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Oracle Database Gateway for WebSphere MQインストレーションおよびユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
E05710-01
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C ゲートウェイ初期化パラメータ

ゲートウェイは、この付録で説明する独自の初期化パラメータを持ち、Oracle Database Gatewayの初期化パラメータをサポートします。

この付録の内容は次のとおりです。

C.1 ゲートウェイ初期化ファイル

ゲートウェイ初期化ファイルは、initsid.oraと呼ばれます。デフォルト初期化ファイルは、Oracle Database Gateway for WebSphere MQのインストール中、Microsoft WindowsではORACLE_HOME\dg4mq\adminディレクトリおよびUNIXベース・システムではORACLE_HOME/dg4mq/adminディレクトリに作成されます。

C.2 ゲートウェイ・パラメータ

この項では、ゲートウェイ・パラメータ、デフォルト値のリスト、値の範囲および使用方法の構文を説明します。この項で説明するパラメータは、次のとおりです。

C.2.1 LOG_DESTINATION

次の表では、LOG_DESTINATIONパラメータについて説明します。

LOG_DESTINATION 使用方法
構文 LOG_DESTINATION = log_file
デフォルト値 SID_agt_PID.trc(PIDは、ゲートウェイのプロセスID)
値の範囲 なし

LOG_DESTINATIONは、ゲートウェイ・ログ・ファイルのフルパス名を指定します。

C.2.2 AUTHORIZATION_MODEL

次の表では、AUTHORIZATION_MODELパラメータの使用方法について説明します。

AUTHORIZATION_MODEL 使用方法
構文 AUTHORIZATION_MODEL = {RELAXED|STRICT}
デフォルト値 RELAXED
値の範囲 RELAXEDまたはSTRICT

AUTHORIZATION_MODELは、ゲートウェイ・ユーザーの認可モデルを定義します。Relaxedモデルは、ゲートウェイの有効なユーザーIDに対してキュー・マネージャから付与される認可を、Oracleアプリケーションが持つただ1つの関連付けとして指定します。

Strictモデルは、OracleユーザーIDおよびパスワード(データベース・リンクの作成時に指定される)、または現行のユーザーIDおよびパスワード(OracleユーザーIDおよびパスワードが指定されていない場合)で、ローカルまたはネットワーク・パスワード・ファイルをチェックするかを指定します。

有効なユーザーIDの詳細は、「セキュリティ・モデル」を参照してください。

C.2.3 QUEUE_MANAGER

次の表では、QUEUE_MANAGERパラメータについて説明します。

QUEUE_MANAGER 使用方法
構文 QUEUE_MANAGER = manager_name
デフォルト値 なし
値の範囲 なし

必須パラメータQUEUE_MANAGERは、ゲートウェイがログイン時に接続するキュー・マネージャの名前を指定します。ゲートウェイの有効なユーザーIDは、正しいユーザー権限が付与されるか、このキュー・マネージャへの接続が認可される必要があります。次のルールに従い、manager_nameを指定してください。

  • 長さ1〜48文字の英数字

  • 先行または埋込み空白文字の不可

  • 後続空白文字の許可

有効なユーザーIDの詳細は、「セキュリティ・モデル」を参照してください。

C.2.4 TRACE_LEVEL

次の表では、TRACE_LEVELパラメータについて説明します。

TRACE_LEVEL 使用方法
構文 TRACE_LEVEL = level
デフォルト値 0
値の範囲 07

TRACE_LEVELは、ゲートウェイ実行時に、トレース情報を収集するかどうかを制御します。情報を収集するように設定されると、トレース・データが、LOG_DESTINATIONパラメータで指定されるログ・ファイルに書き込まれます。levelを、必要なトレース値の合計である03の整数に指定してください。次の表では、これらの値の意味について説明します。

トレース・レベル 説明
0 トレースの実行を指定しません。
1 一般的なトレースの実行を指定します。これには、WebSphere MQキュー・マネージャへのログインに使用されるユーザーID、キュー・マネージャの名前、ゲートウェイ・トランザクション・モード、セキュリティ・モードなどが含まれます。
2 ゲートウェイにより発行されるMQIコールに対するトレースの実行を指定します。
3 ゲートウェイにより発行されるMQIコールに渡される、またはMQIコールから受け取るすべてのパラメータに対するトレースの実行を指定します。


関連項目:

MQIコールの詳細は、IBMのドキュメントを参照してください。

C.2.5 TRANSACTION_LOG_QUEUE

次の表では、TRANSACTION_LOG_QUEUEパラメータの使用方法について説明します。

TRANSACTION_LOG_QUEUE 説明
構文 TRANSACTION_LOG_QUEUE = tx_queue_name
デフォルト値 なし
値の範囲 なし

TRANSACTION_LOG_QUEUEは、ロギング・トランザクションIDのキュー名を指定します。次のルールに従い、tx_queue_nameを指定してください。

  • 長さ1〜48文字の英数字

  • 先行または埋込み空白文字の不可

  • 後続空白文字の許可

詳細は、「トランザクション・ログ・キューの作成」を参照してください。

C.2.6 TRANSACTION_MODEL

次の表では、TRANSACTION_MODELの使用方法について説明します。

TRANSACTION_MODEL 説明
構文 TRANSACTION_MODEL = {COMMIT_CONFIRM|SINGLE_SITE}
デフォルト値 SINGLE_SITE
値の範囲 COMMIT_CONFIRMまたはSINGLE_SITE

TRANZACTION_MODELは、ゲートウェイのトランザクション・モードを定義します。次の表の説明に従い、TRANSACTION_MODELの値を指定してください。

項目 説明
COMMIT_CONFIRM 同一のWebSphere MQキュー・マネージャに所属するキューが更新された場合に、ゲートウェイがトランザクションに参加するように指定します。同時に、Oracleデータベースはいくつでも更新されます。ゲートウェイがトランザクションの中心として操作するため、コミット確認モデルの1つのゲートウェイのみが分散トランザクションに参加できます。

この値が指定される場合、RECOVERY_USERRECOVERY_PASSWORDおよびTRANSACTION_LOG_QUEUEパラメータも指定する必要があります。

SINGLE_SITE 同一のWebSphere MQキュー・マネージャに所属するキューが更新された場合にのみ、ゲートウェイがトランザクションに参加するように指定します。Oracleアプリケーションは、WebSphere MQにアクセスする同一トランザクション内のOracleデータベース上のデータを選択できますが、更新できません。

C.2.7 TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORD

次の表では、TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORDパラメータについて説明します。

TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORD 説明
デフォルト値 *
値の範囲 パラメータを暗号化する必要があることを示すアスタリスク(*)、またはいずれかの有効なパスワード
構文 TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORD = rec_password

または

TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORD = *


TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORDは、トランザクションのリカバリを開始する際にゲートウェイが使用するユーザーのパスワードを指定します。デフォルト値は、アスタリスク(*)に設定され、このアスタリスクは、パラメータ値が個別のパスワード・ファイルに暗号化されて格納されていることを示します。暗号化されたゲートウェイ・パスワードを指定または変更するには、dg4pwdゲートウェイ・ユーティリティを使用して作業します。詳細は、「dg4pwdユーティリティの使用方法」を参照してください。

TRANSACTION_MODELCOMMIT_CONFIRMに設定されている場合にのみ、TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORDパラメータが必要です。詳細は、「トランザクション・ログ・キューの作成」を参照してください。

ゲートウェイ初期化ファイル内のパスワード

ゲートウェイは、ユーザーIDおよびパスワードを使用して、WebSphere MQサーバー上のリモート・データベースにある情報にアクセスします。ユーザーIDおよびパスワードは、リソース・リカバリなどの機能を処理するために、ゲートウェイ初期化ファイルで定義される場合があります。セキュリティを意識した環境では、プレーン・テキスト・パスワードが初期化ファイルでアクセス可能な場合、これらのパスは安全ではないとみなされます。新しい暗号化機能がゲートウェイに追加されたため、そのようなパスワードがより保護されています。dg4pwdユーティリティを使用して、通常、ゲートウェイ初期化ファイルに格納されるパスワードを暗号化できます。この機能の使用はオプションですが、使用することを強くお薦めします。この機能を使用すると、パスワードは初期化ファイルに格納されず、パスワード・ファイルに暗号化された形式で格納されます。これにより、パスワード情報がより保護されます。次の項で、この機能の使用方法を説明します。

dg4pwdユーティリティの使用方法

dg4pwdユーティリティは、通常、ゲートウェイ初期化ファイルに格納されるパスワードを暗号化するために使用されます。ユーティリティは、初期化ファイルを読み取って作用し、特別な値を持つパラメータを検索します。値は、アスタリスク(*)です。アスタリスクは、このパラメータの値が別のファイルに暗号化された形式で格納されていることを示します。次のサンプルは、この値と初期化ファイルのセクションです。

TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORD = *

初期化ファイルは、まず、パラメータの値をアスタリスク(*)に設定するように編集されます。次に、dg4pwdユーティリティが実行され、ゲートウェイSIDをコマンドライン上に指定します。ユーティリティは初期化ファイルを読み取り、ユーザーに暗号化される値を入力するように求めます。

次にこのコマンドの構文を示します。

dg4pwd gateway_sid

このコマンドでは、gateway_sidはゲートウェイのSIDです。

次の例では、ゲートウェイIDがdg4mqsであると仮定します。

% dg4pwd dg4mqs
ORACLE Gateway Password Utility (dg4mqseries) Constructing password file for
Gateway SID dg4mqs
Enter the value for TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORD
welcome
%

この例では、TRANSACTION_RECOVERY_PASSWORDパラメータが、暗号化を必要していると識別されます。ユーザーは、値を入力し(たとえば、welcomeなど)、[Enter]キーを押します。暗号化が必要なパラメータがまだある場合、その値を求められます。暗号化されたデータは、Microsoftではdg4mq\adminディレクトリおよびUNIXベース・システムではdg4mq/adminディレクトリに格納されます。


注意:

ORACLE_HOME環境変数が正しいゲートウェイ・ホームを指定することで、正しいゲートウェイ初期化ファイルが読み取られます。

C.2.8 TRANSACTION_RECOVERY_USER

次の表では、TRANSACTION_RECOVERY_USERパラメータの使用方法について説明します。

項目 説明
構文 TRANSACTION_RECOVERY_USER = rec_user
デフォルト値 なし
値の範囲 WebSphere MQ Manager(MQM)により認可された、いずれかの有効なオペレーティング・システム・ユーザーID

TRANSACTION_RECOVERY_USERは、トランザクションのリカバリを開始する際にゲートウェイが使用するユーザー名を指定します。これは、AUTHORIZATION_MODELSTRICTに設定され、TRANSACTION_MODELCOMMIT_CONFIRMに設定されている場合にのみ必要です。詳細は、「トランザクション・ログ・キューの作成」を参照してください。