Oracle Net Servicesには、ログ・ファイルとトレース・ファイルを使用してネットワーク上の問題点を理解して解決する方法があります。これらのファイルは、エラーが発生すると、ネットワーク・コンポーネント間の対話を追跡し記録します。この情報を評価すると、非常に複雑なネットワーク上の問題点でも容易に診断してトラブルシューティングできます。
この章では、一般的なネットワーク・エラーとそれらのエラーを解決する手順を説明します。また、さらに複雑なネットワーク上の問題点を診断してトラブルシューティングするためにエラー情報をロギングしてトレースする方法についても説明します。この章の内容は、次のとおりです。
基本的なpeer-to-peer(単一プロトコル・ネットワーク)接続を確立しようとしてORA
エラー
が戻された場合は、この項を参考にして問題の原因を診断してください。
Oracle Net Servicesによって、基底に存在するエラーのエラー番号やエラー・メッセージで報告されますが、これらは実際の問題を指しているとはかぎりません。この項は、Net8 Servicesの正常に機能する部分と機能していない部分を切り分けるのに役立ちます。また、エラーが次のどの項目に属するかを判断するのに役立ちます。
Oracleソフトウェア
オペレーティング・システム・レイヤー
その他のネットワーク層
ほとんどの場合、各種ネットワーク層を順にテストすることで問題を発見できます。
この項で説明する項目は、次のとおりです。
データベース上の問題が発生した際に停止時間および業務の中断の両方を軽減するため、Oracleでは、すべてのOracle製品で使用される標準化された診断方法を実装しています。
この方法の一環として、Oracle Netの診断およびトレースに関する情報が、標準化された読みやすい書式に統合されます。この情報は単一の階層リポジトリに格納されます。Oracle Net診断データは、Oracleクライアント、アプリケーション・サーバーおよびデータベース・サーバーにより生成されたトレースおよびロギング情報で構成されます。
自動診断リポジトリ(ADR)は、システム全体のトレースおよびロギング用中央リポジトリです。このリポジトリは、ネットワーク・トレースおよびロギング情報などの診断情報を蓄積するための、ファイルベースの階層データストアです。
ADRホームは、Oracle製品のインスタンスに割り当てられるADRディレクトリのユニットです。各データベース・インスタンスに独自のADRホームが割り当てられます。同様に、各リスナー、Connection Manager(CMAN)およびクライアント・インスタンスに独自のADRホームが割り当てられます。
ADRホームの場所は、ADRの基本ディレクトリから始まる次のパスで指定されます。
diag/product_type/product_id/instance_id
表16-1では、Oracle Net Listenerインスタンスの各種パス・コンポーネントの値を示します。
表16-1 Oracle Net ListenerインスタンスのADRホームのパス・コンポーネント
パス・コンポーネント | Oracle Net Listenerの値 |
---|---|
product_type
|
tnslsnr |
product_id
|
ホスト名 |
instance_id
|
リスナーの別名 |
図16-1では、Oracle Net ListenerインスタンスのADRのディレクトリ階層を示しています。その他のOracle製品またはコンポーネント(ASMまたはOracle Databaseなど)に対するその他のADRホームが、この階層内の同じADRベースの下に存在する場合があります。
表16-2では、CMANインスタンスの各種パス・コンポーネントの値を示します。
表16-2 CMANインスタンスのADRホームのパス・コンポーネント
パス・コンポーネント | Oracle Net Listenerの値 |
---|---|
product_type
|
netcman |
product_id
|
ホスト名 |
instance_id
|
CMANインスタンス名 |
ADRホーム・ディレクトリ内のサブディレクトリでは、各インスタンス(データベース、リスナー、CMANまたはクライアント)により診断データが格納されます。表16-3では、これらのサブディレクトリの一部とその内容を示します。
図16-2では、CMANインスタンスのADRのディレクトリ階層を示しています。その他のOracle製品またはコンポーネント(ASMまたはOracle Databaseなど)に対するその他のADRホームが、この階層内の同じADRベースの下に存在する場合があります。
表16-3 ADRホームのサブディレクトリ
サブディレクトリ名 | 目次 |
---|---|
alert |
XML形式のアラート・ログ。 |
cdump |
コア・ファイル。 |
incident |
複数のサブディレクトリ。各サブディレクトリは特定のインシデントにちなんで名付けられ、それぞれにそのインシデントにのみ関係するダンプが含められます。 |
trace |
バックグラウンド・プロセスとサーバー・プロセスのトレース・ファイルおよびSQLトレース・ファイル。 |
(その他) |
ADRホームのその他のサブディレクトリ。インシデント・パッケージ、状態監視レポートおよびその他の情報が格納されます。 |
ADR_BASE
は、1つ以上のADRホームが置かれる物理的な場所です。概念的には、これはADRのルート・ディレクトリです。
非ADR(つまりDIAG_ADR_ENABLED
パラメータがOFF
に設定されている)の診断およびトレースの方法が現在も主流であり適用可能ですが、ADRが有効である場合、このパラメータは無視されます。
診断パラメータは、sqlnet.ora
(クライアント用)、listener.ora
(リスナー用)およびcman.ora
(Connection Manager用)の3つの構成ファイルにあります。
表16-4では、非ADRの診断とADRベースの診断の両方で使用されるsqlnet.ora
ファイル内の、各種診断パラメータの使用について比較しています。
表16-4 sqlnet.oraファイルの診断パラメータの比較
パラメータ | 非ADRDIAG_ADR_ENABLED=OFF | ADRDIAG_ADR_ENABLED=ON |
---|---|---|
ADR_BASE脚注1 |
No |
Yes |
TRACE_LEVEL_CLIENT脚注2 |
Yes |
Yes |
TRACE_LEVEL_SERVER脚注2 |
Yes |
Yes |
TRACE_DIRECTORY_CLIENT脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_FILE_CLIENT脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_UNIQUE_CLIENT脚注3 |
Yes |
No |
LOG_DIRECTORY_CLIENT脚注3 |
Yes |
No |
LOG_FILE_CLIENT脚注3 |
Yes |
No |
LOG_DIRECTORY_SERVER脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_DIRECTORY_SERVER脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_FILE_SERVER脚注3 |
Yes |
No |
脚注 1 ADR専用パラメータです。このパラメータは、非ADRベースのトレースおよびロギングには使用されません。
脚注 2 これらのパラメータは、非ADRおよびADRベースのトレースおよびロギングのどちらについても機能的に同等です。
脚注 3 DIAG_ADR_ENABLED
がON
に設定された場合、このパラメータは無視されます。トレース・ファイルおよびログ・ファイルは、ADR_BASE
で定義された場所に作成されます(ADRディレクトリ・ツリーおよびログ/トレース・ファイルの命名規則の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください)。
表16-5では、非ADRの診断とADRベースの診断の両方で使用されるlistener.ora
ファイル内の、各種診断パラメータの使用について比較しています。
表16-5 listener.oraファイルの診断パラメータの比較
パラメータ | 非ADRDIAG_ADR_ENABLED=OFF | ADRDIAG_ADR_ENABLED=ON |
---|---|---|
ADR_BASE_listener_name脚注1 |
No |
Yes |
LOGGING_listener_name脚注2 |
Yes |
Yes |
TRACE_LEVEL_listener_name脚注2 |
Yes |
Yes |
TRACE_TIMESTAMP_listener_name脚注2 |
Yes |
Yes |
LOG_DIRECTORY_CLIENT_listener_name脚注3 |
Yes |
No |
LOG_FILE_CLIENT_listener_name脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_DIRECTORY_CLIENT_listener_name脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_FILELEN_listener_name脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_FILENO_listener_name脚注3 |
Yes |
No |
脚注 1 ADR専用パラメータです。このパラメータは、非ADRベースのトレースおよびロギングには使用されません。
脚注 2 これらのパラメータは、非ADRおよびADRベースのトレースおよびロギングのどちらについても機能的に同等です。
脚注 3 DIAG_ADR_ENABLED_
listener_name
がON
に設定された場合、このパラメータは無視されます。トレース・ファイルおよびログ・ファイルは、ADR_BASE_
listener_name
で定義された場所に作成されます(ADRディレクトリ・ツリーおよびログ/トレース・ファイルの命名規則の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください)。
表16-6では、非ADRの診断とADRベースの診断の両方で使用されるcman.ora
ファイル内の、各種診断パラメータの使用について比較しています。
表16-6 cman.oraファイルの診断パラメータの比較
パラメータ | 非ADRDIAG_ADR_ENABLED=OFF | ADRDIAG_ADR_ENABLED=ON |
---|---|---|
ADR_BASE脚注1 |
No |
Yes |
LOG_LEVEL脚注2 |
Yes |
Yes |
TRACE_LEVEL脚注2 |
Yes |
Yes |
TRACE_TIMESTAMP脚注2 |
Yes |
Yes |
LOG_DIRECTORY脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_DIRECTORY脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_FILELEN脚注3 |
Yes |
No |
TRACE_FILENO脚注3 |
Yes |
No |
脚注 1 ADR専用パラメータです。このパラメータは、非ADRベースのトレースおよびロギングには使用されません。
脚注 2 これらのパラメータは、非ADRおよびADRベースのトレースおよびロギングのどちらについても機能的に同等です。
脚注 3 DIAG_ADR_ENABLED
がON
に設定された場合、このパラメータは無視されます。トレース・ファイルおよびログ・ファイルは、ADR_BASE
で定義された場所に作成されます(ADRディレクトリ・ツリーおよびログ/トレース・ファイルの命名規則の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください)。
トレース・アシスタント
トレース・アシスタントは、Oracle Netトレース・データの各パケットを完全にデコードし、読みやすくわかりやすい書式で表す診断ツールです。また、トレース・アシスタントは役立つ統計情報を提供します。
ADRCIは、Oracle Database 11gで導入されたエラー診断機能インフラストラクチャの一部であるコマンドライン・ツールです。ADRCIでは次のことが可能です。
ADR内で診断データを表示
インシデントおよび問題に関する情報をZIPファイルにパッケージ化し、Oracleサポートに転送
診断データには、インシデントおよび問題に関する説明、トレース・ファイル、ダンプ、状態監視レポート、アラート・ログ・エントリなどが含まれます。
ADRCIには豊富なコマンド・セットがあり、対話型モードまたはスクリプト内で使用できます。さらに、ADRCIは、SQL*PlusがSQLコマンドおよびPL/SQLコマンドのスクリプトを実行するのと同じ方法で、ADRCIコマンドのスクリプトを実行できます。
ADRCIを使用してトレース・ファイルを表示するには、コマンド・プロンプトで「ADRCI
」と入力します。Oracle Netトレース診断に使用する共通コマンドは次のとおりです。
クライアント側
adrci>> SHOW BASE -product client adrci>> SET BASE -product client adrci>> SHOW TRACEFILE adrci>> SHOW TRACE trace_file.trc
前述のコマンドで、SHOW BASE -product client
は、クライアントのADR_BASE
の値を表示します。表示された値は、SET BASE
コマンドのclient
に使用します。
サーバー側
adrci>> SHOW BASE
adrci>> SHOW TRACEFILE
adrci>> SHOW TRACE trace_file.trc
前述のコマンドで、BASE
は$ORACLE_HOME/log
として定義されています。
さらに対象を絞ったOracle Netトレース・ファイル分析を行うには、その他のADRCIコマンド・オプションを使用できます。 インライン・ヘルプ・マニュアルにアクセスするには、adrci>>
プロンプトで「HELP
」と入力します。
チェック項目は次のとおりです。
他のシステム(ワークステーション/サーバー)はNet8を使用してサーバーに接続できる。
サーバー、データベースまたはリスナーの構成は、しばらくの間変更されていない。
上の項目に1つでも当てはまる場合は、この項をスキップして「クライアントの診断」に進みます。
不明な場合、またはいずれにも当てはまらない場合、このまま続けます。
サーバー上のNet8 Servicesを診断するには次の作業を行います。
データベースが起動していることを確認するため、有効なユーザー名とパスワードを使用してデータベースにログインおよび接続します。たとえば、次のように指定します。
SQLPLUS system
Enter password: password
データベースに接続していることを確認するメッセージが表示されます。次のエラーが表示される場合は、データベース管理者に連絡してください。
サーバーからデータベースへのループバック・テストを実行する手順は、次のとおりです。
listener.ora
、tnsnames.ora
およびsqlnet.ora
の各ファイルが、「ローカライズされた構成ファイルのサポート」で説明しているとおり、正しい場所にあることを確認します。
ループバック・テストを実行するには、「データベース・サーバーでの構成のテスト」にある手順に従います。
ループバック・テストでエラーが発生する場合、次の手順に進みます。
ループバック・テストが正常に終了する場合は、「クライアントの診断」に進みます。
Oracleサポート・サービスに連絡してください。
この時点で、次の最低1項目が確認されているので、サーバー側のリスナーは正常に機能していることになります。
ネットワークが機能していることを示すデータベース・サーバーでのループバック・テストが正常終了した。
他のコンピュータがNet8 Servicesを使用して同じデータベースに接続している。
このコンピュータに変更を加える(新たな製品のインストールやネットワーク構成の変更など)前は、このワークステーションからの接続が機能していた。
クライアントの診断を行うには、次の手順に従います。
データベース・サーバーにインストールされているのと同じプロトコル・サポートがインストールされていることを確認します。
UNIXの場合は、adaptersユーティリティを使用してプロトコル・サポートを確認できます。データベース・サーバーで、$ORACLE_HOME/bin
からadapters 'which oracle'
コマンドを実行して、oracle
実行可能プログラムにリンクするプロトコル・サポート、ネーミング・メソッドおよびセキュリティ・オプションを表示します。次に、adapters
ユーティリティによる出力例を示します。
Oracle Net transport protocols linked with ./oracle are: IPC BEQ TCP/IP SSL RAW Oracle Net naming methods linked with ./oracle are: Local Naming (tnsnames.ora) Oracle Directory Naming Oracle Host Naming NIS Naming Oracle Advanced Security options linked with ./oracle are: RC4 40-bit encryption RC4 56-bit encryption RC4 128-bit encryption RC4 256-bit encryption DES40 40-bit encryption DES 56-bit encryption 3DES 112-bit encryption 3DES 168-bit encryption AES 128-bit encryption AES 192-bit encryption AES 256-bit encryption MD5 crypto-checksumming SHA crypto-checksumming (for FIPS) SHA-1 crypto-checksumming Kerberos v5 authentication RADIUS authentication ENTRUST authentication
クライアントで、$ORACLE_HOME/bin
からadapters
コマンドを実行して、構成されたOracle protocol support、ネーミング・メソッドおよびセキュリティ・オプションを表示します。次に、adaptersユーティリティによる出力例を示します。
Installed Oracle Net transport protocols are: IPC BEQ TCP/IP SSL RAW Installed Oracle Net naming methods are: Local Naming (tnsnames.ora) Oracle Directory Naming Oracle Host Naming NIS Naming Installed Oracle Advanced Security options are: RC4 40-bit encryption RC4 56-bit encryption RC4 128-bit encryption RC4 256-bit encryption DES40 40-bit encryption DES 56-bit encryption 3DES 112-bit encryption 3DES 168-bit encryption AES 128-bit encryption AES 192-bit encryption AES 256-bit encryption MD5 crypto-checksumming SHA-1 crypto-checksumming Kerberos v5 authentication RADIUS authentication ENTRUST authentication
注意: RAWはOracle Netで使用される内部プロトコルです。 |
関連項目: adapters ユーティリティの詳細は、Oracle UNIXオペレーティング・システム固有の管理者リファレンスを参照してください。 |
基底のネットワーク・トランスポートの基本的な接続性をチェックします。Net8テクノロジは、正常な接続のために基底のネットワークに依存しています。
プロトコル | 確認方法 |
---|---|
TCP/IP | クライアントからデータベース・サーバーに端末エミュレーションまたはファイル転送ユーティリティ(PING、FTP、TELNET)を使用する。 |
Named Pipes |
|
Net8 Foundationレイヤーおよび適切なOracle protocol supportが存在することを確認するため、すべてのクライアント用Net8 Servicesソフトウェアがインストールされていることを確認します。
クライアント・コンピュータの正しい場所に、tnsnames.ora
ファイルとsqlnet.ora
ファイルが存在していることを確認します。
選択したOracle Databaseに接続している他の稼働中のクライアント・コンピュータがある場合は、既存のファイルのバックアップをとって、稼働中のコンピュータのtnsnames.ora
ファイルとsqlnet.ora
ファイルを稼働していないクライアント・ワークステーションにコピーします。これにより、ファイルにエラーが含まれている可能性が排除されます。
Net8 Foundationレイヤーをテストします。
注意: TNSPINGユーティリティは使用しないでください。TNSPINGユーティリティはTCP/IP PINGユーティリティと同様に機能し、ソケットの作成やオープンは行われず、リスナーとも接続しません。このユーティリティは、データベース・サーバーにリスナーが存在することを確認します。 |
それでも接続がうまくいかない場合、次の作業を行います。
「ログ・ファイルとトレース・ファイルを使用したネットワーク上の問題点のトラブルシューティング」の説明に従ってトレースを使用する。
OracleサポートWebサイトのデータベースの問題および解決を行うWebサイトで、発生したエラーに関する診断情報を確認する。
Oracleサポート・サービスに連絡する。
ネットワーク通信が複雑であるため、様々な理由で各種ソースからネットワーク・エラーが発生する場合があります。エラーが発生した場合、Oracle Net Servicesからのネットワーク・サービスに依存しているSQL*Plusなどのアプリケーションは、通常、エラー・メッセージを発生します。
次のリストは、最も一般的なネットワーク・エラー・メッセージです。
tnsnames.ora
構成ファイルに指定されたネット・サービス名を検出できない。tnsnames.ora
ファイルが存在することを確認します。
tnsnames.ora
ファイルの複数コピーが存在しないことを確認します。
接続文字列で指定したネット・サービス名がtnsnames.ora
ファイルの接続記述子にマップされていることを確認します。
sqlnet.ora
ファイルのコピーが存在しないことを確認します。
ドメイン名を使用している場合は、sqlnet.ora
ファイルにNAMES.DEFAULT_DOMAIN
パラメータがあることを確認します。このパラメータが存在しない場合は、接続文字列にドメイン名を指定する必要があります。
ドメイン名を使用しておらず、このパラメータが存在する場合は、このパラメータを削除するか、コメントにして無効にします。
ログイン・ダイアログ・ボックスから接続する場合は、接続するネット・サービス名の前に@記号を付けていないことを確認します。
クライアントのトレースをアクティブにして、操作を繰返します。
sqlnet.ora
ファイルのSQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT
パラメータで指定された時間内に接続を確立して認証を完了するのに失敗した。このエラーは、ネットワークまたはシステムの遅延が原因の可能性があります。また、不当なクライアントがデータベース・サーバーにDoS攻撃をしようとしている可能性もあります。
関連項目: SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT パラメータの設定の詳細は、「権限のないユーザーによるリソース使用を制限するためのリスナーおよびOracle Databaseの構成」を参照してください。 |
トレースをオンにして、クライアントのタイムアウトの場所を特定します。
sqlnet.ora
でSQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT
パラメータをより大きい値に再構成します。
不当なクライアントが疑われる場合は、次の手順を実行します。
データベース・サーバー上のsqlnet.log
ファイルでクライアントのIPアドレスを探索して、ソースを識別します。
たとえば、次のsqlnet.log
の例は、クライアントのIPアドレス192.0.2.35
を示しています。
Fatal NI connect error 12170. VERSION INFORMATION: TNS for Solaris: Version 10.1.0.2.0 Oracle Bequeath NT Protocol Adapter for Solaris: Version 10.1.0.2.0 TCP/IP NT Protocol Adapter for Solaris: Version 10.1.0.2.0 Time: 03-JUL-2002 13:51:12 Tracing to file: /ora/trace/svr_13279.trc Tns error struct: nr err code: 0 ns main err code: 12637 TNS-12637: Packet receive failed ns secondary err code: 12604 nt main err code: 0 nt secondary err code: 0 nt OS err code: 0 Client address: (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=192.0.2.35)(PORT=52996))
IPアドレスは偽造できることに注意してください。
データベース・サーバーでIPアドレスを取り出す前にタイム・アウトが発生した場合は、リスナー・トレースを有効にして、要求を送信したクライアントを特定します。
そのクライアントへのアクセス制限を行います。たとえば、sqlnet.ora
ファイルでアクセス権のパラメータを構成できます。
1ユーザーに許可されるプロセスの最大数を超過した
リスナーがOracleプログラムの実行権限を持っていない
関連付けられたWindowsサービスが起動されていない
状況によっては、これらのエラーはTNS-12549/ORA-12549、TNS-00519、TNS-12540/ORA-12540、TNS-00510およびTNS-12560/ORA-12560のエラーと同じ条件下で発生する可能性があります。
データベース初期化ファイルのPROCESSESパラメータを現在より大きな値に設定して、プロセス数を増やします。
listener.logファイルで詳しいエラー・スタック情報をチェックします。
しばらく待ってから、もう一度接続します。
リスナー制御ユーティリティのSTATUS
またはSERVICES
コマンドを実行して、リスナーが現在認識しているサービスを確認します。
接続記述子のSERVICE_NAME
パラメータに、リスナーが認識しているサービス名が指定されていることを確認します。
listener.log
ファイル内のイベントを確認します。
SERVICE_NAME
/INSTANCE_NAME
に登録されていないか、データベース・インスタンスがリスナーに登録されていない。接続記述子に(
server
=
value
)
が設定されている場合は、データベースに適したタイプのサービス・ハンドラに値が設定されていることを確認します。適切な値は、専用サーバーの場合はdedicated
、ディスパッチャの場合はshared
です。リスナー制御ユーティリティのSERVICES
コマンドを使用すると、現在リスナーに登録されているサービス・ハンドラを確認できます。
sqlnet.ora
ファイルでUSE_DEDICATED_SERVER
がON
に設定されている場合は、データベースが専用サーバーを使用するように構成されていることを確認します。そのように構成されていない場合は、このパラメータをoff
に設定します。
データベース・インスタンスが稼働中であることを確認します。インスタンスが稼働していない場合は、リスナーに登録できるようにインスタンスを起動します。
listener.ora
ファイルのINBOUND_CONNECT_TIMEOUT_
listener_name
パラメータで指定された時間内に接続要求を完了するのに失敗した。このエラーは、ネットワークまたはシステムの遅延が原因の可能性があります。また、不当なクライアントがリスナーにDoS攻撃をしようとしている可能性もあります。
関連項目: INBOUND_CONNECT_TIMEOUT_ listener_name パラメータの設定の詳細は、「権限のないユーザーによるリソース使用を制限するためのリスナーおよびOracle Databaseの構成」を参照してください。 |
listener.ora
でINBOUND_CONNECT_TIMEOUT_
listener_name
パラメータをより大きい値に再構成します。
不当なクライアントが疑われる場合は、次の手順を実行します。
ソースを識別するために、listener.log
でクライアントのIPアドレスを探索します。
たとえば、次のlistener.log
の例は、クライアントのIPアドレス192.0.2.35
を示しています。
03-JUL-2002 16:42:35 * <unknown connect data> * (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=192.0.2.35)(PORT=53208)) * establish * <unknown sid> * 12525 TNS-12525: TNS:listener has not received client's request in time allowed TNS-12604: TNS: Application timeout occurred
IPアドレスは偽造できることに注意してください。
そのクライアントへのアクセス制限を行います。たとえば、sqlnet.ora
ファイルでアクセス権のパラメータを構成できます。
Oracle Netが同時に処理できるオープン接続の数
同時に使用できるメモリー・バッファの数
特定のデータベース・インスタンスで許可されるプロセスの数
最初の2つは、ハード上の制限を示しています。3つ目の制限は、データベース初期化ファイルのPROCESSESパラメータを大きな値に設定することで増やすことができる例です。この場合は、TNS-12500/ORA-12500エラーも戻されます。状況によっては、これらのエラーはTNS-12549/ORA-12549およびTNS-00519のエラーと同じ条件下で発生する可能性があります。
オープン接続がクローズするのを待ち、再試行します。それでもエラーが発生する場合は、sqlnet.logファイルまたはlistener.logファイルで詳しいエラー・スタック情報をチェックします。
考えられる制限値には次のものがあります。
1ユーザーに許可されるプロセスの最大数
ページング・スペースに起因するオペレーティング・システムの性能低下
データベース初期化ファイルのPROCESSESパラメータを現在より大きな値に設定して、プロセス数を増やします。
sqlnet.logファイルまたはlistener.logファイルで、オペレーティング・システムのエラー・コードなどの詳しいエラー・スタック情報を調べ、超過している割当て制限を特定します。
状況によっては、これらのエラーはTNS-00510、TNS-00519、TNS-12540/ORA-12540およびTNS-12549/ORA-12549のエラーと同じ条件下で発生する可能性があります。
ディレクトリ・サーバーのデータベース・サービス名またはネット・サービス名のエントリに対するORA-12154
、ORA-12543
またはORA-12541
などの、接続性エラーに関連するディレクトリ・ネーミングの問題の解決には、データの分析が必要です。ディレクトリ・サーバーに含まれるデータの分析には、ldifwrite
コマンドライン・ツールを使用します。
ldifwrite
を使用すると、ディレクトリ・サーバーに存在する情報の全部または一部をLDAP Data Interchange Format(LDIF)に変換できます。ldifwrite
ツールは、指定された識別名(DN)の下のすべてのエントリを範囲とするサブツリー検索を実行します。エントリにはDN自体も含まれます。
ldifwrite
ツールの構文は次のとおりです。
ldifwrite -c net_service_name/database_service -b base_DN -f ldif_file
表16-7では、ldifwrite
ツールの引数とその説明を示しています。
表16-7 ldifwrite引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
ディレクトリ・サーバーに接続するためのネット・サービス名またはデータベース・サービス名を指定します。 |
|
LDIFフォーマットで書き出されるサブツリーのベースを指定します。 |
|
入力ファイル名を指定します。 |
次の例は、dc=us,dc=example,dc=com
の下のすべてのディレクトリ・ネーミング・エントリをoutput1.ldi
ファイルに書き込みます。
ldifwrite -c ldap -b "dc=us,dc=example,dc=com" -f output.ldif
ネットワークの問題の診断に困ったときは、次のヒントが参考になることがあります。
構成時に、サーバー・コンピュータの名前ではなくノードまたはネットワーク・アドレスを使用する
これにより内部ルックアップ問題がなくなり、接続が多少早くなります。
TCP/IPアドレスを使用している場合は、ホスト名ではなくIPアドレスを使用する
たとえば、tnsnames.ora
ファイルの(HOST=
server_name
)の行を(HOST=192.0.2.5
)のようにインターネット・アドレスに変更します。
ループバック・テストを実行する
「データベース・サーバーでの構成のテスト」の説明に従って、サーバーでループバック・テストを実行します。テストが正常に終了する場合は、ftp
を使用してtnsnames.ora
ファイルとsqlnet.ora
ファイルをクライアントに転送します。
サーバーまでの経路をチェックする
Wide Area Network(WAN)の場合は、正しく作動していない可能性がある中間システムを識別します。すべてのコンピュータが正常である場合、タイミングに問題がある可能性があります。
タイミングに問題がないかどうか検証する
タイミングの問題は、クライアント・ログ・ファイルのORA-12535
のエラーに関係しています。
この問題を解決するには、名前ではなく正確なアドレスを使用して接続のスピード・アップを図り、listener.ora
ファイルのINBOUND_CONNECT_TIMEOUT_
listener_name
パラメータの値を増やします。このパラメータのデフォルト値は10秒です。
障害が発生しているOracleアプリケーションを判断する
SQL*Plusは作動するが、CASEツールは作動しない場合があります。データ量に問題があることが判明した場合、基本的な接続を使用してサイズの大きい(5MB)ファイルを転送してみます。
問題を診断する際に、次の項目をチェックしてください。
すべてのコンピュータに問題があるのか、1台のコンピュータのみか
同じソフトウェア(Oracleおよびサード・パーティ製品)をインストールしていても、機能するコンピュータと機能しないコンピュータがある場合、距離が近ければ、ネットワーク・ケーブルを取り替えて問題が進展するかどうかを確認します。状況に変化があった場合、問題はクライアント/サーバー接続に関するもので、PCに限定的なものではないことを示しています。
クライアントとサーバー間のリンクの種類(X.25、ISDN、トークン・リングまたは専用回線など)は何か
SnifferやLANアナライザは、断続的な接続エラーやタイム・アウトおよび再送パケットの検出を行うのに便利です。また、会話のどちら側が応答を待っているのかを知ることもできます。
この項では、TNS-12154エラーのソリューションを提供します。TNS-12154エラーは、SQL*Netがtnsnames.ora
ファイルまたはその他のネーミング・アダプタの接続に指定された別名を検出できない場合に発生します。
問題を解決する前に、tnsnames.ora
ファイルとsqlnet.ora
ファイルの両方を印刷または表示しておくと便利です。両方を参照するため、これらのファイルを同時に参照できるようにすると便利です。
この項で説明する項目は、次のとおりです。
TNS-12154エラーは、SQL*Netがtnsnames.ora
ファイルまたはその他のネーミング・アダプタの接続に指定された別名を検出できない場合に表示されます。
この問題を解決する前に、tnsnames.ora
ファイルとsqlnet.ora
ファイルの両方を印刷または表示しておくと便利です。両方を参照するため、これらのファイルを同時に参照できるようにすると便利です。
tnsnames.ora
ファイルおよびsqlnet.ora
ファイルは、クライアント・システムのデフォルトのネットワーク管理ディレクトリにあります。
tnsnames.ora
ファイルおよびsqlnet.ora
ファイルが次の例のようになっていることを確認します。
例16-1 tnsnames.oraの例
DEV1.WORLD = (DESCRIPTION = (ADDRESS_LIST = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP) (Host = 192.0.2.56) (Port = 1521) ) ) (CONNECT_DATA = (SID = ORCL) ) )
例16-2 sqlnet.oraの例
TRACE_LEVEL_CLIENT = OFF SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES = (NONE) NAMES.DIRECTORY_PATH = (TNSNAMES) AUTOMATIC_IPC = OFF
診断プロセスを開始するには、問題に適用されるこのマニュアルの項を判別します。例16-1および例16-2に示すファイル例では、例16-1の別名はDEV1.WORLD
ですが、例16-2にはNAMES.DEFAULT_DOMAIN=world
パラメータが存在しません。
この場合、sqlnet.ora
ファイルの任意の場所にNAMES.DEFAULT_DOMAIN=world
パラメータを追加します。ファイルを保存し、接続を再度試行します。
それでもTNS-12154エラーが発生する場合は、ファイルがクライアントからサーバーに転送されたかどうかを判断し、構成ファイルで、CTRL-M(^M
)またはCTRL-R(^R
)の文字がどの行末にも挿入されていないことを確認します。このような文字を見つけた場合は削除します。
文字が存在しない場合、NAMES.DIRECTORY_PATH
パラメータがsqlnet.ora
ファイルに存在するかどうかを確認し、カッコ内の値が次のようにTNSNAMES
であることを確認します。
NAMES.DIRECTORY_PATH=(TNSNAMES) NAMES.DIRECTORY_PATH=(TNSNAMES, HOSTNAME)
このパラメータは必須ではありませんが、sqlnet.ora
ファイル内に存在し、前述の例のように表示されている場合、構成ファイルは理論的には正確と考えられます。
UNIXプロンプトで、次のようにTNS_ADMIN
環境変数をエコーします。
% echo $TNS_ADMIN
なにも戻されない場合、TNS_ADMIN
環境変数を設定し、tnsnames.ora
ファイルの場所を明示的にポイントします。
Cシェル:
% setenv TNS_ADMIN full_path_to_tnsnames.ora_file
Kシェル:
% TNS_ADMIN=full_path_to_tnsnames.ora_file; export TNS_ADMIN
接続を再度試行します。
それでもエラーが発生する場合は、AUTOMATIC_IPC=OFF
パラメータをsqlnet.ora
ファイルに追加します。AUTOMATIC_IPC
がすでにON
に設定されている場合、この値をOFF
に変更します。接続を再度試行します。
まだエラーが発生する場合は、tnsnames.ora
ファイルおよびsqlnet.ora
ファイルと親ディレクトリの権限を確認します。通常、.ora
ファイルは-rwxrwxrwx
または-rwxrwx---
です。構成ファイルの権限を777
に変更して権限を完全オープンに設定し、接続を再度試行します。
注意: 権限を 777 に設定すると、システムのすべてのユーザーが構成ファイルにアクセスできるようになります。この設定は一時テストとしてのみ行い、終了時には権限をリセットしてください。 |
まだエラーが発生する場合、構成を次のように再実行します。
TNS_ADMIN
環境変数を/tmp
に設定します。
/tmp
ディレクトリへ移動し、テキスト・エディタを使用してtnsnames.ora
ファイルを新規作成します。
例16-1のtnsnames.ora
ファイルの例をテキスト・エディタにコピーし、新規tnsnames.ora
ファイルを保存します。
テキスト・エディタを終了し、コマンド・プロンプトに次のように入力します。
% sqlplus scott@dev1.world
Enter password: password
これによって次の論理エラーに接続または進みます。
Oracle Net Servicesは、問題が発生するたびに、問題点の原因の内容について詳細を提供します。この情報は、ログ・ファイルとトレース・ファイル内に作成、格納されます。エラー情報のロギングとトレースのプロセスにより、ネットワーク上の問題点を容易に診断し解決できます。
Oracle Net Servicesで発生するすべてのエラーは、ネットワーク管理者やデータベース管理者が評価できるように、ログ・ファイルに追加記録されます。ログ・ファイルは、画面に表示されるエラー・メッセージで障害を十分に識別できない場合、管理者用の追加情報として使用できます。エラー・スタックとしてのログ・ファイルは、各種レイヤーでのソフトウェアの状態を示します。
すべてのエラーが記録されることを保証するためにはクライアントまたはネーム・サーバーに対するロギングを使用禁止にすることはできません。さらに、ログ・ファイルを置換したり消去できるのは管理者のみです。リスナーのログ・ファイルには、すべてのクライアント接続要求に関する監査証跡と大半のリスナー制御コマンドが含まれています。
この項で説明する項目は、次のとおりです。
ログ・ファイルには、エラー・スタックに含まれている情報があります。エラー・スタックとは、ネットワーク・エラーの結果としてOracle通信スタック内に各レイヤーごとに作成される情報です。
表16-8に、エラー・スタック・コンポーネントの説明を示します。
表16-8 エラー・スタック・コンポーネント
たとえば、クライアント・アプリケーションのユーザーがOracle NetとTCP/IPを使用してデータベース・サーバーとの接続を確立しようとする場合は、次のように入力します。
sqlplus scott@example.com
Enter password: password
次のエラーが表示されます。
ORA-12543: TNS:Unable to connect to destination
このメッセージは、データベースに連絡できなかったために、サーバーへの接続に失敗したことを示します。アプリケーションでは1行のエラー・メッセージしか表示されませんが、ネットワーク層によってログ・ファイルの中に情報量の多いエラー・スタックが記録されます。
クライアント側では、sqlnet.log
ファイル(例16-3)にORA-12543
のエラーに対応するエラー・スタックが含まれています。
例16-3 sqlnet.logファイル
***********************************************************
Fatal OSN connect error 12543, connecting to: (DESCRIPTION=(CONNECT_DATA=(SID=trace)(CID=(PROGRAM=) (HOST=lala)(USER=sviavant)))(ADDRESS_LIST=(ADDRESS= (PROTOCOL=ipc)(KEY=trace))(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp) (HOST=lala)(PORT=1521)))) VERSION INFORMATION: TNS for SunOS: Oracle Bequeath NT Protocol Adapter for SunOS: Unix Domain Socket IPC NT Protocol Adaptor for SunOS: TCP/IP NT Protocol Adapter for SunOS: Tracing to file: /home/sviavant/trace_admin.trc Tns error struct: TNS-12543: TNS:unable to connect to destination ns main err code: 12541 TNS-12541: TNS:no listener ns secondary err code: 12560 nt main err code: 511 TNS-00511: No listener nt secondary err code: 61 nt OS err code: 0
Oracle Net Servicesの各コンポーネントは、それぞれ独自のログ・ファイルを生成します。表16-9は、デフォルトのログ・ファイル名と、ログ・ファイルを生成するコンポーネントのリストです。
表16-9 ログ・ファイル
ログ・ファイル | コンポーネント |
---|---|
リスナー |
|
クライアントまたはデータベース・サーバー |
|
Oracle Connection Managerリスナー |
|
|
Oracle Connection Manager CMGW(Connection Manager Gateway)プロセス |
|
Oracle Connection Manager CMADMIN(Connection Manager Administration)プロセス |
instance-name_alert.log |
Oracle Connection Managerアラート・ログ |
ロギングされる情報の種類と量、ファイルが格納されている位置など、ロギングを制御するパラメータは、表16-10に示されるように各ネットワーク・コンポーネントの構成ファイル内に設定されます。
表16-10 ログ・パラメータの位置
ネットワーク・コンポーネント | 構成ファイル |
---|---|
Oracle Connection Managerプロセス |
|
リスナー |
|
クライアント |
|
データベース・サーバー |
|
この項で説明する項目は、次のとおりです。
表16-11では、sqlnet.ora
ファイルで設定できるログ・パラメータの設定を示します。
表16-11 sqlnet.oraファイルのログ・パラメータ
表16-12では、listener.ora
ファイルで設定できるログ・パラメータの設定を示します。
表16-12 listener.oraファイルのログ・パラメータ
表16-13では、cman.ora
ファイルで設定できるログ・パラメータの設定を示します。
表16-13 cman.oraファイルのログ・パラメータ
sqlnet.ora
ファイルのロギング・パラメータはOracle Net Managerで設定し、listener.ora
ファイルのロギング・パラメータはOracle Enterprise ManagerまたはOracle Net Managerで設定します。
cman.ora
ファイルのロギング・パラメータは、手動で設定する必要があります。
Oracle Enterprise ManagerおよびOracle Net Managerでロギング・パラメータを設定するには、表16-14を参照してください。
表16-14 構成ファイルのロギング・パラメータの設定
ログ・ファイル | ツール | ロギング・パラメータの設定方法 |
---|---|---|
|
Oracle Net Manager |
|
|
Oracle Enterprise Manager |
|
|
Oracle Net |
|
ロギングは、制御ユーティリティの実行時に設定できます。制御ユーティリティを使用してロギングを設定しても、*.ora
ファイルにパラメータは設定されません。設定は、制御ユーティリティの現在のセッションでのみ有効です。
リスナーの場合は、リスナー制御ユーティリティでSET LOG_FILE
コマンドおよびSET LOG_DIRECTORY
コマンドを使用します。
Oracle Connection Managerの場合は、Oracle Connection Manager制御ユーティリティのSET LOG_DIRECTORY
、SET LOG_LEVEL
およびSET EVENT
コマンドを使用します。
この項では、リスナー・ログ・ファイルに記録される情報を説明します。内容は次のとおりです。
リスナー・ログ・ファイルには、ネットワーク利用度の統計を収集および分析できる監査証跡情報と、次の内容を示す情報があります。
クライアントの接続要求
リスナー制御ユーティリティによって発行された、RELOAD
、START
、STOP
、STATUS
またはSERVICES
コマンド
監査証跡情報を表に保存した後、それをレポート形式に書式設定することで、傾向とユーザー・アクティビティを検証できます。データを表にインポートするには、SQL*Loaderなどのインポート・ユーティリティを使用します。
監査証跡のテキストは次のフィールドで構成されます。
Timestamp * Connect Data [* Protocol Info] * Event [* SID | Service] * Return Code
監査証跡のプロパティは次のとおりです。
各フィールドはアスタリスク(*
)で区切られます。
プロトコル・アドレス情報、およびサービス名またはSID情報は、接続が試行された場合のみ記録されます。
成功した接続またはコマンドには、コード0(ゼロ)が戻ります。
失敗した場合は、エラー・メッセージに対応するコードが生成されます。
次に、RELOAD
コマンド要求のログ・ファイルの出力例を示します。
14-JUL-2002 00:29:54 * (connect_data=(cid=(program=)(host=sales-server)(user=jdoe))(command=stop) (arguments=64)(service=listener)(version=135290880)) * stop * 0
次に、正常な接続要求のログ・ファイルの出力例を示します。
14-JUL-2002 15:28:58 * (connect_data=(service_name=sales.us.example.com)(cid=(program=)(host=sales-server) (user=jdoe))) * (address=(protocol=tcp)(host=192.0.2.35)(port=41349)) * establish * sales.us.example.com * 0
次に、ホストsales-server
のSTATUS
コマンドが正常に実行された後で、IPアドレス192.0.2.35
を持つクライアントによる接続が失敗した場合のログ・ファイルの出力例を示します。この接続試行の結果、ORA-12525: 「TNS: リスナーは、クライアントのリクエストを許容時間内に受信しませんでした。」エラーメッセージが表示されました。このエラー・メッセージは、クライアントがlistener.ora
ファイルのINBOUND_CONNECT_TIMEOUT_
listener_name
パラメータで指定された時間内に接続要求を完了できなかった場合に表示されます。このクライアントはリスナーにDoS攻撃をしようとした可能性があります。
03-JUL-2002 16:41:57 * (CONNECT_DATA=(CID=(PROGRAM=)(HOST=sales-server)(USER=jdoe))(COMMAND=status) (ARGUMENTS=64)(SERVICE=LISTENER)(VERSION=153092352)) * status * 0 03-JUL-2002 16:42:35 * <unknown connect data> * (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=192.0.2.35)(PORT=53208)) * establish * <unknown sid> * 12525 TNS-12525: TNS:listener has not received client's request in time allowed TNS-12604: TNS: Application timeout occurred
リスナーではサービス登録イベントが記録されます。サービス登録を行うと、PMONプロセスからリスナーに次の情報が提供されます。
データベースにおける稼働中の各インスタンスのサービス名
データベースのインスタンス名
使用可能なサービス・ハンドラ(ディスパッチャまたは専用サーバー)
ディスパッチャ、インスタンスおよびノードのロード情報
動的リスニング・エンドポイント
表16-15にリストされているサービス登録関連イベントは、listener.log
ファイルに記録されます。
表16-15 サービス登録イベントのログ情報
イベント | 説明 |
---|---|
リスナーがインスタンスの登録情報を受信した。 |
|
リスナーが特定インスタンスについて更新された登録情報(ディスパッチャやインスタンスのロード情報など)を受信した。 |
|
リスナーからPMONへの接続が切断された。インスタンスの登録情報はすべて廃棄されます。PMONによって再度登録されるまで、クライアントはそのインスタンスには接続できません。 |
サービス登録イベントは次のフィールドで構成されます。
Timestamp * Event * Instance Name * Return Code
サービス登録フィールドのプロパティは次のとおりです。
各フィールドはアスタリスク(*
)で区切られます。
通常は、1つのインスタンスのイベントが複数回連続して記録されます。
正常に登録されると、コード0(ゼロ)が戻ります。これは、クライアントがインスタンスに接続できたことを示します。
失敗した場合は、エラー・メッセージに対応するコードが生成されます。
次の例では、サービス登録イベントが記録されたログ・ファイルを示します。リスナーは正常なservice_register
イベントの後はクライアント要求を受信できますが、service_died
イベントの後はクライアント要求を受信できない点に注意してください。
------------------------------- 14-JUL-2002 15:28:43 * service_register * sales * 0 14-JUL-2002 15:28:43 * service_register * sales * 0 14-JUL-2002 15:28:58 * (connect_data=(service_name=sales.us.example.com)(cid=(program=)(host=sales-server) (user=jdoe))) * (address=(protocol=tcp)(host=192.0.2.35)(port=41349)) * establish * sales.us.example.com * 0 14-JUL-2002 15:38:44 * service_update * sales * 0 14-JUL-2002 15:38:44 * service_update * sales * 0 14-JUL-2002 15:48:45 * service_update * sales * 0 14-JUL-2002 15:48:45 * service_update * sales * 0 14-JUL-2002 15:50:57 * (connect_data=(service_name=sales.us.example.com)(cid=(program=)(host=sales-server)(u ser=jdoe))) * (address=(protocol=tcp)(host=192.0.2.35)(port=41365)) * establish * sales.us.example.com * 0 14-JUL-2002 15:51:26 * service_died * sales * 12537 14-JUL-2002 15:51:26 * service_died * sales * 12537 14-JUL-2002 15:52:06 * (connect_data=(service_name=sales.us.example.com)(cid=(program=)(host=sales-server)(u ser=jdoe))) * (address=(protocol=tcp)(host=192.0.2.35)(port=41406)) * establish * sales.us.example.com * 12514 TNS-12514: TNS:listener could not resolve SERVICE_NAME given in connect descriptor --------------------------------
リスナーでは、ディスパッチャへのDirect Hand-Offイベントが記録されます。これらのイベントは次のフィールドで構成されます。
Timestamp * Presentation * Handoff * Error Code
Direct Hand-Offフィールドのプロパティは次のとおりです。
各フィールドはアスタリスク(*
)で区切られます。
成功した接続またはコマンドには、コード0(ゼロ)が戻ります。
失敗した場合は、エラー・メッセージに対応するコードが生成されます。
関連項目: Oracle Netの一般的なエラーは、「Oracle Net Servicesの最も一般的なエラー・メッセージの解決」を、エラー・メッセージの詳細なリストは、『Oracle Databaseエラー・メッセージ』を参照してください。 |
ONS構成ファイルを使用できる場合、リスナーは、起動時にOracle Notification Service(ONS)にnode down
イベントをサブスクライブします。このサブスクリプションにより、リスナーはONSからnode down
イベント通知を受信したときに、影響を受けるサービスを削除できます。リスナーは、イベント通知に非同期サブスクリプションを使用します。ONSデーモンがホストで実行されていない場合など、サブスクリプションが完了しなかった場合、次の警告メッセージがSTATUSコマンドごとにリスナー・ログ・ファイルに記録されます。
WARNING: Subscription for node down event still pending
サブスクリプションの保留中は、リスナーはONSイベントを受信できません。それ以外の場合、他のリスナー機能が影響を受けることはありません。
必要なOracle Clusterware(次のログ・メッセージのCRS)ライブラリがインストールされ、ホストでOracle Clusterwareが起動されている場合、Oracleリスナーは起動時および停止時にOracle Clusterwareのステータスを通知します。通知が成功すると、リスナーはイベントをログに記録します。通知が失敗した場合は、メッセージは記録されません。
Listener completed notification to CRS on start Listener completed notification to CRS on stop
Oracle Connection Managerは、各リスナー、ゲートウェイ、CMADMIN
プロセスに1個ずつ、およびアラート用に1つ、合計4つのタイプのログ・ファイルを生成します。最後のアラート用ログ・ファイルには、すべての重大エラーが時系列で記録されます。重大エラーのロギングのみでなく、アラート・ログには、起動と停止のインスタンスに関する情報も取り込まれます。また、セッションの開始時と終了時におけるすべての構成パラメータ値も記録されます。ファイル名の構文は、表16-9「ログ・ファイル」を参照してください。
CMADMIN
とゲートウェイのログ・ファイルはここで再生成されます。ログ・エントリの例と意味については、表16-16「CMADMINおよびGatewayログのエントリと意味」を参照してください。各エントリは、タイムスタンプとイベントで構成されます。イベントを次のカテゴリにロギングするようにcman.ora
を構成できます。
初期化と終了
メモリー操作
接続処理
プロセス管理
登録とロード更新
CMADMIN起動キュー関連のイベント
ゲートウェイのタイムアウト
コマンド処理
接続制御ブロックに関連付けられたイベント
SET EVENT
コマンドを使用して、ロギングするイベントを指定します。
この項で説明する例は、次のとおりです。
------------------------------- (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:40)(EVENT=Parameter list) (listener_address=(address=(protocol=tcp)(host=usunnae16)(port=1574))) (aso_authentication_filter=OFF) (connection_statistics=ON) (log_directory=/home/user/network/admin/log) (log_level=support) (max_connections=256) (idle_timeout=5) (inbound_connect_timeout=0) (session_timeout=20) (outbound_connect_timeout=0) (max_gateway_processes=1) (min_gateway_processes=1) (password=OFF) (remote_admin=ON) (trace_directory=/home/user/network/admin/log) (trace_level=off) (trace_timestamp=OFF) (trace_filelen=0) (trace_fileno=0) ) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:40)(EVENT=Shared Memory Size) (BYTES=82524)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:40)(EVENT=GMON Attributes validated) (Type=Information)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:40)(EVENT=NS Listen Successful) ((ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=usunnae16)(PORT=55878)))) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:44)(EVENT=Received command)(CMD=verify password)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:44)(EVENT=Received command) (CMD=version)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:44)(EVENT=Received command) (CMD=show status)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:44)(EVENT=Failed to get procedure id)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:12)(EVENT=Received command)(CMD=verify password)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:15)(EVENT=Failed to get procedure id)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:29)(EVENT=Received command)(CMD=verify password)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:46)(EVENT=Failed to get procedure id)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:50)(EVENT=Received command)(CMD=verify password)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:50)(EVENT=Received command) (CMD=probe monitor)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:50)(EVENT=Received command) (CMD=shutdown normal)) -------------------------------
------------------------------- (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=NS Initialised)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=Memory Allocated) (BYTES=1024)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=NCR Initialised)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=Connected to Monitor)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=State Change from Empty to Init)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=Memory Allocated) (BYTES=251904)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=Memory Allocated) (BYTES=2048)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=CCB Initialised)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=Started Listening)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:41)(EVENT=State Change from Init to Ready)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:46:47)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:06)(EVENT=Ready)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:06)(EVENT=Ready)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:07)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:12)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:13)(EVENT=Idle Timeout)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:17)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:22)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:25)(EVENT=Ready)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:25)(EVENT=Ready)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:27)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:30)(EVENT=Idle Timeout)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:32)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:37)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:42)(EVENT=Ready)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:42)(EVENT=Ready)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:42)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:47)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:52)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:48:57)(EVENT=Housekeeping)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:02)(EVENT=Session Timeout)(CONN NO=0)) (LOG_RECORD=(TIMESTAMP=08-MAY-2003 08:49:02)(EVENT=Housekeeping)) -------------------------------
表16-16 CMADMINおよびGatewayログのエントリと意味
イベント | 説明 | ログ・ファイル |
---|---|---|
GMON Attributes validated |
通知メッセージ。 |
|
Failed to get procedure ID |
|
|
Out of CCB |
|
Gateway |
No connect data |
未知のクライアントが |
|
Invalid connect data |
未知のクライアントが |
|
Housekeeping |
通知メッセージ。ゲートウェイ・プロセスの内部ハウスキーピングが適切に行われています。ゲートウェイ・プロセスは |
Gateway |
Connected to Monitor |
ゲートウェイが |
Gateway |
State change from Empty to Init |
ゲートウェイからの状態変更メッセージ。ゲートウェイはready状態になると、クライアントからの接続を受け入れます。 |
Gateway |
State change from Init to Ready |
ゲートウェイからの状態変更メッセージ。ゲートウェイはready状態になると、クライアントからの接続を受け入れます。 |
Gateway |
Idle Timeout |
|
Gateway |
Session Timeout |
|
トレース機能は、実行されたネットワーク・イベントが記述される一連の詳細文を生成します。操作をトレースすると、ログ・ファイルにある情報より多くのOracle Net Servicesコンポーネントの内部操作に関する情報が得られます。この情報は、ファイル出力されエラーの原因となったイベントを識別できます。
注意: トレース機能には大量のディスク領域を消費するため、システムのパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。したがって、必要なときにのみトレースを行うようにしてください。 |
この項で説明する項目は、次のとおりです。
Oracle Net Servicesの各コンポーネントは、それぞれ独自のトレース・ファイルを生成します。表16-17は、デフォルトのトレース・ファイル名と、トレース・ファイルを生成するコンポーネントのリストです。
表16-17 トレース・ファイル
トレース・ファイル | コンポーネント |
---|---|
Oracle Connection Managerリスナー |
|
|
Oracle Connection Manager CMGW(Connection Manager Gateway)プロセス |
|
Oracle Connection Manager CMADMIN(Connection Manager Administration)プロセス |
リスナー |
|
クライアント |
|
データベース・サーバー |
|
|
トレースする情報の種類と量、ファイルが格納されている位置など、トレースを制御するパラメータは、表16-18に示されるように各ネットワーク・コンポーネントの構成ファイル内に設定されます。
表16-18 トレース・パラメータの位置
コンポーネント | 構成ファイル |
---|---|
Oracle Connection Managerプロセス |
|
リスナー |
|
クライアント |
|
データベース・サーバー |
|
TNSPINGユーティリティ |
|
この項で説明する項目は、次のとおりです。
関連項目: これらのパラメータの詳細は、『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。 |
表16-19では、sqlnet.ora
ファイルで設定できるトレース・パラメータの設定を示します。
表16-19 sqlnet.oraファイルのトレース・パラメータ
表16-20に示されるTNSPINGユーティリティのトレース・パラメータをsqlnet.ora
ファイルに手動で追加できます。TNSPINGユーティリティでは、Oracle Netネットワーク上のサービス(データベース、その他のTNSサービスなど)に正常に到達できるかどうか判断します。
表16-20 TNSPINGのトレース・パラメータ
表16-21では、listener.ora
ファイルで設定できるリスナー用のトレース・パラメータの設定を示します。
表16-21 listener.oraファイルのトレース・パラメータ
表16-22では、cman.ora
ファイルでOracle Connection Managerに設定できるトレース・パラメータの設定を示します。
表16-22 cman.oraファイルのトレース・パラメータ
cman.oraファイルのパラメータ | 説明 |
---|---|
TRACE_DIRECTORY |
トレース・ファイルの作成先となるディレクトリを設定します。 デフォルトのディレクトリは、UNIXでは |
TRACE_FILELEN |
トレース・ファイルのサイズを指定します(KB単位)。指定のサイズに到達すると、トレース情報は次のファイルに書き込まれます。ファイルの数は、 |
TRACE_FILENO |
トレース用トレース・ファイルの数を指定します。このパラメータを トレース・ファイル名は、順序番号によって識別されます。たとえば、このパラメータを3に設定すると、ゲートウェイ・プロセス用のOracle Connection Managerのトレース・ファイル名は、 また、トレース・ファイル内のトレース・イベントの前には、そのファイルの順序番号が付きます。 |
TRACE_LEVEL |
Oracle Connection Managerインスタンスのトレース・レベルを指定します。このパラメータには、次の4つのトレース・レベルを使用できます。
Oracle Connection Managerでは、リスナー、ゲートウェイおよびCMADMINの各プロセスで、UNIXとWindowsの両方にトレース・ファイルが作成されます。ファイル名の構文は、表16-17「トレース・ファイル」を参照してください。 |
TRACE_TIMESTAMP |
|
sqlnet.ora
ファイルのトレース・パラメータはOracle Net Managerで設定し、listener.ora
ファイルのトレース・パラメータはOracle Enterprise ManagerまたはOracle Net Managerで設定します。
cman.ora
ファイルのトレース・パラメータは、手動で設定する必要があります。
Oracle Enterprise ManagerおよびOracle Net Managerでトレース・パラメータを設定するには、表16-23を参照してください。
表16-23 構成ファイルのトレース・パラメータの設定
トレース・ファイル | ツール | ロギング・パラメータの設定方法 |
---|---|---|
|
Oracle Net Manager |
|
|
Oracle Enterprise Manager |
|
|
トレースは、制御ユーティリティの実行時に設定できます。制御ユーティリティを使用してトレースを設定しても、*.ora
ファイルにパラメータは設定されません。設定は、制御ユーティリティの現在のセッションでのみ有効です。
リスナーの場合は、リスナー制御ユーティリティのSET TRC_DIRECTORY
、SET TRC_FILE
およびSET TRC_LEVEL
コマンドを使用します。
Oracle Connection Managerの場合は、Oracle Connection Manager制御ユーティリティのSET
TRACE_DIRECTORY
、SET TRACE_LEVEL
およびSET TRACE_TIMESTAMP
コマンドを使用します。
この項で説明する項目は、次のとおりです。
トレース・ファイルは、Oracleサポート・サービスがネットワークの問題を診断してトラブルシューティングを行うのに役立ちます。
この項では、トレース・ファイルの基本的な分析方法を説明します。説明する項目は、次のとおりです。
Oracle Netは、データ・パケットを送受信することにより、その機能を実行します。support
のトレース・レベルを指定すると、トレース・ファイル内のOracle Netパケットの実際の内容を参照できます。送受信したパケット・タイプの順序により、接続を確立した方法を確認できます。
トレース・ファイルの各行は、後ろにメッセージが続くプロシージャで始まります。各プロシージャの後には、実際のデータを示す16進データの行があります。パケットの内部をフローする実際のデータは、16進データの右側に表示される場合があります。
次の表では、Oracle Netパケット・キーワードの一覧と、それらのキーワードが表すパケット・タイプを示します。
キーワード | パケット・タイプ |
---|---|
NSPTCN |
Connect |
NSPTAC |
Accept |
NSPTRF |
Refuse |
NSPTRS |
Resend |
NSPTDA |
Data |
NSPCNL |
Control |
NSPTMK |
Marker |
たとえば、次の行はネットワークを通じてNSPTCN
パケットを送る「nscon
」と呼ばれるプロシージャを記述しています。
nscon: sending NSPTCN packet
各パケットには、パケット・タイプを示すキーワードがあります。すべてのパケット・タイプは、接頭辞「nsp
」から始まります。特定のパケット情報についてトレース・ファイルを検討する場合、このことを覚えておくと便利です。
例16-4では、一般的なパケット情報を示します。
例16-4 パケット情報
nscon: entry nscon: doing connect handshake... nscon: sending NSPTCN packet nspsend: entry nspsend: plen=187, type=1 nspsend: 187 bytes to transport nspsend:packet dump nspsend:00 BB 00 00 01 00 00 00 |........| nspsend:01 33 01 2C 0C 01 08 00 |.3.,....| nspsend:7F FF 7F 08 00 00 00 01 |........| nspsend:00 99 00 22 00 00 08 00 |..."....| nspsend:01 01 28 44 45 53 43 52 |..(DESCR| nspsend:49 50 54 49 4F 4E 3D 28 |IPTION=(| nspsend:43 4F 4E 4E 45 43 54 5F |CONNECT_| nspsend:44 41 54 41 3D 28 53 49 |DATA=(SI| nspsend:44 3D 61 70 33 34 37 64 |D=ap347d| nspsend:62 31 29 28 43 49 44 3D |b1)(CID=| nspsend:28 50 52 4F 47 52 41 4D |(PROGRAM| nspsend:3D 29 28 48 4F 53 54 3D |=)(HOST=| nspsend:61 70 32 30 37 73 75 6E |ap207sun| nspsend:29 28 55 53 45 52 3D 6D |)(USER=m| nspsend:77 61 72 72 65 6E 29 29 |warren))| nspsend:29 28 41 44 44 52 45 53 |)(ADDRES| nspsend:53 5F 4C 49 53 54 3D 28 |S_LIST=(| nspsend:41 44 44 52 45 53 53 3D |ADDRESS=| nspsend:28 50 52 4F 54 4F 43 4F |(PROTOCO| nspsend:4C 3D 74 63 70 29 28 48 |L=tcp)(H| nspsend:4F 53 54 3D 61 70 33 34 |OST=ap34| nspsend:37 73 75 6E 29 28 50 4F |7sun)(PO| nspsend:52 54 3D 31 35 32 31 29 |RT=1521)| nspsend:29 29 29 00 00 00 00 00 |))).....| nspsend: normal exit nscon: exit (0)
接続に問題があると、トレース・ファイルにエラー・コードがロギングされます。例16-5は、データベース・サーバーへのSQL*Plus接続の障害に関する代表的なトレース・ファイル出力です。
例16-5 トレースの例
[22-JUL-2002 13:34:07:687] nsprecv: entry [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsbal: entry [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsbgetfl: entry [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsbgetfl: normal exit [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsmal: entry [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsmal: 44 bytes at 0x132d90 [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsmal: normal exit [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsbal: normal exit [22-JUL-2002 13:34:07:687] nsprecv: reading from transport... [22-JUL-2002 13:34:07:687] nttrd: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nttrd: exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] ntt2err: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] ntt2err: Read unexpected EOF ERROR on 10 [22-JUL-2002 13:35:09:625] ntt2err: exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsprecv: transport read error [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsprecv: error exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nserror: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nserror: nsres: id=0, op=68, ns=12537, ns2=12560; nt[0]=507, nt[1]=0, nt[2]=0; ora[0]=0, ora[1]=0, ora[2]=0 [22-JUL-2002 13:35:09:625] nscon: error exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: nsctxrnk=0 [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: error exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nscall: unexpected response [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsclose: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nstimarmed: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nstimarmed: no timer allocated [22-JUL-2002 13:35:09:625] nstimarmed: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: cid=0, opcode=98, *bl=0, *what=0, uflgs=0x440, cflgs=0x2 [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: rank=64, nsctxrnk=0 [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: nsctx: state=1, flg=0x4201, mvd=0 [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbfr: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbaddfl: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbaddfl: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbfr: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbaddfl: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbaddfl: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsbfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: nsctxrnk=0 [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsdo: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsclose: closing transport [22-JUL-2002 13:35:09:625] nttdisc: entry [22-JUL-2002 13:35:09:625] nttdisc: Closed socket 10 [22-JUL-2002 13:35:09:625] nttdisc: exit [22-JUL-2002 13:35:09:625] nsclose: global context check-out (from slot 0) complete [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsnadisc: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nadisc: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nacomtm: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nacompd: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nacompd: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nacompd: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nacompd: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nacomtm: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nas_dis: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nas_dis: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nau_dis: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nau_dis: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] naeetrm: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] naeetrm: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] naectrm: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] naectrm: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nagbltrm: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nau_gtm: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nau_gtm: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nagbltrm: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nadisc: exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsnadisc: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsbfr: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsbaddfl: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsbaddfl: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsbfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsmfr: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsmfr: 2256 bytes at 0x130508 [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsmfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsmfr: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsmfr: 484 bytes at 0x1398a8 [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsmfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsclose: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nscall: connecting... [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsclose: entry [22-JUL-2002 13:35:09:703] nsclose: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:703] nladget: entry [22-JUL-2002 13:35:09:734] nladget: exit [22-JUL-2002 13:35:09:734] nsmfr: entry [22-JUL-2002 13:35:09:734] nsmfr: 144 bytes at 0x132cf8 [22-JUL-2002 13:35:09:734] nsmfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:734] nsmfr: entry [22-JUL-2002 13:35:09:734] nsmfr: 156 bytes at 0x138e70 [22-JUL-2002 13:35:09:734] nsmfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:09:734] nladtrm: entry [22-JUL-2002 13:35:09:734] nladtrm: exit [22-JUL-2002 13:35:09:734] nscall: error exit [22-JUL-2002 13:35:09:734] nioqper: error from nscall [22-JUL-2002 13:35:09:734] nioqper: ns main err code: 12537 [22-JUL-2002 13:35:09:734] nioqper: ns (2) err code: 12560 [22-JUL-2002 13:35:09:734] nioqper: nt main err code: 507 [22-JUL-2002 13:35:09:734] nioqper: nt (2) err code: 0 [22-JUL-2002 13:35:09:734] nioqper: nt OS err code: 0 [22-JUL-2002 13:35:09:734] niomapnserror: entry [22-JUL-2002 13:35:09:734] niqme: entry [22-JUL-2002 13:35:09:734] niqme: reporting NS-12537 error as ORA-12537 [22-JUL-2002 13:35:09:734] niqme: exit [22-JUL-2002 13:35:09:734] niomapnserror: returning error 12537 [22-JUL-2002 13:35:09:734] niomapnserror: exit [22-JUL-2002 13:35:09:734] niotns: Couldn't connect, returning 12537 [22-JUL-2002 13:35:10:734] niotns: exit [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbfrfl: entry [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: entry [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: nsbfs at 0x132d90, data at 0x132dc8. [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: entry [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: nsbfs at 0x1248d8, data at 0x132210. [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: entry [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: nsbfs at 0x12d820, data at 0x1319f0. [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbrfr: normal exit [22-JUL-2002 13:35:10:734] nsbfrfl: normal exit [22-JUL-2002 13:35:10:734] nigtrm: Count in the NI global area is now 1 [22-JUL-2002 13:35:10:734] nigtrm: Count in the NL global area is now 1
エラー・コードを評価する最も効率的な方法は、ロギングされた最新のnserror
エントリを検索することです。これは接続を制御しているのがセッション層であるためです。最も重要なエラー・メッセージは、ファイルの最後部にあるメッセージです。それらは最新のエラーであり、接続上の問題の原因を示しています。
特定のリターン・コードの情報に関しては、Oracle UNIXエラー・ツールのoerr
を使用します。このためには、任意のコマンドラインで次のように入力します。
oerr tns error_number
例として、例16-5に示されるトレース・ファイルにロギングされた、次のnserror
エントリを考えます。
[22-JUL-2002 13:35:09:625] nserror: nsres: id=0, op=68, ns=12537, ns2=12560; nt[0]=507, nt[1]=0, nt[2]=0; ora[0]=0, ora[1]=0, ora[2]=0
oerr
を使用することによって、リターン・コード12537および507の詳細を検索できます(太字はユーザー入力を示します)。
oerr tns 12537 12537, 00000, "TNS:connection closed" // *Cause: "End of file" condition has been reached; partner has disconnected. // *Action: None needed; this is an information message. oerr tns 507 00507, 00000, "Connection closed" // *Cause: Normal "end of file" condition has been reached; partner has // disconnected. // *Action: None needed; this is an information message.
Oracle Net Servicesには、トレース・アシスタントと呼ばれるツールが用意されています。このツールを使用すると、トレース・ファイルの現行のテキスト行が読みやすい文に変換され、トレース・ファイル内の情報を理解するのに役立ちます。トレース・アシスタントは、レベル16
(support
)のOracle Net Servicesトレース・ファイルに対してのみ実行されることに注意してください。
注意: トレース・アシスタントは、 DIAG_ADR_ENABLED がoff に設定されている場合のみ使用できます。 |
この項で説明する項目は、次のとおりです。
トレース・アシスタントを実行するには、コマンドライン・プロンプトで次のように入力します。
trcasst [options] <filename>
表16-24では、オプションを説明します。
表16-24 トレース・アシスタントの構文
オプション | 説明 |
---|---|
|
エラー情報を表示します。
|
|
NS接続パケットに接続IDがある場合は、出力にその接続IDが表示されます。接続IDは、16進の8バイトのIDとして表示されます。パケットが接続に関連付けられていない場合、生成されるIDはトレース・アシスタントで作成されます。つまり、トレース・ファイル内の接続パケットは上書きされます。これは、循環方式のトレース・ファイルで発生する可能性があります。 出力には、IDごとに次の内容が表示されます。
注意:
|
|
注意: このオプションは、必ず |
|
出力する情報の種類と量を表示します。
注意: |
|
Oracle内部使用のみ |
|
次の統計情報を表示します。
|
オプションを指定しない場合、デフォルトは-odt -e0 -s
です。この場合、トレース・ファイル内の接続情報とTTCイベントの詳細、エラー・レベル0
のエラー情報、および統計情報が表示されます。
例16-6では、トレース・アシスタントがトレース・ファイル情報を読みやすい書式に変換する方法を示します。
例16-6 エラーを含むトレース・ファイル
ntus2err: exit ntuscni: exit ntusconn: exit nserror: entry -<ERROR>- nserror: nsres: id=0, op=65, ns=12541, ns2=12560; nt[0]=511, nt[1]=2, nt[2]=0
例16-7では、トレース・アシスタントが-e1
オプションを使用して、トレース・ファイル情報を読みやすい書式に変換する方法を示します。
例16-7 trcasst -e1の出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* ntus2err: exit ntuscni: exit ntusconn: exit nserror: entry -<ERROR>- nserror: nsres: id=0, op=65, ns=12541, ns2=12560; nt[0]=511, nt[1]=2, nt[2]=0 /////////////////////////////////////////////////////////////// Error found. Error Stack follows: id:0 Operation code:65 NS Error 1:12541 NS Error 2:12560 NT Generic Error:511 Protocol Error:2 OS Error:0 NS & NT Errors Translation 12541, 00000 "TNS:no listener" // *Cause: The connection request could not be completed because the listener // is not running. // *Action: Ensure that the supplied destination address matches one of // the addresses used by the listener - compare the TNSNAMES.ORA entry with // the appropriate LISTENER.ORA file (or TNSNAV.ORA if the connection is to // go by way of an Interchange). Start the listener on the remote machine. / 12560, 00000 "TNS:protocol adapter error" // *Cause: A generic protocol adapter error occurred. // *Action: Check addresses used for proper protocol specification. Before // reporting this error, look at the error stack and check for lower level // transport errors.For further details, turn on tracing and reexecute the // operation. Turn off tracing when the operation is complete. / 00511, 00000 "No listener" // *Cause: The connect request could not be completed because no application // is listening on the address specified, or the application is unable to // service the connect request in a sufficiently timely manner. // *Action: Ensure that the supplied destination address matches one of // the addresses used by the listener - compare the TNSNAMES.ORA entry with // appropriate LISTENER.ORA file (or TNSNAV.ORA if the connection is to go // by way of an Interchange. Start the listener on the remote machine. / /////////////////////////////////////////////////////////////// ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
ただし、nserror
ファンクションでロギングされなかった他のエラーがトレース・ファイル内に存在する場合があります。
トレース・アシスタントでは、Oracle NetレイヤーとTTC通信レイヤーの両方からデータ・パケットを表示することもできます。トレース・アシスタントでは、これらのパケットを表示するために、次の2つのオプションを使用できます。
接続性のサマリー(-oc
オプションを使用)
接続性の詳細(-od
オプションを使用)
例16-8は、-oc
オプションを使用した場合のサマリー情報の出力を示します。次のように出力されます。
例16-8 trcasst -ocの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* ---> Send 198 bytes - Connect packet Connect data length: 140 Connect Data: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)(CID=(PROGRAM=) (HOST=sales-server)(USER=joe)))) <--- Received 76 bytes - Redirect packet Redirect data length: 66 Redirect Data: (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) ---> Send 198 bytes - Connect packet Connect data length: 140 Connect Data: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)(CID=(PROGRAM=) (HOST=sales-server)(USER=joe)))) <--- Received 32 bytes - Accept packet Connect data length: 0 ---> Send 153 bytes - Data packet Native Services negotiation packet <--- Received 127 bytes - Data packet Native Services negotiation packet ---> Send 32 bytes - Data packet <--- Received 140 bytes - Data packet ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
送信または受信するパケットには、接頭辞としてそれぞれ「---> Send
nnn
bytes
」または「<--- Received
nnn
bytes
」が付くことに注意してください。この接頭辞は、このノードがnnn
バイトの特定タイプのパケットを送信または受信していることを示します。この接頭辞によって、ノードがクライアントかデータベース・サーバーかを判断できます。接続要求は、常にクライアントから送信され、データベース・サーバー(またはリスナー)で受信されます。
例16-9は、-od
オプションを使用した場合の詳細情報の出力を示します。この出力には、接続のネゴシエーション時に接続データとともに送信されたすべての詳細情報が表示されます。
例16-9 trcasst -odの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* ---> Send 241 bytes - Connect packet Current NS version number is: 311. Lowest NS version number can accommodate is: 300. Global options for the connection: can receive attention no attention processing Don't care Maximum SDU size:8192 Maximum TDU size:32767 NT protocol characteristics: Test for more data Test operation Full duplex I/O Urgent data support Generate SIGURG signal Generate SIGPIPE signal Generate SIGIO signal Handoff connection to another Line turnaround value :0 Connect data length :183 Connect data offset :58 Connect data maximum size :512 Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Cross facility item 1: 0 Cross facility item 2: 0 Connection id : Ox000059F70000004C (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)(SRVR=SHARED)(CID=(PROGRAM=) (HOST=sales-server)(USER=joe)))) <--- Received 76 bytes - Redirect packet Redirect data length: 66 (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) ---> Send 241 bytes - Connect packet Current NS version number is: 311. Lowest NS version number can accommodate is: 300. Global options for the connection: can receive attention no attention processing Don't care Maximum SDU size:8192 Maximum TDU size:32767 NT protocol characteristics: Test for more data Test operation Full duplex I/O Urgent data support Generate SIGURG signal Generate SIGPIPE signal Generate SIGIO signal Handoff connection to another Line turnaround value :0 Connect data length :183 Connect data offset :58 Connect data maximum size :512 Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Cross facility item 1: 0 Cross facility item 2: 0 Connection id : Ox000059F70000007A (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)(SRVR=SHARED)(CID=(PROGRAM=) (HOST=sales-server)(USER=joe)))) <--- Received 32 bytes - Accept packet Accepted NS version number is: 310. Global options for the connection: no attention processing Don't care Accepted maximum SDU size: 8192 Accepted maximum TDU size: 32767 Connect data length: 0 Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin ---> Send 153 bytes - Data packet Native Services negotiation packet version#: 150999040 Service data packet #0 for Supervisor has 3 subpackets Subpacket #0: Version #150999040 Subpacket #1: 0000000000000000 Subpacket #2: DEADBEEF0003000000040004000100010002 Service data packet #1 for Authentication has 3 subpackets Subpacket #0: Version #150999040 Subpacket #1: UB2: 57569 Subpacket #2: FCFF Service data packet #2 for Encryption has 2 subpackets Subpacket #0: Version #150999040 Subpacket #1: 000000000000000000 Service data packet #3 for Data Integrity has 2 subpackets Subpacket #0: Version #150999040 Subpacket #1: 000000 <--- Received 127 bytes - Data packet Native Services negotiation packet version#: 135290880 Service data packet #0 for Supervisor has 3 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: 0000 Subpacket #2: DEADBEEF00030000000200040001 Service data packet #1 for Authentication has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: FBFF Service data packet #2 for Encryption has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: UB1: 0 Service data packet #3 for Data Integrity has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: UB1: 0 .... ---> Send 11 bytes - Marker packet One data byte. Hex character sent over to the server: 2 <--- Received 11 bytes - Marker packet One data byte. Hex character sent over to the server: 2 <--- Received 155 bytes - Data packet ---> Send 25 bytes - Data packet <--- Received 11 bytes - Data packet ---> Send 13 bytes - Data packet <--- Received 11 bytes - Data packet ---> Send 10 bytes - Data packet Data Packet flags: End of file ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
TTCは、カーソルのオープン、行の選択、行の更新など、データベース・サーバーに送られる要求を処理します。データベース・サーバーは、すべての要求に応答します。ログオンを要求すると、その要求を完了したデータベース・サーバーから応答が返されます。
-ou
オプションを使用した場合のTTCサマリー情報は、他の表示とは異なり、行ごとに1つのパケットではなく2つのパケットが表示されます。これは、TTCで処理された要求と応答のペアをミラー化するためです。
例16-10では、接続のネゴシエーション時に接続データとともに送信されたすべての詳細情報を示します。
例16-10 trcasst -ouの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* Bytes Bytes Sent Rcvd Send operation(TTIPRO) 32 140 Send operation(TTIDTY) 33 22 Get the session key (OSESSKEY) 229 145 Generic authentication call (OAUTH) 368 1001 Send operation(TTIPFN) 44 144 Send operation(TTIPFN) 36 16 Parse a statement (OSQL) # 1 SELECT USER FROM ... 47 100 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 130 111 Fetch row (OFETCH) # 1 21 137 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 New v8 bundled call (OALL8) # 0 !Keep Parse BEGI... 156 145 Send operation(TTIPFN) 51 16 Parse a statement (OSQL) # 1 SELECT ATTRIBUTE,... 186 100 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 246 111 Fetch row (OFETCH) # 1 21 126 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Parse a statement (OSQL) # 1 SELECT CHAR_VALUE... 208 100 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 130 111 Fetch row (OFETCH) # 1 21 126 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 !Keep Parse BEGI... 183 41 Send operation(TTIRXD) 20 111 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 New v8 bundled call (OALL8) # 0 Parse Fetch SELE... 165 278 Send operation(TTIPFN) 51 16 Parse a statement (OSQL) # 1 commit 31 100 Execute statement (OEXEC) # 1 number of rows: 1 25 100 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 !Keep Parse BEGI... 183 41 Send operation(TTIRXD) 60 111 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 !Keep Parse BEGI... 183 41 Send operation(TTIRXD) 20 111 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 New v8 bundled call (OALL8) # 0 Parse Fetch sele... 144 383 New v8 bundled call (OALL8) # 1 !Keep Fetch 121 315 Logoff off of Oracle (OLOGOFF) 13 11 ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
出力は次の書式で表示されます。
description
TTC_message
cursor_number
SQL_statement
bytes_sent
bytes_received
出力の各行の最初に表示される項目は、実際に送信された要求です。2番目に表示される項目は、操作が実行されたカーソルの位置です。3番目に表示される項目は、SQLコマンドのリスト、または応答中を示すフラグのいずれかです。送受信されたバイト数は、最も右側に表示されます。フラグは次のいずれかです。
!PL/SQL = Not a PL/SQL request COM = Commit IOV = Get I/O Vector DEFN = Define EXEC = Execute FETCH = Fetch CAN = Cancel DESCSEL = Describe select DESCBND = Describe Bind BND = Bind PARSE = Parse EXACT = Exact
例16-11は、-ouq
オプションを使用した場合のSQL詳細情報の出力を示します。
例16-11 trcasst -ouqの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* Bytes Bytes Sent Rcvd Send operation(TTIPRO) 32 140 Send operation(TTIDTY) 33 22 Get the session key (OSESSKEY) 229 145 Generic authentication call (OAUTH) 368 1001 Send operation(TTIPFN) 44 144 Send operation(TTIPFN) 36 16 Parse a statement (OSQL) # 1 47 100 SELECT USER FROM DUAL Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 130 111 Fetch row (OFETCH) # 1 21 137 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 New v8 bundled call (OALL8) # 0 !Keep Parse 156 145 BEGIN DBMS_OUTPUT.DISABLE; END; Send operation(TTIPFN) 51 16 Parse a statement (OSQL) # 1 186 100 SELECT ATTRIBUTE,SCOPE,NUMERIC_VALUE,CHAR_VALUE,DA TE_VALUE FROM SYSTEM.PRODUCT_PRIVS WHERE (UPPER('S QL*Plus') LIKE UPPER(PRODUCT)) AND (UPPER(USER) LI KE USERID) Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 246 111 Fetch row (OFETCH) # 1 21 126 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Parse a statement (OSQL) # 1 208 100 SELECT CHAR_VALUE FROM SYSTEM.PRODUCT_PRIVS WHERE (UPPER('SQL*Plus') LIKE UPPER(PRODUCT)) AND ((UPPE R(USER) LIKE USERID) OR (USERID = 'PUBLIC')) AND ( UPPER(ATTRIBUTE) = 'ROLES') Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 130 111 Fetch row (OFETCH) # 1 21 126 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 !Keep Parse 183 41 BEGIN DBMS_APPLICATION_INFO.SET_MODULE(:1,NULL); E ND; Send operation(TTIRXD) 20 111 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 New v8 bundled call (OALL8) # 0 Parse Fetch 165 278 SELECT DECODE('A','A','1','2') FROM DUAL Send operation(TTIPFN) 51 16 Parse a statement (OSQL) # 1 31 100 commit Execute statement (OEXEC) # 1 number of rows: 1 25 100 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 !Keep Parse 183 41 BEGIN DBMS_APPLICATION_INFO.SET_MODULE(:1,NULL); E ND; Send operation(TTIRXD) 60 111 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 Send operation(TTIPFN) 36 16 Fast upi calls to opial7 (OALL7) # 1 !Keep Parse 183 41 BEGIN DBMS_APPLICATION_INFO.SET_MODULE(:1,NULL); E ND; Send operation(TTIRXD) 20 111 Close cursor (OCLOSE) # 1 17 11 New v8 bundled call (OALL8) # 0 Parse Fetch 144 383 select * from dept New v8 bundled call (OALL8) # 1 !Keep Fetch 121 315 Logoff off of Oracle (OLOGOFF) 13 11 ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
例16-12は、-ot
オプションを使用した場合のTTC詳細情報の出力を示します。
例16-12 trcasst -otの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* Set protocol (TTIPRO) Operation 01 (con) Send protocol version=6 Originating platform: SVR4-be-8.1.0 Set protocol (TTIPRO) Operation 01 (con) Receive protocol version=6 Destination platform: SVR4-be-8.1.0 Set datatypes (TTIDTY) Set datatypes (TTIDTY) Start of user function (TTIFUN) (OSESSKEY) Return opi parameter (TTIRPA) Start of user function (TTIFUN) (OAUTH) Return opi parameter (TTIRPA) Start of user function (TTIFUN) session operations 71 (O71SESOPN) (switch session) Return opi parameter (TTIRPA) Start of user function (TTIFUN) Get Oracle version/date string in new format (OVERSION) Return opi parameter (TTIRPA) Oracle Enterprise Edition Release 10.1.0.2.0 With the Partitioning option JServer Release 10.1.0.2.0 Start of user function (TTIFUN) session operations 71 (O71SESOPN) (switch session) Return opi parameter (TTIRPA) Start of user function (TTIFUN) Open a cursor (OOPEN) Return opi parameter (TTIRPA) Cursor #: 1 Start of user function (TTIFUN) Parse a statement (OSQL) Cursor # 1 SELECT USER FROM DUAL ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
例16-13は、-la
オプションを使用した場合の出力を示します。出力には次の情報が表示されます。
受信した接続ID。
この接続を受信したソケットID。
操作。
Receive
はトレースをデータベース・サーバーのトレースとして識別し、Send
はトレースをクライアントのトレースとして識別します。この出力では、Receive
が操作です。
DISPATCHERS
パラメータのMULTIPLEX
属性は、ON
に設定されています。
32ビットのセッションID。
受信した接続データ情報。
例16-13 trcasst -laの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* Connection ID: 00000B270000000B Socket Id: 15 Operation: Receive Multiplex: ON Session Id: 8362785DE4FC0B19E034080020F793E1 Connect Data: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVER=shared) (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)(CID=(PROGRAM=)(HOST=sales-server) (USER=oracle)))) Connection ID: 00000B240000000B Socket Id: 15 Operation: Receive Multiplex: ON Session Id: 8362785DE4FB0B19E034080020F793E1 Connect Data: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVER=shared) (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)(CID=(PROGRAM=)(HOST=sales-server) (USER=oracle)))) Connection ID: 00000B1F00000008 Socket Id: 15 Operation: Receive Multiplex: ON Session Id: 8362785DE4F90B19E034080020F793E1 Connect Data: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVER=shared) (SERVICE_NAME=sales.us.example.com)(CID=(PROGRAM=)(HOST=sales-server) (USER=oracle)))) ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
例16-14は、-li 00000B1F00000008
オプションを使用した場合の接続ID 00000B1F00000008
に関する出力を示します。
例16-14 trcasst -liの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* <--- Received 246 bytes - Connect packet Current NS version number is: 310. Lowest NS version number can accommodate is: 300. Global options for the connection: Can receive attention No attention processing Don't care Maximum SDU size: 8192 Maximum TDU size: 32767 NT protocol characteristics: Test for more data Test operation Full duplex I/O Urgent data support Generate SIGURG signal Generate SIGPIPE signal Generate SIGIO signal Handoff connection to another Line turnaround value: 0 Connect data length: 188 Connect data offset: 58 Connect data maximum size: 512 Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Cross facility item 1: 0 Cross facility item 2: 0 Connection id: Ox00000B1F00000008 (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)) (CONNECT_DATA=(SERVER=shared)(SERVICE_NAME=sales.us.example.com) (CID=(PROGRAM=)(HOST=sales-server)(USER=oracle)))) ---> Send 114 bytes - Accept packet Accepted NS version number is: 310. Global options for the connection: No attention processing Don't care Accepted maximum SDU size: 8192 Accepted maximum TDU size: 32767 Connect data length: 0 Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Native Services wanted NAU doing O3LOGON - DH key foldedin Connection Time out: 1000 Tick Size: 100 Reconnect Data: (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=34454)) Session Id: 8362785DE4F90B19E034080020F793E1 <--- Received 164 bytes - Data packet Native Services negotiation packet version#: 135290880 Service data packet #0 for Supervisor has 3 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: 0000000000000000 Subpacket #2: DEADBEEF0003000000040004000100010002 Service data packet #1 for Authentication has 3 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: UB2: 57569 Subpacket #2: FCFF Service data packet #2 for Encryption has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: 0000000000 Service data packet #3 for Data Integrity has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: 0000 ---> Send 143 bytes - Data packet Native Services negotiation packet version#: 135290880 Service data packet #0 for Supervisor has 3 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: 0000 Subpacket #2: DEADBEEF00030000000200040001 Service data packet #1 for Authentication has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: FBFF Service data packet #2 for Encryption has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: UB1: 0 Service data packet #3 for Data Integrity has 2 subpackets Subpacket #0: Version #135290880 Subpacket #1: UB1: 0 <--- Received 48 bytes - Data packet Set protocol (TTIPRO) Operation 01 (con) Receive protocol version=6 Destination platform: SVR4-be-8.1.0 ---> Send 156 bytes - Data packet Set protocol (TTIPRO) Operation 01 (con) Send protocol version=6 Originating platform: SVR4-be-8.1.0 <--- Received 49 bytes - Data packet Set datatypes (TTIDTY) ---> Send 38 bytes - Data packet Set datatypes (TTIDTY) <--- Received 245 bytes - Data packet Start of user function (TTIFUN) Get the session key (OSESSKEY) ---> Send 161 bytes - Data packet Return opi parameter (TTIRPA) ... ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************
収集される統計の種類は、ほとんどの場合、ネットワーク・パートナ間で送受信されたTTCコール数、パケット数およびバイト数です。例16-15では、-s
オプションを使用した場合の代表的なトレース・ファイルの統計を示します。
例16-15 trcasst -sの出力
************************************************************************* * Trace Assistant * ************************************************************************* ---------------------- Trace File Statistics: ---------------------- Total number of Sessions: 3 DATABASE: Operation Count: 0 OPENS, 21 PARSES, 21 EXECUTES, 9 FETCHES Parse Counts: 9 PL/SQL, 9 SELECT, 0 INSERT, 0 UPDATE, 0 DELETE, 0 LOCK, 3 TRANSACT, 0 DEFINE, 0 SECURE, 0 OTHER Execute counts with SQL data: 9 PL/SQL, 0 SELECT, 0 INSERT, 0 UPDATE, 0 DELETE, 0 LOCK, 0 TRANSACT, 0 DEFINE, 0 SECURE, 0 OTHER Packet Ratio: 6.142857142857143 packets sent per operation Currently opened Cursors: 0 Maximum opened Cursors : 0 ORACLE NET SERVICES: Total Calls : 129 sent, 132 received, 83 oci Total Bytes : 15796 sent, 13551 received Average Bytes: 122 sent per packet, 102 received per packet Maximum Bytes: 1018 sent, 384 received Grand Total Packets: 129 sent, 132 received ************************************************************************* * Trace Assistant has completed * *************************************************************************