7.12 仮想マシンへの接続

7.12.1 Oracle VM Managerコンソール・アプレットのWebブラウザ要件
7.12.2 Oracle VM Server for x86用コンソール
7.12.3 Oracle VM Server for SPARC用シリアル・コンソール

コンソールを使用して仮想マシンに接続できます。コンソールは、Oracle VMのリモート制御システムで、仮想マシンとの連携および対話を可能にします。

Oracle VM Managerには、2つのタイプの仮想マシン・コンソール(x86ベースのサーバー・プール内の仮想マシンに接続するために使用されるコンソール、およびSPARCベースのサーバー・プール内にある仮想マシンに接続するために使用されるシリアル・コンソール)があります。この項では、両方のコンソール・タイプについて説明します。

注意

シリアル・コンソールを使用してx86ベースのサーバー・プール内にあるLinuxゲスト仮想マシンに接続することは可能ですが、このコンソールは読取り専用モードであるため仮想マシンと対話することはできません。

7.12.1 Oracle VM Managerコンソール・アプレットのWebブラウザ要件

Oracle VM Managerに含まれているコンソール・アプレットはJavaを使用するため、ブラウザ内でコンソール・アプレットを正しくロードするために満たしておく必要のある要件がいくつかあります。これらのアプレットを使用するために、様々なブラウザ設定を編集する必要がある場合があります。

コンソール・アプレットが正しく機能するためには、クライアント・システム上にJavaランタイム環境がインストールされている必要があります。一貫性と信頼性の最も高い動作を得るために、Oracle Java SE6 Update 35をインストールすることをお薦めします。Mac OS XシステムからOracle VM Managerにアクセスするユーザーには、Java SE7 Update 9をお薦めします。これらのJavaランタイム環境はどちらもhttp://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.htmlからダウンロードできます。

ブラウザのプリファレンス内でJavaアプレットおよびJavascriptを無効化できるブラウザもあります。Oracle VM Managerおよびそのコンソール・アプレットを機能させるためには、これらの一般的に使用されているWeb機能の使用が許可されていることが重要です。

一部のブラウザには、組込みのポップアップ・ブロッカが含まれています。初めてコンソールを開こうとすると、ポップアップ・ウィンドウがブロックされたことをブラウザが通知する場合があります。今後正常にコンソールを開くことができるようにするためには、ポップアップ・ブロッカ管理ダイアログの許可されているリストにOracle VM ManagerホストのIPアドレスまたはURLを追加する必要があります。

注意

WebブラウザにSafariを使用しているMac OS Xシステム上では、ポップアップ・ウィンドウがブロックされたことが通知されません。ポップアップを許可するようにブラウザを構成していることを確認してください。

Microsoft Internet Explorerバージョン7以上を使用するユーザーの場合、セキュリティ設定を調節して、「信頼済みサイト」内にOracle VM ManagerインスタンスのURLが含まれるようにすること、および「信頼済みサイト」のセキュリティ・レベルを「低」に設定することが重要です。Internet Explorerのデフォルトのセキュリティ設定の中には、アプリケーションがJavaアプレットを開くことができないものもあります。

7.12.2 Oracle VM Server for x86用コンソール

VNC Viewer(RealVNCから)またはTightVNC Viewerがクライアント・コンピュータにインストールされている場合、Oracle VM Managerユーザー・インタフェースはそのインストールを検索し、仮想マシンとの接続の作成に使用します。RealVNCのほうがTight VNCよりレンダリング速度が速く、優れたキーボード・サポートがあり、マウス制御の問題が少ないため、クライアント・コンピュータにはRealVNCをインストールすることをお薦めします。

クライアント・ビューアが使用可能でない場合、Oracle VM Managerユーザー・インタフェースはOracle VM Managerホスト・コンピュータでTightVNCを検索し、これを仮想マシンとの接続の作成に使用します。Oracle VM Managerホスト・コンピュータへのTightVNCのインストールの詳細は、『Oracle VMインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください。

各VNCセッションのキー・マッピングは、仮想マシンの作成または編集時に「Keymap」フィールドで設定します。仮想マシンの作成および編集の詳細は、7.7項「仮想マシンの作成」および7.10.2項「仮想マシンの編集」を参照してください。

仮想マシンのコンソールに接続するには、次の手順を実行します。

  1. 「Servers and VMs」タブをクリックします。

  2. ナビゲーション・ツリーで、仮想マシンが存在するサーバー・プールを選択します。

  3. 「Perspective」ドロップダウン・リストから「Virtual Machines」を選択します。管理ペインで仮想マシンを選択し、「Launch Console」「Launch Console」アイコンをクリックします (管理ペインのツールバー)。

  4. ダイアログ・ボックスが表示され、仮想マシンに接続するためにJavaプロキシを起動するように要求される場合があります。「OK」をクリックします。

    この図は、仮想マシンに接続するために開かれたJavaプロキシのダイアログ・ボックスを示しています。
  5. VNCビューアが見つかると、ビューアが起動されます。

    Java RASプロキシ・ウィンドウの「Options」「Configuration」メニュー項目を使用して、使用するVNCビューアを構成できます。ホスト・コンピュータのVNCクライアントへのパスを入力します(空白が含まれる場合は、パスを引用符で囲みます)。パラメータ$hostおよび$portを追加で指定することもできます(VNCクライアントがこれらのパラメータを、デフォルトのhost:portとは別の形式で必要とした場合で、例としては-host=$host -port=$portなど)。「OK」をクリックします。

    ヒント

    コンソールが起動されない場合は、Webブラウザでポップアップ表示が許可されているか確認します。Microsoft Internet Explorerを使用している場合は、Oracle VM ManagerのベースURL (たとえば、http://example.com)をセキュリティ設定の信頼済みサイトのリストに追加します。信頼済みサイトのゾーンのセキュリティ・レベルを中から中低にダウングレードする必要がある場合もあります。

    別のユーザーによって仮想マシンのコンソールが使用中の場合は、接続を引き継ぐかどうかを確認するメッセージが表示されます。接続を引き継ぐ場合は、他のユーザーのセッションが切断され、クライアント・コンピュータ上でVNCセッションが開始されます。

    仮想マシン・コンソールが表示されます。他のVNCセッションと同様に、ログインし、仮想マシンと対話します。この例は、Oracle Linuxオペレーティング・システムのISOファイルを使用して作成した仮想マシンの初回のインストール画面を示します。

    この図は、仮想マシンのコンソール画面を示しています。

    必要に応じて、ゲスト・オペレーティング・システムのユーザー名およびパスワードを入力してオペレーティング・システムにログインします。

仮想マシンを作成した方法によっては、仮想マシンを使用する前に、さらにいくつかのタスクを続行する必要がある場合があります。

  • テンプレートに基づいて仮想マシンを作成した場合、ゲスト・オペレーティング・システムおよび事前にインストールされたアプリケーションを、追加の構成をせずにすぐに使用できます。

  • 完全仮想化の方法を使用して仮想マシンを作成した場合、ゲスト・オペレーティング・システムのインストールは最初のログインの後トリガーされます。インストール・ウィザードに従ってゲスト・オペレーティング・システムをインストールします。完全仮想化の方法を使用した仮想マシンの作成の詳細は、7.7項「仮想マシンの作成」を参照してください。

    注意

    単一のISOファイルを使用してゲスト・オペレーティング・システムをインストールする必要があります。オペレーティング・システム・インストーラが複数のISOファイルで構成される場合、インストールできません。

    サポートされるゲスト・オペレーティング・システムの詳細は、『Oracle VMリリース・ノート』を参照してください。

7.12.3 Oracle VM Server for SPARC用シリアル・コンソール

標準的なVNCベースのコンソールを使用して、SPARCベースのサーバー・プール上にある仮想マシンに接続することはできません。かわりに、Telnetベースのシリアル・コンソールを使用します。シリアル・コンソールの動作はx86コンソールとは異なり、このコンソールは、Oracle VM Managerホスト・コンピュータ上にインストールされたJava Telnet Application (JTA2)パッケージを使用して表示する必要があります。Oracle VM Managerホスト・コンピュータへのJTA2のインストールの詳細は、『Oracle VMインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください。

各VNCセッションのキー・マッピングは、仮想マシンの作成または編集時に「Keymap」フィールドで設定します。仮想マシンの作成および編集の詳細は、7.7項「仮想マシンの作成」および7.10.2項「仮想マシンの編集」を参照してください。

仮想マシンのシリアル・コンソールに接続するには、次の手順を実行します。

  1. 「Servers and VMs」タブをクリックします。

  2. ナビゲーション・ツリーで、仮想マシンが存在するサーバー・プールを選択します。

  3. 「Perspective」ドロップダウン・リストから「Virtual Machines」を選択します。管理ペインで仮想マシンを選択し、「Launch Serial Console」「Launch Serial Console」アイコンをクリックします (管理ペインのツールバー)。

  4. ダイアログ・ボックスが表示され、仮想マシンに接続するためにJavaプロキシを起動するように要求される場合があります。「OK」をクリックします。

    この図は、仮想マシンに接続するために開かれたJavaプロキシのダイアログ・ボックスを示しています。
  5. 仮想マシン・コンソールが表示されます。他のTelnetコンソール・セッションと同様に、ログインして仮想マシンと対話します。必要に応じて、ゲスト・オペレーティング・システムのユーザー名およびパスワードを入力してオペレーティング・システムにログインします。