このシナリオでのデプロイメントの目的は、次のとおりです。
Oracle VM Server for SPARC サービスドメイン上に仮想ネットワークを構成します。
各ゲスト内に構成されている複数のゾーン用のコンテナとして使用される 2 つの Oracle VM Server for SPARC ゲストドメインを構成します。
各ゲストドメインを、さまざまなワークロードを実行するクラウド内の特定の計算ノードに対応させます。
ゲストドメイン内で実行しているゾーンに接続する際に使用される EVS (Elastic Virtual Switch) を構成します。
ゲストドメインをさまざまなワークロードを実行する複数のゾーンに分割します。
次の図は、この構成を使用して作成されるネットワーク仮想化の 2 つの個別のレベルを示しています。
図 6 ネットワーク仮想化機能と Oracle VM Server for SPARC の組み合わせ
1 番目のレベルでは、Oracle VM Server for SPARC でサポートされているネットワーク仮想化機能を構成します。ネットワーク仮想化のこの部分では、Oracle VM Server for SPARC の構成とサービスドメインで実行されている Oracle Solaris 11 OS を組み合わせます。vnet の構成は、仮想化のこの 1 番目のレベルで実行されます。構成はゲストドメインからの IP 接続にのみ依存しているため、2 番目のネットワーク仮想化レベルでの構成が機能するために、Oracle VM Server for SPARC からの追加サポートは必要ありません。
2 番目のレベルでは、ゲストドメイン間に EVS (Elastic Virtual Switch) を作成する際に EVS が使用されます。EVS は、アップリンクとして vnet インタフェースを使用するように構成されています。VXLAN データリンクは、各ゲストドメインから EVS によって自動的に作成され、その後、個々の EVS (Elastic Virtual Switch) のトラフィックをカプセル化する際に使用されます。
この図は、次の構成を表しています。
サービスドメインに直接割り当てられている 2 つの物理 NIC (nxge0 と ixgbe0)。サービスドメインでは、物理 NIC はデータリンク net0 および net1 で表されます。
物理 NIC に障害が発生したときに高可用性を実現するために、サービスドメイン内の net0 および net1 は DLMP アグリゲーション (aggr0) にグループ化されています。
その後、アグリゲーション aggr0 は、vsw0 という名前のサービスドメイン内の Oracle VM Server for SPARC 仮想スイッチに接続されます。
2 つの VNIC (ldoms-vsw.vport0 と ldoms-vsw.vport1) は、vsw0 によって自動的に作成されます。各 VNIC は、ゲストドメイン内の Oracle VM for SPARC vnet インスタンスに対応します。
LDC (Logical Domain Channel) を使用すると、vsw0 および vnet インスタンスはハイパーバイザを介して相互に通信します。
各ゲストは、vnet0 ドライバのインスタンスを使用します。これは、その他のゲストドメインおよび物理ネットワークと通信するために、データリンク (net0) としてゲストドメイン内に表示されます。
各ゲストドメインでは、vnet データリンク (net0) に IP インタフェース net0/v4 が構成されています。
各ゲストドメインは、3 つの EVS スイッチ (vswitch_a、vswitch_b、および vswitch_c) を持つ EVS 計算ノードです。これらのスイッチは、EVS コントローラ (この図には表示されていません) から構成されます。
EVS は、ベースとなるプロトコルとして VXLAN を使用するように構成されています。EVS (Elastic Virtual Switch) を使用するゲストドメインごとに、EVS によって自動的に VXLAN データリンクが構成されます。これらの VXLAN データリンクには、evs-vxlanid という名前が付けられます。ここで、id は仮想スイッチに割り当てられている VXLAN ID です。
ゲストドメインでは、Oracle Solaris ゾーンがテナントのワークロードを実行するように構成されています。各ゾーンは VNIC および仮想ポート (この図には表示されていません) を介して、EVS スイッチのいずれかに接続されます。
Zone-B1 と Zone-B2 は同じユーザーに属し、2 つの異なるゲストドメイン上で実行されています。EVS スイッチ vswitch_b は、両方のゲストドメイン上でインスタンス化されています。2 つのゾーンへの接続は、vswitch_b で表され、その他の仮想スイッチから分離されている単一の Ethernet セグメントに各ゾーンが接続されているように表示されます。
さまざまな EVS (Elastic Virtual Switch) で必要となる VXLAN データリンクは、EVS によって自動的に作成されます。たとえば、vswitch_b の場合、各ゲストドメイン上に evs-vxlan201 という名前の VXLAN データリンクが EVS によって自動的に作成されました。