Oracle WebCenter Content: Imagingは、プロセス志向のイメージング・アプリケーションやイメージ利用のソリューションを開発するために使用できる、拡張性の高いソリューションを提供します。
このアプリケーションは、Oracle WebCenter Contentのツール・セットの一部として用意されています。Oracle WebCenter Imagingは、個別の製品としても使用できます。この章では、Oracle WebCenter Contentの一部として使用するImagingの機能について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
Oracle WebCenter Content: Imagingの詳細は、次の各マニュアルに記載されています。
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Content: Imagingの開発
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Content: Imagingの管理
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Content: Imagingの使用
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのインストールと構成』および『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。
Oracle WebCenter Content: Imagingは、複数のOracleテクノロジを組み合せることで、合理化されたドキュメント・イメージング・プラットフォームを提供します。このプラットフォーム上でイメージ利用、アプリケーション拡張および長期アーカイブを活用することによって、数多くのビジネス・ソリューションを構築できます。Imagingにより、メタデータに焦点を当てたドキュメント管理モデル、強力なビューア・ツール、イメージの注釈付け機能、大容量データの取込みと保存、および拡張検索ツールがこれらのソリューションに追加されます。ビジネス・トランザクションのニーズをサポートするために、Imagingでは、スキャンされたドキュメント、ファックス、電子メール、HTML、XML、電子書式、Microsoft Officeドキュメント、エンタープライズ・レポート管理データとレポート、レーザー・ディスクへのコンピュータ出力などの多くの種類の物理ドキュメントおよび電子ドキュメントが単一のユーザー・インタフェースで管理されます。
Oracle WebCenter Enterprise Captureを追加すると、物理ドキュメントおよび電子ドキュメントを含むトランザクションの内容の取込みおよび分類が可能になります。Imagingは、Oracle WebCenter Content Serverをドキュメント・リポジトリとして利用します。これにより、レコード管理機能を有効にしたOracle WebCenter Contentを使用した、イメージング・コンテンツのライフサイクルおよび配置の管理が可能になります。
Oracle BPMやBPELといったツールとの簡易構成の統合では、Imagingのドキュメント・コンテンツを自動化されたコア・ビジネス・プロセスに直接導入することで、手動による手順を削減して効率を高めることができます。
各組織は、Oracle E-Business Suite、PeopleSoft EnterpriseおよびJD Edwards EnterpriseOneなどのOracleエンタープライズ・アプリケーションとの統合により、これらのソリューションを迅速に拡張できます。トランザクション・ベースのすべてのコンテンツに対してソースを一元化することで、ユーザーは様々な利点を得ることができます。
Oracle WebCenter Content: Imagingは、イメージの取込みからアーカイブまで、ドキュメントのライフサイクル全体でドキュメントを管理します。ドキュメントは、個別ユーザーによって単独に、またはバックグラウンド・エージェントによって一括して、Imagingにアップロードされます。アップロードの後、ドキュメントはアプリケーションの一部として取り込まれます。アプリケーションは、アプリケーション内の全ドキュメントのメタデータ、記憶域情報およびBPELプロセス構成を定義する、一種のドキュメントのコンテナです。
アプリケーションは、特定の業務上のニーズに応じてシステム管理者が定義します。たとえば、請求書アプリケーションでは、請求書番号、送付日付、期限、状態、および経理部門が必要とするその他のメタデータが追跡されます。
リポジトリの構成に応じて、アップロードされたドキュメントを、Oracleデータベース内、ファイル・システム上、またはストレージ専用ハードウェアに保存して取り出すことができます。Imagingドキュメントにはアプリケーションに基づくセキュリティが適用されるため、アクセスは権限のあるユーザーのみに限られます。また、Oracle WebCenter Content: Imagingを構成して、Oracle BPELサーバー内でビジネス・プロセス・インスタンスを開始することもできます。
ユーザーは、事前定義検索を使用して保存したドキュメントを取り出すことができます。事前定義の検索は、ドキュメントのメタデータと全文検索の索引に基づいてドキュメントを検索するために作成されます。正しい権限があれば、ユーザーは次の操作を実行できます。
標準Webブラウザによるドキュメントの表示
ドキュメントの印刷、ダウンロードまたは他のユーザーへの電子メール送信
ドキュメントへの注釈の追加
ドキュメントのアップロードとBPELプロセスの開始(BPELプロセスがアプリケーションで定義されている場合)
ドキュメントの削除、コピーまたは移動
Oracle WebCenter Content: ImagingはOracle WebLogic Server内にあり、データベースに接続されています。Imagingイベントは、Java Messaging Service (JMS)を使用してWebLogic Server経由でルーティングされ、バックグラウンドのエージェントと通信します。
カスタム・アプリケーションは、一連のアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を介してImagingと対話できます。Imagingシステムと統合する必要のあるカスタム・アプリケーションは、Imagingの公開APIを使用してImagingと通信できます。APIには次の2つの形式があります:
Java API for XML Web Services (JAX-WS)を使用して生成された標準Webサービス
Javaクラス・ファイルで構成されるImaging Java API
Oracle WebCenter Content: Imagingは、ビジネス・マネージャがイメージング・ソリューションの構築プロセスを簡略化するのに役立つように設計された、アーキテクチャ上の機能を備えています。ユーザーは、アプリケーション、検索および入力などの機能を利用して、データを編成し、ユーザー・グループにセキュリティを適用し、システム間(開発インスタンスと本番インスタンス間など)を容易に移動できます。
Imagingエージェントはバックグラウンドで稼働し、ユーザーからの緊急のリクエストに関連しないタスクを実行します。Input Agentは大容量のドキュメント・コンテンツの取込みを容易にし、Workflow Agentはドキュメント操作で必要な場合にBPELサーバーとの対話を処理します。
Imagingのビジネス・ロジックおよびエージェントの動作を構成するために、標準のJava Management J2EE Bean (MBean)が使用されます。これらのMBean構成オブジェクトの値は、Oracle Enterprise ManagerおよびWebLogic Scripting Toolを使用して操作できるため、必要に応じて最適なシステム管理ツールを選択できます。
Oracle WebCenter Content: Imagingは、その他の主要なOracleテクノロジと次のように統合されます。
Oracleアプリケーション・アダプタと連動してワークフロー・タスクのドキュメント処理を可能にします。また、関連するイメージの容易な呼出し、表示および動作も可能になります。Imagingでは、Oracle E-Business Suite Adapter (第6.2項を参照)とOracle PeopleSoft Adapter (第6.4項を参照)の2つのアダプタを使用できます。
Oracle WebCenter Enterprise Captureと統合することによって、物理ドキュメントを電子フォーマットに変換してOracle WebCenter Content: Imagingへアップロードできます。
ドキュメントを保存および取得するためのリポジトリとしてOracle WebCenter Content Serverが利用されます。Oracle WebCenter Content Serverでは、すぐに利用可能なコンテンツ管理サービス、および様々なコンテンツ・ソースからの電子メール、ドキュメント、イメージなどの幅広いエンタープライズ・コンテンツを管理できる、オープンでカスタマイズ可能な統合オプションがサポートされています。WebCenter Content Serverでは、OracleデータベースおよびSQL Serverデータベースがサポートされており、様々な方法でコンテンツを索引付けおよび保存できます。データベースおよび構成に応じて、ドキュメントとメタデータをデータベース内、ファイル・システム上、またはその両方に保存できます。リポジトリを構成し、Imagingアプリケーション内の構成に従ってメタデータ検索または全文検索のいずれをサポートするかを指定できる柔軟な検索オプションが用意されているため、最適な検索機能を提供できます。
Oracle WebCenter Content: Desktopと統合して、ImagingのコンテンツをMicrosoft Windows Explorer、Microsoft Officeアプリケーション(Word、ExcelおよびPowerPoint)およびMicrosoft Outlookから直接表示または追加することが可能です。
標準のJ2EEアーキテクチャ、Oracleセキュリティ・コンポーネントとの統合、スケーラビリティ、クラスタリング、WebLogic Scripting Toolなどのシステム管理ツールを含むOracle WebLogic Serverの多数の機能、およびWebLogic Server管理コンソールを利用するよう設計されています。
ドキュメントをOracle WebCenter Content: Imagingにアップロードするとき、ワークフロー・サーバーへの接続を使用してワークフロー・プロセスが開始されるため、Oracle BPEL Process ManagerまたはOracle Business Process Management (Oracle BPM)などの主要テクノロジを使用した、企業全体でのビジネス・プロセスの統合が可能になります。