管理元帳モデルの計算

データベースをデプロイした後、モデルを計算できます。

注意:

モデルを計算する前に、費用および収益データがOracle Essbaseにロードされていることを確認します。そうでない場合は、空のデータ・セットを使用して計算されます。

管理元帳アプリケーションのグローバル・コンテキスト、ルール・セットおよび計算ルールは、単一の視点(POV)に固有です。これは、同じ名前のルール・セットまたはルールが複数のPOVに存在する可能性があるが、そのルール・セットまたはルールの各インスタンスは一意のアーティファクトであり、一意の定義を持つ可能性があることを意味します。特定のPOVの計算ルールを実行すると、そのルール・セットまたは計算ルールの定義はそのPOVに存在するかのように実行されます。

「計算の管理」画面(図12-3)を使用して、単一のPOVの計算ルール・セットすべてまたはその一部の計算を実行します。

管理元帳データをクリアまたは計算するには:

  1. 開いているモデルで、「タスク領域」から、「計算」「計算の管理」の順に選択します。

    図12-3 管理元帳の「計算の管理」画面


    この画面は、管理元帳モデルの計算方法を決定するために使用されます。
  2. 「計算の管理」画面で、「年」「期間」および「シナリオ」など、計算対象のPOV情報を入力します。
  3. オプション: 「ジョブ・ライブラリ」画面に表示する「ジョブ・コメント」を入力します。
  4. オプション: 「処理のオプション」グループで、実行するアクションを1つ以上選択します。
    • 計算済データのクリア: (デフォルトで選択されている)「処理範囲」オプションのルールで更新可能なすべてのセルをクリアします

    • 計算の実行: (デフォルトで選択されている)「処理範囲」オプションに指定されている計算ルールを実行します

    • Essbaseデバッグ・スクリプトの取得: 計算に含まれる配賦ルールまたはカスタム計算ルールごとに、エンジンによって生成されるスクリプトを格納します(このトピックの後半の「計算(Calc)スクリプトについて」を参照)。

      注:

      「Essbaseデバッグ・スクリプトの取得」は、トラブルシューティングを目的としており、処理のオーバーヘッドが増加する可能性があります。適切な理由がないかぎり、この設定を選択しないでください。

      「Essbaseデバッグ・スクリプトの取得」を選択すると、「ジョブ・ライブラリ」画面で「ジョブの詳細」リストにこれが示されます。

      並列ルール・セットの計算中(「計算スレッド」プリファレンス値が1を超える)、「Essbaseデバッグ・スクリプトの取得」オプションが選択されている場合、ルール実行の一部はエラーも警告も報告されずにスキップされる可能性があります。この問題を回避するため、Essbaseデバッグ・スクリプトを取得する必要がある場合、「計算スレッド」アプリケーション・プリファレンスを一時的に1に変更できます。

  5. 「処理範囲」グループで、実行するルールを指定します:
    • すべてのルール - 選択したPOVに対して定義されているすべての有効なルールを実行します。

    • ルール・セットの範囲の指定 - 「最初のルール・セット・シーケンス番号」テキスト・ボックスと「最後のルール・セット・シーケンス番号」テキスト・ボックスで定義されたルール・セット範囲内(最初と最後の番号も含む)の使用可能なすべてのルールを実行します。

    • 単一ルールの実行 - 「ルール・セット名」および「ルール名」リストで選択された単一のルールを実行します。

  6. 「今すぐ実行」をクリックして、すぐに計算を実行するかデータをクリアします。確認メッセージに、ジョブが開始されたことが示され、割り当てられたタスクフローIDが特定されます。

    注意:

    この操作は、モデルのサイズや複雑さによっては、長時間かかる可能性があります。

  7. 「ジョブ・ライブラリ」画面内のタスクフローIDを使用してデプロイメントの進捗をモニターします。

例12-2 デバッグ・スクリプトについて

エンジンによって生成されるスクリプトは、各ルールに必要なすべての計算が詳述されています(ルールごとに1つの.txtファイル)。

スクリプトは、構成されたEssbaseサーバーが実行中であるマシン上の$ARBORPATH/app/<application name>/<database name>ディレクトリに生成されます。

C:\Oracle\Middleware\user_projects\epmsystem1\EssbaseServer\ essbaseserver1\app\BksML12C\BksML12C

管理者は、必要に応じてEssbaseコンソールで計算スクリプトを表示できます。

スクリプトのファイル名のフォーマットは、P+XX+RuleMemberName.txtで、意味は次のとおりです。

  • P = POV

  • XX = 選択したPOVメンバー・グループIDの最後の2桁

  • RuleMemberName = 特定のルールに割り当てられた一意のルール・メンバー名

    たとえば、生成されたスクリプトにはP99R0001.txtなどの名前が付けられます。

各スクリプト・ファイルには、次の情報が含まれるヘッダーがあります。

  • アプリケーション名

  • POV

  • ルール・セット名

  • ルール名

  • ルール・シーケンス

  • 反復の数