システムの空き容量を増やすには、beadm コマンドを使用して既存のブート環境を破棄します。このコマンドの構文は次のとおりです。
beadm destroy [[-fF] BeName | BeName@snapshot]|[-fF] -O
このコマンドは、指定されたブート環境またはスナップショットを破棄します。このコマンドは、ブート環境を破棄する前に、ユーザーに確認を求めます。
–f - ブート環境がマウントされている場合でも強制的に破棄します。
–F - 確認を求めずにブート環境を強制的に破棄します。
–O – 孤立した非大域ゾーンブート環境をすべて破棄します。非大域ゾーンでのみ動作します。
次のような仕様があります。
現在ブートされているブート環境を破棄することはできません。
beadm destroy コマンドを使用すると、x86 用 GRUB メニューまたは SPARC 用ブートメニューから破棄されたブート環境のエントリが自動的に削除されます。
非アクティブなブート環境を破棄すると、その非アクティブなブート環境に関連付けられたすべてのゾーンブート環境も破棄されます。
beadm destroy コマンドは、ブート環境の非共有データセットのみ破棄します。共有データセットは、ブート環境のルートデータセット領域の外側にあり、ブート環境が破棄される際に影響を受けません。
次の例で、BE1 と BE2 は /tank データセットと /tank/home データセットを共有しています。データセットには、次のものがあります。
# zfs list NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT rpool 42.5G 24.4G 4.65M /rpool rpool/ROOT 25.6G 24.4G 31K legacy rpool/ROOT/BE1 8.91M 24.4G 4.17G / rpool/ROOT/BE1/var 3.96M 24.4G 276M /var rpool/ROOT/BE2 8.91M 24.4G 4.17G / rpool/ROOT/BE2/var 3.96M 24.4G 276M /var tank 450K 457G 18K /export tank/home 315K 457G 21K /export/home
次のコマンドを使用して BE2 を破棄します。
# beadm destroy BE2
ブート環境 BE2 が破棄されても、共有データセット rpool/export と rpool/export/home は破棄されません。次のデータセットが残ります。
# zfs list NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT rpool 42.5G 24.4G 4.65M /rpool rpool/ROOT 25.6G 24.4G 31K legacy rpool/ROOT/BE1 8.91M 24.4G 4.17G / rpool/ROOT/BE1/var 3.96M 24.4G 276M /var tank 450K 457G 18K /export tank/home 315K 457G 21K /export/home
孤立したブート環境の破棄についての詳細は、Oracle Solaris ゾーンの作成と使用 の孤立したゾーンブート環境についてを参照してください。