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Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1) for Microsoft Windows and UNIX Systems
E05707-05
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1 Oracle Universal Installerの概要

この章は、Oracleソフトウェアをインストールする開発者、管理者およびその他すべてのユーザーが、Oracle Universal Installerのシステム要件、機能および主要な概念を理解できるようにすることを目的としています。

この章の内容は次のとおりです。

システム要件

Oracle Universal Installerの最小システム要件は次のとおりです。

主要な機能

Oracle Universal Installer 11gリリース1(11.1)には次の機能があります。

ユーティリティ

Oracleには、ソフトウェアをデプロイするための2つのユーティリティが用意されています。

Oracle Universal Installer

Oracle Universal Installer 11gリリース1(11.1)は、CDまたはステージング先のHTTPの場所からOracleコンポーネントをインストールできるJavaベースのインストーラです。コンポーネントベースのインストールの他に、統合されたバンドルやスイートのインストール、Web上でのインストールなど、複雑なインストールを実行します。

OPatch

OPatchはOracleが提供するユーティリティであり、Oracleのソフトウェアに個別パッチを適用するプロセスを支援します。OPatch 11.1はJavaベースのユーティリティで、OUIベースのOracleホームまたはスタンドアロンのホームで実行できます。Oracleがソフトウェアをリリースする対象のすべてのオペレーティング・システムで動作します。OPatchの詳細は、第7章「OPatchを使用したOracleソフトウェアへのパッチの適用」を参照してください。

ユーティリティで実行されるアクション

Oracle Universal InstallerおよびOPatchは、次のアクティビティを実行します。

インストール

インストールは、リリースまたはステージング領域から製品を選択し、それらをターゲット・ディレクトリにデプロイするプロセスです。インストールには4つのモードがあります。各モードについては、「インストールのモード」で説明します。

削除

削除は、インストールした製品をインストール領域から削除するプロセスです。削除は、取消し、再開またはロールバックできます。対話的に、またはサイレントで実行できます。

クローニング

クローニングは、構成を保持したまま既存のインストールを別の場所にコピーするプロセスです。クローニングを使用して、Oracle製品の複数のコピーを異なるコンピュータにインストールできます。クローニングの際には、Oracle Universal Installerがクローン・モードで起動し、ホームをターゲットの環境に適応させます。クローン・モードのOracle Universal Installerは、元のOracleホームのインストール時に実行されたすべてのアクションを再現します。インストールとクローニングの違いは、クローニングの場合はOracle Universal Installerのアクションがクローン・モードで実行されることです。各アクションにより、クローン時の処理が決まります。クローニングの詳細は、第6章「Oracleソフトウェアのクローニング」を参照してください。

パッチの適用

パッチの適用時には、ファイルの小さな集合が既存のインストールにコピーされ、特定の不具合が修正されます。OPatchはOracleが提供しているユーティリティであり、Oracleソフトウェアへのパッチの適用を容易にします。OPatchの詳細は、第7章「OPatchを使用したOracleソフトウェアへのパッチの適用」を参照してください。

アップグレードおよびパッチ・セット

Oracle Universal Installerにより、製品をあるバージョンから別のバージョンにアップグレードできます。アップグレードとは、メジャーな製品拡張であり、多くの場合、アップグレードされたソフトウェアのインストールが必要になります。たとえば、Oracle Database 10gリリース2(10.2)をOracle Database 11gリリース1(11.1)に変換する場合、これをアップグレードと呼びます。

パッチ・セットはパッチのグループで構成されます。たとえば、Oracle Database 11gリリース1(11.1)をリリース11.1.1からリリース11.1.2に変換する場合、これをパッチ・セットの適用と呼びます。

ノードの追加

Oracleホームは、クラスタ内の複数のノードにインストールできます。Oracle Universal Installerの-addNodeフラグを使用して、特定のOracleホームのクラスタを拡張できます。Oracleホームに複数のノードを追加できます。-addNodeフラグを指定したOracle Universal Installerは、追加されるノードではなく常にローカル・ノードで実行されます。ノードの追加がOracle ClusterwareレイヤーとReal Application Clustersデータベース・レイヤーのどちらで実行されるかに応じて、Oracle ClusterwareノードまたはReal Application Clustersノードにノードを追加できます。$OH/oui/bin/addNode.shを使用してノードを追加できます。

ノードの追加の詳細は、「クラスタ環境のインストール」を参照してください。

インベントリ操作

Oracle Universal Installerでは、次のインベントリ操作がサポートされます。

Oracleホームのアタッチ

Oracle Universal Installerでは、-attachHomeフラグを使用し、Oracleホームをインベントリにアタッチしてセントラル・インベントリを設定するか、セントラル・インベントリに既存のOracleホームを登録します。Oracleホームおよび出荷ホームからattachHome.sh(bat)を使用できます。

詳細は、「セントラル・インベントリの作成」を参照してください。

Oracleホームのデタッチ

Oracle Universal Installerでは、-detachHomeフラグを使用して、セントラル・インベントリからOracleホームを削除します。OracleホームからdetachHome.sh(bat)を使用できます。

詳細は、「セントラル・インベントリからのOracleホームのデタッチ」を参照してください。

ノード・リストの更新

Oracle Universal Installerでは、-updateNodeListフラグを使用して、ノードのリストを取得し、inventory.xmlファイルを更新します。CRSフラグがTRUEに設定されている場合、oraclehomeproperties.xmlファイルはOracle Clusterwareホーム情報を使用して更新されます。

詳細は、「クラスタのノードの更新」を参照してください。

作成される主要なエンティティ

Oracle Universal Installerの実行時に次の主要なエンティティが作成されます。

インベントリ

製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、Oracle Universal Installerインベントリには、ホスト上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。インベントリは次のもので構成されます。

  • セントラル・インベントリ

  • Oracleホーム・インベントリ

インベントリの詳細および構造は、「Oracle Universal Installerインベントリ」を参照してください。

Oracleホーム

Oracleホームは、Oracle製品が実行されるシステム・コンテキストです。このコンテキストは次のもので構成されます。

  • 製品がインストールされたディレクトリの場所

  • 対応するシステム・パス設定

  • そのホームにインストール済の製品に関連付けられているプログラム・グループ(該当する場合)

  • そのホームから実行されているサービス

Oracleホームの詳細は、第2章「Oracleホームの管理」を参照してください。

インストールのモード

Oracle Universal Installerは、次のモードで実行できます。

対話モード

対話モードを使用して、ダイアログで要求された情報を入力することでインストールを実行できます。この方法は、少数のホストで少数の製品を異なる設定でインストールする場合に便利です。

抑止対話モード

このモードを使用して、レスポンス・ファイルまたはコマンドライン・エントリを特定の対話型ダイアログと組み合せて使用することで、必要な情報を指定できます。インストールの際、手動での入力が必要なカスタム情報に加えて、レスポンス・ファイルで取得できるパラメータの共通セットがある場合は、この方法が便利です。

サイレント・モード

このモードを使用して、Graphical User Interface(GUI)を省略し、必要な情報をレスポンス・ファイルで指定できます。この方法は、複数のホストに同じ製品を複数回インストールする場合に便利です。レスポンス・ファイルを使用して、インストール・パラメータがわかっている製品のインストールを自動化することもできます。

サイレント・インストールの詳細は、第3章「レスポンス・ファイルのカスタマイズおよび作成」を参照してください。

クラスタ・モード

クラスタ・インストールでは、Oracle Universal Installerを使用して、ネットワーク・アクセスが可能でOracle Clusterwareによりバインドされているクラスタのノードにソフトウェアをインストールします。Oracle Universal Installerを使用して、製品をインストールするOracleホームを拡張し、クラスタ上の追加ノードを含めることができます。クラスタ・インストールではOracle Clusterwareをインストールする必要があります。

クラスタ・インストールの詳細は、第5章「クラスタ環境のインストール」を参照してください。