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Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkモバイル開発者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.4.0)
B70750-02
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4 ADFモバイル・アプリケーション開発の開始

この章では、Oracle JDeveloperのウィザードおよびツールを使用して基本的なADFモバイル・アプリケーションを作成する方法を説明します。さらに、アプリケーションの作成時に自動的に生成されるアーティファクトについても説明します。

この章には次の項が含まれます:

4.1 ADFモバイル・アプリケーションの宣言的な開発の概要

JDeveloperの設計操作性が拡張され、ADFモバイル・アプリケーション開発をサポートするようになったため、コード行を記述せずにADFモバイル・アプリケーションを作成、デプロイおよびテストできるようになりました。

4.2 アプリケーション・ワークスペースの作成

ADFモバイル拡張機能により、JDeveloperには、基本ファイルによって完全なプロジェクトをシードするアプリケーション・テンプレートが提供されています。ADFモバイル・アプリケーションを構築する最初の手順は、名前の割当てと、ソース・ファイルを保存するディレクトリの指定です。JDeveloperに用意されているアプリケーション・テンプレートを使用してアプリケーションを作成すると、ワークスペースが必要な構成ファイルとともに自動的に編成され、プロジェクトに含められます。

4.2.1 ADFモバイル・アプリケーション用のワークスペースの作成方法

アプリケーションの作成ウィザードを使用して、アプリケーションを作成します。

始める前に:

ADFモバイル・アプリケーション拡張機能をダウンロードする必要があります。詳細は、第3.3項「JDeveloperの設定」して参照してください。すべてのターゲット・プラットフォームに対して、ADFモバイル・アプリケーション拡張機能をダウンロードおよび構成する必要がある場合もあります。ネイティブ機能(オペレーティング・システムのネイティブ・コントロールとの統合機能)を含む複雑なアプリケーションでは、追加でSHLIB_PATHおよびCLASSPATH変数が必要になる場合があります。

ADF Mobileアプリケーションを作成するには、次を実行します。

  1. 「ファイル」「新規」「モバイル・アプリケーション(ADF)」を選択します(図4-1を参照)。

    図4-1 ADFモバイル・アプリケーション・テンプレートの選択

    新規ギャラリ。
  2. 図4-2に示すMobileApplicationのように、「アプリケーション名」フィールドにアプリケーションの名前を入力します。必要に応じて、「ディレクトリ」フィールドにプロジェクトの新しい場所を入力します。「アプリケーション・パッケージの接頭辞」フィールドに接頭辞を入力することで、アプリケーション・パッケージが一意となるようにします。「次へ」をクリックします。

    アプリケーションは、ADFモバイル・アプリケーションの最上位構造になります。アプリケーションは、このウィザードの後続ページで定義する様々なプロジェクト層をまとめます。

    図4-2 ADFモバイル・アプリケーションの名前付け

    アプリケーションの名前付け。
  3. プロジェクト1の名前ページで、必要に応じて、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトの名前と場所を変更します(図4-3を参照)。変更しない場合は、プロジェクトのデフォルト名、ApplicationControllerをそのまま使用します。このページの「プロジェクトの機能」ウィンドウには、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトで使用できるテクノロジがリストされます。

    このプロジェクトにはアプリケーション全体のリソースがすべて格納されます。詳細は、表4-1を参照してください。

    図4-3 アプリケーション・コントローラ・プロジェクトとそのプロジェクト機能

    アプリケーション・コントローラ・プロジェクト・テクノロジ。
  4. 「次へ」をクリックして、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトのJava設定ページ(図4-4に示すプロジェクト1のJava設定)を表示します。アプリケーション・コントローラ・プロジェクトのデフォルトのパッケージ名(application)と、Java SOURCEPATHディレクトリ(src)およびJava出力ディレクトリ(classes)の場所を、そのまま使用するか変更します。

    図4-4 アプリケーション・コントローラ・プロジェクトのJava設定の構成

    Javaパッケージ名を選択します。
  5. 「次へ」をクリックして、プロジェクト2の名前ページに移動します。ここでは、必要に応じて、ビュー・コントローラ・プロジェクトの名前を変更できます。このページの「プロジェクトの機能」ウィンドウ(図4-5を参照)には、ADFモバイルのビュー・コントローラ・プロジェクトで使用できるテクノロジがリストされます。ビュー・コントローラ・プロジェクト内で作成されるアーティファクトの詳細は、表4-2を参照してください。

    図4-5 ADFモバイルのビュー・コントローラ・プロジェクト

    ビュー・コントローラ・プロジェクトに含まれるテクノロジ。
  6. 「次へ」をクリックします。ビュー・コントローラ・プロジェクトのJava設定ページ(図4-6を参照)で、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトのデフォルトのパッケージ名(mobile)と、プロジェクトのJava SOURCEPATHディレクトリ(src)およびJava出力ディレクトリ(classes)の場所を、そのまま使用(または変更)します。

    図4-6 ビュー・コントローラ・プロジェクトのJava設定

    Java設定を入力します。
  7. 「終了」をクリックして、ADFモバイル・アプリケーションとそのプロジェクトの作成を完了します。


ヒント:

前述の手順に従ったADFモバイル・アプリケーションの作成に加え、(使用している開発用コンピュータのjdev_install/jdeveloper/jdev/extensions/oracle.adf.mobile/Samplesディレクトリ内のPublicSamples.zipファイルにある)HelloWorldサンプル・アプリケーションを開き、アプリケーション作成ウィザードの完了後にJDeveloperによって生成されたアーティファクトを表示できます。


4.2.2 ADFモバイル・アプリケーション作成時の処理

ADFモバイル・アプリケーション・プロジェクトを作成すると、JDeveloperによってアプリケーション・レベルおよびプロジェクト・レベルのアーティファクトが追加されます。これらには、「アプリケーション・ナビゲータ」(図4-7を参照)からアクセスできます。これらのアーティファクトには、2つのスタブ・ディスクリプタ・ファイルが含まれています。1つはADFモバイル・アプリケーション自体の構成に使用されます。この構成には、名前、アプリケーションを実行するアプリケーション・ライフサイクル・リスナー(LifeCycleListenerImpl.java)、埋込みアプリケーション機能用のログイン・サーバー接続などがあります。もう1つは、ADFモバイル・アプリケーションを構成するアプリケーション機能が記述されたファイルです。adfmf-application.xmlおよびadfmf-feature.xmlと呼ばれるこれらのファイルについては、第4.2.2.1項「アプリケーション・コントローラ・プロジェクト・レベルのリソースについて」および第4.2.2.2項「ビュー・コントローラ・プロジェクトのリソースについて」でそれぞれ説明します。

JDeveloperでは、DeviceFeaturesデータ・コントロールも作成されます。このデータ・コントロールによってApache Cordova Java APIが抽象化され、ADFモバイルAMXとして実装されているアプリケーション機能は、デバイスに埋め込まれている様々なサービスにアクセスできるようになります。さらにJDeveloperは、ApplicationFeaturesデータ・コントロールも作成します。これによってSpringboardページの構築が可能になります。DeviceFeaturesデータ・コントロールによって提供される操作を「ADFモバイルAMX」ページにドラッグ・アンド・ドロップすることで(第8.5項「DeviceFeaturesデータ・コントロールの使用方法」を参照)、デバイスに格納されたユーザーのコンタクト先を管理したり、電子メールとSMSテキスト・メッセージを作成して送信したり、デバイスの場所を突きとめたり、デバイスのカメラを使用したり、デバイスのファイル・システムに格納されたイメージを取得したりする機能を追加します。

図4-7 JDeveloperによって生成されるADFモバイル・アプリケーションのアーティファクト

アプリケーション・ナビゲータ。

4.2.2.1 アプリケーション・コントローラ・プロジェクト・レベルのリソースについて

JDeveloperは、アプリケーション・コントローラ・プロジェクト内にADFモバイル・アプリケーション用のファイルを生成します。これらのファイル(表4-1を参照)には、ADFモバイル・アプリケーションのメタデータを記述するための構成ファイルが含まれています。これらのファイルには、「アプリケーション・ナビゲータ」の「アプリケーション・リソース」ペインからアクセスします(図4-8を参照)。

図4-8 「アプリケーション・リソース」ペインからアクセスされるモバイル・アプリケーション・アーティファクト

アプリケーション・リソース。

アプリケーション・コントローラ・プロジェクトにはアプリケーション全体のリソースが格納されており、ADFモバイル・アプリケーションのプレゼンテーション・レイヤーを提供しています。ここには、モバイル・デバイスでのアプリケーションの表示方法を構成するためのメタデータ・ファイルが含まれています。このプロジェクトはADFモバイル・アプリケーションのセキュリティを指定しており、アプリケーションのログイン・ページ、アプリケーション全体のリソースを含むことができます。アプリケーション・コントローラ・プロジェクトは、本質的には、アプリケーション機能とそのコンテンツを定義するビュー・コントローラ・プロジェクトのコンシューマです。詳細は、第4.2.2.2項「ビュー・コントローラ・プロジェクトのリソースについて」を参照してください。


ヒント:

アプリケーション・コントローラ・プロジェクト内には、アプリケーション・レベルのライフサイクル・リスナーなど、アプリケーション全体の機能をサポートするコードを配置してください。


表4-1 アプリケーション・リソースを介してアクセスされるモバイル・アプリケーション・レベルのアーティファクト

アーティファクト ファイルの場所 説明

adfmf-application.xml

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\.adf\Meta-INF

例:

JDevloper\mywork\アプリケーション名\.adf\META-INF

ADFモバイル・アプリケーションを定義できるようにする、スタブXMLアプリケーションの識別子ファイル。ADF Fusion Webアプリケーションのアプリケーション識別子と同様に、このファイルによって、アプリケーションのコンテンツ、ナビゲーション動作およびユーザー認証要件を定義できます。詳細は、第5.2項「モバイル・アプリケーションの構成ファイルについて」を参照してください。

adfmf-config.xml

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\.adf\Meta-INF

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\.adf\META-INF

ADFモバイル・アプリケーションに使用されるデフォルト・スキンの構成に使用されます。詳細は、第5.11項「ADFモバイル・アプリケーションのスキニング」を参照してください。

アプリケーション・イメージ

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\Application Resources\resources\ios

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\resources\ios

iOSおよびAndroidアプリケーションのデプロイメントに必要とされる一連のイメージ。ここには、アプリケーション・アイコンやスプラッシュ画面のPNGイメージも含まれます。iPhoneなどのiOSデバイスへのデプロイメントでは、様々なサイズのイメージ・セットが必要です。

プロジェクトで提供されるデフォルトのiOSイメージは次のとおりです。

  • デバイスが縦方向と横方向の両方の場合に使用されるイメージ。

  • Retinaディスプレイに使用されるイメージ(つまり、icon.pngおよびicon@2x.png)

  • iPadイメージ(icon-72.png)

これらのイメージをオーバーライドするには、第17.2.4.3項「iOSアプリケーションへのカスタム・イメージの追加」を参照してください。

cacerts

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\Application Resources\resources\Security\cacerts

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\resources\Security\cacerts

システム全体のキーストアであるcacerts証明書ファイル。JVM 1.4に対するCA証明書を識別します。このファイルは、Java keytoolユーティリティを使用して更新できます。第18.5項「プライベート証明書の追加」で説明するように、keytoolを使用してカスタム証明書ファイルを作成できます。証明書ファイルはすべてSecurityディレクトリ内に配置する必要があります。

logging.properties

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\ src\.META-INF\logging.properties

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\src\META-INF\logging.properties

ロギング・レベルやロギング・コンソールなど、アプリケーション・エラーのロギングを設定できます。詳細は、第19.4項「ロギングの使用方法と構成」を参照してください。

cvm.properties

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\src\.META-INF\cvm.properties

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\src\META-INF\cvm.properties

Java仮想マシン、JVM 1.4の構成ファイル。このファイルを使用して、アプリケーションの起動やヒープ領域の割当て、JavaおよびJavaScriptのデバッグ・オプションを構成します。詳細は、第19.3.4項「JavaコードおよびJavaScriptのデバッグを有効にする方法」を参照してください。

adf-config.xml

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\.adf\META-INF

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\.adf\META-INF

構成サービス・パラメータなど、アプリケーション・レベルの設定の構成に使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のadf-config.xmlに関する項を参照してください。第10章「Webサービスの管理」も参照してください。

connections.xml

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\.adf\META-INF

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\.adf\META-INF

ADFモバイル・アプリケーションで定義されているすべての接続のリポジトリ。『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のconnections.xmlファイル内で定義された参照に関する項も参照してください。


アプリケーション・コントローラ・プロジェクト自体(図4-9を参照)において、JDeveloperは、次の表4-2に示すアーティファクトを作成します。

図4-9 アプリケーション・コントローラ・プロジェクト

アプリケーション・コントローラのアーティファクト。

表4-2 アプリケーション・コントローラのアーティファクト

アーティファクト ファイルの場所 説明

LifeCycleListenerImpl.java

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\ApplicationController\src\application

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\ApplicationController\src\application

ADFモバイル・アプリケーションを実行するデフォルトのライフサイクル・リスナー。詳細は、第5.6項「ライフサイクル・イベント・リスナーについて」を参照してください。

adfmf-skins.xml

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\ApplicationController\src\META-INF

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\ApplicationController\src\META-INF

使用可能なスキンを定義するもので、新しいスキンを定義することもできます。

詳細は、第5.11項「ADFモバイル・アプリケーションのスキニング」を参照してください。

adfm.xml

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ \ApplicationController\adfmsrc\META-INF

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\ApplicationController\adfmsrc\META-INF

.cpx.dcx.jpxおよび.xcfgファイル(メタデータのレジストリ)のパス(および相対パス)を維持します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のadfm.xmlに関する項を参照してください。

DataControls.dcx

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\ApplicationController\adfmsrc\

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\ApplicationController\adfmsrc\

データ・コントロールのレジストリ。デバイスのサービスを活用するDeviceFeatureデータ・コントロールの使用方法の詳細は、第8章「バインディングの使用とデータ・コントロールの作成」を参照してください。埋込みアプリケーション機能をコールするSpringboardページを作成できるようにするApplicationFeaturesデータ・コントロールの詳細は、第5.4.5項「ADFモバイルAMXコンテンツによるカスタムSpringboardアプリケーション機能に関する必知事項」を参照してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のADFバインディング・フィルタの構成に関する項を参照してください。


4.2.2.2 ビュー・コントローラ・プロジェクトのリソースについて

ビュー・コントローラ・プロジェクト(ViewControllerというデフォルト名で生成されます(図4-10参照))には、アプリケーション機能のリソースが格納されます。第4.2.2.1項「アプリケーション・コントローラ・プロジェクト・レベルのリソースについて」で説明したアプリケーション・コントローラ・プロジェクトとは異なり、ビュー・コントローラ・プロジェクトのメタデータ・ファイルでは、アプリケーション機能レベルのリソース、特に、実行時にモバイル・デバイスでADFモバイル・アプリケーション自体のSpringboard内またはそのナビゲーション・バーに表示できるように1つのADFモバイル・アプリケーションに集約可能な様々なアプリケーション機能を記述します。さらに、アプリケーション機能のメタデータ・ファイルでは、アプリケーション機能をHTMLページとADFモバイルAMXページのどちらで構成するのかが記述されます。また、ビュー・コントローラ・プロジェクトには、これらのアプリケーション・ページと、アプリケーション機能レベルのリソース(ADFモバイル・アプリケーション用に定義された、Springboardおよびナビゲーション・バー上のアプリケーション機能を表すアイコン・イメージなど)を含むことができます。


ヒント:

ビュー・コントローラ・プロジェクト内には、アプリケーション機能に固有のコードを格納します。アプリケーション・コントローラ・プロジェクトは、(特に別々のビュー・コントローラ・プロジェクト内で定義されている)アプリケーション機能間で共有されるコードの場所として使用してください。


ビュー・コントローラ・プロジェクトはアプリケーション・コントローラ・プロジェクトと分離して、別のモバイル・アプリケーションで再使用できるように、アーカイブ・ファイルとしてデプロイできます(第5.12項「機能アーカイブ・ファイルの使用」を参照)。また、稀なケースとして、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトが複数のビュー・コントローラ・プロジェクトを使用することもできます。


注意:

ADFモバイル・ビュー・コントローラ・プロジェクトを別のADFモバイル・ビュー・コントローラ・プロジェクトの依存性またはADFモバイル・アプリケーション・コントローラ・プロジェクトの依存性として追加すると、ADFモバイル・アプリケーションをデプロイできなくなります。詳細は、第5.5.2項「機能参照IDと機能IDに関する必知事項」を参照してください。


図4-10 ビュー・コントローラ・プロジェクト

ビュー・コントローラ・プロジェクト。

表4-3に示すように、これらのリソースには、adfmf-feature.xmlと呼ばれるアプリケーション機能の構成ファイルが含まれます。

表4-3 ビュー・コントローラのアーティファクト

アーティファクト ファイルの場所 説明

adfmf-feature.xml

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\src\META_INF\adfmf-feature.xml

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\ViewController\src\META-INF

アプリケーション機能を定義できるようにする、スタブXMLの識別子ファイル。詳細は、第5.7項「モバイル機能アプリケーションの構成ファイルについて」を参照してください。第3.3.1項「プラットフォームとフォーム・ファクタに応じた開発環境の構成方法」の説明に従ってモバイル・プリファレンスを構成したら、デフォルトのデプロイメント・プロファイル設定を使用して、このアプリケーションをデプロイできます。詳細は、第17章「ADFモバイル・アプリケーションのデプロイ」を参照してください。

アプリケーション固有のコンテンツ

アプリケーション・ワークスペース・ディレクトリ\ViewController\public_html

例:

JDeveloper\mywork\アプリケーション名\ViewController\public_html

adfmf-feature.xmlで定義されたアプリケーション機能は、public_htmlディレクトリに表示されます。モバイル・コンテンツには、ADFモバイルAMXページ、CSSファイルおよびタスク・フローを含めることができます。アプリケーション機能に追加するカスタム・イメージは、このディレクトリ内に配置する必要があります。詳細は、第5.9.2項「外部リソースの選択に関する必知事項」を参照してください。


4.2.2.3 自動的に生成されるデプロイメント・プロファイルについて

アプリケーションを作成すると、ADFモバイルによって、デフォルトの設定とイメージ・ファイルでシードされたデプロイメント・プロファイルが生成されます。環境を正しく構成した場合、これらのプロファイルを使用して、ADFモバイル・アプリケーションを作成直後にデプロイできます。これを行うには、図4-11に示すように、「アプリケーション」を選択した後、「デプロイ」を選択します。

図4-11 デフォルトのデプロイメント・プロファイル

デフォルトのデプロイメント・プロファイルのセット

その後、「デプロイメント・アクション」ページ(図4-12を参照)を使用し、適切なデプロイメント・ターゲットを選択します。

図4-12 デプロイメント・ターゲットの選択

デプロイメント・ターゲットの選択

注意:

iOSおよびAndroidアプリケーションをシミュレータとデバイスにデプロイする場合、それらの環境設定と構成に関する要件はそれぞれ異なります。詳細は、第17.3項「Androidアプリケーションのデプロイ」および第17.4項「iOSアプリケーションのデプロイ」全体に記載されている「始める前に」を参照してください。


図4-11に示すように、ADFモバイルでは、サポートされる両方のプラットフォーム(iOSとAndroid)に対応したアプリケーション・レベルのプロファイルが作成され、それらにiOS1およびAndroid1という名前が付けられます。


注意:

ADFモバイルでは、新しいデプロイメント・プロファイルを作成するたびに、その名前に付加される数字が1ずつ増加します。たとえば、iOS2iOS3のようになります。


これらのプロファイルには、デフォルト値をそのまま使用するか、「アプリケーション・プロパティ」ダイアログの「デプロイメント」ページでプロファイルの名前を選択し、「編集」をクリックすることによって、それらの値を編集することもできます。図4-13は、デフォルトのAndroidアプリケーション・プロファイルの「オプション」ページを示しています。ADFモバイル・アプリケーション・プロファイル用に構成する値の詳細は、第17.2.3項「Androidデプロイメント・プロファイルの作成方法」および第17.2.4項「iOSデプロイメント・プロファイルの作成方法」を参照してください。

図4-13 デフォルトのデプロイメント・プロファイルの編集

デプロイメント・プロファイルのデフォルト値の編集

ADFモバイルでは、アプリケーションおよびビュー・コントローラ・プロジェクトが、別々の機能アーカイブ(FAR)ファイルとしてパッケージ化されます。このようなADFモバイル・ファイルのJARファイルは、他のアプリケーションのリソースとして使用されます(第17.5項「機能アーカイブ・ファイル(FAR)のデプロイ」を参照)。ADFモバイルでは、これらのFARファイルがADFモバイル・アプリケーション・プロファイルへの依存性として作成されるため、「アプリケーション・プロパティ」ダイアログの「プロファイルの依存性」ページを使用して、これらのファイルを追加または除外できます(図4-14を参照)。


注意:

アプリケーション・コントローラ・プロジェクトに含まれるFARプロファイルの依存性は1つである必要があります。そうでない場合、デプロイメントは失敗します。


図4-14 ADFモバイル・プロジェクトからのFARコンテンツの編集

FARコンテンツの追加(または削除)

「プロジェクト・プロパティ」ダイアログのファイル・グループに関連するページを使用すると、ビュー・コントローラのFARファイルに含まれるコンテンツをカスタマイズできます(図4-15を参照)。「プロジェクト・プロパティ」ダイアログの詳細は、Oracle JDeveloperのオンライン・ヘルプと、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperユーザーズ・ガイド』のデプロイメント・プロファイルの構成に関する項を参照してください。

図4-15 ビュー・コントローラ・プロジェクトのFARの編集

ビュー・コントローラのFARの編集

ADFモバイルでは、プラットフォーム固有のデプロイメント・プロファイルだけでなく、ADFモバイル・アプリケーションをモバイル・アプリケーション・アーカイブ(.maa)・ファイルとしてパッケージ化するために使用できる、デプロイメント・プロファイルも作成されます。このファイルを使用すると、.maaファイルとしてパッケージ化された既存のアプリケーションを使用する新しいADFモバイル・アプリケーションを作成できます。詳細は、第17.6項「モバイル・アプリケーション・アーカイブ・ファイルの作成」および第17.7項「署名のないデプロイメント・パッケージの作成」を参照してください。

このデプロイメント・ファイルには、ADFモバイル・アプリケーション名に_archiveが続く形式の名前がデフォルトで付けられます。図4-11に示すように、このプロファイルはEmployees_archiveと呼ばれ、必要に応じ、「アプリケーション・プロパティ」ダイアログを使用して編集できます。

図4-16 「アプリケーション・プロパティ」ダイアログを使用したデフォルトのデプロイメント・プロファイルの編集

デフォルトのデプロイメント・プロファイルの編集

「アプリケーション・プロパティ」ダイアログのページを使用したデプロイメント・プロファイルの編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloperユーザーズ・ガイド』のデプロイメント・プロファイルのプロパティの表示と変更に関する項と、Oracle JDeveloperオンライン・ヘルプの「アプリケーション・プロパティ」および「プロジェクト・プロパティ」ダイアログに関する説明を参照してください。

4.2.3 ADFモバイル・アプリケーションとアプリケーション機能の編集に関する必知事項

アプリケーションを作成するとadfmf-application.xmlファイルが生成されます。これによりモバイル・アプリケーションおよびadfmf-features.xmlファイルも構成できるようになります。このファイルを使用して、モバイル・アプリケーション内に埋め込まれるアプリケーション機能を追加、削除または編集します。ADFモバイル拡張機能によってこれら両方のファイルには概要エディタが提供されているので、これらのファイルは宣言的に変更できます。図4-17は、adfmf-application.xmlファイルの概要エディタの例を示しています。

図4-17 モバイル・アプリケーションの概要エディタ

概要エディタ。

図4-17に示すように、adfmf-application.xmlファイルは、「アプリケーション・ナビゲータ」の「アプリケーション・リソース」パネルで、「ディスクリプタ」および「ADF META-INF」ノードの下に表示されます。このファイルは、この場所からダブルクリックで開くことができます。このファイルにアクセスすると、JDeveloperによって、関連付けられた概要エディタが開かれるだけでなく、コンポーネント・パレットに該当するページ・コンポーネントが表示されます。これは、エディタの「ソース」ページか「構造」ウィンドウにドラッグ・アンド・ドロップできます(図4-18を参照)。adfmf-application.xmlページのコンポーネントについては、第5.2項「モバイル・アプリケーションの構成ファイルについて」を参照してください。

図4-18 ADFモバイル・アプリケーションの「ソース」エディタ、「構造」ウィンドウ、プロパティ・エディタの使用

adfmf-application.xmlのソース・エディタ

図4-19に示すように、adfmf-feature.xml構成ファイルは、「アプリケーション・ナビゲータ」の「プロジェクト」パネルで、「ViewController」および「META-INF」ノードの下にあります。このファイルを使用して、ADFモバイル・アプリケーションのコンテンツを構成します。

図4-19 アプリケーション機能の概要エディタ

アプリケーション機能の概要エディタ。

adfmf-application.xmlファイルの概要エディタと同じように、JDeveloperによって、adfmf-features.xml構成ファイルの要素を構築するために使用するADFモバイル・コンポーネントが提示されます(第5.7項「モバイル機能アプリケーションの構成ファイルについて」を参照)。「概要」ページを使用するか、「コンポーネント・パレット」から「構造」ウィンドウまたはソース・エディタ自体へコンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップできます。adfmf-feature.xmlファイルを選択すると、JDeveloperによって「コンポーネント・パレット」にADFモバイル機能コンポーネントが移入されます。

図4-20 アプリケーション機能の「ソース」エディタ、「構造」ウィンドウ、「コンポーネント・パレット」の使用

「ソース」エディタの使用方法。

4.2.4 ADFモバイルAMXアプリケーション用のアプリケーション・ワークスペースの作成

第6章「ADFモバイルAMXページの作成」に示すように、ADFモバイルAMXコンポーネントを使用すると、プラットフォーム固有の言語で作成されたページとまったく同じように実行されるページを構築できます。これらのページは、(ADFモバイル・アプリケーションを作成し、その中にアプリケーション機能を埋め込む)アプリケーション・アセンブラによって作成される場合もあります。または、別の開発者によって開発され、アプリケーション機能またはADFモバイル・アプリケーションに対するリソースとして、ADFモバイル・アプリケーションに組み込まれる場合もあります。

ADFモバイルAMXページを作成するプロジェクトによって、このページが単一のアプリケーション機能のコンテンツ配信に使用されるのか、またはADFモバイル・アプリケーション全体に対するリソースとして使用されるのかが決まります。たとえば、図4-23に示すような、アプリケーション・コントローラ・プロジェクト内で作成されたページは、アプリケーション全体のリソースとして使用されます。一方、ビュー・コントローラ・プロジェクト内で作成されるADFモバイルAMXページは、アプリケーション機能にコンテンツを配信する目的のみに使用されます。

同じように、ADFモバイルのタスク・フローを使用して、アプリケーション機能にコンテンツを配信することもできます。図4-21に示すように、ADFモバイルでは、ADFモバイルAMXページ、タスク・フローおよびアプリケーション機能を追加するためのウィザードが提供されます。

これらのウィザードにアクセスするには、まず「アプリケーション・ナビゲータ」でプロジェクトを選択してから、「ファイル」「新規」を選択します。「クライアント層」内で「ADFモバイル」を選択してから、いずれかのウィザードを選択します。

図4-21 アプリケーション機能のリソースを作成するウィザード

AMXページまたはタスク・フローの作成を選択します。

4.2.4.1 ADFモバイルAMXページの作成方法

「ADFモバイルAMXページ」ウィザードを使用して、アプリケーション機能コンテンツとして使用されるAMXページと、単独でADFモバイル・アプリケーションへのリソースとして使用されるAMXページを作成できます。アプリケーション機能コンテンツの詳細は、第5.9.1項「アプリケーション・コンテンツの定義方法」を参照してください。

アプリケーション機能のコンテンツとしてADFモバイルAMXページを作成するには:

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、ビュー・コントローラ・プロジェクトを右クリックします。

  2. 「ファイル」を選択し、「新規」を選択します。

  3. 「新規ギャラリ」の「クライアント層」ノードで、「ADFモバイルAMXページ」を選択して、「OK」をクリックします。

  4. 「ファイル名」フィールドに名前を入力して、「ADFモバイルAMXページの作成」ダイアログの入力を完了します(図4-22を参照)。「ディレクトリ」フィールドに、ファイルの場所を入力します。この場所は、ビュー・コントローラ・プロジェクトのpublic_htmlフォルダ内である必要があります。

    図4-22 ビュー・コントローラ・プロジェクト内でのADFモバイルAMXページの作成

    ADFモバイルXMLページはビュー・コントローラ内にあります。
  5. 「パネル・ページ」内で、ヘッダーおよびフッターの作成に使用する「ファセット」を選択(または選択解除)します。「OK」をクリックします。

    詳細は、第7.2.2項「パネル・ページ・コンポーネントの使用方法」を参照してください。

  6. ADFモバイルAMXページを構築します。ADFモバイルAMXコンポーネントの使用方法の詳細は、第6.3.1.2項「ADFモバイルAMXページの作成」を参照してください。第5.9.1項「アプリケーション・コンテンツの定義方法」も参照してください。

ADFモバイル・アプリケーションに対するリソースとしてADFモバイルAMXページを作成するには:

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトを選択します。

  2. 「ファイル」を選択し、「新規」を選択します。

  3. 「新規ギャラリ」の「クライアント層」ノードで、「ADFモバイルAMXページ」を選択して、「OK」をクリックします。

  4. 「ファイル名」フィールドに名前を入力して、「ADFモバイルAMXページの作成」ダイアログの入力を完了します(図4-23を参照)。「ディレクトリ」フィールドに、ファイルの場所を入力します。この場所は、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトのpublic_htmlフォルダ内である必要があります。「OK」をクリックします。

    図4-23 アプリケーション・コントローラ・プロジェクト内でのADFモバイルAMXページの作成

    ADFモバイルXMLページは、public_html内にあります。
  5. ADFモバイルAMXページを構築します。詳細は、第6.3.1.2項「ADFモバイルAMXページの作成」を参照してください。

4.2.4.2 ADFモバイル・タスク・フローの作成方法

アプリケーション機能のコンテンツをADFモバイル・タスク・フローとして配信できます。

アプリケーション機能のコンテンツとしてADFモバイル・タスク・フローを作成するには:

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、ビュー・コントローラ・プロジェクトを選択します。

  2. 「ファイル」を選択し、「新規」を選択します。

  3. 「新規ギャラリ」の「クライアント層」ノードで、「ADFモバイル・タスク・フロー」を選択して、「OK」をクリックします。

  4. 「ファイル名」フィールドに名前を入力して、「ADFモバイルAMXページの作成」ダイアログの入力を完了します(図4-24を参照)。「ディレクトリ」フィールドに、ファイルの場所を入力します。この場所は、ビュー・コントローラ・プロジェクトのpublic_htmlフォルダ内である必要があります。「OK」をクリックします。

    図4-24 ビュー・コントローラ・プロジェクト内でのADFモバイル・タスク・フローの作成

    タスク・フローはビュー・コントローラ・プロジェクト内にあります。
  5. タスク・フローを構築します。第6.2項「タスク・フローの作成」も参照してください。

4.2.4.3 ADFモバイルAMXページおよびタスク・フロー作成時の処理

JDeveloperは、ADFモバイルAMXページとタスク・フローを、ビュー・プロジェクトの「Webコンテンツ」ノードに配置します。これは、図4-25で、custom_springboard.amxおよびViewController-task-flow.xml(このプロジェクト内で作成されるタスク・フローのデフォルト名)によって示されています。第5.5項「モバイル・アプリケーション内のアプリケーション機能の構成」で説明するように、これらのアーティファクトはadfmf-feature.xmlファイル内で参照されます。図4-25は、カスタマイズされたアプリケーションのスプラッシュ画面(または起動)イメージやナビゲーション・バーのイメージなど、その他のリソースもWeb Contentノードに格納されていることも示しています。詳細は、表4-3を参照してください。

図4-25 アプリケーション・コントローラ・プロジェクトおよびビュー・コントローラ・プロジェクト内のADFモバイルAMXページとタスク・フロー

モバイル固有のアーティファクト。

JDeveloperは、ADFモバイルAMXページとタスク・フローを、ADFモバイル・アプリケーションへのアプリケーション・リソースとして、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトの「Webコンテンツ」ノードに配置します。図4-25に示すように、ADFモバイルAMXページ用のファイルはapplication_resource.amxという名前で、タスク・フローのファイルはApplicationController-task-flow.xmlという名前です(デフォルト名)。