2.10 デプロイ・オプション

この項では、Oracle VMのデプロイ・オプションの概要を示します。

図2.2 Oracle VMディプロイメント

この図は、Oracle VMの配置ビューを示しています。この図では、1つのOracle VM Managerホストが2つのサーバー・プールに接続しています。サーバー・プールの配置はそれぞれ異なります。サーバー・プール1には、1つのサーバーのみが存在します。このサーバーではクラスタ機能が有効化されていないため、高可用性は提供できません。このプールにサーバーが追加された場合、アタッチされた共有記憶域を利用でき、仮想マシンを作成するとその共有場所にリソースを格納できます。ローカル記憶域を使用する場合、すべての仮想マシンおよびリソースはその単一のサーバーに関連付けられ、別のサーバーと共有したり別のサーバーへ移行することはできません。サーバーがクラッシュした場合は、仮想マシンおよびリソースは使用不能またはリカバリ不能になります。サーバー・プール2には、一連のサーバーがクラスタとして構成されており、サーバー・プール・ファイル・システムを使用して重要な環境情報が格納されています。このプールのサーバーは仮想IPを共有するため、1つ以上のサーバーに障害が発生した場合でもこのプールへのアクセスが可能です。クラスタ内のサーバーの1つがマスター・ロールを実行し、Oracle VM Managerと通信を行い、コマンドの実行や必要なアクションをプール内のサーバー間で分散します。このマスター・ロールは、プール内の任意のサーバーによる引継ぎやサーバーへの転送が可能です。通常、クラスタ化されたOracle VM Serverは、共有されている外部記憶域に依存するので、このサーバー・プールでは仮想マシンの高可用性が有効なため、万一のハードウェア障害または指定されたサーバーの過負荷によってVM操作に障害が発生した場合は、ユーザーに対してサービスを中断することなく、プール内の別のサーバーに操作がライブマイグレーションされます。

図2.2「Oracle VMディプロイメント」に示すとおり、Oracle VMデプロイメントには、次のコンポーネントが含まれます。