この章では、Windowsシステムにおいて、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースでノードおよびインスタンスを追加および削除する方法について説明します。Oracle RACデータベースへのノードおよびインスタンスの追加には、Oracleのクローニング手順を使用することをお薦めします。 クローニング手順の詳細は、第5章「クローニングを使用した新規クラスタのノードへのASMおよびOracle RACの追加」を参照してください。また、クローニングを使用して、Oracle Clusterware、ASMおよびOracle RACソフトウェアのイメージを、同じハードウェアおよびソフトフェアが実装された他のノードにコピーすることもできます。クローニング処理を使用しない場合は、この章で説明する手順を使用して、手動でノードおよびインスタンスを追加できます。
内容は次のとおりです。
注意: いずれのノード追加/ノード削除手順についても、一時ディレクトリ(%TEMP% 、C:\Temp など)として共有ディレクトリを使用することはできません。一時ディレクトリが共有されている場合は、%TEMP% などの一時ディレクトリの環境変数を、ローカル・ノード上の非共有ディレクトリに設定してください。また、すべてのノードに存在するディレクトリを使用してください。 |
注意: この章では、CRS_home のエントリはOracle Clusterwareホームのフルパス名に、Oracle_home または$ORACLE_HOME のエントリはOracle RACを含むOracleホームの環境変数に置き換えてください。 |
関連項目: 新規Oracle RACクラスタの構成および既存のOracle RACクラスタの拡張の詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。 |
Oracle RAC環境を拡張する場合、Oracleのクローニング手順に従うことをお薦めします。詳細は、第5章を参照してください。この章の手順は、Oracleのクローニングを使用しない場合にのみ使用します。
この項では、クイック・スタート形式で提供されている手順を使用してノードおよびインスタンスを追加および削除する方法について説明します。ノードの追加の場合、ここで説明する手順を実行するには、オペレーティング・システムの必須パッチおよび更新ファイルを新規ノードにインストールする必要があります。その後、ネットワーク・レベルでクラスタの一部になるように新規ノードを構成します。既存のOracle Clusterwareホームから新規ノードにOracle Clusterwareホームを拡張し、Oracle RACコンポーネントとともにOracle Databaseソフトウェアを新規ノードに拡張します。最後に、新規ノードを既存のOracle RACデータベースのメンバーにします。この項の内容は次のとおりです。
注意: この章に示すすべての手順は、示されている順序どおりに実行してください。 |
注意: 現行の構成に、(明示的な操作または他のノードへの自動的なASMの拡張によって)実行しようとしているASMアクティビティとの互換性がない場合があります。DBCAを使用して新しいOracleホームを使用するデータベースを構築する場合、Oracleソフトウェアの以前のリリースのASMを使用しており、そのバージョンのASMがデータベースに対して選択したすべてのノードに存在しない場合、ASMは拡張できません。この場合、DBCAセッションでは、ノードを追加するスクリプトを実行するか、DBUAを使用してASMをアップグレードするように求めるエラーが表示されます。 |
関連項目: Database Configuration Assistant(DBCA)を使用してOracle RACデータベースを作成および削除する手順については、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
Oracle Universal Installerを使用して、Oracle RACクラスタの一部となるノードにOracle Clusterwareホームを追加するには、この項で説明するいずれかの手順を使用します。これらの手順は、node2
を追加することを想定しており、Oracle Clusterwareがnode1
の非共有ホームにすでにインストールされていることを前提としています。CRS_home
は、正常にインストールされたホームを表します。
Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle Clusterwareホームの新規ノードへの追加
Oracle Universal Installerのサイレント・モードを使用したOracle Clusterwareホームの新規ノードへの追加
注意: ノードの追加手順または削除手順を完了したら、投票ディスクおよびOracle Cluster Registry(OCR)ファイルをバックアップすることをお薦めします。 |
対話形式のOracle Universal Installerセッションでクラスタの新規ノードnode2
にOracle Clusterwareホームを追加するには、次の手順を実行します。
node1
のCRS_home\oui\bin
に移動し、addnode.bat
スクリプトを実行します。
Oracle Universal Installerのノード選択ページが表示されます。追加する新規ノード、新規ノードのプライベート・ノード名およびVIPアドレスを指定して、「次へ」.をクリックします。
サマリー・ページに表示された内容を確認して、「次へ」をクリックします。これにより、Oracle RACを含むOracle Clusterwareホームが新規ノードにインストールされます。
node1
のCRS_home
\install
から、crssetup.add.bat
スクリプトを実行します。
サイレントOracle Universal Installerセッションでクラスタの新規ノードnode2
にOracle Clusterwareホームを追加するには、次の手順を実行します。
node1
のCRS_home
\oui\bin
に移動し、addnode.bat
スクリプトを実行します。
addnode.bat –silent "CLUSTER_NEW_NODES={node2}" "CLUSTER_NEW_PRIVATE_NODE_NAMES={node2-priv}" "CLUSTER_NEW_VIRTUAL_HOSTNAMES={node2-vip}"
前述のOracle Universal Installerの対話形式での使用に関する項(「Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle Clusterwareホームの新規ノードへの追加」を参照)の手順4を実行して、クラスタにnode2
を追加します。
Oracle Universal Installerを使用して、Oracleホームを新規ノードに追加するには、次のいずれかの手順を使用します。これらの手順は、node1
上のOracle RACを含む既存のOracleホームをnode2
に拡張することを想定しています。node2
は、node1
が属するクラスタのメンバー・ノードである必要があります。これらの手順の内容は、Oracle RACがnode1
の非共有ホームに正常にインストールされており、Oracle_home
は正常にインストールされたOracleホームを表すことを前提としています。この項で説明する手順は次のとおりです。
Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle RACを含むOracleホームの新規ノードへの追加
Oracle Universal Installerのサイレント・モードを使用したOracle RACを含むOracleホームの新規ノードへの追加
注意: ノードの追加手順または削除手順を完了したら、投票ディスクおよびOracle Cluster Registry(OCR)ファイルをバックアップすることをお薦めします。 |
Oracle Universal Installerの対話モードを使用してOracleホームを新規ノードのnode2に追加するには、次の手順を実行します。
Oracle_home
\oui\bin
に移動し、addnode.bat
スクリプトを実行します。
Oracle Universal Installerのノード選択ページが表示されたら、追加するノードを選択し、「次へ」をクリックします。
サマリー・ページに表示された内容を確認して、「次へ」をクリックします。これにより、Oracle RACを含むOracleホームが新規ノードにインストールされます。
node2
で、NetCAを実行してリスナーを追加します。
関連項目: NetCAの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
新規ノードにデータベース・インスタンスを追加するには、Oracle Enterprise ManagerまたはDBCAを使用します。「手順5: 新規ノードに対するデータベース・インスタンスの追加」を参照してください。
Oracle Universal Installerの対話モードを使用してOracleホームを新規ノードのnode2に追加するには、次の手順を実行します。
Oracle_home
\oui\bin
に移動し、addnode.bat
スクリプトを実行します。
addnode.bat –silent "CLUSTER_NEW_NODES={node2}"
前述のOracle Universal Installerの対話モードの使用に関する項(「Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle RACを含むOracleホームの新規ノードへの追加」を参照)の手順4および5を実行して、リスナーを追加し、新規ノードのデータベース・インスタンスを作成します。
注意: 共有ホームを使用してノードを追加する場合にも、同じ手順を適用できます。 |
WindowsシステムでデータベースOracleホーム・レイヤーのノードを削除するには、次の手順を実行します。これらの手順は、Oracle RACデータベース・ホームがnode1
とnode2
の両方にインストールされており、node2のデータベース・ホームを削除することを想定しています。また、Oracle_home
はノード上のこのホームの場所を表します。この項の内容は次のとおりです。
Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle RACを含むOracleホームの削除
Oracle Universal Installerのサイレント・モードを使用したOracle RACを含むOracleホームの削除
注意: ノードの追加手順または削除手順を完了したら、投票ディスクおよびOracle Cluster Registry(OCR)ファイルをバックアップすることをお薦めします。 |
Oracle Universal Installerを使用してOracleホームを削除するには、次の手順を実行します。
Oracle Enterprise ManagerまたはDBCAを使用して、node2の任意のインスタンスを削除します。詳細は、「手順1: Oracle Real Application Clustersデータベースからのインスタンスの削除」を参照してください。削除するOracleホームに関連付けられているnode2
のデータベース・インスタンスのみを削除します。削除しないその他のインスタンスは、node2
に残すことができます。
ASMを使用して、ホームでASMインスタンスが実行される場合は、ASMインスタンスのクリーンアップ手順を実行します。詳細は、「手順3: ノード削除のためのASMインスタンスのクリーンアップ手順」を参照してください。
ノード固有のリスナーがこのホームから実行されている場合は、NetCAを使用してそのリスナーおよびそのOracle Clusterwareリソースを削除します。必要に応じて、このリスナーを他のホームに再作成します。
関連項目: NetCAの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
削除対象のノード(この例ではnode2
)で、Oracle_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行します。
setup.exe –updateNodeList ORACLE_HOME=Oracle_home
"CLUSTER_NODES={node2}" –local
削除対象のノード(この場合はnode2
)で、次の手順を実行します。
非共有ホームの場合は、Oracle_home
\oui\bin
からsetup.exe
スクリプトを実行して、データベースを削除します。
共有ホームの場合は、削除を実行しないでください。かわりに、削除対象のノードで次の手順を実行します。
node2
のOracle_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行して、node2
でデタッチ・ホームを実行します。
setup.exe –detachHome –silent ORACLE_HOME=Oracle_home
node2で、このOracleホームに関連付けられているすべてのサービスを停止および削除します。また、このOracleホームに関連付けられているすべてのレジストリ・エントリおよびパス・エントリを削除します。このOracleホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー項目も削除します。
node1
で、または3つ以上のノードがインストールされている場合は削除対象でないいずれかのノードで、Oracle_home
\
oui\bin
から次のコマンドを実行します。node_list
は、Oracle RACインストールの一部として残すノードのカンマ区切りのリストです。
setup.exe –updateNodeList ORACLE_HOME=Oracle_home "CLUSTER_NODES={node_list}"
Oracle Universal Installerのサイレント・モードを使用してOracleホームを削除するには、次の手順を実行します。
前述のOracle Universal Installerによるノード削除の手順1から4を実行します。
node2
で、Oracle_home
\oui\bin
からsetup.exe
スクリプトを実行して、Oracle Universal Installerを実行します。
非共有ホームの場合は、次のようにOracleホームを削除します。
setup.exe –silent -deinstall "REMOVE_HOMES={Oracle_home}"
共有ホームの場合は、削除を実行しないでください。かわりに、削除対象のノードで次の手順を実行します。
Oracle_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行して、node2
のOracleホームをデタッチします。
setup.exe –detachHome –silent ORACLE_HOME=Oracle_home
node2で、このOracleホームに関連付けられているすべてのサービスを停止および削除します。また、このOracleホームに関連付けられているすべてのレジストリ・エントリおよびパス・エントリを削除します。このOracleホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー項目も削除します。
前述のOracle Universal Installerによる手順の6を実行して、ノード・リストを更新します。
WindowsシステムでOracle Clusterwareレイヤーのノードを削除するには、次の手順を実行します。これらの手順は、node1
およびnode2
にOracle Clusterwareホームがインストールされており、クラスタからnode2
を削除することを想定しています。この項の内容は次のとおりです。
Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle Clusterwareホームの削除
Oracle Universal Installerのサイレント・モードを使用したOracle Clusterwareホームの削除
注意: ノードの追加手順または削除手順を完了したら、投票ディスクおよびOracle Cluster Registry(OCR)ファイルをバックアップすることをお薦めします。 |
Oracle Universal Installerを使用してクラスタウェア・レイヤーでノードを削除するには、次の手順を実行します。
データベース・ホームでノード削除操作を実行します。詳細は、「Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle RACを含むOracleホームの削除」を参照してください。
oifcfg
コマンドを-global
オプションで実行していない場合は、node1
から次のコマンドを実行します。
oifcfg delif –node node2
CRS_home
\bin
ディレクトリのnode1
から、次のコマンドを実行します。remote_port
は、ONSリモート・ポート番号です。
racgons remove_config node2
:remote_port
ファイルCRS_home
\opmn\conf\ons.config
の内容を確認すると、リモート・ポートを特定できます。
node2からnodeappsを停止および削除するには、srvctl
を実行します。CRS_home
/bin
から次のコマンドを実行します。
srvctl stop nodeapps –n node2 srvctl remove nodeapps –n node2
node1
、または削除対象でない任意のノードで、CRS_home
\bin
から次のコマンドを実行します。node_name
は削除対象のノード、node_number
は、olsnodes -n
コマンドの出力から取得したノードの番号です。
crssetup del –nn node_name,node_number
削除対象のノード(この例ではnode2
)で、CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行します。
setup.exe –updateNodeList ORACLE_HOME=CRS_home
"CLUSTER_NODES={node2
}" CRS=TRUE –local
node2
で、CRS_home
\oui\bin
からOracle Universal Installer setup.exe
を使用して、次の手順を実行します。
共有ホームでない場合は、CRS_home
\oui\bin
からsetup.exe
スクリプトを実行して、Oracle Clusterwareのインストールを削除します。
共有ホームの場合は、削除を実行しないでください。かわりに、削除対象のノードで次の手順を実行します。
CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行して、node2
のOracle Clusterwareホームをデタッチします。
setup.exe –detachHome –silent ORACLE_HOME=CRS_home
node2
で、このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべてのサービスを停止および削除します。また、このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべてのレジストリ・エントリおよびパス・エントリを削除します。このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー項目も削除します。C:\WINDOWS\system32\drivers
の中央インベントリおよびファイル(Oracle_home
以外)を削除します。
node1
で、または複数のノードがインストールされている場合は削除対象でないいずれかのノード、CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行します。node_list
は、Oracle Clusterwareの一部として残すノードのカンマ区切りのリストです。
setup.exe –updateNodeList ORACLE_HOME=CRS_home "CLUSTER_NODES={node_list}" CRS=TRUE
Oracle Universal Installerのサイレント・モードを使用してOracle Clusterwareホームを削除するには、次の手順を実行します。
前述のOracle Universal Installerの対話形式での使用に関する項(「Oracle Universal Installerの対話モードを使用したOracle Clusterwareホームの削除」を参照)の手順1から6を実行して、Oracle Clusterwareレイヤーでノードを削除します。
node2
で、CRS_home
\oui\bin
からOracle Universal Installer setup.exe
を使用して、次の手順を実行します。
非共有ホームの場合は、次のようにOracle Clusterwareホームを削除します。
setup.exe –silent -deinstall "REMOVE_HOMES={CRS_home}"
共有ホームの場合は、削除を実行しないでください。かわりに、削除対象のノードで次の手順を実行します。
CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行して、node2
のOracle Clusterwareホームをデタッチします。
setup.exe –detachHome –silent ORACLE_HOME=CRS_home
node2で、このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべてのサービスを停止および削除します。また、このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべてのレジストリ・エントリおよびパス・エントリを削除します。このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー項目も削除します。C:\WINDOWS\system32\drivers
の中央インベントリおよびCRS_home
以外のファイルを削除します。
前述のOracle Universal Installerによる手順の8を実行して、ノード・リストを更新します。
この項では、クラスタに対してノードの追加および削除を行う詳細な手順について説明します。次の項で、手順の詳細を説明します。
関連項目: DBCAを使用してOracle RACデータベースを作成および削除する手順については、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。また、新規ノードへのASMインスタンスの追加の詳細は、「シングル・インスタンスまたはOracle RACデータベースを実行するノードへのASMの拡張」を参照してください。 |
この項では、手動による詳細な手順を使用してノードをクラスタに追加する方法を説明します。これは、ネットワーク・レベルで新規ノードをクラスタの一部として設定することによって行います。次に、既存のOracle ClusterwareホームからOracle Clusterwareホームを新規ノードに拡張し、Oracle RACコンポーネントを含むOracle Databaseソフトウェアを新規ノードに拡張します。最後に、新規ノードを既存のOracle RACデータベースのメンバーにします。
クラスタに追加するノードにOracle ClusterwareまたはOracleソフトウェアがインストールされていない場合は、次の5つの手順を実行する必要があります。これらの手順は、WindowsのOracle RAC環境がすでに稼働していることを前提としています。次の項で、手順の詳細を説明します。
すでにOracle ClusterwareおよびOracleソフトウェアで構成されているノードをクラスタに追加する場合は、「すでにOracle ClusterwareおよびOracle Databaseソフトウェアがインストールされているノードの追加」で説明する手順に従ってください。
関連項目: DBCAを使用してOracle RACデータベースを作成および削除する手順については、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。また、新規ノードへのASMインスタンスの追加の詳細は、「シングル・インスタンスまたはOracle RACデータベースを実行するノードへのASMの拡張」を参照してください。 |
クラスタに新規ノードを接続し、Oracle RACデータベースをサポートするように新規ノードを準備するには、次の手順を実行します。
新規ノードのハードウェアをクラスタのネットワーク・インフラストラクチャに接続します。この作業には、電気的な接続の確立、ネットワーク・インターコネクトの構成、共有ディスク・サブシステム接続の構成などが含まれます。この手順の詳細は、ハードウェア・ベンダーのマニュアルを参照してください。
Windowsの管理者として、クラスタの他のノード上のオペレーティング・システムと一致するオペレーティング・システムのクローン・イメージをインストールします。これには、すべての必要なサービス・パッチやドライバのインストールも含まれます。このプロセスの詳細は、ハードウェア・ベンダーのマニュアルを参照してください。
クラスタ検証ユーティリティ(Cluster Verification Utility: CVU)を使用して、次の手順でインストールを検査します。
既存ノードで、CRS_home
\bin
ディレクトリからCVUコマンドを実行して、ハードウェア設定後の段階におけるインストールを検査します。node_list
は、CVU操作の一部とするノードのカンマ区切りのリストです。次に例を示します。
cluvfy stage -post hwos -n node_list│all [-verbose]
新規ノードのハードウェアおよびオペレーティング・システムを構成した後、このコマンドを使用して、ローカル・ノードからすべてのノードへの到達可能性などを検査できます。また、このコマンドで、指定されたすべてのノードとローカル・ノードとの間のユーザー等価関係、指定されたすべてのノード間のノード接続性、指定されたすべてのノードからの共有記憶域へのアクセス可能性などを検査することもできます。
注意: -n 引数を付けたall オプションを使用できるのは、CV_NODE_ALL 変数を、CVUの処理対象とするノードのリストに設定している場合に限られます。 |
既存ノードで、CRS_home
\bin
ディレクトリからCVUコマンドを実行して、参照ノードのプロパティと、現在のクラスタ環境に含まれるその他のすべてのノードのプロパティとの詳細な比較情報を取得します。node
はノード、node_list
は追加するノードのリスト、orainventory_group
はOracleインベントリ・グループの名前、osdba_group
はDBAグループの名前です。
cluvfy comp peer [ -refnode node ] -n node_list [-r { 10gR1 │ 10gR2 } ] [ -orainv orainventory_group ] [ -osdba osdba_group ] [-verbose]
注意: 参照ノードについては、CVUによる比較を行う既存クラスタ・ノードからノードを選択します。たとえば、-n オプションで指定して新しく追加したノードなどです。 |
インストールが正しく構成されているか確認するために、次の手順を実行します。
新規ノードがプライベート・インターコネクトにアクセスできることを確認します。「手順2: Oracle ClusterwareレイヤーでのOracleソフトウェアの新規ノードへの拡張」の手順を実行する前に、このインターコネクトが正しく構成されている必要があります。
クラスタ・ファイル・システムを使用していない場合は、既存ノードでクラスタ・ソフトウェアがインストールされている位置を調べます。Oracle Clusterwareをインストールするために、それぞれの新規ノードについて同じ位置に250MB以上の空き領域があることを確認します。また、各新規ノードにOracleバイナリをインストールするため十分な空き領域があることも確認します。
Oracle Cluster Registry(OCR)と投票ディスクに、他のノードが使用するパスと同じパスを使用して新規ノードからアクセスできることを確認します。また、OCRと投票ディスク・デバイスは、既存ノードと同じ権限を持っている必要があります。
次の手順を実行して、ユーザー等価関係が新規ノードで確立されていることを確認します。
クラスタのすべての既存ノードから次のコマンドを実行できることを確認します。hostname
は、新規ノードのパブリック・ネットワーク名です。
NET USE \\hostname\C$
次の応答がある場合は、必要な管理者権限が付与されています。
Command completed successfully.
この項の手順を完了すると、新規ノードがクラスタに接続され、クラスタウェアが新規ノードを認識するため必要なソフトウェアが構成されます。「手順2: Oracle ClusterwareレイヤーでのOracleソフトウェアの新規ノードへの拡張」で説明するように、新規ノードにクラスタ・ソフトウェアを拡張し、新規ノードをクラスタのメンバーとして構成してください。
注意: Oracle Clusterwareのインストール後は、ホスト名を変更しないでください。この制限には、ドメイン修飾の追加と削除も含まれます。 |
次の項では、Oracle Universal Installerを使用してOracle ClusterwareレイヤーとOracle Databaseソフトウェア・レイヤーに新規ノードを追加する方法について説明します。Oracle Universal Installerは、手順1でインストールの検査の一部として確認したプライベート・インターコネクトに対するアクセスを必要とします。
いずれかの既存ノードでCRS_home
\oui\bin
ディレクトリに移動し、addnode.bat
スクリプトを実行してOracle Universal Installerを起動します。
Oracle Universal Installerがadd node
モードで起動し、Oracle Universal Installerの「ようこそ」ページが表示されます。「次へ」をクリックすると、「ノードを追加するクラスタ・ノードの指定」ページが表示されます。
「ノードを追加するクラスタ・ノードの指定」ページの上の表には、Oracle Clusterwareに関連付けられている既存ノード、プライベート・ノード名および仮想IP(VIP)アドレスが表示されます。下の表を使用して、新規ノードのパブリック・ノード名、プライベート・ノード名および仮想ホスト名を入力します。
「次へ」をクリックすると、Oracle Universal Installerが既存ノードと新規ノードで接続性を検査します。Oracle Universal Installerが実行する検査は次のとおりです。
ノードが起動しているか
ネットワークからノードにアクセスできるか
注意: 一部の既存ノードが停止している場合でも、この手順を続行することは可能です。ただし、それらのノードの起動後に、各ノードで次のコマンドを実行する必要があります。setup.exe -updateNodeList -local "CLUSTER_NODES={available_node_list}" ORACLE_HOME=CRS_home この操作は、 |
仮想ホスト名がネットワーク上ですでに使用されていないか
新規ノードにOracle Clusterwareホームを作成するための書込み権限がユーザーに付与されているか
C:\Program Files\Oracle\Inventory
ディレクトリのOracle Universal Installerインベントリへの書込み権限がユーザーに付与されているか
新規ノードにインベントリの位置が存在しないことがOracle Universal Installerによって検出された場合は、次の処理が実行されます。
レジストリ・キーのインベントリの位置がOracle Universal Installerによって自動的に更新されます。
いずれかの検査に失敗した場合、「ノードを追加するクラスタ・ノードの指定」ページが再表示され、両方の表の「ステータス」列にエラーが表示されます。エラーを解決するか、エラーのあるノードの選択を解除して、先に進みます。ただし、既存ノードの選択は解除できません。すでにクラスタの一部であるノードについては、問題を解決しないと、ノードの追加を続行できません。すべての検査に成功すると、「ノード追加のサマリー」ページが表示されます。
「ノード追加のサマリー」ページには、新規ノードに拡張するOracle Clusterwareホームにインストールされる製品を示す次の情報が表示されています。
ノード追加プロセスのソース(この場合はOracle Clusterwareホーム)
新規ノードについて入力したプライベート・ノード名
入力した新規ノード
新規ノード上の必須領域および使用可能領域
既存のOracle Clusterwareホームにすでにインストールされている製品のリスト
「次へ」をクリックすると、「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ページが表示されます。
「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ページには、クラスタ・ノード追加プロセスのステータスが表示されます。このページの表には、ノード追加プロセスのフェーズと各フェーズのステータスを示す次のような2つの列があります。
このページには、次の3つのOracle Universal Installerフェーズが表示されます。
Oracle Clusterwareホームを新規ノードにコピー: Oracle ClusterwareホームがOracle Cluster File Systemにある場合を除き、Oracle Clusterwareホームを新規ノードにコピーします。
Oracleホーム設定の実行: 新規ノードのレジストリ・エントリの更新、サービスの作成およびフォルダ・エントリの作成を実行します。
クラスタ・インベントリの保存: Oracle Clusterwareホームおよびそのインベントリと関連付けられたノード・リストを更新します。
「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ページの「ステータス」列には、フェーズの進行中は「処理中です」
、フェーズの実行が保留中は「停止中です」
、フェーズ完了後は「成功しました」
と表示されます。完了後に「終了」をクリックすると、Oracle Universal Installerセッションが終了します。ノード追加の終了ページが表示されたら、「終了」をクリックしてOracle Universal Installerセッションを終了します。
node1
のCRS_home
\install
から、crssetup.add.bat
スクリプトを実行します。
次のコマンドを使用して、すべての構成済ノード(既存ノードと新しく追加したノードの両方)におけるOracle Clusterware設定の統合検査を実行します。
cluvfy stage -post crsinst -n all [-verbose]
CVU -post
crsinst
ステージ・チェックによって、Oracle Clusterwareコンポーネントの整合性が検証されます。この項の手順に従い、Oracle Clusterwareレイヤーでノードの追加を完了すると、Oracle Clusterwareホームが既存のOracle Clusterwareホームから新規ノードに正しく拡張されたことになります。手順3に進み、新規ノードでOracle RACの記憶域を準備してください。
手順1から6のかわりに、次のようにしてaddnode.bat
をサイレント・モードで実行することもできます。nodeI
、nodeI+1
などは、追加対象の新規ノードです。
addnode.bat -silent "CLUSTER_NEW_NODES={nodeI,nodeI+1,…nodeI+n}" "CLUSTER_NEW_PRIVATE_NODE_NAMES={node-privI,node-privI+1,…node-privI+n}" "CLUSTER_NEW_VIRTUAL_HOSTNAMES={node-vipI,node-vipI+1,…,node-vipI+n}"
または、variable=value
というエントリをレスポンス・ファイルに記述したうえで、次のようにaddnode
を実行することもできます。
addnode.bat -silent -responseFile filename
コマンドラインの値は、常にレスポンス・ファイルの値に優先します。
関連項目: コマンドライン・レスポンス・ファイルの構成方法の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
ローカル・ノードまたはこの手順を実行しているノードで、crssetup.add.bat
を実行します。
この項の手順に従い、Oracle Clusterwareレイヤーでノードの追加を完了すると、Oracle Clusterwareホームが既存のOracle Clusterwareホームから新規ノードに正しく拡張されたことになります。「手順3: 新規ノードでの記憶域の準備」に進み、新規ノードでOracle RACの記憶域を準備してください。
既存のOracle RACデータベースを新規ノードに拡張するには、既存ノードのインスタンスによってすでに使用されている記憶域と記憶域タイプが同じになるように、新規ノードで追加される新規インスタンス用の共有記憶域を構成します。次のように、拡張するOracle RAC環境の他のノードで使用しているものと同じタイプの記憶域を、新規ノードで準備してください。
自動ストレージ管理(ASM)
ASMインスタンスはノードの追加時に暗黙的に作成されるため、追加したノードにASMをインストールする必要はありません。ASMを使用する場合は、新規ノードが既存ノードと同じ権限でASMディスクにアクセスできることを確認します。
Oracle Cluster File System(Oracle Cluster File System: OCFS)
Oracle Cluster File Systemを使用する場合、他のノードと同様に新規ノードからクラスタ・ファイル・システムにアクセスできることを確認します。
RAWデバイス記憶域
クラスタ・データベースがRAWデバイスを使用する場合、「新規ノードのRAWデバイス記憶域の準備」で説明する手順に従って、新しいRAWデバイスを準備します。
関連項目: Oracle Cluster File Systemの詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
Oracle Cluster File Systemを使用する場合は、次のコマンドを実行してクラスタ・ファイル・システムを検証し、詳細な出力を取得します。node_list
には、既存ノードおよび新規ノードが含まれます。
cluvfy comp ssa -n node_list -s storageID_list [-verbose]
新規ノードでRAWデバイス記憶域を準備するには、各新規インスタンスのREDOログを格納するために、少なくとも2つの新しいディスク・パーティションが必要です。これらのディスク・パーティションは、既存ノードのインスタンス用に構成したREDOログ・パーティションと同じサイズにしてください。また、自動UNDO管理のためにUNDO表領域の論理パーティションも追加作成します。RAWデバイス・マッピング・ファイルを作成し、そのRAWデバイス・マッピング・ファイルを指すようにDBCA_RAW_CONFIG
環境変数を設定することができます。
関連項目: RAWパーティションの構成方法およびRAWデバイス・マッピング・ファイルの使用方法の詳細は、Oracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
クラスタのいずれかの既存ノードから、次の手順を実行します。
拡張パーティションを作成または指定します。
拡張パーティションの未割当て部分を右クリックします。
「パーティション」メニューから「作成」を選択します。パーティションのサイズを入力するダイアログ・ボックスが表示されます。既存ノードで使用しているサイズと同じサイズを使用します。
新しく作成したパーティションをクリックし、「ツール」メニューから「ドライブ文字の割当て」を選択します。
ドライブ文字を割り当てないを選択し、「OK」をクリックします。
2番目以降のすべてのパーティションに対して手順2から5を繰り返します。
「パーティション」メニューから変更内容をただちにコミットを選択し、新しいパーティション情報を保存します。
新規ノードおよび既存ノードを有効にして、クラスタ上のすべてのパーティションを認識します。これを行うには、次の手順を実行して、既存ノードおよび新規ノードでパーティションが認識されるように論理名を作成します。
いずれかの既存ノードで、CRS_home
\bin
ディレクトリから次のコマンドを入力して、Object Link Manager(OLM)を起動します。
GUIOracleOBJManager
OLMが起動し、自動的にパーティションの論理名が検出されます。検出された論理名は、OLMのGraphical User Interfaceに表示されます。
前の項で作成したパーティションのディスク番号およびパーティション番号を確認します。OLMページでディスク番号およびパーティション番号を検索し、次のタスクを実行します。
新規リンク列の下にあるボックスの横を右クリックし、最初のパーティションの論理名を入力します。
2番目以降のすべてのパーティションに対して前の手順を繰り返します。
たとえば、Oracle RACデータベース名がdb
で、データベースが2つのノードで実行される2つのインスタンスで構成されている場合に、3番目のノードに3番目のインスタンスを追加するには、REDOログの論理名をdb
_redo3_1
、db
_redo3_2
などのようにする必要があります。
新規ノードのインスタンスの自動UNDO管理を有効にするには、前の項で作成したUNDO表領域のパーティションの論理名を入力します。たとえば、Oracle RACデータベース名がdb
で、2つのノードで実行される2つのインスタンスがデータベースにある場合に、3番目のノードに3番目のインスタンスを追加するには、UNDO表領域の論理名をdb
_undotbs3
にする必要があります。
「オプション」メニューから「コミット」を選択します。これにより、現行ノードに新しい論理名が作成されます。
「オプション」メニューから同期ノードを選択します。これにより、新規ノードを含むクラスタのすべてのノードで新しい論理名が認識されます。
「オプション」メニューから「終了」を選択し、Object Link Managerを終了します。
この項の手順を完了すると、新規ノードがOracleソフトウェアにアクセスできるようにクラスタ記憶域が構成されたことになります。既存ノードも、新規ノードおよびインスタンスにアクセスできるようになっています。
次のコマンドを実行して、すべての構成済クラスタ・ノードから、準備したRAWデバイス記憶域にアクセスできるかどうかを検査します。nodelist
は、既存ノードおよび新しく追加したノードです。
cluvfy comp ssa -n node_list -s storageID_list -verbose
次の項「手順4: Oracle Real Application Clustersデータベース・レイヤーでのノードの追加」に進みます。
Oracle RACデータベース・レイヤーでノードを追加するには、add
node
モードでOracle Universal Installerを実行し、新規ノードを構成します。複数のOracleホームがある場合は、新規ノードに含める各Oracleホームについて次の手順を実行します。
既存ノードでOracle_home
\oui\bin
からaddnode.bat
スクリプトを実行します。これによって、add
node
モードでOracle Universal Installerが起動され、Oracle Universal Installerの「ようこそ」ページが表示されます。「ようこそ」ページで「次へ」をクリックすると、「ノードを追加するクラスタ・ノードの指定」ページが表示されます。
「ノードを追加するクラスタ・ノードの指定」ページには、Oracle Universal Installerを起動したOracleホームに関連付けられている既存ノードを示す表があります。このページの下部には、追加できるノードを示すノードの選択表が表示されます。追加するノードを選択し、「次へ」をクリックします。
Oracle Universal Installerが、既存ノードと追加対象ノードの両方で接続性と可用性の検査を実行します。次の検査が実行されます。
ノードが起動しているか
ネットワークからノードにアクセスできるか
新規ノードにOracleホームを作成するための書込み権限がユーザーに付与されているか
既存ノードと新規ノードで、C:\Program Files\Oracle\Inventory
ディレクトリのOracle Universal Installerインベントリへの書込み権限がユーザーに付与されているか
新規ノードにインベントリが設定されていない場合は、インベントリの位置のレジストリ・エントリが自動的に更新されます。いずれかの他の検査に失敗した場合は、問題を解決するか、エラーのあるノードの選択を解除して先に進みます。既存ノードの選択を解除することはできません。まず、既存ノードでの問題をすべて解決してから、ノード追加を続行する必要があります。すべての検査に成功すると、「ノード追加のサマリー」ページが表示されます。
「ノード追加のサマリー」ページには、新規ノードに拡張するOracleホームにインストールされる製品に関する次の情報が表示されています。
ノード追加プロセスのソース(この場合はOracleホーム)
既存ノードおよび新規ノード
選択した新規ノード
新規ノード上の必須領域および使用可能領域
既存Oracleホームにすでにインストールされているすべての製品のリスト
「終了」をクリックすると、「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ページが表示されます。
「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ページには、クラスタ・ノード追加プロセスのステータスが表示されます。このページの表には、ノード追加プロセスのフェーズと各フェーズのステータスを示す2つの列があります。「クラスタ・ノード追加の進捗状況」には、次の3つのOracle Universal Installerフェーズが表示されます。
Oracleホームを新規ノードにコピー: Oracleホームがクラスタ・ファイル・システムにある場合を除き、Oracleホーム全体を新規ノードにコピーします。
Oracleホーム設定の実行: 新規ノードのレジストリ・エントリの更新、サービスの作成およびフォルダ・エントリの作成を実行します。
クラスタ・インベントリの保存: Oracleホームおよびそのインベントリと関連付けられたノード・リストを更新します。
「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ページの「ステータス」列には、フェーズ完了後は「成功しました」
、フェーズの進行中は「処理中です」
、フェーズの実行が保留中は
「停止中です」
と表示されます。ノード追加の終了ページが表示されたら、「終了」をクリックしてOracle Universal Installerセッションを終了します。
新規ノードからNet Configuration Assistant(NetCA)を実行し、「ノードの選択」ページで新規ノードのみを選択して、新規ノードにリスナーを追加します。
この項の手順を完了すると、クラスタ・データベース・レイヤーで新規ノードが定義されたことになります。ここで、手順5で説明するように、新規ノードに対してデータベース・インスタンスを追加できます。
手順1から6のかわりに、次のようにしてaddnode.bat
をサイレント・モードで実行することもできます。nodeI
、nodeI+1
などは、追加対象の新規ノードです。
addnode.bat -silent "CLUSTER_NEW_NODES={nodeI,nodeI+1,…nodeI+n}"
variable=value
のエントリは、レスポンス・ファイル(filename
)で指定することもできます。この場合、addnode
は次のように実行します。
addnode.bat -silent -responseFile filename
関連項目: コマンドライン・レスポンス・ファイルの構成方法の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
コマンドラインの値は、常にレスポンス・ファイルの値に優先します。次の項「手順5: 新規ノードに対するデータベース・インスタンスの追加」に進みます。
関連項目: NetCAの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
データベース・インスタンスの新規ノードへの追加には、Oracle Enterprise Manager、あるいは対話モードまたはサイレント・モードでDBCAを使用できます。Oracle Enterprise Managerを使用してターゲット・ノードにデータベース・インスタンスを追加する方法の詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。
次の項では、DBCAを使用したインスタンスの追加について説明します。
DBCAを使用して対話モードで新規ノードにデータベース・インスタンスを追加するには、次の手順を実行します。
システム・プロンプトでOracle_home
ディレクトリのbin
ディレクトリに移動し、dbca
と入力してDBCAを起動します。
DBCAにOracle RAC用の「ようこそ」ページが表示されます。DBCAの各ページで「ヘルプ」をクリックすると、追加情報を参照できます。
「Oracle Real Application Clustersデータベース」を選択し、「次へ」をクリックすると、「操作」ページが表示されます。
「インスタンスの追加」を選択して、「次へ」をクリックします。「クラスタ・データベースのリスト」ページが表示されます。このページには、データベースとその現行のステータス(「アクティブ」
や「非アクティブ」
など)が表示されます。
「クラスタ・データベースのリスト」ページで、インスタンスを追加するアクティブなOracle RACデータベースを選択します。SYSDBA
権限を持つデータベース・ユーザーのユーザー名およびパスワードを入力します。「次へ」をクリックすると、選択したOracle RACデータベースの既存のインスタンスの名前を示す「クラスタ・データベース・インスタンスのリスト」ページが表示されます。
「インスタンスの追加」ページで、DBCAに表示されるインスタンス名が既存のインスタンス名スキームと合致しない場合には、このページの一番上のフィールドにインスタンス名を入力します。リストから新規ノード名を選択し、「次へ」をクリックすると、「サービス」ページが表示されます。
新規ノードのインスタンスに関するサービス情報を入力し、「次へ」をクリックすると、「インスタンス記憶域」ページが表示されます。
RAWデバイスまたはRAWパーティションを使用している場合は、「インスタンス記憶域」ページで「表領域」フォルダを選択して展開します。UNDO表領域記憶域オブジェクトを選択すると、ダイアログ・ボックスが右側に表示されます。デフォルトのデータ・ファイル名を表領域用のRAWデバイス名に変更します。
RAWデバイスまたはRAWパーティションを使用している場合、またはデフォルトのREDOログ・グループ・ファイル名を変更したい場合は、「インスタンス記憶域」ページで「REDOログ・グループ」フォルダを選択して展開します。選択したREDOログ・グループ番号ごとに、別のダイアログ・ボックスが表示されます。「新規ノードのRAWデバイス記憶域の準備」で作成したRAWデバイス名を「ファイル名」フィールドに入力します。
クラスタ・ファイル・システムを使用している場合は、「インスタンス記憶域」ページで「終了」をクリックします。RAWデバイスを使用している場合は、他のすべてのREDOログ・グループについて手順10を繰り返します。「終了」をクリックすると、「サマリー」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「サマリー」ダイアログ・ボックスに表示された情報を確認し、「OK」をクリックするか、またはインスタンス追加操作を終了する場合は「取消」をクリックします。DBCAがインスタンス追加操作を実行中であることを示す進捗ダイアログ・ボックスが表示されます。DBCAによるインスタンス追加操作が終了すると、別の操作を実行するかどうかを尋ねるダイアログ・ボックスが表示されます。
DBCAセッションの終了後、次のコマンドを実行して、新規ノードに対する管理権限を検証し、それらの権限に関する詳細な情報を確認します。nodelistは、新しく追加したノードです。
cluvfy comp admprv -o db_config -d oracle_home -n nodelist [-verbose]
この項で説明した手順に従って新規ノードにインスタンスを追加したら、第4章「自動ワークロード管理の概要」で説明したように、必要なサービス構成手順を実行します。
DBCAのサイレント・モードを使用して、Oracle ClusterwareホームおよびOracleホームを拡張したノードにインスタンスを追加できます。この操作を実行するには、次の構文を使用します。node
はインスタンスの追加先となるノード、gdbname
はグローバル・データベース名、instname
は新規インスタンスの名前、sysdba
はSYSDBA
権限を持つOracleユーザーの名前、password
はsysdba
に指定したユーザーのパスワードです。
dbca -silent -addInstance -nodeList node -gdbName gdbname [-instanceName instname] -sysDBAUserName sysdba -sysDBAPassword password
インスタンス名を指定する必要があるのは、Oracle RACインスタンス名に関するOracleネーミング規則を使用せずにインスタンス名を指定する場合のみです。
この項の手順を完了すると、新規インスタンスが新規ノードに正常に追加され、次の手順が完了したことになります。
既存のインスタンスがASMを使用している場合、各新規ノードでのASMインスタンスの作成および起動
各新規ノードでの新規データベース・インスタンスの作成
高可用性コンポーネントの作成および構成
Oracle Net構成の作成
新規インスタンスの起動
サービス構成ページでサービス情報を入力した場合、サービスの作成および起動
この項で説明した手順に従って新規ノードにインスタンスを追加したら、第4章「自動ワークロード管理の概要」で説明したように、必要なサービス構成手順を実行します。
新規ノードにすでにOracle ClusterwareおよびOracle Databaseソフトウェアがインストールされている場合にクラスタにノードを追加するには、クラスタの既存ノード上にあるOracleソフトウェアを持つ新規ノードを構成する必要があります。
ノードを追加するには、次に示す2種類のOracle Universal Installerプロセスを実行する必要があります。1つは、クラスタウェア・レイヤーに対して、もう1つはデータベース・レイヤーに対して実行します。
次のコマンドを使用してOracle Universal Installerを実行し、Oracle Clusterwareレイヤーで新規ノードを追加します。
CRS_home
\oui\bin\addnode.bat -noCopy
次のコマンドを使用してOracleホームからOracle Universal Installerを実行し、Oracleソフトウェア・レイヤーで新規ノードを追加します。
Oracle_home\oui\bin\addnode.bat -noCopy
-noCopy
モードの場合、Oracle Universal Installerは、新規ノードへのソフトウェアのコピーを除くすべてのノード追加操作を実行します。
注意: ノード追加プロセスの終了後は、投票ディスクおよびOracle Cluster Registryファイルをバックアップすることをお薦めします。 |
この項では、手動による詳細な手順を使用してノードをクラスタから削除する方法を説明します。次の項で、手順の詳細を説明します。
この項では、対話モードまたはサイレント・モードでDBCAを使用してOracle RACデータベースからインスタンスを削除する方法について説明します。
Oracle Enterprise Managerを使用してターゲット・ノードからデータベース・インスタンスを削除するには、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。
対話モードでDBCAを使用してインスタンスを削除するには、次の手順を実行します。
削除するインスタンスを保持しているノード以外のノードで、DBCAを起動します。DBCAの「ようこそ」ページで「Oracle Real Application Clustersデータベース」を選択し、「次へ」をクリックすると、「操作」ページが表示されます。
「操作」ページで「インスタンス管理」を選択し、「次へ」をクリックすると、「インスタンス管理」ページが表示されます。
「インスタンス管理」ページで「インスタンスの削除」を選択し、「次へ」をクリックします。「クラスタ・データベースのリスト」ページが表示されます。
インスタンスを削除するOracle RACデータベースを選択します。SYSDBA
権限を持つデータベース・ユーザーのユーザー名およびパスワードを入力します。「次へ」をクリックすると、「クラスタ・データベース・インスタンスのリスト」ページが表示されます。この「クラスタ・データベース・インスタンスのリスト」ページには、選択したOracle RACデータベースに関連付けられたインスタンスと各インスタンスのステータスが表示されます。
削除するインスタンスを選択して、「終了」をクリックします。
「サマリー」ページでインスタンスの削除操作に関する情報を確認し、「OK」をクリックします。または、「取消」をクリックして、インスタンスの削除操作を取り消します。「OK」をクリックすると、「確認」ダイアログ・ボックスが表示されます。
インスタンス削除操作を続行するには、「確認」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。インスタンス削除操作が実行中であることを示す進捗ダイアログ・ボックスが表示されます。この操作の中で、DBCAはインスタンスとそのインスタンスのOracle Net構成を削除します。DBCAがインスタンスの削除操作を終了すると、別の操作を実行するかどうかを尋ねるダイアログ・ボックスが表示されます。
DBCAを終了する場合は「いいえ」を、別の操作を実行する場合は「はい」をクリックします。「はい」をクリックすると、「操作」ページが表示されます。
DBCAを使用してノードからデータベース・インスタンスを削除するには、次の構文を使用します。各変数の意味は、前述のインスタンス追加コマンドと同じです。
dbca -silent -deleteInstance [-nodeList node] -gdbName gdbname -instanceName instname -sysDBAUserName sysdba -sysDBAPassword password
ノード名を指定する必要があるのは、DBCAの実行元以外のノードからインスタンスを削除する場合のみです。
この時点で、次の作業が完了しています。
関連付けられたOracle Net Servicesリスナーからの選択されたインスタンスの登録解除
インスタンスの構成ノードからの選択されたデータベース・インスタンスの削除
Oracle Net構成の削除
インスタンスの構成ノードからのOracle Flexible Architectureディレクトリ構造の削除
WindowsシステムでOracleクラスタからノードを削除するには、次の手順を実行します。
削除対象でないノードで、次の手順を実行します。
DBCAを使用してインスタンスを削除します。
Net Configuration Assistant(NetCA)を使用してリスナーを削除します。
削除対象のノードで次の手順を実行します。
関連項目: NetCAの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
注意: 次の手順の一部は、サイレント・モードで実行できます。この項の末尾を参照してください。 |
削除対象のノードにASMインスタンスがある場合は、次の項(「手順3: ノード削除のためのASMインスタンスのクリーンアップ手順」)の手順を実行してASMインスタンスを削除します。
node2
などの削除対象のノードで次のコマンドを実行します。location
は、Oracleホームのフルパス位置です。
setup.exe -updateNodeList ORACLE_HOME=location
"CLUSTER_ NODES={node2}" -local
Oracleホームが共有か非共有かに応じて、次の2つの手順のいずれかを実行します。
非共有ホームの場合は、OracleホームからOracle Universal Installerを実行し、このホームを削除します。Oracle_home
\oui\bin
からsetup.exe
コマンドを実行してOracle Universal Installerを起動すると、Oracleホームを削除できます。
共有ホームの場合は、次の手順を実行します。
Oracle_home
\oui\bin
ディレクトリから次のコマンドを実行します。
setup.exe –detachHome ORACLE_HOME=Oracle_home
このOracleホームに関連付けられているサービスを削除します。
削除するOracleホームに関連付けられているエントリを削除して、PATH
環境変数を手動で更新します。
削除したOracleホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー・フォルダ項目を手動で削除します。
node1
で、または複数のノードがインストールされている場合は削除対象でないいずれかのノードで、Oracle_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行します。node_list
は、Oracle RACインストールの一部として残すノードのカンマ区切りのリストです。
setup.exe –updateNodeList ORACLE_HOME=Oracle_home "CLUSTER_NODES={node_list}" -local
任意の既存ノードで、CRS_home
\bin
から次のコマンドを実行します。remote_port
は、リモート・ポート番号です。
racgons remove_config node2:remote_port
ファイルCRS_home
\opmn\conf\ons.config
の内容を確認すると、リモート・ポートを特定できます。
node2
からノード・アプリケーションを停止および削除するには、SRVCTLを実行します。CRS_ home
\bin
から次のコマンドを実行します。
srvctl stop nodeapps –n node2 srvctl remove nodeapps –n node2
node1
、または削除対象でないいずれかのノードで、CRS_home
\bin
から次のコマンドを実行します。node_name
は削除対象のノード、node_number
は、olsnodes -n
コマンドの出力から取得したノードの番号です。
crssetup del –nn node_name,node_number
このノードまたは削除対象のノード(この例ではnode2
)で、CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行します。
setup.exe –updateNodeList ORACLE_HOME=CRS_home
"CLUSTER_NODES={node2}" CRS=TRUE –local
node2
で、CRS_home
\oui\bin
からOracle Universal Installer setup.exe
を使用して、次の手順を実行します。
非共有ホームの場合は、CRS_home
\oui\bin
からsetup.exe
スクリプトを実行して、Oracle Clusterwareのインストールを削除します。
共有ホームの場合は、削除を実行しないでください。かわりに、削除対象のノードで次の手順を実行します。
CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行して、node2
のOracle Clusterwareホームをデタッチします。
setup.exe –detachHome ORACLE_HOME=CRS_home
node2
で、このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべてのサービスを停止します。関連付けられているサービスは、OracleCRService
、OracleEVMService
、OracleCSService
およびOracleClusterVolumeService
です。
Oracleサービスを削除します。
このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー項目も手動で削除します。
このOracle Clusterwareホームに関連付けられているエントリを削除して、PATH
環境変数を手動で更新します。
次に、%SystemRoot%\System32\drivers
: ocfs.sys
、orafencedrv.sys
およびorafenceservice.sys
のファイルを削除します。
node1
で、または複数のノードがインストールされている場合は削除対象でないいずれかのノードで、CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行します。node_list
は、Oracle RACデータベースの一部として残すノードのカンマ区切りのリストです。
setup.exe –updateNodeList ORACLE_HOME=CRS_home "CLUSTER_NODES={node_list}" CRS=TRUE
この項で前述したように、Oracle Real Application Clustersデータベースからのノードの削除は、サイレント・モードで行うこともできます。そのためには、次の手順を実行します。
前の手順の1および2を実行します。
削除対象のノード(この場合はnode2
)で、次の手順を実行します。
非共有ホームの場合は、次のようにOracleホームを削除します。
setup.exe –silent -deinstall "REMOVE_HOMES={Oracle_home}"
共有ホームの場合は、削除を実行しないでください。かわりに、削除対象のノードで次の手順を実行します。
node2
のOracle_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行して、node2
でデタッチ・ホームを実行します。
setup.exe –detachHome –silent ORACLE_HOME=Oracle_home
node2で、このOracleホームに関連付けられているすべてのサービスを停止および削除します。また、このOracleホームに関連付けられているすべてのレジストリ・エントリおよびパス・エントリを削除します。このOracleホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー項目も削除します。
前の手順の4から8を実行します。
node2
で、CRS_home
\oui\bin
からOracle Universal Installer setup.exe
を使用して、次の手順を実行します。
非共有ホームの場合は、次のようにOracle Clusterwareホームを削除します。
setup.exe –silent -deinstall "REMOVE_HOMES={CRS_home}"
共有ホームの場合は、削除を実行しないでください。かわりに、削除対象のノードで次の手順を実行します。
CRS_home
\oui\bin
から次のコマンドを実行して、node2
のOracle Clusterwareホームをデタッチします。
setup.exe –detachHome –silent ORACLE_HOME=CRS_home
node2
で、このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべてのサービスを停止します。関連付けられているサービスは、OracleCRService
、OracleEVMService
、OracleCSService
およびOracleClusterVolumeService
です。
Oracleサービスを削除します。
このOracle Clusterwareホームに関連付けられているすべての「スタート」メニュー項目も手動で削除します。
このOracle Clusterwareホームに関連付けられているエントリを削除して、PATH
環境変数を手動で更新します。
次に、%SystemRoot%\System32\drivers
: ocfs.sys
、orafencedrv.sys
およびorafenceservice.sys
のファイルを削除します。
前の手順の10を実行します。
注意: ノード削除プロセスの終了後は、投票ディスクおよびOracle Cluster Registryファイルをバックアップすることをお薦めします。 |
ASMを使用している場合、ASMインスタンスを削除するには、ノード削除手順に次の手順を追加する必要があります。
ノード固有のリスナーLISTENER_
nodename
がこのOracleホームから実行されている場合は、NetCAを使用してそのリスナーを削除します。必要に応じて、このリスナーを別のホームに再作成します。
関連項目: NetCAの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
OracleホームでASMインスタンスが実行される場合は、このOracleホームが存在するすべてのノードに対して次のコマンドを実行してASM構成を削除します。
srvctl stop asm -n node
次に、削除対象のノードに対して次のコマンドを実行します。
srvctl remove asm -n node
ASMインスタンスがある削除対象の各ノード上で次のコマンドを実行します。
oradim -delete -asmsid +ASMnode_number
ASM Oracleホームにクラスタ・ファイル・システムを使用していない場合は、削除したノードで次のコマンドを実行します。
rd /s /q ORACLE_BASE\admin\+ASM del Oracle_home\database\*ASM*