Oracle Database Gatewayインストレーションおよび構成ガイド 11gリリース1(11.1) for AIX 5L Based Systems(64-bit), HP-UX PA-RISC(64-bit), HP-UX Itanium, Solaris Operating System (SPARC 64-bit), Linux x86, and Linux x86-64 E05708-01 |
|
![]() 戻る |
![]() 次へ |
この付録では、レスポンス・ファイルを使用してOracle製品をインストールおよび構成する方法について説明します。この付録の内容は次のとおりです。
Oracle Universal Installerの起動時にレスポンス・ファイルを指定することで、Oracleソフトウェアのインストールおよび構成の全部または一部を自動化できます。Oracle Universal Installerは、レスポンス・ファイル内に含まれる値を使用して、次のようにOracle Universal Installerのプロンプトの一部または全部に応答します。
レスポンス・ファイルにすべてのプロンプトに対する応答を含め、Oracle Universal Installerの起動時に-silent
オプションを指定すると、Oracle Universal Installerはサイレント・モードで実行されます。サイレント・モードによるインストール中は、Oracle Universal Installerの画面は一切表示されません。かわりに、Oracle Universal Installerの起動時に使用した端末に進捗情報が表示されます。
レスポンス・ファイルにプロンプトの一部または全部に対する応答を含め、-silent
オプションを省略すると、Oracle Universal Installerは抑止モードで実行されます。抑止モードによるインストール中は、Oracle Universal Installerにより、必要な情報をすべて指定しなかった画面のみが表示されます。レスポンス・ファイルの変数またはコマンドライン・オプションを使用して、情報を入力する必要のない「ようこそ」画面や「サマリー」画面などの他のインストーラ画面も抑止できます。
次の表で、サイレント・モードまたは抑止モードでOracle Universal Installerを実行する場合のいくつかの理由について説明します。
モード | 使用する場合 |
---|---|
サイレント | 次の場合はサイレント・モードを使用します。
Oracle Universal Installerの起動時に使用した端末に進捗情報が表示されますが、Oracle Universal Installerの画面は一切表示されません。 |
抑止 | 抑止モードは、Oracle Universal Installerのプロンプトの全部ではなく一部にデフォルトの応答を指定して、複数のシステムに同様のOracleソフトウェア・インストールを行う場合に使用します。
特定のインストーラ画面に必要な情報をレスポンス・ファイルに指定しないと、Oracle Universal Installerによりその画面が表示されます。必要な情報がすべて提供されている画面は、抑止されます。 |
Oracle Universal Installerをサイレント・モードまたは抑止モードで使用してOracle製品をインストールする場合、oraInst.loc
ファイルがまだ存在しなければ手動で作成する必要があります。このファイルでは、Oracleインベントリ・ディレクトリの場所を指定します。Oracle Universal Installerは、システムにインストールされるOracle製品のインベントリをこのディレクトリに作成します。
注意: 以前にシステムにOracleソフトウェアをインストールしたことがある場合、通常、oraInst.loc ファイルはすでに存在します。ファイルが存在する場合、改めて作成する必要はありません。 |
oraInst.loc
ファイルを作成するには、次の手順を実行します。
ユーザーをrootに変更します。
HP-UX PA-RISCおよびSolaris(SPARC)では、/var/opt/oracleディレクトリを作成します(存在しない場合)。
# mkdir /var/opt/oracle
オペレーティング・システムに応じて、次のようにディレクトリを変更します。
AIX:
# cd /etc
HP-UX PA-RISCおよびSolaris(SPARC):
# cd /var/opt/oracle
次のコマンドを入力し、oraInst.loc
ファイルに対して適切な所有者、グループおよび権限を設定します。
# chown oracle:oinstall oraInst.loc # chmod 664 oraInst.loc
この項では、サイレント・モードまたは抑止モードによるインストール時に使用されるレスポンス・ファイルの準備方法について説明します。
Oracleには、製品およびインストール・タイプごと、および構成ツールごとにレスポンス・ファイル・テンプレートが付属します。Oracle Gatewayのレスポンス・ファイルtg.rsp
およびnetca.rsp
は、メディアのresponse
ディレクトリにあります。
注意: ハード・ディスクにソフトウェアをコピーしている場合、レスポンス・ファイルはDisk1/response ディレクトリにあります。 |
レスポンス・ファイルを準備するには、次の手順を実行します。
レスポンス・ファイル・ディレクトリから使用しているシステムのディレクトリにレスポンス・ファイルをコピーします。
$ cp /directory_path
/response/response_file.rsp local_directory
この例では、directory_path
がCD-ROMのマウント・ポイント・ディレクトリまたはDVDのディレクトリです。ハード・ディスクにソフトウェアをコピーしている場合、必要に応じてresponse
ディレクトリのファイルを編集できます。
テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。
$ vi /local_dir
/response_file.rsp
ファイル内の指示に従い、ファイルを編集します。
注意: レスポンス・ファイルを正しく構成しないと、Oracle Universal Installerまたはコンフィギュレーション・アシスタントは失敗します。サイレント・モードによるインストールが失敗した場合のトラブルシューティングの詳細は、「サイレント・モードのレスポンス・ファイルのエラー処理」を参照してください。 |
ファイルに対する権限を700に変更します。
$ chmod 700 /local_dir/response_file.rsp
この方法は、カスタム・インストールまたはソフトウェアのみのインストールに対して非常に効果的です。
Oracle Universal Installerを対話型モードで使用してレスポンス・ファイルを記録し、そのファイルを編集してサイレント・モードまたは抑止モードによるインストールを実行するのに使用できます。レスポンス・ファイルを記録する場合、そのままインストールを完了するか、システムへのソフトウェアのコピーが始まる前に「サマリー」ページでOracle Universal Installerを終了することができます。
新規レスポンス・ファイルを記録するには、次の手順を実行します。
各章に記載されているインストール前のタスクを完了します。
Oracle Universal Installerを実行してレスポンス・ファイルを記録する場合、ソフトウェアのインストール要件が満たされているかどうかを確認するためにシステムがチェックされます。そのため、必要なインストール前のタスクをすべて完了し、インストールを完了させてレスポンス・ファイルを記録することをお薦めします。
現在のシステムに以前にOracleソフトウェアをインストールしたことがない場合、前述の項の手順に従ってoraInst.loc
ファイルを作成します。
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle
)が、Oracle Universal Installerの実行時に指定するOracleホームのパスに対する作成または書込み権限を持っていることを確認します。
レスポンス・ファイルを記録するため、次のようなコマンドを入力してOracle Universal Installerを起動します。
注意: レスポンス・ファイルの相対パスを指定しないでください。相対パスを指定すると、Oracle Universal Installerの実行に失敗します。 |
$ /directory_path/runInstaller -record -destinationFile filename
この例のパラメータの意味は、次のとおりです。
各インストーラ画面で、必要な情報を指定します。
Oracle Universal Installerにより「サマリー」画面が表示されたら、次のいずれかを実行します。
「インストール」をクリックしてレスポンス・ファイルを作成し、インストールを続行します。
「取消」→「はい」をクリックしてレスポンス・ファイルを作成しますが、ソフトウェアはインストールせずにOracle Universal Installerを終了します。
レスポンス・ファイルは、-destinationFile
オプションを使用して指定された場所に保存されます。
インストールを完了しなかった場合、Oracleホーム・ディレクトリを削除します(このディレクトリは、Oracle Universal Installerが「ファイルの場所の指定」画面に指定されたパスを使用して作成したものです)。
記録したレスポンス・ファイルを別のシステムで使用する前に、テキスト・エディタを使用してファイルを編集し、必要な変更を加えます。
編集時には、ファイル内のコメントをガイドとして使用してください。
サイレント・モードまたは抑止モードでOracle Universal Installerを実行するには、次の手順を実行します。
各章に記載されているインストール前のタスクを完了します。
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle
)としてログインします。
サイレント・モードまたは抑止モードでOracle Universal Installerを起動するため、次のようなコマンドを入力します。
$ $ /directory_path/runInstaller -silent -noconfig -responseFile filename
注意: レスポンス・ファイルの相対パスを指定しないでください。相対パスを指定すると、Oracle Universal Installerの実行に失敗します。 |
この例のパラメータの意味は、次のとおりです。
directory_path
は、インストール・メディアのマウント・ポイント・ディレクトリ、DVDのディレクトリのパス、またはハード・ディスク上のDisk1
ディレクトリのパスです。
-noconfig
は、インストール時のコンフィギュレーション・アシスタントの実行を抑止します(かわりにソフトウェアのみのインストールが実行されます)。
filename
は、構成済のインストール・レスポンス・ファイルのフルパスと名前です。
注意: runInstaller コマンドの他のオプションの詳細を確認するには、次のコマンドを入力してください。
$ /directory_path/runInstaller -help
|