ASCIIキャラクタ・セット(ASCII character set)
American Standard Code for Information Interchangeキャラクタ・セットの略で、デジタル・データを使用して英数字情報を表現するための規則です。IBMおよびIBM互換コンピュータを除く大半のコンピュータで使用している照合シーケンスです。
CMADMIN(Connection Manager Administration)
リスナーとOracle Connection Managerゲートウェイ・プロセスの状態を監視するOracle Connection Managerプロセスで、必要に応じてプロセスを停止および起動します。CMADMIN
は、リスナーによるゲートウェイ・プロセスに関する情報を登録し、Oracle Connection Manager Controlユーティリティで実行されるコマンドを処理します。
cman.oraファイル(cman.ora file)
着信要求および管理コマンドのプロトコル・アドレス、Oracle Connection Managerのパラメータ、アクセス制御の規則を指定する構成ファイルです。
CMGW(Connection Manager Gateway)
Oracle Connection Managerインスタンス上のリスナーによって選別され、転送されたクライアント接続を受信するOracle Connection Managerプロセスです。ゲートウェイ・プロセスは、要求をデータベース・サーバーへ転送します。さらに、1つのプロトコル接続で、複数のクライアント接続を多重化し、集中化します。
FTPプロトコル(FTP protocol)
ファイル転送プロトコルです。あるコンピュータ上のユーザーがTCP/IPネットワーク上の別のコンピュータとの間でファイルを転送するためのクライアント/サーバー・プロトコルです。
HTTPプロトコル(HTTP protocol)
Hypertext Transfer Protocolの略です。WebブラウザとWebアプリケーション・サーバーの通信を可能にする言語を提供するプロトコルです。
IPアドレス(IP address)
ネットワーク上のノードを識別するために使用します。 ネットワーク上の各コンピュータには、ネットワークIDと一意なホストIDで構成される一意なIPアドレスが割り当てられています。このアドレスは通常、各オクテットの10進値をピリオドで区切った値によって、ドット付き10進数表記で表現されます。例: 192.0.2.22
。
Java Database Connectivity(JDBC)ドライバ(Java DataBase Connectivity(JDBC)Driver)
JavaアプリケーションおよびアプレットによるOracleデータベースへのアクセスを可能にするドライバです。
JDBC OCIドライバ(JDBC OCI Driver)
クライアント/サーバーのJavaアプリケーションで使用するType 2ドライバです。このドライバには、Oracleクライアントのインストールが必要となります。
JDBCシン・ドライバ(JDBC Thin Driver)
Oracle JDBCアプレットとアプリケーション用のType 4ドライバです。このドライバはすべてJavaで記述されているため、プラットフォームに依存しません。また、クライアント側に追加のOracleソフトウェアは必要ありません。シン・ドライバは、サーバーとの通信に、Two-Task Common(TTC)(データベース・サーバーへのアクセス用にOracleが開発したプロトコル)を使用します。
ldap.oraファイル(ldap.ora file)
Oracle Internet Directoryコンフィギュレーション・アシスタントまたはOracle Net Configuration Assistantによって作成されるファイルです。次のディレクトリ・サーバー・アクセス情報が記述されています。
ディレクトリ・サーバーのタイプ。
ディレクトリ・サーバーの位置。
デフォルトのOracleコンテキスト。クライアントまたはサーバーが、データベース・サービスに接続するための接続識別子を検索または構成するために使用します。
Oracle Internet Directoryコンフィギュレーション・アシスタントで作成されるとldap.ora
は、UNIXオペレーティング・システムでは$ORACLE_HOME/ldap/admin
ディレクトリ、Windowsオペレーティング・システムでは%ORACLE_HOME%
\ldap\admin
ディレクトリに、それぞれ配置されます。Oracle Net Configuration Assistantで作成されると、ldap.ora
は、UNIXオペレーティング・システムでは$ORACLE_HOME/network/admin
ディレクトリ、Windowsオペレーティング・システムでは%ORACLE_HOME%
\network\admin
ディレクトリに、それぞれ配置されます。
Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)
標準的で拡張可能なディレクトリ・アクセス・プロトコルです。LDAPクライアントとサーバーが通信で使用する共通言語です。業界標準のディレクトリ・サーバーをサポートしている設計規則に関するフレームワークです。
listener.oraファイル(listener.ora file)
次の内容を識別するOracle Net Listenerの構成ファイルです。
一意名
接続要求を受付けるプロトコル・アドレス
リスニング対象のサービス
listener.ora
ファイルは、通常、UNIXおよびLinuxでは、$ORACLE_HOME
/network/admin
、Windowsでは%ORACLE_HOME%
\network\admin
に存在します。
Oracle Databaseでは、サービス登録により、データベース・サービスの識別を必要としません。 ただし、Oracle Enterprise Managerを使用する場合は、静的サービス構成が必要です。
Microsoft Active Directory
Windows 2000 Serverに含まれているLDAP準拠のディレクトリ・サーバーの1つです。ネットワーク上のオブジェクトに関する情報を格納し、ユーザーおよびネットワーク管理者がこの情報を利用できるようにします。Active Directoryでは、シングル・ログオン・プロセスを使用してネットワーク上のリソースにアクセスできます。
Active Directoryは、クライアントがアクセス可能なサービス情報を格納するディレクトリ・ネーミング・メソッドとして構成できます。
Named Pipesプロトコル(Named Pipes protocol)
分散アプリケーションを使用するクライアント/サーバー間でプロセス間通信を提供する高水準のインタフェースの1つです。Named Pipesでは、Named Pipesを使用するネットワーク上でクライアント/サーバーの対話が可能です。
Network Information Service(NIS)
Sun社のYellow Pages(yp
)クライアント/サーバー・プロトコルです。ユーザー名やホスト名などのシステム構成データをネットワーク上のコンピュータ間に配布するためのプロトコルです。
Network Program Interface(NPI)
サーバー/サーバー間対話用インタフェースの1つです。OCI(Oracle Call Interface)がクライアントに対して行うすべての機能を実行して、調整サーバーが追加サーバーにSQL要求を作成できるようにします。
Open Systems Interconnection(OSI)
ISOによって開発されたネットワーク・アーキテクチャ・モデルです。異機種間コンピュータ・ネットワーク・アーキテクチャの国際標準のフレームワークです。
OSIアーキテクチャは、最下位レイヤーから最上位レイヤーまで、次の7つのレイヤーに分けられています。
1. 物理層
2. データ・リンク層
3. ネットワーク層
4. トランスポート層
5. セッション層
6. プレゼンテーション層
7. アプリケーション層
各レイヤーは、その直下のレイヤーを使用し、上位レイヤーにサービスを提供します。
Oracle Advanced Security
企業のネットワークを保護して、インターネットに安全に拡張するためのセキュリティ機能の統合パッケージを提供する製品です。Oracle Advanced Securityは、ネットワーク暗号化と認証ソリューション、シングル・サインオン・サービスおよびセキュリティ・プロトコルの単一の統合を提供します。業界標準を統合することにより、ネットワークに対する他に例のないセキュリティが得られます。
Oracle Call Interface(OCI)
Application Program Interface(API)の1つです。これにより、第三世代言語に固有のプロシージャやファンクション・コールを使用して、Oracleデータベース・サーバーにアクセスし、SQL文の実行のすべての段階を制御するアプリケーションを作成できます。OCIでは、C、C++、COBOL、FORTRANなど多数の第三世代言語のデータ型、コール規則、構文およびセマンティクスをサポートします。
Oracle Connection Manager
クライアント接続要求をその次のホップに送るか、または直接データベース・サーバーに送る際の経路となるルーターです。Oracle Connection Managerを通して接続要求をルート指定するクライアントは、そのOracle Connection Managerに構成されているセッションの多重化、アクセス制御またはプロトコル変換機能を利用できます。
Oracle Connection Manager制御ユーティリティ(Oracle Connection Manager Control utility)
Oracle Net Servicesに含まれているユーティリティです。Oracle Connection Managerの起動、停止および状態の取得などの様々な機能を制御します。
Oracle Enterprise Manager
別個のOracle製品で、Oracle製品群を管理するための統合的、包括的なシステム管理プラットフォームを提供するために、グラフィカル・コンソール、エージェント、共通サービスおよびツール類を統合します。
Oracle Identity Management
インフラストラクチャ対応のデプロイメントにより、すべての企業IDと、それらによる企業内の各種アプリケーションへのアクセスを集中的、かつ安全に管理します。
Oracle Internet Directory
Oracleデータベース上のアプリケーションとして実装されているディレクトリ・サーバーです。分散ユーザーおよびネットワーク・リソースの情報を検索できます。Oracle Internet Directoryは、オープンなインターネット規格のディレクトリ・サーバー・アクセス・プロトコルであるLightweight Directory Access Protocol(LDAP)バージョン3とOracleデータベースの高度のパフォーマンス、拡張性、耐久性および可用性を組み合せています。
Oracle Net
クライアント・アプリケーションからOracleデータベース・サーバーへのネットワーク・セッションを可能にする通信ソフトウェアです。ネットワーク・セッションの確立後、Oracle Netはクライアント・アプリケーションとデータベース・サーバーのためのデータ伝達手段として機能します。クライアント・アプリケーションとデータベース・サーバー間の接続の確立、メンテナンス、さらにメッセージの交換の役割を果たします。Oracle Netは、ネットワーク上の各コンピュータに配置されるために、これらのジョブを実行できます。
Oracle Net Configuration Assistant
インストール後に、次の内容を含む基本ネットワーク・コンポーネントを構成する処理ツールです。
リスナー名およびプロトコル・アドレス
クライアントが接続識別子の解決に使用するネーミング・メソッド
tnsnames.ora
ファイル内のネット・サービス名
ディレクトリ・サーバーの使用
Oracle Net Foundationレイヤー(Oracle Net Foundation layer)
クライアント・アプリケーションとサーバー間でのメッセージの交換に加え、これらの間の接続を確立および維持するネットワーク通信レイヤーです。
Oracle Net Listener
サーバー上で実行される独立したプロセスです。クライアントの着信接続要求をリスニングし、サーバーへの通信量を管理します。
クライアントがデータベース・サーバーとのネットワーク・セッションを要求すると、リスナーは実際の要求を受信します。クライアントの情報がリスナーの情報と一致すると、リスナーはデータベース・サーバーへの接続を認めます。
Oracle Net Manager
構成機能にコンポーネント制御機能を組み合せることによって、Oracle Net Servicesの構成や管理のための統合環境を提供するツールです。
Oracle Net Managerを使用すると、次のネットワーク・コンポーネントを構成できます。
Oracle Net Services
ネットワーキング・コンポーネントの製品群です。異機種分散コンピューティング環境に企業全体への接続ソリューションを提供します。Oracle Net Servicesは、Oracle Net、リスナー、Oracle Connection Manager、Oracle Net Configuration Assistant、Oracle Net Managerで構成されます。
Oracle Netファイアウォール・プロキシ(Oracle Net Firewall Proxy)
ファイアウォール・ベンダーによって提供される製品です。Oracle Connection Managerの機能を補います。
Oracle protocol support
クライアント/サーバー接続で使用する業界標準プロトコルにTransparent Network Substrate(TNS)の機能をマッピングするソフトウェア・レイヤーです。
Oracle Rdb
Digital社の64ビット・プラットフォーム用データベースです。Oracle Rdbには独自のリスナーがあるため、クライアントはOracleデータベースと通信する場合と同じようにOracle Rdbと通信できます。
Oracle Real Application Clusters
複数のインスタンスがデータ・ファイルの共有データベースにアクセスできるアーキテクチャです。Real Application Clustersは、Oracle Enterprise EditionおよびReal Application Clustersで必要なクラスタ・データベース・スクリプト、初期化ファイルおよびデータ・ファイルを提供するソフトウェア・コンポーネントでもあります。
Oracleコンテキスト(Oracle Context)
ディレクトリ情報ツリー(DIT)にあるcn=OracleContext
のRDNです。ネーミング・コンテキストまたは未公開のディレクトリ・エントリの下に配置されています。Oracleコンテキストには、Oracle Netディレクトリ・ネーミングやOracle Advanced Security エンタープライズ・ユーザーのセキュリティ機能など、Oracle製品で使用するためのエントリが格納されています。ディレクトリ・サーバーには、1つ以上のOracleコンテキストを格納できます。Oracle Internet Directoryは、DIT構造のルートにOracleコンテキストを自動的に作成します。このルートのOracleコンテキストには、dn:cn=OracleContext
のDNがあります。
Oracleシステム識別子(Oracle System Identifier: SID)
リリース8.1以前のOracleデータベースが動作しているときに、その特定のインスタンスを識別する名前です。どのようなデータベースの場合も、データベースを参照しているインスタンスが少なくとも1つは存在します。
リリース8.1以前のデータベースでは、SIDがデータベースを識別しています。SIDは、tnsnames.oraファイルの接続記述子およびlistener.oraファイルのリスナー定義に含まれています。
Oracleスキーマ(Oracle schema)
ディレクトリ・サーバーに格納できる内容を判断する一連の規則です。Oracleには、Oracle Net Servicesのエントリなど、Oracleエントリの多くの種類に適用する独自のスキーマがあります。Oracle Net ServicesのエントリのOracleスキーマには、そのエントリに登録される属性があります。
Oracleプログラム・インタフェース(Oracle Program Interface: OPI)
OCIによって送信された適切な各メッセージに対する応答を受け持つネットワーキング・レイヤーです。たとえば、OCIが25行のデータのフェッチを要求すると、OPIはフェッチした25行のデータをOCIに戻します。
PMONプロセス(PMON process)
プロセス・モニター・データベース・プロセスです。ユーザー・プロセスに障害が起きた場合に、リカバリ処理を実行します。PMONは、キャッシュのクリーン・アップと、プロセスで使用していたリソースの解放を行います。また、ディスパッチャおよびサーバー・プロセスをチェックし、障害がある場合はそれらを再起動します。PMONは、サービス登録の一部として、リスナーにインスタンス情報を登録します。
Secure Sockets Layer(SSL)
ネットワーク接続を保護するためにNetscape社が開発した業界標準プロトコルです。SSLでは公開鍵インフラストラクチャ(PKI)を使用して、認証、暗号化およびデータ整合性を実現しています。
SID_LIST_listener_name
listener.ora
ファイルの1セクションです。リスナーでサービスされるデータベースのOracleシステム識別子(SID)を定義します。 この構成はOracle Databaseには必要ありません。インスタンスの情報がリスナーに自動的に登録されるためです。 ただし、外部プロシージャ・コールや異機種間サービスなどのその他のサービスには、静的な構成が必要です。
sqlnet.oraファイル(sqlnet.ora file)
次の内容を指定する、クライアントまたはサーバー用の構成ファイルです。
修飾されていないサービス名またはネット・サービス名に付加されるクライアント・ドメイン
名前の解決時にクライアントが使用するネーミング・メソッドの順序
使用するロギング機能とトレース機能
接続のルーティング
外部ネーミング・パラメータ
Oracle Advanced Securityパラメータ
sqlnet.ora
ファイルは、UNIXプラットフォームの場合は$ORACLE_HOME/network/admin
に、Windowsオペレーティング・システムの場合は%ORACLE_HOME%
\network\admin
に存在します。
SSLプロトコル付きTCP/IP(TCP/IP with SSL protocol)
クライアント上のOracleアプリケーションを、TCP/IPプロトコルとSecure Sockets Layer(SSL)を介してリモートのOracleデータベースと通信できるようにするプロトコルです。
TCP/IPプロトコル(TCP/IP protocol)
Transmission Control Protocol/Internet Protocolの略です。通信プロトコルです。ネットワークを介したクライアント/サーバー間の通信に使用します。
tnsnames.oraファイル(tnsnames.ora file)
接続記述子にマッピングされたネット・サービス名を含んだ構成ファイルです。このファイルは、ローカル・ネーミング・メソッドに使用されます。tnsnames.ora
ファイルは、通常、UNIXプラットフォームの$ORACLE_HOME/network/admin
およびWindowsプラットフォームの%ORACLE_HOME%
\network\admin
に存在します。
Transparent Network Substrate(TNS)
基盤となるテクノロジの1つです。標準のネットワーク・トランスポート・プロトコルで機能するOracle Net Foundationレイヤーに組み込まれています。
Two-Task Common(TTC)
標準的なOracle Net接続で使用されるプレゼンテーション層です。クライアントとサーバーの異なるキャラクタ・セットや型式の、キャラクタ・セットとデータ型の変換を提供します。
WebDAVプロトコル(WebDAV protocol)
World Wide Web分散オーサリングおよびバージョニングです。HTTPプロトコルに対する一連の拡張機能を持つプロトコルです。ユーザーがリモートWebサーバー上のファイルを管理できます。
Windows NTのシステム固有の認証(Windows NT native authentication)
認証方式の1つです。これにより、Windows NTサーバーおよびそのサーバー上で動作しているデータベースに対して、クライアントのシングル・ログオン・アクセスが可能になります。
アイデンティティ管理レルム(identity management realm)
IDの集合で、同じ管理ポリシーによって制御されるすべてのIDです。企業で、同じイントラネットにアクセスするすべての従業員は1つのレルムに属し、その企業の公開アプリケーションにアクセスするすべての外部ユーザーは別のレルムに属します。アイデンティティ管理レルムは、ディレクトリ上で特別なオブジェクト・クラスが関連付けられている特定のエントリによって表されます。
アクセス制御リスト(access control list: ACL)
ユーザーが定義するアクセス指示のグループです。この指示は、特定のクライアントまたはクライアントのグループに対して、特定のデータへのアクセス・レベルを付与します。
アプリケーション・ゲートウェイ(application gateway)
Oracle Netファイアウォール・プロキシを実行するホスト・コンピュータです。アプリケーション・ゲートウェイは、クライアント側から見ると実際のサーバーのように機能し、サーバー側から見ると実際のクライアントのように機能します。インターネットと企業の内部ネットワークの間に位置し、双方のユーザーに仲介サービス(プロキシ・サービス)を提供します。
異機種間サービス(Heterogeneous Services)
Oracleデータベース・サーバーからOracle以外のシステムにアクセスするための基本的な技術を提供する統合コンポーネントです。異機種間サービスを使用すると、次のことが可能になります。
Oracle SQLを使用して、Oracleサーバーに存在するデータと同じように、非Oracleシステムに格納されているデータに透過的にアクセスすること
Oracleプロシージャ・コールを使用して、Oracle分散環境からOracle以外のシステム、サービスまたはApplication Program Interface(API)に透過的にアクセスすること
位置の透過性(location transparency)
データ表の置かれている位置が不明の場合でも、アプリケーションがそのデータ表にアクセスできるようにする分散データベースの特性です。すべてのデータ表が1つのデータベース内にあるものと見なされ、システムは表名に基づいてデータの実際の位置を判別します。ユーザーは1つの文で複数のノード上のデータを参照できます。システムは、必要に応じて、SQL文(一部)を自動的かつ透過的にリモート・ノードにルート指定して実行します。ユーザーまたはアプリケーションに影響を与えずに、データをノード間で移動できます。
インスタンス(instance)
システム・グローバル領域(SGA)およびOracleバックグラウンド・プロセスの組合せです。データベース・サーバー上でデータベースが起動している場合(コンピュータのタイプに関係なく)、OracleではSGAと呼ばれるメモリー領域が割り当てられ、1つ以上のOracleプロセスが開始されます。インスタンスのメモリーとプロセスは、関連データベースのデータを効率的に管理し、データベース・ユーザーにサービスを提供します。ユーザーは、任意のインスタンスに接続し、クラスタ・データベース内の情報にアクセスできます。
インスタンス名(instance name)
Oracleデータベース・インスタンスの名前です。インスタンス名は、データベース初期化パラメータ・ファイルのINSTANCE_NAME
パラメータによって識別されます。INSTANCE_NAME
は、インスタンスのOracleシステム識別子(SID)に対応しています。クライアントは、接続記述子にINSTANCE_NAME
パラメータを指定すると特定のインスタンスに接続できます。
エンタープライズ・ユーザー(enterprise user)
企業内で固有の識別情報を持つユーザーです。エンタープライズ・ユーザーは、スキーマを介して個々のデータベースに接続します。エンタープライズ・ユーザーには、データベースに対する各自のアクセス権限を決定するエンタープライズ・ロールが割り当てられます。
エンタープライズ・ロール(enterprise role)
エンタープライズ・ロールは、通常のデータベース・ロールと類似しています。ただし、認可の範囲が複数のデータベースに及ぶ点が異なります。エンタープライズ・ロールは、特定のデータベースでの権限を定義するロールのカテゴリです。特定のデータベースのデータベース管理者に与えられます。エンタープライズ・ロールは、1人以上のエンタープライズ・ユーザーに権限の付与または取消しができます。ロールの許可または取消しに関する情報は、ディレクトリ・サーバーに格納されています。
オブジェクト・クラス(object class)
ディレクトリ・サーバーにおいて、名前を持った属性のグループです。 属性をエントリに割り当てるには、その属性を保持しているオブジェクト・クラスをそのエントリに割り当てます。
同じオブジェクト・クラスに関連するオブジェクトはすべて、そのオブジェクト・クラスの属性を共有します。
階層ネーミング・モデル(hierarchical naming model)
階層的に関連付けられた複数のドメインに名前を分割するOracle Namesのインフラストラクチャです。Oracle Namesの場合、階層ネーミング・モデルは、集中管理または委任管理で使用できます。
外部ドメイン(foreign domains)
所定の管理リージョン内で管理されないドメインです。このドメインは領域の関係においてのみ外部であり、絶対的な意味での外部ドメインではありません。ネットワーク管理者は、通常、キャッシュ動作のパフォーマンスを最適化するために特定の領域に対する外部ドメインを定義します。
外部プロシージャ(external procedure)
PL/SQLコードから呼び出すことができる、第三世代言語(3GL)で記述されたファンクションまたはプロシージャです。外部プロシージャとして、Cのみがサポートされています。
キーワード値ペア(keyword-value pair)
キーワードと値の組合せです。接続記述子および多くの構成ファイルで標準的な情報単位として使用します。キーワードと値のペアはネストできます。つまり、キーワードは別のキーワードと値のペアを値として持つことができます。
共有サーバー(shared server)
多数のユーザー・プロセスが、非常に少数のサーバー・プロセスを共有できるように構成されたデータベース・サーバーです。これにより、サポートされるユーザーの数が増えます。共有サーバー構成では、多数のユーザー・プロセスがディスパッチャに接続します。ディスパッチャは、複数の着信ネットワーク・セッション要求を共通キューに送ります。サーバー・プロセスの共有プールの中のアイドル状態の共有サーバー・プロセスは、共通キューから要求を取り出します。つまり、サーバー・プロセスの小規模プールによる多数のクライアントの処理が可能となります。「専用サーバー(dedicated server)」と対比。
クライアント(client)
別のアプリケーションまたはコンピュータのサービス、データ、処理を要求するユーザー、ソフトウェア・アプリケーションまたはコンピュータです。クライアントはユーザー・プロセスです。ネットワーク環境では、クライアントはローカル・ユーザー・プロセスで、サーバーはローカルまたはリモートとなります。
クライアント/サーバー・アーキテクチャ(client/server architecture)
2台のCPU間で処理を分割するソフトウェア・アーキテクチャです。1つのCPUは、トランザクションでクライアントとして機能し、サービスを要求して受け取ります。もう1つはサーバーとして、要求を提供します。
クライアント・プロファイル(client profile)
クライアントのプロパティです。ネーミング・メソッドの優先順位、クライアントとサーバーのロギングとトレース、名前の要求元であるドメイン、さらにOracle Advanced Securityのその他のクライアント・オプションがあります。
クライアント・ロード・バランシング(client load balancing)
ロード・バランシングです。複数のリスナーが1つのデータベースで処理する場合、クライアントは接続要求を送るリスナーをランダムに選択できます。このランダム化によって、すべてのリスナーが着信接続要求の処理負担を共有できます。
グローバル・データベース名(global database name)
データベースを他のデータベースから一意に識別するための完全な名前です。 グローバル・データベース名の書式は、database_name
.
database_domain
です。例: sales.us.example.com
データベース名の部分sales
は、データベースのコールに使用する単純な名前です。 データベース・ドメイン部分はus.example.com
で、データベースが存在するデータベース・ドメインを指定します。また、グローバル・データベース名が一意になるように指定します。 可能であれば、データベース・ドメインにネットワーク・ドメインを反映させます。
グローバル・データベース名は、初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMES
パラメータで指定したデータベースのデフォルト・サービス名です。
サーバー・パラメータ・ファイル(server parameter file)
Oracle Databaseホスト上で保守される初期化パラメータの設定を含んだバイナリ・ファイルです。テキスト・エディタでこのファイルを手動で編集することはできません。サーバー・パラメータ・ファイルは、最初にCREATE SPFILE
文を使用してテキスト初期化パラメータ・ファイルから作成するか、またはDatabase Configuration Assistantで直接作成します。
サービス登録(service registration)
PMONプロセスがリスナーに自動的に情報を登録する機能です。この情報はリスナーに登録されるため、listener.ora
ファイルはこの静的情報で構成する必要はありません。
サービス登録では、次の情報をリスナーに提供します。
データベースにおける稼働中の各インスタンスのサービス名
データベースのインスタンス名
各インスタンスで使用可能なサービス・ハンドラ(ディスパッチャまたは専用サーバー)
これによって、リスナーは、クライアントの要求を適切に送ることができます。
ディスパッチャ、インスタンスおよびノードのロード情報
このロード情報により、リスナーはクライアント接続要求を最適に処理できるディスパッチャを判断します。すべてのディスパッチャがブロックされている場合、リスナーは接続用の専用サーバーを生成できます。
サービス・ハンドラ(service handler)
リスナーからデータベース・サーバーへの接続ポイントとして機能するプロセスです。サービス・ハンドラには、ディスパッチャまたは専用サーバーがあります。
サービス名(service name)
データベースの論理表現です。データベースをクライアントに提供する方法です。データベースは複数のサービスとして提供できます。また、サービスは複数のデータベース・インスタンスとして実装できます。サービス名は、グローバル・データベース名を表す文字列です。グローバル・データベース名は、インストール時またはデータベースの作成時に入力したデータベース名とドメイン名で構成されます。グローバル・データベース名が不明な場合は、初期化パラメータ・ファイルにあるSERVICE_NAMES
パラメータの値から取得できます。
識別名(distinguished name: DN)
ディレクトリ・サーバー内のエントリの名前です。DNによって、LDAPディレクトリ階層内でのエントリの位置が指定されます。この方法は、ディレクトリ・パスによってファイルの位置が正確に指定されるのと類似しています。
シンJDBCドライバ(Thin JDBC Driver)
シンJDBCドライバは、OracleのType 4ドライバで、JavaアプレットおよびJavaアプリケーションの開発者用に設計されています。JDBCドライバは、Javaソケットを通してOracleデータベース・サーバーに直接接続を確立します。データベースへのアクセスを、Oracle NetとTwo-Task Common(TTC)の軽量な実装で支援します。
自動診断リポジトリ(automatic diagnostic repository)
自動診断リポジトリ(ADR)は、システム全体のトレースおよびロギング用中央リポジトリです。このリポジトリは、ネットワーク・トレースおよびロギング情報などの診断情報を蓄積するための、ファイルベースの階層データストアです。
セッション層(session layer)
プロトコル・アドレスのエンティティが必要とするサービスを提供するネットワーク層です。エンティティでは、対話を構成および同期化することができ、データ交換の管理が有効となります。このレイヤーは、クライアントとサーバー間でネットワーク・セッションを確立、管理および終了します。セッション層の例には、ネットワーク・セッション(NS)があります。
セッション・データ・ユニット(session data unit: SDU)
Oracle Netがネットワーク間でデータを転送する前にデータを配置するバッファです。Oracle Netがバッファ内のデータを送信するのは、データ送信が要求されたときか、バッファがフルのときです。
接続記述子(connect descriptor)
ネットワーク接続の宛先を示す特殊なフォーマットの記述子です。接続記述子には、宛先サービスおよびネットワーク・ルートの情報が含まれています。
宛先サービスは、そのサービス名で示されます。ネットワーク・ルートは、少なくとも、ネットワーク・アドレスによってリスナーの位置を提供します。
接続識別子(connect identifier)
接続記述子または接続記述子にマップされる名前です。接続識別子には、ネット・サービス名、データベース・サービス名またはネット・サービス別名を使用できます。 ユーザーは、ユーザー名およびパスワードを、接続識別子とともに接続先サービスの接続文字列に渡すことによって接続要求を開始します。例を次に示します。
CONNECT
username
@
connect_identifier
接続時フェイルオーバー(connect-time failover)
リスナーが応答しない場合、クライアントの接続要求は他のリスナーに転送されます。接続時フェイルオーバーはサービス登録によって有効になります。これは、接続の試行前にインスタンスが起動されているかどうかをリスナーが認識するためです。
接続データ(connect data)
接続先データベースのサービス名またはOracleシステム識別子(SID)を定義する接続記述子の一部です。 次の例では、SERVICE_NAME
にsales.us.example.com
というデータベース・サービスが定義されています。
(DESCRIPTION=
(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)
(CONNECT_DATA=
(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))
接続プーリング(connection pooling)
リソースの使用とユーザーの拡張性に関する機能です。この機能によって、共有サーバーに対するプロトコル接続数の制限を超えてセッション数を最大にできます。
接続文字列(connect string)
ユーザー名、パスワードおよび接続識別子など、ユーザーが接続するサービスに渡す情報です。例を次に示します。
CONNECT
username
@
net_service_name
接続ロード・バランシング(connection load balancing)
ロード・バランシングです。同じサービスに対する様々なインスタンスやディスパッチャ間でアクティブな、接続数を均等化します。これにより、リスナーはディスパッチャごとの接続数およびインスタンスが起動しているノードのロード量に基づいて、ルーティングを決定できます。
セル・ディレクトリ・サービス(Cell Directory Services: CDS)
外部ネーミング・メソッドの1つです。これを使用すると、ユーザーは透過的にOracleのツール製品を使用でき、アプリケーションによって分散コンピューティング環境(DCE)にあるOracleデータベースにアクセスできます。
相対識別名(relative distinguished name: RDN)
ローカルの最も細分化されたレベルのエントリ名です。エントリのアドレスを一意に識別するために使用される他の修飾エントリ名は含まれません。 たとえば、cn=sales,dc=us,dc=example,dc=com
では、cn=sales
がRDNです。
属性(attribute)
ディレクトリ・エントリの性質を説明する情報の1つです。1つのエントリは1組の属性から構成され、それぞれがオブジェクト・クラスに所属します。さらに、各属性には型と値があります。型は属性の情報の種類を説明するものであり、値には実際のデータが格納されています。
データベース管理者(database administrator: DBA)
(1)Oracleサーバーまたはデータベース・アプリケーションを操作および管理する人。 (2)DBA権限を所有し、データベース管理操作を実行できるOracleユーザー名。通常、これら2つを同時に意味します。多くのサイトでは複数のDBAが配置されます。
データベース・リンク(database link)
Oracleデータベース・サーバーから別のデータベース・サーバーへの一方向の通信経路を定義するポインタです。リンク・ポインタは、実際にはデータ・ディクショナリ表のエントリとして定義されます。リンクにアクセスするには、データ・ディクショナリ・エントリを含むローカル・データベースに接続する必要があります。
ローカル・データベースAに接続したクライアントは、データベースAに格納されているリンクを使用してリモート・データベースBの情報にアクセスできますが、データベースBに接続したユーザーは、同じリンクを使用してデータベースAのデータにアクセスすることはできません。この点から、データベース・リンク接続は一方向接続です。データベースBのローカル・ユーザーがデータベースAのデータにアクセスする場合は、リンクを定義してデータベースBのデータ・ディクショナリに格納する必要があります。
次の種類のデータベース・リンクがサポートされています。
データベースの特定のスキーマにあるプライベート・データベース・リンク。プライベート・データベース・リンクの所有者のみが使用できます。
データベースのパブリック・データベース・リンク。そのデータベースのすべてのユーザーが使用できます。
ディスパッチャ(dispatcher)
多くのクライアントが、クライアントごとの専用サーバー・プロセスなしで同じサーバーに接続できるようにするプロセスです。ディスパッチャは、複数の着信ネットワーク・セッション要求を処理して、共有サーバー・プロセスに送ります。「共有サーバー(shared server)」も参照。
ディレクトリ・サーバー(directory server)
Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)でアクセスするディレクトリ・サーバーです。LDAP準拠のディレクトリ・サーバーのサポートによって、分散Oracleネットワークの管理および構成のための集中化された媒体が提供されます。このディレクトリ・サーバーによって、クライアント側とサーバー側にあるローカルのtnsnames.ora
ファイルを置換できます。
ディレクトリ・ネーミング(directory naming)
中央ディレクトリ・サーバーに格納されているデータベース・サービス、ネット・サービス名またはネット・サービス別名を接続記述子に解決するネーミング・メソッドです。ディレクトリ・サーバーによって、ディレクトリ・ネーミング・オブジェクトの集中管理が可能となり、サービスの追加または再配置に伴う作業負荷を軽減できます。
デフォルト・ドメイン(default domain)
ほとんどのクライアント要求が実行されるドメインです。クライアントが存在しているドメイン、またはクライアントがネットワーク・サービスを頻繁に要求するドメインです。デフォルト・ドメインは、未修飾ネットワーク名の要求に追加するドメインを決定するクライアント構成パラメータでもあります。 名前の要求に(.)が入っていない場合は、未修飾の要求です。
透過的アプリケーション・フェイルオーバー(Transparent Application Failover: TAF)
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)やOracle Fail Safeなど、可用性の高い環境を目的としたランタイム・フェイルオーバーです。アプリケーションとサービス間の接続のフェイルオーバーおよび再確立をします。これによって、接続が失敗した場合、クライアント・アプリケーションは、自動的にデータベースに再接続され、オプションで処理中のSELECT
文を再開します。この再接続は、Oracle Call Interface(OCI)ライブラリ内から自動的に実行します。
トランスポート(transport)
データ・フロー制御およびエラー・リカバリ・メソッドによってエンドツーエンドの信頼性を維持するネットワーキング層です。Oracle Net Foundationレイヤーでは、Oracle protocol supportをトランスポート層に使用します。
トレース(tracing)
操作に関する詳細情報を出力ファイルに書き込む機能です。トレース機能によって、操作が実行されるときのイベントを示す詳細な文が生成されます。管理者はトレース機能を使用して、異常な状態を診断します。通常、トレース機能はオンになっていません。
「ロギング(logging)」も参照。
ドメイン(domain)
ドメイン・ネーム・システム(DNS)・ネームスペース内の任意のツリーまたはサブツリーです。ドメインは通常、所属するホストの名前が共通の接尾辞、つまりドメイン名を共有しているコンピュータのグループを指します。
ドメイン・ネーム・システム(Domain Name System: DNS)
ドメインに階層化されたコンピュータやネットワーク・サービスのネーミングに関するシステムです。DNSは、TCP/IPネットワークで使用され、ユーザー・フレンドリな名前でコンピュータの位置を識別します。DNSは、ユーザー・フレンドリな名前をコンピュータが理解できるIPアドレスに変換します。
Oracle Net Servicesの場合、DNSは、TCP/IPアドレス内のホスト名をIPアドレスに変換します。
ドメイン・ヒント(domain hint)
names.ora
ファイル内のNAMES.DOMAIN_HINTS
パラメータです。ドメイン名と、そのドメインにある1つ以上のOracleサーバーのアドレスが格納されています。このパラメータによって、Oracleサーバーはクライアント要求を特定のアドレスに送信できるため、ネットワークの通信量を軽減できます。
認証方式(authentication method)
分散環境におけるユーザー、クライアントおよびサーバーの認証に高い信頼性を与えるセキュリティ方式です。ネットワーク認証方式を利用すると、ユーザーはシングル・サインオンの恩恵を受けることもできます。 次の認証方式のサポートは、Oracle Advanced Securityのインストールの有無に左右されます。
RADIUS
Kerberos
ネーミング・コンテキスト(naming context)
完全に1つのディレクトリ・サーバーに存在しているサブツリーです。サブツリーは連続しています。つまり、サブツリーの最上位の役割を果たすエントリから始まり、下位方向にリーフ・エントリまたは従属ネーミング・コンテキストへの参照のいずれかまでを範囲とする必要があります。単一のエントリからディレクトリ情報ツリー(DIT)全体までをその範囲とすることができます。
Oracleコンテキストは、ネーミング・コンテキストの下に作成できます。
ネーミング・メソッド(naming method)
データベース・サービスに接続するときに、クライアント・アプリケーションが接続識別子を接続記述子に変換するために使用する解決メソッドです。Oracle Netは次のネーミング・メソッドを用意しています。
簡易接続ネーミング
ネット・サービス別名(net service alias)
ディレクトリ・サーバー内のディレクトリ・ネーミング・オブジェクトの代替名です。ディレクトリ・サーバーには、定義したネット・サービス名またはデータベース・サービスのネット・サービス別名が格納されます。ネット・サービス別名のエントリには、接続記述子情報は含まれていません。これは、別名のオブジェクトの場所を参照するのみです。クライアントがネット・サービス別名のディレクトリ検索を要求すると、ディレクトリは、エントリがネット・サービス別名であることを判断し、実際に参照しているエントリのように検索を完了します。
ネット・サービス名(net service name)
接続記述子に変換するサービスの単純な名前です。 ユーザーは、ユーザー名およびパスワードを、ネット・サービス名とともに接続先サービスの接続文字列に渡すことによって接続要求を開始します。例を次に示します。
CONNECT
username@net_service_name
ネット・サービス名は、必要に応じて、次のような様々な場所に格納できます。
ネットワーク・インタフェース(Network Interface: NI)
Oracleのクライアント、サーバーまたは外部プロセスがOracle Netの機能にアクセスするための、汎用インタフェースを提供するネットワーク層です。NIレイヤーは、接続のブレーク要求およびリセット要求を処理します。
ネットワーク管理者(network administrator)
ネットワーク・コンポーネントのインストール、構成およびテストなどのネットワーク管理作業を実行する人です。ネットワーク管理者は、構成ファイル、接続記述子、サービス名、別名、パブリック・データベース・リンク、グローバル・データベース・リンクなどを管理します。
ネットワーク・キャラクタ・セット(network character set)
Oracleの定義では、キーワードと値のペア(つまり、接続記述子と構成ファイル)で値として使用できる文字のセットです。文字セットには、大文字と小文字の英数字およびいくつかの特殊文字が含まれます。
ネットワーク・セッション(Network Session: NS)
標準的なOracle Net接続で使用されるセッション層です。クライアント・アプリケーションとデータベース・サーバー間で接続を確立およびメンテナンスします。
バーチャル・サーキット(virtual circuit)
ディスパッチャが使用する共有メモリーの1つで、クライアント・データベースの接続要求および応答を目的とします。ディスパッチャは、要求が到着するとバーチャル・サーキットを共通キューに配置します。アイドル状態の共有サーバーは、共通キューからバーチャル・サーキットを取り出して要求を処理し、共通キューから次のバーチャル・サーキットを取り出す前に、取り出したバーチャル・サーキットを放棄します。
パケット(packet)
接続またはデータ転送が要求されるたびに、ネットワーク上で送信される情報のブロックです。パケットに含まれる情報は、パケットのタイプ、つまり接続、受入れ、リダイレクト、データなどに依存します。パケット情報はトラブルシューティングに役立つことがあります。
パブリック・データベース・リンク(public database link)
すべてのユーザーがアクセスできるローカル・データベース上に、DBAが作成するデータベース・リンクです。
「データベース・リンク(database link)」および「プライベート・データベース・リンク(private database link)」も参照。
分散処理(distributed processing)
フロントエンド処理とバックエンド処理を別々のコンピュータで実行します。Oracle Net Servicesは、リモート・データベースに透過的に接続することにより分散処理をサポートします。
プライベート・データベース・リンク(private database link)
あるユーザーが排他的に使用するデータベース・リンクです。
「データベース・リンク(database link)」および「パブリック・データベース・リンク(public database link)」も参照。
プレゼンテーション層(presentation layer)
通信中にアプリケーション層エンティティが通信または参照する情報の表現を管理するネットワーキング通信層です。Two-Task Common(TTC)は、プレゼンテーション層の1例です。
プロキシ・サーバー(proxy server)
実際のサーバーのかわりとなるサーバーです。クライアントの接続要求を実際のサーバーや他のプロキシ・サーバーに転送します。アクセス制御、データとシステムのセキュリティ、モニターおよびキャッシュ機能を提供します。
プロセス間通信(Interprocess Communication)
リスナーと同じノードに存在するクライアント・アプリケーションが、データベースとの通信に使用するプロトコルの1つです。IPCは、TCP/IPより速いローカル接続を提供できます。
プロトコル・アドレス(protocol address)
ネットワーク・オブジェクトのネットワーク・アドレスを識別するアドレスです。
接続が確立されると、クライアントおよび要求の受信者(リスナーやOracle Connection Managerなど)は、同じプロトコル・アドレスで構成されます。クライアントは、このアドレスを使用して接続要求を特定のネットワーク・オブジェクト位置に送信し、受信者はこのアドレスで要求のリスニングを行います。クライアントおよび接続受信者にとって、同じプロトコルをインストールし、同じアドレスを構成することが重要です。
プロトコル変換(protocol conversion)
Oracle Connection Managerの機能です。異なるネットワーク・プロトコルを持つクライアントとサーバーが相互に通信できるようにします。この機能は、SQL*Netバージョン2のOracle Multi-Protocol Interchangeですでに実現している機能を置換したものです。
プロファイル(profile)
クライアントまたはサーバー上でのOracle Net Services機能の有効化および構成の優先順位を指定するパラメータの集合です。プロファイルの格納および実装は、sqlnet.ora
ファイルを介して行います。
別名(alias)
Oracle Namesサーバー内のネットワーク・オブジェクトの代替名です。別名には、参照するオブジェクトの名前が格納されます。クライアントが別名の参照を要求すると、Oracleはオブジェクトを参照する場合と同様に参照を完了します。
ホスト・ネーミング(host naming)
ネーミング・メソッド解決の1つです。これによって、TCP/IP環境内のユーザーは、既存の名前解決サービスを使用して名前を変換できます。この名前解決サービスには、ドメイン・ネーム・システム(DNS)、Network Information Service(NIS)または/etc/hosts
ファイル設定のメンテナンスを行う方法があります。ホスト・ネーミングでは、サーバーのホスト名またはホスト名の別名を使用するのみで、ユーザーはOracleデータベース・サーバーに接続できます。この機能を利用するために、クライアントを構成する必要はありません。この方法は、単純なTCP/IP環境にお薦めします。
リスナー制御ユーティリティ(Listener Control utility)
Oracle Net Servicesに含まれているユーティリティです。リスナーの起動、停止および状態の取得などの様々な機能を制御します。
リンク修飾子(link qualifier)
グローバル・データベース・リンクに付加される修飾子で、データベースのユーザー名とパスワードからなる資格証明の代替設定を提供します。 たとえば、fieldrep
というリンク修飾子をsales.us.example.com
のグローバル・データベース・リンクに付加できます。
SQL> SELECT * FROM emp@sales.us.example.com@fieldrep
ルートOracleコンテキスト(root Oracle Context)
Oracle Identity Managementインフラストラクチャにおいて、ルートOracleコンテキストは、Product_Name内のエントリでインフラストラクチャのデフォルトのアイデンティティ管理レルムへのポインタを含んでいます。また、指定されたレルムの簡単な名前によって、アイデンティティ管理レルムを検索する方法に関する情報を含んでいます。
ループバック・テスト(loopback test)
サーバーからサーバー自体に戻す接続です。ループバックが正常に終了すると、Oracle Netがデータベース・サーバー側で機能していることが確認できます。
レルムOracleコンテキスト(realm Oracle Context)
各アイデンティティ管理レルムに含まれているOracleコンテキストです。次の情報を格納しています。
アイデンティティ管理レルムのユーザー・ネーミング・ポリシー(つまり、ユーザーをネーミングおよび検索する方法)
必須の認証属性
アイデンティティ管理レルム内のグループの位置
アイデンティティ管理レルムに対する権限の割当(たとえば、誰がレルムに別のユーザーを追加する権限を持つかなど)
認可情報を含むそのレルムに対するアプリケーション固有のデータ
ローカル・ネーミング(local naming)
ネーミング・メソッドの1つです。各クライアントのtnsnames.oraファイルに構成および格納されている情報を使用して、ネットワーク・アドレスを検索します。ローカル・ネーミングは、変更が少ない少数のサービスを提供する単純な分散ネットワークに最も適しています。
ロード・バランシング(load balancing)
クライアント接続を複数のリスナー、ディスパッチャ、インスタンスおよびノードに均等に分散し、1つのコンポーネントへの負荷を軽くする機能です。
Oracle Net Servicesは、クライアント・ロード・バランシングと接続ロード・バランシングをサポートしています。
ロギング(logging)
エラー、サービス・アクティビティおよび統計情報をログ・ファイルに書き込む機能です。ログ・ファイルは、画面に表示されるエラー・メッセージで障害を十分に識別できない場合、管理者用の追加情報として使用できます。エラー・スタックとしてのログ・ファイルは、各種レイヤーでのソフトウェアの状態を示します。
「トレース(tracing)」も参照。