互換性の問題

このセクションでは、初期リリースの時点での Oracle Solaris Cluster とほかの製品との互換性の問題に関する情報について説明します。修正が利用可能かどうかを確認するには、Oracle のサポート担当者にお問い合わせください。

パブリックネットワークの障害時に論理ホストがフェイルオーバーしない (16979921)

問題のサマリー: 排他的 IP ゾーンクラスタ内の IPMP グループで、ベースネットワークインタフェースリンクが切断された場合であっても、依存論理ホスト名リソースがオンラインのままとなるリンク障害を認識できません。

回避方法: IPMP ネットワークサービスの推移的プローブを有効化するか、または排他的 IP ゾーンクラスタでプローブベースの IPMP グループプローブを作成します。

Solaris ボリュームマネージャーを含む Oracle ASM が論理ボリュームをミラー化した

問題のサマリー: Oracle Solaris Cluster HA for Oracle Database または Support for Oracle RAC 構成で、Solaris ボリュームマネージャーによってミラー化された論理ボリュームを含む Oracle ASM を使用する必要がある場合は、SUNW.ScalDeviceGroup 検証機能が失敗する可能性があります。これらの障害によって、SUNW.ScalDeviceGroup リソースに依存しているサービスの可用性が失われます。

回避方法: SUNW.ScalDeviceGroup リソースタイプの IOTimeout プロパティーの設定を大きくすることで、それらの障害を軽減できます。詳細は、My Oracle Support にある記事 603825.1 を参照してください。

GI の root.sh および CRS 起動時に S10 ブランドゾーンで osysmond がコアダンプする (14456069)

問題のサマリー: この問題は、solaris10 ブランドゾーンクラスタで構成されている Oracle RAC 11g リリース 2 に影響を与えます。Grid Infrastructure の root.sh スクリプトが実行されるとき、または Cluster Ready Services (CRS) が起動するときに、osysmond プロセスによって 1 回以上コアがダンプされることがあります。

回避方法: パッチや回避方法が利用可能かどうかを確認するには、Oracle サポートまでお問い合わせください。

Oracle Clusterware が ora.asm リソースのすべての SID の作成に失敗する (12680224)

問題のサマリー: Oracle ASM インスタンスの Oracle Solaris Cluster リソースを作成するときに、clsetup ユーティリティーから次のいずれかのエラーメッセージが報告されることがあります。

ORACLE_SID (+ASM2) does not match the Oracle ASM configuration ORACLE_SID () within CRS

ERROR: Oracle ASM is either not installed or the installation is invalid!

この状況は、Oracle Grid Infrastructure 11g リリース 2 をインストールしたあとに、ora.asm リソースの GEN_USR_ORA_INST_NAME@SERVERNAME の値に、クラスタで実行されているすべての Oracle ASM SID が含まれていないために発生します。

回避方法: crsctl コマンドを使用して、欠落している SID を ora.asm リソースに追加します。

# crsctl modify res ora.asm \
-attr "GEN_USR_ORA_INST_NAME@SERVERNAME(hostname)"=ASM_SID

旧い pkg コマンドが原因で、Oracle Solaris 11 SRU のインストールに失敗することがある

問題のサマリー: Oracle Solaris 11.1 にアップグレードする前に Oracle Solaris 11 SRU をクラスタにインストールすると、次のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

WARNING: pkg(5) appears to be out of date, and should be updated before 
running update.  Please update pkg(5) by executing 'pkg install 
pkg:/package/pkg' as a privileged user and then retry the update.

回避方法: エラーメッセージの指示に従います。

clzonecluster install-cluster を使用して solaris10 ブランドゾーンクラスタにパッチのみをインストールできない (7200532)

問題のサマリー: Oracle Solaris Cluster パッチ 145333-15 (SPARC) または 145334-15 (x86) が solaris10 ブランドゾーンにインストールされている場合、clzonecluster install-cluster コマンドでそのゾーンにパッチをインストールできないことがあります。例:

# clzonecluster install-cluster -p patchdir=/var/tmp/patchdir,patchlistfile=plist S10ZC 
Installing the patches ... 
clzc:  (C287410) Failed to execute command on node "zcnode1": 
scpatchadm: Logging reports to "/var/cluster/logs/install/scpatchadm.log.123"  

scpatchadm.log.123 would show the message: 
scpatchadm: Failed to install the following patches: 
123456-01 
clzc:  (C287410) Failed to execute command on node "zcnode1"

回避方法: ゾーンにログインし、patchadd コマンドを使用してパッチをインストールします。

Oracle Solaris Cluster 3.3 パッチが使用可能になるかどうかを確認するには、Oracle のサポート担当までお問い合わせください。

メインアダプタを IPMP グループに追加すると、DNS 構成が削除される (7198718)

問題のサマリー: 次のコマンド例にあるように、ネットワークアダプタを削除してから IPMP グループ向けに作成した場合、問題が発生します。

# ipadm delete-ip adapter
# ipadm create-ip adapter
# ipadm create-ipmp -i adapter sc_ipmp0
# ipadm create-addr -T static -a local=hostname/24 sc_ipmp0/v4

IPMP アドレスが作成された直後に、/etc/resolv.conf ファイルが消失し、LDAP サービスが無効になります。有効なサービスがオフライン状態のままでも同様です。

回避方法: ipadm delete-ip コマンドでネットワークアダプタを削除する前に、svcadm refresh network/location:default コマンドを実行します。

SAP JAVA の問題が HA for SAP NetWeaver のアビリティーに影響し、無計画停止時にフェイルオーバーする (7191360)

SAP JAVA スタックには、HA for SAP NetWeaver 構成でダイアログインスタンスのフェイルオーバーに影響する重大な問題があります。パニックや電源異常などの無計画ノード停止時に、SAP メッセージサーバーは、タイムアウト期間が終了するまで異なるノード上のダイアログインスタンスの接続を受け入れません。このため、次のような動作になります。

フェイルオーバーのダイアログインスタンスをホストするノードでパニックや機能停止が発生すると、ダイアログインスタンスは最初の試行時にターゲットノードで起動しません。ダイアログインスタンスは、次のいずれかの処理を実行します。

• 1 回以上の再試行後にオンラインになります。

• 元のノードが十分早いうちに復帰した場合は、そのノードにフェイルバックします。

この動作が発生するのは、無計画停止時のみです。ノードの正常な停止時は、この問題が発生しません。また、ABAP またはデュアルスタック構成は影響を受けません。

pkg:/system/resource-mgmt/resource-cap がインストールされておらず、capped-memory が構成されている場合に、ゾーンがブートしない (7087700)

問題のサマリー: パッケージ pkg:/system/resource-mgmt/resource-cap がインストールされておらず、構成の一部としてゾーンが capped-memory リソース制御で構成されている場合、ゾーンのブートが失敗します。次に出力例を示します。

zone 'zone-1': enabling system/rcap service failed: entity not found 
zoneadm: zone 'zone-1': call to zoneadmd failed

回避方法: pkg:/system/resource-mgmt/resource-cap を大域ゾーンにインストールします。resource-cap パッケージをインストールすると、ゾーンをブートできます。

アクティブ/アクティブ ZFS Storage Appliance クラスタ構成は Geographic Edition でサポートされない (6770212)

Oracle Solaris Cluster 4.1 ソフトウェアの初期リリースでは、クラスタ構成でのアクティブ/アクティブなリモート複製 (両端が複製対象データ) は、Sun ZFS Storage Appliance でサポートされません。パッチや回避方法が利用可能かどうかを確認するには、Oracle サポート担当者までお問い合わせください。

ただし、アクティブ/パッシブ構成は、クラスタ構成で現在サポートされています。