この章では、Oracle Database Gateway for WebSphere MQの基本的な概要およびインストール前の手順について説明します。この章の内容は次のとおりです。
Oracle Database Gateway for WebSphere MQのインストール前のタスクは、次の部分に分けられます。
次の手順に従って、WebSphere MQソフトウェアを確認します。
WebSphere MQキュー・マネージャが実行されている場所を特定します。
ローカル・システム
WebSphere MQキュー・マネージャがローカル・システム上で実行されている場合、キュー・マネージャは、ゲートウェイ製品セットをインストールする同一システム上で実行されます。
リモート・システム
WebSphere MQキュー・マネージャがリモート・システム上で実行されている場合、キュー・マネージャは、ゲートウェイ製品セットをインストールするシステムではない、別のシステム上で実行されます。
WebSphere MQがすでにインストールされていることを検証します。WebSphere MQサーバー・ソフトウェアがゲートウェイと別のシステム上にインストールされている場合、ゲートウェイ・システム上にWebSphere MQクライアント・ソフトウェアをインストールする必要があります。
WebSphere MQキュー・マネージャの名前を識別します。
WebSphere MQクライアント・チャネル定義を識別します。
キュー・マネージャがゲートウェイと別のシステム上にインストールされている場合、WebSphere MQクライアント・ソフトウェアを使用して、リモートのキュー・マネージャにアクセスします。この公正には、チャネル定義が必要です。
Oracle Database Gateway for WebSphere MQをUNIXプラットフォームにインストールする前に、次の環境変数を設定します。
ORACLE_HOME
ORACLE_SID
DISPLAY
TMP
注意: この項でリストした環境変数に割り当てる値の長さが、42文字よりも短いことを検証してください。値が長いと、文字列が長すぎるなどのエラーがインストール中に発生します。 |
ORACLE_HOME
は、Oracleソフトウェアがインストールされているルート・ディレクトリです。
Oracle Database Gateway for WebSphere MQは、他のOracle製品と同一のOracle Homeディレクトリを共有できません。他のOracle製品をインストールしている場合、Oracle Database Gateway for WebSphere MQを別のORACLE_HOME
ディレクトリにインストールしてください。「ORACLE_HOMEディレクトリ間の競合の回避」を参照してください。
注意: データベースを含む他のOracle製品がインストールされているORACLE_HOME ディレクトリに、Oracle Database Gateway for WebSphere MQをインストールしないでください。そのようなインストールをすると共有コンポーネントが上書きされ、製品が正常に動作しません。 |
既存のORACLE_HOME
ディレクトリ内のソフトウェアとOracle Database Gateway for WebSphere MQとの間の競合を回避するには、既存のORACLE_HOME
ディレクトリに対する参照をすべて削除する必要があります。次に、これらの参照を削除する手順を示します。
次のコマンドのいずれかを使用して、既存のORACLE_HOME
変数の設定を解除します。
既存のORACLE_HOME
の値を使用しないように、次の環境変数を編集します。
表4-1 新しいORACLE_HOMEディレクトリの環境変数の設定
環境変数 | プラットフォーム |
---|---|
|
AIX-based Systems、HP 9000 Series HP-UXおよびSun Solaris |
|
AIX-based Systems、HP 9000 Series HP-UXおよびSun Solaris |
|
Sun Solaris |
|
AIX-Based Systems |
|
HP 9000 Series HP-UX |
注意: インストールを開始する前に、CコンパイラがPATH 内にあることを検証してください。 |
DISPLAY
環境変数を設定すると、ローカル・ワークステーションからリモートでOracle Universal Installerを実行できるようになります。Oracle Universal Installerを実行するシステム上に、DISPLAY
環境変数を設定して使用するローカル・ワークステーションのシステム名またはIPアドレスを指定します。
Oracle Universal Installerの起動時に、「サーバーへの接続に失敗しました」、「サーバーに接続を拒否されました」または「表示を開けません」などのXlibエラーが発生した場合、次のようにして、使用するローカル・ワークステーション上でコマンドを実行してください。
Cシェル
prompt> xhost +server_name
BourneまたはKornシェル
prompt> xhost +server_name
インストール中、Oracle Universal Installerは、スワップ領域に一時ディレクトリを使用します。このディレクトリは「ハードウェア要件」を満たしている必要があります。十分な領域がないと、インストールに失敗する場合があります。Oracle Universal Installerは、TMP
環境変数を確認して、一時ディレクトリを検出します。この環境変数が存在しない場合、インストーラは/tmp
ディレクトリを使用します。
次に、TMP
環境変数の設定方法を示します。
Oracle Database Gateway for WebSphere MQは、Oracle Universal Installerを使用して環境変数を構成し、コンポーネントをインストールします。Oracle Universal Installerは、インストール・プロセスの各手順を導き、カスタマイズされた製品の構成オプションの選択を可能にします。
Oracle Universal Installerには、次のタスクを実行する機能があります。
製品のインストールオプションの内容表示および提供
プリセット環境変数および構成設定の検出
インストール中の環境変数および構成の設定
製品のアンインストール
Oracle Universal Installerをシステムで最初に実行すると、oraInventory
ディレクトリが作成されます。oraInventory
ディレクトリは、Oracle Universal Installerがシステムにインストールする製品のインベントリとその他のインストール情報を保持します。Oracle製品を以前にインストールしていると、oraInventory
ディレクトリがすでに存在する場合があります。
UNIXグループ名を指定すると、oraInventory
ディレクトリに書き込む権限が、そのグループに付与されます。別のグループがOracle Universal Installerを実行する場合、そのグループはoraInventory
ディレクトリに対する書込み権限を持つ必要があります。権限がない場合、インストールに失敗します。
Oracle Universal Installerを実行するユーザーは、oraInventory
ディレクトリおよびそのすべてのファイルに対する書込み権限を持つ必要があります。これは、インストーラの実行に必須です。
oraInventory
の場所は、HP 9000 Series HP-UXおよびAIX-Based Systemsの場合は/etc/oratab/oraInst.loc
、Microsoft Windowsの場合はC:\Program Files\Oracle\Inventory\
内に定義されます。
oraInventory
の場所は、Sun Solarisの場合、/var/opt/oraInst.loc
内に定義されます。
最新のログ・ファイルは、UNIXベース・システムの場合はoraInventory_location/logs/installActions.log
、Microsoft Windowsの場合はC:\Program Files\Oracle\Inventory\logs\installActions.log
です。以前のインストール・セッションのログ・ファイル名の書式は、installActions
datetime
.log
です。
oraInventory
ディレクトリまたはそのコンテンツを、削除または手動で変更しないでください。これを行うと、Oracle Universal Installerでシステム上にインストールした製品の場所が特定できません。
UNIXベース・システムの場合、次の手順を実行して、Oracle Universal Installerを起動し、Oracle Database Gateway for WebSphere MQをインストールします。
すべてのOracleプロセスおよびサービス(たとえば、Oracleデータベースなど)を停止します。
Oracle製品のインストール・メディアの書式は、RockRidgeです。インストールを開始するには、インストール・メディアを挿入します。
インストール・メディアを手動でマウントまたはアンマウントするには、root
権限が必要です。インストール・メディアを、ドライブから取り出す前にアンマウントしてください。
インストール・メディアを手動でマウントするには、次のタスクを実行します。
Oracle Database Gateway for WebSphere MQのインストール・メディアを、インストール・メディアのドライブに挿入します。
root
ユーザーとしてログインします。
インストール・メディアのマウント・ポイント・ディレクトリを作成します。
prompt> mkdir mount_point
インストール・メディアのドライブを、マウント・ポイント・ディレクトリにマウントし、root
アカウントを終了します。
prompt> mount options device_name mount_point prompt> exit
次の例に、/cdrom
にインストール・メディアを手動でマウントする方法を示します。
プラットフォーム | コマンド例 |
---|---|
AIX-Based Systems |
prompt> mkdir /cdrom
prompt> mount -o ro -V cdrfs |
HP 9000 Series HP-UX | 注意: 次の行を/etc/pfs_fstab ファイルに追加してください。
/dev/dsk/c5t2d0./cdrom pfs-rrip xlat=unix 0 0 where 注意: インストール・メディアをインストール・メディアのドライブに挿入してください。 prompt> /usr/sbin/pfs_mount /cdrom prompt> exit |
Sun Solaris |
prompt> mkdir /cdrom
prompt> mount -r -F hsfs |
インストール・メディアからOracle Universal Installerを実行します。
注意: Oracle Universal Installerの起動時に、root ユーザーとしてログインしていないことを確認してください。ログインしている場合、root ユーザーのみに、Oracle Database Gateway for WebSphere MQを管理する権限が与えられます。 |
Oracle Database Gateway for WebSphere MQユーザーとしてログインします。
次のように入力して、Oracle Universal Installerを起動します。
prompt> mount_point/runInstaller
Microsoft Windowsの場合、次の手順を実行して、Oracle Universal Installerを起動し、Oracle Database Gateway for WebSphere MQをインストールします。
使用するシステムを起動し、オペレーティング・システム・ローダー・オプションからMS Windowsを選択します。MS Windowsシステムに、Administratorsグループのメンバーとしてログインします。
ゲートウェイを初めてインストールする場合、ゲートウェイをインストールするディスクに、「ハードウェア要件」で指定される十分な領域があることを確認します。
ソフトウェアのインストールの前に、実行中のすべてのOracle NT Servicesを停止します。
「開始」メニューから、「設定」→「コントロール パネル」に移動し、「サービス」をクリックします。すべてのNTサービスのリストが表示されます。
Oracle NTサービス(Oracleで始まるサービス)を選択します。
「停止」をクリックします。
アクティブなすべてのOracle NT Servicesが停止するまで、すべてのOracle NTサービスの選択と停止を繰り返します。
インストール・メディアをロードし、Oracle Universal Installerを開始します。
Oracle Database Gateway for WebSphere MQをインストールするOracle Universal Installerが起動されます。