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Oracle Database 2日で.NET開発者ガイド
11g リリース1(11.1)

E05695-02
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2 .NET製品のインストール

この章の内容は次のとおりです。

必要事項

この項では、このマニュアルで紹介する例を実行するために必要な製品とデータベース・スキーマを示します。

Oracle Database

ローカルまたはリモート・コンピュータのいずれかに、Oracle Databaseをインストールしておく必要があります。


注意:

このマニュアルで使用するすべての例で、Oracle Database 11gクライアントが必要です。ただし、このクライアントではOracle Database 9i リリース2以上がサポートされているため、このうちのいずれかのリリースを使用することもできます。

Oracle Database Extensions for .NETを使用する予定がある場合は、クライアントをOracle Database 11g に接続する必要もあります。 


データベースは、ユーザー・インタフェースであるEnterprise Managerを使用して管理できます。Enterprise Managerでは、スクリプトや問合せを実行したりその他の操作を実行できます。

参照:

Oracle Databaseのインストールと構成が完了していない場合は、『Oracle Database Express Edition Installation Guide for Microsoft Windows』を参照してください。 

サンプル・データ

このマニュアルで使用するサンプル・データは、Oracleサンプル・スキーマの1つであるHRスキーマに含まれています。このサンプル・スキーマは、Oracle Databaseインストールの一部として含まれています。

参照:

HRのデータ・モデルおよび表については、『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』を参照してください。 

Oracle Data Access Components

Oracle Data Access Components(ODAC)は、次のツールのコレクションです。

Oracle Database Extensions for .NET

Oracle Database Extensions for .NETは、Oracle Database 11g をWindowsにインストールするときに、その一部としてインストールされます。Oracle Database Extensions for .NETをインストールすると、ODACインストールによって、Oracle Database Extensions for .NETへのアップグレードが提供されます。このアップグレードは、Oracle Data Access Components for Oracle Serverオプションの一部として含まれています(「.NET製品のインストール」の手順4のスクリーンショットを参照)。このマニュアルの第8章を完了する予定がある場合にのみ、このアップグレードを実行し、Oracle Database Extensions for .NETをインストールする必要があります。

Visual Studioのバージョン

Visual Studio 2008を使用する場合は、インストールしてから、このマニュアルに示す手順に進む必要があります。

Microsoft Visual Studio 2005を使用する場合は、スクリーン・ショット、ショートカット、メニュー・オプションおよび生成されるコードが若干異なることはありますが、通常、問題が発生することはありません。

.NET製品のインストール

次の手順は、Visual Studioをインストールした後で行う、Oracle Developer Tools for Visual Studio(ODT)、Oracle Data Provider for .NETおよびその他のODAC製品のインストール方法を示しています。


注意:

新しいバージョンのOracle .NET製品のリリースにより、このマニュアルに示しているインストール手順が若干変更される場合があることに注意してください。スクリーンショットは、Oracle Data Access Components(ODAC)バージョン11.1.0.6.21に基づいています。 


インストールを行うには、次の手順を実行します。
  1. インターネット・ブラウザで、次の場所に移動してODACとOracle Developer Tools for Visual Studioをダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technology/software/tech/windows/odpnet/index.html
    
    
  2. すべてのファイルをzipファイルからファイル・システムのフォルダに抽出します。

  3. Setup.exeをダブルクリックします。

    Oracle Installerが起動します。必要な依存オブジェクトを検出する画面が短い間表示された後、Oracle Universal Installer(OUI)の「ようこそ」画面が表示されます。


    画像の説明

  4. 「次へ」をクリックします。

    「インストールする製品の選択」画面が表示されます。


    画像の説明

  5. 最初のオプションを選択します。

    このオプション(ODAC for Oracle Client)を選択すると、クライアントのOracleホームで使用する製品のみがインストールされます。2番目のオプション(ODAC for Oracle Server)を選択すると、Oracle Databaseが含まれるOracleホームに直接インストールできます。

  6. 「次へ」をクリックします。

    「インストールの場所」ウィンドウが表示されます。このウィンドウで、インストールする場所を選択できます。デフォルトでは、クライアントのOracleホームが新しく作成されます。このマニュアルでは、デフォルトを受け入れて新しいOracleホームを作成します。


    画像の説明

  7. 「次へ」をクリックします。

    インストーラにより前提条件のチェックが実行されます。各チェックのステータスは「成功しました」になる必要があります。


    画像の説明

  8. 「次へ」をクリックします。

    「使用可能な製品コンポーネント」画面が表示されます。

    次の製品が選択されていることを確認してください。

    • Oracle Data Provider for .NET 2.0

    • Oracle Providers for ASP.NET

    • Oracle Developer Tools for Visual Studio

    • Oracle Instant Client


      画像の説明

  9. 「次へ」をクリックします。

    Oracle Providers for ASP.NETを使用する場合は、ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥client_1¥ASP.NET¥SQLにあるSQLスクリプトを実行する必要があることを示す画面が表示されます。


    注意:

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOMEは、Oracleホームを表すディレクトリです。 


  10. 「次へ」をクリックします。

    「サマリー」ウィンドウが表示されます。


    画像の説明

  11. 「インストール」をクリックしてインストールを完了します。

    インストールの最後の画面が表示されます。再度、ASP.NETスクリプトをインストールするように指示されます。Oracle Providers for ASP.NETを使用する予定がある場合は、スクリプトをインストールします。

  12. 「終了」をクリックします。

NET接続の別名の構成

Oracleクライアントが短縮名を使用してデータベースに接続できるように、tnsnames.oraファイルにデータベース・サーバーのアドレスを定義します。DBAから事前構成済のtnsnames.oraファイルがすでに提供されている場合もあります。

それ以外の場合は、ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥network¥admin¥sampleディレクトリに移動して、そこにあるtnsnames.oraファイルとsqlnet.oraファイルをORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥network¥adminディレクトリにコピーする必要があります。

tnsnames.oraファイルに含まれる次の接続記述子を使用し、イタリック体で示されている値を使用環境に合わせて変更します。

例2-1    tnsnames.ora接続記述子

address name =
 (DESCRIPTION =
   (ADDRESS_LIST =
     (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(Host = hostname)(Port = port))
   )
 (CONNECT_DATA =
   (SERVICE_NAME = sid)
 )
)

値の説明:

sid: データベース・サービス名

hostname: データベース・コンピュータ名

port: データベースとの通信に使用するポート

address name: 接続記述子として使用するユーザー定義の短縮名。この短縮名は、.NETアプリケーションの接続文字列で使用します。

例2-2に、tnsnames.oraファイルの例を示します。

例2-2    tnsnames.oraファイルの例

ORCL =
  (DESCRIPTION =
    (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = localhost)(PORT = 1521))
    (CONNECT_DATA =
      (SERVER = DEDICATED)
      (SERVICE_NAME = ORCL)
    )
  )

参照:

『Oracle Database Net Services管理者ガイド』 

Oracle Providers for ASP.NETの設定

Oracle Providers for ASP.NETを使用すると、データベース・ユーザーのスキーマのコンテキストに基づいてOracle Database内にWebアプリケーションの状態を格納できます。管理者は、新しいデータベース・ユーザーを作成してアプリケーションの状態を格納できます。

このデータベース・ユーザーは、単一の物理ユーザーにはマップされませんが、すべてのWebサイト・ユーザーのASP.NET情報を格納するためのリポジトリとして機能します。したがって、単一または複数のWebユーザーのアプリケーションの状態をこの新しいデータベース・ユーザーのスキーマ内に格納することができます。


注意:

このチュートリアルでは、データベース・ユーザーは、ASPNET_DB_USERと呼ばれ、Oracle Providers for ASP.NETデータベース・ユーザーです。 


実行時に、ASP.NETアプリケーションは、接続文字列にデータベース・ユーザーの資格証明を使用してデータベースに接続します。

Oracle Databaseを設定するには、データベース管理者がOracle Providers for ASP.NETデータベース・ユーザーのスキーマに特定のデータベース権限を付与する必要があります。データベース・ユーザーは、これらの権限を使用して、表、ビュー、ストアド・プロシージャなどのOracle Providers for ASP.NETで必要なデータベース・オブジェクトを作成できます。

権限が付与されると、データベース・ユーザーは、Oracle Provider for ASP.NET構成スクリプトを実行できます。

参照:

詳細は、『Oracle Providers for ASP.NET開発者ガイド』を参照してください。 

この項では、データベースにOracle Providers for ASP.NETを設定する手順について説明します。このチュートリアルのASP.NETプロバイダに関する項(第7章の後半)を学習する予定がない場合は、この項も学習する必要はありません。Oracle Providers for ASP.NETの設定では、Oracle Developer Tools for Visual Studioを使用するため、設定を開始する前にインストールしておく必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

Oracle Providers for ASP.NET データベース・ユーザーの設定

このチュートリアルでは、新しいデータベース・ユーザー・スキーマASPNET_DB_USERを作成してASP.NETプロバイダのデータを格納します。ユーザーASPNET_DB_USERに特定のデータベース権限を付与し、ASP.NETプロバイダのデータベース・スクリプトを実行してスキーマを設定します。このスキーマに、Oracle Providers for ASP.NETに必要な表、ストアド・プロシージャなどのデータベース・オブジェクトが格納されます。

この項の内容は次のとおりです。

ユーザーの作成および権限の付与

新しいユーザーを追加し、必要な権限を付与するには、次の手順を実行します。

  1. SYSまたは別のデータベース管理ユーザーとしてログインします。詳細は、「SYSDBAとしての接続の作成」を参照してください。

  2. Server Explorerの問合せウィンドウで、新しいASPNET_DB_USERユーザーを次のように作成します。

    1. Server Explorerで、SYS.ORCLを右クリックし、「問合せウィンドウ」を右クリックします。


      画像の説明

    2. 問合せウィンドウで、次のコマンドを入力します。

      create user ASPNET_DB_USER identified by your_password
      
      

      この手順によって、入力したパスワードを持つユーザーASPNET_DB_USERがデータベースに作成されます。


      画像の説明

    3. 「問合せの実行」(左上の緑色の矢印)をクリックしてコマンドを実行します。下部のウィンドウに、コマンドが正常に実行されたことが示されます。

  3. Server Explorerに戻り、SYS.ORCLを再度選択して右クリックし、「権限」を選択します。


    画像の説明

    これによって、ODTの「権限の付与/取消し」ウィザードが起動されます。

  4. スキーマを作成し、ASP.NETプロバイダのWebサイトの状態を格納できるように新しいデータベース・ユーザーに権限を付与します。

    • 「オブジェクト・タイプ」をUSER、「ユーザー」をASPNET_DB_USERに設定します。

    • 中央にある右向き矢印(>)を使用して、権限を「使用可能な権限」リストから「付与された権限」リストに移動します。

      通常必要な権限は次のとおりです。

      • 変更の通知

      • ジョブの作成

      • プロシージャの作成

      • パブリック・シノニムの作成

      • ロールの作成

      • セッションの作成

      • 表の作成

      • ビューの作成

      • パブリック・シノニムの削除

      • 無制限表領域: この例では、ASPNET_DB_USER無制限表領域が付与されます。ただし、ほとんどの場合、管理者がデータベース・ユーザーに特定の表領域割当て制限を割り当てます。


        画像の説明

      「適用」をクリックすると、出力ウィンドウに正常に実行されたことが示されます。「OK」をクリックします。

      Oracle Providers for ASP.NETユーザーに必要な権限が付与されていない場合は、設定スクリプトの実行時にエラーが発生することがあります。

Oracle Providers for ASP.NETのすべての構成

データベースですべてのプロバイダをすぐに構成するには、InstallAllOracleASPNETProviders.sqlを実行します。

Oracle Developer Toolsでこのスクリプトを実行するには、次の手順を実行します。

  1. Visual Studioで、「ツール」を選択してから「SQL*Plusスクリプトの実行」を選択します。画面が表示されたら、「参照」を選択します。


    画像の説明

  2. ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ASP.NET¥sqlディレクトリ(ORACLE_BASE¥ORACLE_HOMEはOracleホームを表す)を参照し、InstallAllOracleASPNETProviders.sqlを選択して「開く」を選択します。


    画像の説明

  3. 「SQL*Plusスクリプトの実行」画面が再度表示されたら、「新規接続」を選択します。

    「接続プロパティ」画面が表示されたら、データソースがOracle Database(Oracle ODP.NET)であり、データソース名がORCLであることを確認します。次に、「ロール」を「デフォルト」に設定して、ユーザー名ASPNET_DB_USERおよびパスワードを入力します。「OK」をクリックします。


    画像の説明

    「Oracleサーバー・ログイン」ダイアログ・ボックスが表示される場合もあります。その場合は、パスワードを保存するかどうかを選択できます。

  4. 「SQL*Plusスクリプトの実行」が再度表示されたら、「実行」を選択します。


    画像の説明

    SQLファイルが実行され、バックグラウンドでは、スクリプトが正常に実行されたことが出力ウィンドウで確認されます。

  5. スクリプトの実行が終了したら、「取消」を選択します。

Oracle Providers for ASP.NETの個別構成

アプリケーションにすべてのOracle Providers for ASP.NETが必要ない場合もあります。プロバイダは、個別に設定することができます。通常は、他のインストール・スクリプトを実行する前にInstallOracleASPNETCommon.sqlインストール・スクリプトを実行する必要があります。これによって、ASP.NETプロバイダに共通のインフラストラクチャが設定されます。その後、必要なOracle Provider for ASP.NETに対して個別に特定のSQLスクリプトを(任意の順序で)実行します。

これらのインストール・スクリプトは、ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥ASP.NET¥sqlディレクトリにあります。

プロバイダ  必要なインストール・スクリプト 

Oracle Membership Provider 

InstallOracleMembership.sql 

Oracle Personalization Provider 

InstallOraclePersonalization.sql 

Oracle Profile Provider 

InstallOracleProfile.sql 

Oracle Role Provider 

InstallOracleRoles.sql 

Oracle Session State Provider 

InstallOracleSessionState.sql (Oracle Database 10g リリース1以上)

InstallOracleSessionState92.sql(Oracle Database 9i リリース2)

これらのインストール・スクリプトには、対応する名前が付いたアンインストール・スクリプトがあります。

注意: このプロバイダでは、InstallOracleASPNETCommon.sqlを実行する必要はありません。実行する必要があるのは、プロバイダ固有の.sqlインストール・スクリプトのみです。 

Oracle Site Map Provider 

InstallOracleSiteMap.sql 

Oracle Web Events Provider 

InstallOracleWebEvents.sql 

Oracle Cache Dependency Provider 

スクリプトを実行する必要はありません。 

Oracle Providers for ASP.NETに対するスキーマのアンインストール

対応するアンインストール・スクリプトを使用して、インストール・スクリプトで作成したデータベース・オブジェクトを削除します。これらのスクリプトには、接頭辞Uninstallが付いています。

接続文字列の設定

Oracle Providers for ASP.NETの情報を格納および取得するようにデータベースが構成されたら、中間層またはクライアントをASPNET_DB_USERユーザーに接続する必要があります。

使用しているコンピュータに接続情報を構成するには、次の手順を実行します。

  1. drive:¥WINDOWS¥Microsoft.NET¥Framework¥v2.0.50727¥CONFIGにあるmachine.configファイルに移動します。

  2. テキスト・エディタを使用して、<connectionStrings>を検索し、<add name="OraAspNetConString"..で始まる行を変更して、ユーザーID、パスワード、データソース・エントリおよびプロバイダ名を次のように追加します。

    <connectionStrings>
    <add name="OraAspNetConString" connectionString="User 
         Id=aspnet_db_user;Password=your_password;Data Source=orcl;"
         providerName="Oracle.DataAccess.Client" />
    </connectionStrings>
     
    


    注意:

    パスワードは、事前に作成したパスワードに変更してください。また、接続文字列にコピーした可能性のあるキャリッジ・リターンは削除してください。 


様々な設定に対するOracle Providers for ASP.NETのカスタマイズ

開発者は、各ASP.NETプロバイダのプロパティをmachine.configファイルの<system.web>セクション内からカスタマイズできます。

machine.configファイルはOracle Universal Installer によって自動的に構成されますが、開発者は、web.configファイルを使用して、Oracle Providers for ASP.NETに対してより詳細なアプリケーション・レベルの制御を適用できます。このファイルによって、machine.configファイルからのエントリは変更されますが、関連付けられている特定のWebアプリケーションの場合にかぎります。開発者は、machine.configファイルと同じXML構文を使用してweb.configファイルを設定できます。


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