3.3. ハードウェアおよびソフトウェアの最小要件

3.3.1. ハードウェア要件
3.3.2. ソフトウェア要件

Oracle VM Managerをインストールするコンピュータでは、次の最小システム要件を満たしている必要があります。

3.3.1. ハードウェア要件

Oracle VM Managerをインストールする前に、表3.1に記載したハードウェアの最小要件をコンピュータが満たしていることを確認してください。

表3.1. Oracle VM Managerのハードウェア要件

項目

最小値

メモリー

1.5GB

Oracle XEでは4GB

プロセッサ・タイプ

64ビット

プロセッサ速度

1.83GHz*1

スワップ領域

2.1GB

ハード・ディスク容量

/u01に5GB

/tmpに2GB


3.3.2. ソフトウェア要件

Oracle VM Managerをインストールする前に、コンピュータが次のソフトウェアおよび構成の最小要件を満たしていることを確認してください。

3.3.2.1. オペレーティング・システム

Oracle VM Managerは、次のオペレーティング・システムでサポートされています。

  • Oracle Linux 5 Update 5 64ビット以上

  • Oracle Linux 6 64ビット以上

  • Red Hat Enterprise Linux 5 Update 5 64ビット以上

  • Red Hat Enterprise Linux 6 64ビット以上

Oracle Linuxは、次のURLからダウンロードできます。

https://edelivery.oracle.com/linux

注意

Oracle Linuxの詳細は、次を参照してください。

http://linux.oracle.com/

http://www.oracle.com/technetwork/topics/linux/whatsnew/index.html

3.3.2.2. ネットワーク

Oracle VM Managerをインストールするホスト・コンピュータには、(pingの実行が可能な)ホスト名を正しく構成する必要があります。コンピュータのホスト名が/etc/hostsファイルのホスト名と一致していることを確認します。次のコマンドを使用して、ホスト名を確認します。

# hostname

テキスト・エディタを使用して、/etc/hostsファイルのホスト名を確認します。たとえば、VIを使用するには、次のように入力します。

# vi /etc/hosts

たとえば、コンピュータのホスト名がhostname1.example.comで、IPアドレスが10.1.1.1の場合、これに対応する/etc/hostsファイルの項目は次のようになります。

10.1.1.1 hostname1.example.com hostname1

3.3.2.3. Webブラウザ

Oracle VM Managerのユーザー・インタフェースは、次のWebブラウザでサポートされています。

  • Microsoft Internet Explorer 7.0以上

  • Mozilla Firefox 3.5以上

  • Apple Safari 5.0以上

  • Google Chrome 1.0以上

3.3.2.4. 環境構成スクリプト

createOracle.shは、次の処理を自動的に実行するスクリプトです。

  • オペレーティング・システムのdbaグループの作成

  • oracleユーザーの作成とdbaグループへの追加

  • /u01ディレクトリの作成

  • /etc/security/limits.confファイルでの必要なパラメータの設定

  • /etc/sysconfig/iptablesファイル内の必要なポートを開くこと

createOracle.shスクリプトを実行するには、最初にOracle VM ManagerインストーラISOファイルまたはCDをマウントする必要があります。インストール・メディアをマウントする方法の詳細は、第3.4.1項「Oracle VM Managerのインストール・メディアのマウント」を参照してください。その後、次のコマンドをrootユーザーとして入力します。

# ./createOracle.sh

3.3.2.5. 前提条件パッケージ

この項では、Oracle VM Managerをインストールする前に必要になるオペレーティング・システムの前提条件パッケージについて説明します。

3.3.2.5.1. libaio

Oracle VM Managerのインストール時に、管理データ・リポジトリとしてOracle Database 11g Express Edition (Oracle XE)を使用することを選択した場合、libaioパッケージをインストールする必要があります。libaioは、リリース0.3.104以上をインストールする必要があります。

コンピュータにOracle Unbreakable Linux Network (ULN)が構成されている場合は、次のいずれかのコマンドを実行し、システムに応じてlibaioを更新またはインストールできます。

# yum install libaio

または

# up2date libaio

libaioパッケージは、Oracle Linux DVDまたはISOファイルにもあります。libaioをインストールするには、libaio.rpmが格納されているディレクトリに移動し、次のコマンドを入力します。

# rpm -ivh libaio-version.rpm

libaioをアップグレードするには、次のコマンドを使用します。

# rpm -Uvh libaio-version.rpm
3.3.2.5.2. unzip

Oracle Linuxを最小インストールしている場合、Oracle VM Managerインストーラで必要なunzipパッケージがインストールされていない可能性があります。unzipをインストールするには、次のように入力します。

# yum install unzip
3.3.2.5.3. bc

Oracle XEデータベースを管理データ・リポジトリとして使用する場合、bcパッケージ(GNU数値処理言語)をインストールする必要があります。bcをインストールするには、次のように入力します。

# yum install bc

3.3.2.6. ファイアウォールの構成

デフォルトのOracle Linuxのインストールでは、ファイアウォールが有効(iptablesが有効)になっています。iptablesが有効なシステムでOracle VM Managerを使用するには、Oracle VM Managerが使用するすべてのポートを開くか、またはiptablesを無効にしてすべてのポートを開きます。

WebブラウザによるOracle VM Managerへの接続に必要なポートは、7001、7002および15901です。Oracle VM Managerに接続するためにOracle VM Serverが使用するポートは、7001、7002、およびリモートAPIアクセス用としてオプションで54321および54322です。次に、Oracle VM Managerは、Oracle VM Agent通信用にポート8899、および仮想マシンへのセキュアなVNCトンネリング用(1つのVM当たり1つのポート)にポート6900以上を介してOracle VM Serverに接続します。ネットワークの各部間にインストールされることのある様々なファイアウォール上の必要なポートを開いてください。次の図のガイドラインに従います。

この図は、Oracle VM Managerのファイアウォール・ルールを示しています。

iptablesを無効にしてすべてのポートを開くには、rootユーザーとして次のコマンドを入力します。

# service iptables stop
# chkconfig iptables off

あるいは、rootユーザーとしてiptablesコマンドを使用することで、必要なポートを開きます。

# iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 7001 -j ACCEPT
# iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 7002 -j ACCEPT
# iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 15901 -j ACCEPT
# iptables -A INPUT -m state --state NEW -m udp -p udp --dport 123 -j ACCEPT

Oracle VM ManagerのコアAPIにリモートで接続するには、次のコマンドも入力します。

# iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 54321 -j ACCEPT
# iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 54322 -j ACCEPT

すべてのポートが開いたら、iptablesの構成を保存します。

# service iptables save

この場合、iptablesが実行中のときはコマンドによってポートが開き、保存操作によって、今後のリブート/再起動時にポートが開いた状態になるため、iptablesを再起動する必要はありません。

必要なポートが自動的に開くようにファイアウォールを構成するには、Oracle VM Managerインストーラとともに提供される環境構成スクリプトを使用します。このスクリプトの使用方法の詳細は、第3.3.2.4項「環境構成スクリプト」を参照してください。

3.3.2.7. インストール・ポート、パスワードおよびデータベース情報

Oracle VM Managerのインストール時に、次のポート、パスワードおよびデータベース接続情報の設定または入力を求められることがあります。

  • Oracle Databaseのホスト名。これは、Oracle VM Managerデータベース・リポジトリとして使用するOracle Databaseが存在するホストのIPアドレスまたはホスト名です。デフォルトはlocalhostです。

  • Oracle Database System ID (SID)。これは、Oracle VM Managerデータベース・リポジトリに接続するために使用するデータベースのSIDです。

  • Oracle Database HTTPポート。デフォルトのポート番号は8080です。

  • Oracle Databaseリスナー・ポート。デフォルトのポート番号は1521です。

  • Oracle Database SYSアカウントとSYSTEMアカウントのパスワード。このパスワードに特殊文字を使用することはできません。英数字のみを使用してください。

  • Oracle VM Manager OVSデータベース・スキーマのパスワード。

  • Oracle WebLogic adminアカウントのパスワード。

Oracle WebLogic adminアカウントに使用するパスワードは、次のルールに準拠する必要があります。

  • 長さが8文字から16文字であること。

  • 1文字以上の小文字と1文字以上の大文字を含むこと。

  • 1文字以上の数値または特殊文字を含むこと。

3.3.2.8. Oracle XEユーザー

dbaというグループのメンバーであるoracleユーザーが必要です。oracleユーザーがOracle VM Managerホストに存在しない場合、rootユーザーとして次のコマンドを入力して、ユーザーの作成、グループの作成、グループへのユーザーの追加、およびユーザーのパスワードの設定を行います。

# groupadd dba
# useradd -g dba oracle

oracleユーザーがすでに存在する場合は、次のコマンドを使用して、dbaグループに追加します。

# usermod -g dba oracle

oracleユーザーには、8192以上のhard nofilessoft nofilesが、また、その他のセキュリティ制限の設定が必要です。これらを設定するには、次のものを含むように/etc/security/limits.confファイルを編集します。

oracle       hard    nofile  8192
oracle       soft    nofile  8192
oracle       soft    nproc   4096
oracle       hard    nproc   4096
oracle       soft    core    unlimited
oracle       hard    core    unlimited

oracleユーザーを自動的に構成するには、Oracle VM Managerインストーラとともに提供される環境構成スクリプトを使用します。このスクリプトの使用方法の詳細は、第3.3.2.4項「環境構成スクリプト」を参照してください。

3.3.2.9. /u01ディレクトリ

Oracle VM Managerおよびサポートされている製品は、/u01/app/oracleディレクトリにインストールされます。Oracle VM Managerのインストールを開始する前に、/u01ディレクトリが存在し、空き領域が2.4GB以上あることを確認します。

/u01ディレクトリを自動的に作成するには、Oracle VM Managerインストーラとともに提供される環境構成スクリプトを使用します。このスクリプトの使用方法の詳細は、第3.3.2.4項「環境構成スクリプト」を参照してください。