアップおよび移行ができます。

Oracle VM Managerを仮想マシンに変える手順は、物理サーバー上での、または、Oracle VM VirtualBoxなどの仮想化ツールを使用した通常のインストールから始まります。このインストールを使用して、仮想マシンを動作させるための最小限のもの(1つのOracle VM Server、1つのNFS記憶域サーバーおよびデフォルトの管理ネットワークで十分です)を設定します。環境が稼働したら、環境に仮想マシンをインストールし、元のOracle VM Managerの役割を引き継がせます。この項では、この最終結果に達するための手順について説明します。

注意

この手順は、使用しているOracle VM環境を再構成するためのものではありません。Oracle VM Managerを仮想マシンとして実行する場合は、重大な構成を行う前に、最小限のインストールで、設定の一環としてこの手順を実行します。

仮想環境でOracle VM Managerを仮想マシンとして実行するには、次の手順を実行します。

  1. 第3.4項「Oracle VM Managerのインストール」の説明に従って、Oracle VM Managerを物理サーバーまたはOracle VM VirtualBoxにインストールします。

  2. 環境のOracle VM Serverを検出し、クラスタ・サーバー・プールを作成し、デフォルトの管理ネットワークを使用し、必要な最小記憶域(サーバー・プールのファイル・システム、およびVMリソースの記憶域リポジトリ)を設定します。これを行うには、『Oracle VMユーザーズ・ガイド』の指示に従います。

  3. 第3.3.1項「ハードウェア要件」で説明したOracle VM Managerのハードウェア要件に準拠した新しい仮想マシンを作成します。新しい仮想マシンのHA (高可用性)が有効になっていることを確認します。

  4. オペレーティング・システム(Oracle Linux)をインストールし、第3.3.2項「ソフトウェア要件」で説明したとおり、仮想マシンがOracle VM Managerのすべてのソフトウェア要件に準拠していることを確認します。

  5. 第3.4項「Oracle VM Managerのインストール」の説明に従って、この新しい仮想マシンに、Oracle VM Managerをインストールします。--uuidオプションを指定してインストーラを実行し、先にインストールしたOracle VM Managerインスタンスと同じUUIDを持ったこの新しいOracle VM Managerインスタンスをインストールします。

    注意

    Oracle VM Managerデータベースを別の仮想マシンで実行する場合は、Oracle VM Manager仮想マシンをインストールする前にデータベースが稼働していることを確認します。

    • 元のOracle VM ManagerのUUIDを、/u01/app/oracle/ovm-manager-3/.configファイルからコピーします。

    • 仮想マシンのファイル・システムにOracle VM Managerのインストール用DVDをマウントした後、次のようにインストーラを実行します。./runinstaller.sh --uuid <original_manager_uuid>通常のインストールの場合と同様、好みのインストール・タイプを選択します。

  6. 元のOracle VM Managerを停止します。

  7. 新しいOracle VM Manager仮想マシンから、Oracle VM Serverと記憶域を再検出し、記憶域リポジトリをリフレッシュして、すべてのVMリソースが再表示されることを確認します。

  8. 最小限の設定を再検出した後、Oracle VMのフル環境のインストールおよび構成を進めます。

これで、Oracle VM Managerは、管理している環境の上でHA VMとして動作します。Oracle VM Serverで障害が発生した場合、VMは環境内の別のOracle VM Serverで自動的に起動します。