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Oracle Database 2日でJava開発者ガイド
11g リリース1(11.1)

E05692-02
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2 アプリケーション開発の開始

Oracle Databaseに接続するJavaアプリケーションを開発するには、必要に応じていくつかのコンポーネントをインストールしておく必要があります。この章では、次の項目について説明します。

インストールする必要があるもの

サンプル・アプリケーションを開発するには、次の製品およびコンポーネントをインストールする必要があります。

次の項目では、これらの要件について詳細に説明します。

Oracle Database サーバー

このJavaアプリケーションを開発するには、Oracle DatabaseサーバーおよびHRスキーマ(データベースに付属)による作業環境が必要です。クライアントをインストールする場合は、Oracle DatabaseサーバーをインストールしてからOracle Databaseクライアントをインストールします。インストールによってOracle Databaseのインスタンスが作成されます。また、このデータベースを管理するための追加ツールを利用できるようになります。サーバーのインストールは、プラットフォーム固有です。詳細は、次のOracle Databaseインストレーション・ガイドおよびリリース・ノートを参照してください。

JDBCアプリケーションのためのHRスキーマの変更

HRユーザー・アカウント(このマニュアルのJavaアプリケーションで使用するサンプルHRスキーマの所有者)は、最初はロックされています。HRとしてログインするには、まず管理権限を持つユーザー(SYS)としてログインし、アカウントのロックを解除する必要があります。

データベースがローカルにインストールされている場合は、コマンド・プロンプトまたはコンソール・ウィンドウを使用して、次のようにアカウントのロックを解除します。

  1. DBA権限を持つユーザーとしてSQL*Plusにログインします。次に例を示します。

    > SQLPLUS SYS/ AS SYSDBA
    Enter password: password
    
    
  2. 次のコマンドを実行します。

    > PASSWORD HR
    Changing password for HR
    New password: password
    Retype new password: password
    
    
  3. 次のように接続をテストします。

    > CONNECT HR
    Enter password: password
    
    

データベースに接続したことを示すメッセージが表示されます。


注意:

Oracle Databaseでのセキュアなパスワードの作成および使用の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 


また、HRスキーマにある制約およびトリガーの一部は、このマニュアルで作成するJavaアプリケーションの目的に合っていません。次のSQL文を使用して、これらの制約およびトリガーを削除する必要があります。

DROP TRIGGER HR.UPDATE_JOB_HISTORY;
DROP TRIGGER HR.ADD_JOB_HISTORY;
DROP TRIGGER HR.SECURE_EMPLOYEES;
ALTER TABLE EMPLOYEES  DROP CONSTRAINT JHIST_EMP_FK;
DELETE FROM JOB_HISTORY;

Oracle Database クライアント

Oracle Databaseクライアントのインストールは任意ですが、インストールすることをお薦めします。Oracle Databaseクライアントをコンピュータにインストールすると、そのシステムからOracle Databaseに簡単にアクセスできます。インストールには、次の開発ツールも含まれます。

クライアントのインストールは、プラットフォーム固有です。クライアントのインストールの詳細は、次のOracle Databaseクライアント・インストレーション・ガイドを参照してください。

J2SEまたはJDK

Javaアプリケーションを作成およびコンパイルするには、Java 2 Platform, Standard Edition, Software Development Kit(J2SE SDK)(以前のJava Development Kit(JDK))がすべて必要です。データベースにアクセスするアプリケーションを作成およびコンパイルするには、J2SEに付属のJDBC APIがすべて必要です。このダウンロードには、Java Runtime Environment(JRE)も含まれています。


注意:

  • Oracle Databaseでは、JDK 1.2、JDK 1.3、JDK 1.4およびすべてのclasses12*.*ファイルをサポートしていません。ojdbc5.jarおよびojbc6.jarファイルを、それぞれJDK 5.nおよびJDK 6.nとともに使用する必要があります。

  • oracle.jdbc.driver.*クラス、ojdbc4.jarファイルおよびOracleConnectionCacheImplクラスは、サポートされなくなり、使用できません。

  • JDKのバージョンの表記規則が、JDKバージョン1.nからJDK nに変更されました。詳細は、次のSun社のJavaのサイトを参照してください。

    http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/relnotes/version-5.0.html

 

関連項目:

  • Javaのインストールの詳細は、http://java.sun.com/javase/index.jspを参照してください。

  • JDBC APIの詳細は、http://java.sun.com/javase/technologies/database.jspを参照してください。

 

統合開発環境

アプリケーションの開発を簡単にするため、統合開発環境(IDE)でアプリケーションを開発することができます。このマニュアルでは、Oracle JDeveloperを使用して、このアプリケーションのファイルを作成します。JDeveloperのインストールの詳細は、「Oracle JDeveloperのインストール」を参照してください。

Webサーバー

このマニュアルで開発するサンプル・アプリケーションは、JavaServer Pages(JSP)テクノロジを使用して情報を表示し、ユーザーからの入力を受け入れます。これらのページをデプロイするには、サーブレットおよびJSPコンテナを使用するWebサーバー(Apache Tomcatアプリケーション・サーバーなど)が必要です。

このマニュアルでは、JSPページのデプロイに、JDeveloperの埋込みサーバーを使用します。これは、Oracle Application Server Containers for J2EEサーバー、または略してOC4Jサーバーと呼ばれます。Oracle JDeveloperをインストールしない場合でも、任意のWebサーバーを使用してJSPページをデプロイできます。

JDeveloperでは、次の本番アプリケーション・サーバーへの直接デプロイメントがサポートされています。

これらのサーバーの詳細は、ベンダー固有のドキュメントを参照してください。

Oracle Databaseクライアントのインストールの検証

Oracle Databaseクライアントのインストールは、プラットフォーム固有です。サンプル・アプリケーションの作成に進む前に、クライアントのインストールが成功したことを検証する必要があります。この項では、Oracle Databaseクライアントのインストールを検証する手順について説明します。

クライアントのインストールの検証には、次の作業があります。

インストールされたディレクトリおよびファイルのチェック

Oracle Java製品をインストールすると、次のディレクトリが作成されます。

表2-1に示すディレクトリがORACLE_HOMEディレクトリ内に作成されているどうかを確認します。

表2-1    ORACLE_HOMEディレクトリ内のディレクトリおよびファイル 
ディレクトリ  説明 

/jdbc/lib 

libディレクトリには、必須Javaクラスのojdbc5.jarおよびojdbc6.jarが含まれています。これらには、JDK 5およびJDK 6で使用するJDBCドライバ・クラスが含まれています。 

/jdbc/Readme.txt 

このファイルには、ドライバに関する最新情報およびリリース固有の情報が含まれています。これらの情報は、製品の他のドキュメントには含まれていない場合があります。 

/jlib 

このディレクトリには、orai18n.jarファイルが含まれています。このファイルには、グローバリゼーションおよびマルチバイト・キャラクタ・セットをサポートするためのクラスが含まれています。 


注意:

これらのファイルは、Sun社のWebサイトからも入手できます。ただし、Oracleから提供されるファイルを使用することをお薦めします。これらのファイルは、Oracleのドライバでテストされています。 


環境変数のチェック

この項では、JDBC Thinドライバに対して設定する必要がある環境変数について説明します。インストールされているJDBC Thinドライバをクラスパスに設定する必要があります。JDK 5の場合、次の値をCLASSPATH変数に設定する必要があります。

ORACLE_HOME/jdbc/lib/ojdbc5.jar
ORACLE_HOME/jlib/orai18n.jar

CLASSPATH変数に設定したJDBCクラス・ファイル(ojdbc6.jarなど)とグローバリゼーション・クラス・ファイル(orai18n.jar)は1つのみであることを確認します。

JDBCドライバ・バージョンの判別

Oracle Database 11g リリース1を起動し、次のように、データベースでのJDBCサポートの詳細を確認します。

> java -jar ojdbc6.jar
  Oracle 11.1.0.0. JDBC 4.0 compiled with JDK6

また、OracleDatabaseMetaDataクラスのgetDriverVersionメソッドをコールすることによって、インストールしたJDBCドライバのバージョンを確認できます。


注意:

JDBC Thinドライバでは、データベースがインストールされているコンピュータでTCP/IPリスナーが実行されていることが必要です。 


例2-1に、ドライバ・バージョンを確認する方法を示します。

例2-1    JDBCドライバ・バージョンの確認

import java.sql.*;
import oracle.jdbc.*;
import oracle.jdbc.pool.OracleDataSource;

class JDBCVersion
{
  public static void main (String args[]) throws SQLException
  {
    OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
    ods.setURL("jdbc:oracle:thin:hr/hr@localhost:1521/XE");
    Connection conn = ods.getConnection();

    // Create Oracle DatabaseMetaData object
    DatabaseMetaData meta = conn.getMetaData();

    // gets driver info:
    System.out.println("JDBC driver version is " + meta.getDriverVersion());
  }
}

Oracle JDeveloperのインストール

このマニュアルで、JDBCを使用するサンプルJavaアプリケーションの作成に使用する統合開発環境(IDE)は、Oracle JDeveloperリリース10.1.3です。このリリースのJDeveloperは、Microsoft Windows XP、Windows 2000、Windows NT、Linux、Solaris、Mac OS XおよびHP-UXオペレーティング・システムでサポートされています。JDeveloperのインストールについては、『Oracle JDeveloperインストレーション・ガイドStudio Edition』で詳細に説明されています。これは、Oracle Technology Networkの次の場所で、オンラインで入手できます。

http://www.oracle.com/technology/documentation/jdev/1013install/install.html

このマニュアルは、JDeveloperのシステム要件を詳細に説明し、サポートされるプラットフォームでのJDeveloperのインストールについて詳細に説明しています。また、『Oracle JDeveloperリリース・ノート』も参照する必要があります。これは、次のOracle Technology Networkで、オンラインで入手できます。

http://www.oracle.com/technology/products/jdev/htdocs/10.1.3.0.3/readme.html

JDeveloper Studio Edition: 基本インストールと完全インストール

JDeveloper 10.1.3には、3つのエディションがあります。また、エディションごとに、基本インストールと完全インストールがあります。Studio EditionにはOracle ADFが含まれています。これは、このマニュアルで作成するマスター・ディテール・アプリケーションの開発に必要です。

JDeveloper Studio Editionの基本インストールまたは完全インストールをインストールします。完全インストールには、JDeveloper以外に、必要なバージョンのJava、専用のOracle Java Virtual Machine for JDeveloper(OJVM)およびオンライン・ドキュメントが含まれているため、ダウンロードされるファイル・サイズが大きくなります。迅速にダウンロードするには、JDeveloperの基本インストールをインストールします。

JDeveloperのインストール手順

JDeveloperはZIPファイルで提供されるため、インストーラは必要ありません。インストール・プロセスの概要は、次のとおりです。

  1. 基本バージョンをインストールする場合、マシン上にJ2SEバージョン1.5.0_05が必要です。完全バージョンをインストールする場合、このJ2SEは含まれています。

  2. Oracle Technology Networkの次の場所から、JDeveloperバージョン10.1.3 Studio Editionをダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technology/software/products/jdev/htdocs/soft1013.html

    基本インストール(jdevstudiobase1013.zip)または完全インストール(jdevstudio1013.zip)をダウンロードします。

  3. ダウンロードしたファイルをターゲット・インストール・ディレクトリに解凍します。


    注意:

    JDeveloperを既存のORACLE_HOMEにインストールしないでください。Oracle Universal Uninstallerを使用してアンインストールできなくなります。 


    UNIXまたはLinuxシステムにjdevstudio1013.zipをインストールする場合は、SDKを指定するようにjdev.confを変更する必要があります。ファイル<jdev_install>/jdev/bin/jdev.confの変数SetJavaHomeを、Javaのインスール先に設定します。

    たとえば、UNIX環境で、Sun J2SE SDKの場所が/usr/local/javaというディレクトリである場合、jdev.confのエントリは次のようになります。

    SetJavaHome /usr/local/java

    この他に実行する必要がある作業は、すべてのJDeveloperファイルの読取り権限を設定することと、すべてのユーザーに、JDeveloperディレクトリにあるファイルに対する書込み権限と実行権限を付与することです。

  4. 基本インストールを使用する場合は、さらにいくつかの設定作業があります。JDeveloper構成ファイルにJavaのインストール先を設定する、オプションでOJVMをインストールする、オンライン・ドキュメントをローカルで使用できるようにダウンロードする、などです。

    関連項目:

    JDeveloperのインストレーション・ガイドは、http://www.oracle.com/technology/documentation/jdev/1013install/install.htmlを参照してください。 

JDeveloperの起動

WindowsでJDeveloperを起動するには、jdev_install¥jdev¥bin¥jdevw.exeファイルを実行します。jdev_installは、JDeveloperファイルを解凍した場所のパスです。内部診断情報を表示するためにコンソール・ウィンドウを使用するには、jdevw.exeではなく、同じディレクトリ内のjdev.exeファイルを実行します。

その他のプラットフォームでJDeveloperを起動するには、jdev_install/jdev/bin/jdevファイルを実行します。


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