Oracle Database Gateway for APPCインストレーションおよび構成ガイド 11gリリース1(11.1) for AIX 5L Based Systems(64-Bit), HP-UX PA-RISC(64-Bit), Solaris Operating System(SPARC 64-Bit), and Linux x86 E05711-01 |
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Oracle Database Gateway for APPCはSNA Advanced Program to Program Communication(APPC/LU6.2)プロトコルを使用してOLTPと通信します。Solarisオペレーティング・システム(SPARC 64ビット)でのAPPCサポートは、SNAP-IX製品により提供されます。
この章では、Solarisシステムで、Oracle Database Gateway for APPCを実行できるようにSNAP-IXを構成する方法を説明します。
この章に含まれる項は、次のとおりです。
多くのOLTPには、インバウンド(クライアント)APPCセッションのセキュリティ動作を調整するオプションが用意されています。詳細情報は、該当するOLTPのドキュメントを参照してください。
次の各項では、SNAP-IXバージョン6を構成する方法を説明します。
この項では、正しくSNAP-IXバージョン6を構成するために、システムに固有のパラメータを指定する必要があります。始める前に、これらのパラメータをネットワーク管理者から入手してください。
SNAP-IX製品の構成ではすべてxsnaadmin
プログラムを使用します。このツールはグラフィカル・インタフェースを提供するX-Windowsアプリケーションで、現在のSNAP-IX構成およびローカルSNAノードの現在の実行状態の表示と変更が可能です。
Oracle Database Gateway for APPCは、ゲートウェイとゲートウェイ・サーバーとの間の接続をサポートするために、サイド情報プロファイルと呼ばれる定義の格納セットを必要とします。各プロファイルはプロファイル名とプロファイル・タイプで構成されます。これらはプロファイルを記述する一連のフィールドです。指定されたプロファイル・タイプのフィールドは一般に、プロファイルに関連する他のSNAプロファイルの動作パラメータの値と名前です。モード、リモート・トランザクション・プログラム名および論理ユニット(LU)などのAPPCの各機能部分は、別々のプロファイル・タイプで記述されます。
ゲートウェイ設定は独立LUか従属LUに合せることができます。従属LUの使用を選択したか、使用できるLUが従属LUに制限されている場合、ゲートウェイは正しく機能します。従属LUが正しく定義されていれば、ゲートウェイの構成を変更する必要も、ゲートウェイ・サーバーに変更を加える必要もありません。ただし、ゲートウェイでは独立LUの使用をお薦めします。これは、並行する複数のセッションや対話がサポートされるためです。これは、複数のOracleクライアント・アプリケーションが独立LUを介して同一のゲートウェイ・サーバーを使用することで、同時にアクティブな状態にあることが可能なことを意味します。
従属LUでは、独立LUと異なり、アクティブなセッションは1つのみサポートされます。CP(ノードの制御ポイント)は、すでにアクティブな対話の背後で、ゲートウェイ・サーバーからの追加の対話リクエストをキューに入れます。つまり、従属LUの場合、対話はシングル・スレッド対応です。
従属LUが運用に与える影響は、最初のクライアント・アプリケーションが、ゲートウェイを介してゲートウェイ・サーバーとの対話を開始できることです。ただしそのセッションがアクティブである間(クライアント・アプリケーションとトランザクションの設計によって数秒、数分、数時間のいずれになるかわかりません)、同一のゲートウェイ・サーバーとセッションを始めようとしている他のすべてのクライアント・アプリケーションは、前のセッションの終了を待機するため、動作が停止したように見えます。
本番用アプリケーションが実際に一度に1つの対話のみを使用する場合は問題ありません。ただし、ある時点で、テストまたは他のアプリケーションの開発のために追加同時対話が必要になる可能性があります。複数の対話には、追加の従属LUがリモート・ホスト上で定義される必要があります。SNAP-IXには追加の構成エントリを追加する必要があります。新しい従属LUを使用するには、追加のサイド情報プロファイルが必要です。ゲートウェイ・インスタンスが作成され、新しいサイド情報プロファイルを使用するように設定されます。
SNAP-IX定義は、/etc/opt/sna
ディレクトリにある次のファイルに格納されています。
SNAノード定義: sna_node.cfg
SNAドメイン定義: sna_domn.cfg
これらのファイルはxsnaadmin
ツールで作成および保守されます。SNA定義の保守は、通常、管理者権限を持つユーザーが行います。次の情報の対象読者は、ゲートウェイのSNA定義を作成するユーザーです。この項を読む前に、SNAに関する多少の知識が必要です。
$ORACLE_HOME/dg4appc/sna
サブディレクトリには、xsnaadmin
で作成された、ゲートウェイ用のサンプルSNAP-IX定義ファイルが一式含まれています。サンプル・ファイルは、sna_domn.cfg
とsna_node.cfg
です。SNA定義はホストとSNAネットワークに固有です。このため、サンプル定義は、ローカル・ホストとSNAネットワークに合せて変更しないと機能しません。
この項では、xsnaadmin
を使用してSNAP-IX用のSNA定義を作成するプロセスを説明します。構成はすべて、xsnaadmin
の各種のドロップダウン・メニューとパネルを使用して行われます。次の構成手順の説明は、提供されているサンプルに従っています。使用するローカル・ホストとSNAネットワークに合せて各種のSNA値を変更してください。
xsnaadmin
を呼び出すには次のコマンドを使用します。DISPLAY
環境変数を正しく設定する必要があります。ローカル・コンソールからxsnaadmin
を実行する場合、DISPLAY
はすでに設定されているはずです。リモートのXからxsnaadmin
を実行する場合、DISPLAY
をディスプレイのホスト名またはIPアドレスに設定します。
$ DISPLAY=<your_display>:0
$ export DISPLAY
$ xsnaadmin &
xsnaadmin
を起動するとメイン画面が開き、ローカルSNAノードの現在の構成が表示されます。
SNAノードを構成するには、次の操作を行います。
「Services」メニューから、「Configure Node Parameters」を選択します。
「Node Parameters」ダイアログ・ボックスで、APPNサポート・タイプ、制御ポイント名、制御ポイントの別名およびノードIDを必要に応じて入力します。制御ポイント名は、SNAネットワーク名とローカル・ホストのCP名で構成されています。
「OK」をクリックします。
新しいポートを追加するには、「Services」メニューから「Connectivity and New Port」を選択します。
「Add to Nodename」ダイアログ・ボックスで、使用するポートとタイプを選択し、「OK」をクリックします。
「SAP」ダイアログ・ボックスで、ポート名とネットワーク・カード番号を入力します。ポート名は、使用する物理ネットワーク・カードに論理名を付けるため、およびSNAプロトコル用のサービス・アクセス・ポートをカードにバインドするために使用されます。通常、ダイアログ・ボックスに入力されている値をそのまま使用できます。ただし異なるネットワークカードが必要な場合は、dmesg
コマンドでレポートされるカード番号を入力します。
「OK」をクリックします。
ポートを定義したら、リンク・ステーションを作成する必要があります。リンク・ステーションはゲートウェイ・サーバーのリモート・ホストのSNAノードを表します。ただし、次の手順に従ってリモート・ノード定義を作成してからでないとリンク・ステーションを作成できません。
「Services」メニューから、「APPC and Add Remote Node」を選択します。
ダイアログ・ボックスで、リモート・ノードのSNA CPNAMEを入力し、「OK」をクリックします。
これで、リンク・ステーションを次のように作成できます。
「Services」メニューから、「Connectivity and New Link Station」を選択します。ダイアログ・ボックスで、前に定義されたポートを選択して「OK」をクリックします。
「Link Station」ダイアログ・ボックスで、リンク・ステーション名を入力し、SNAポート名、リンクのアクティブ化タイプおよびLUトラフィック・タイプを選択します。柔軟性を最大にするには、「Any」オプションを選択します。
「Independent LU traffic」には、リモート・ノード名を指定します。「Remote Node」をクリックして、前に作成したノードを選択し、「OK」をクリックします。リモート・ノードのタイプを選択します。通常はネットワーク・ノードです。
従属LUトラフィックでは、リモート・ノードのロール(通常はhost)、ローカル・ノードID、およびオプションでリモート・ノードIDを選択します。
連絡先情報を指定します。連絡先情報には、リモート・ホストのMACアドレスとSAP番号が含まれます。
リンク・ステーションのその他のパラメータを設定するには、「Advanced」をクリックします。「Token Ring Parameters」ダイアログ・ボックスに、リンク・ステーションのその他のパラメータが表示されます。これらのパラメータは、初期XID連絡先と再転送の回数および上限を変更します。通常、デフォルト値を変更する必要はありません。
「OK」をクリックします。
リモート・ノード定義を作成したら、ローカル・ホストのローカルLU名を次のように作成します。
「Services」メニューから、「APPC and New Local LU」を選択します。「local LU」ダイアログ・ボックスで、ローカルLUの名前と別名を入力します。この名前は、UNIXホストのリモート・ゲートウェイ・サーバー・ホスト上でのVTAM定義に対応している必要があります。
「OK」をクリックします。
次に、ゲートウェイ・サーバーが通信に使用するLUを表すパートナLUを定義します。
「Services」メニューから、「APPC and New Partner LUs」、「Partner LU on Remote Node」の順に選択します。
「Partner LU」ダイアログ・ボックスで、パートナLUの名前と特性を入力します。パートナLU名には、SNAネットワーク名とリモートLUのLU名が含まれます。並行セッション・サポートを有効化します。場所は、リモート・ノード名となる名前です。「Location」をクリックするとリストが表示されます。
「OK」をクリックします。
ローカルLUとリモートLUの定義を作成したら、必要なモード定義とCPI-C定義を作成します。
「Services」メニューから、「APPC and Modes」を選択します。「Modes」ダイアログ・ボックスで、「New」をクリックして新しいモードを追加します。
「Mode」ダイアログ・ボックスで、モード名やその他のセッション・パラメータを入力します。ゲートウェイ・モードの推奨名はCICSPGA
です。適切なモード・パラメータは、リモート・ホストのシステム管理者に問い合せてください。
「OK」をクリックします。
モードを定義したら、ゲートウェイが接続名として使用するCPI-Cサイド情報プロファイルを作成します。メニューから、「APPC and CPI-C」を選択します。
「CPI-C destination names」ダイアログ・ボックスで、「New」をクリックして新しいプロファイルを追加します。
「CPI-C destination」ダイアログ・ボックスで、プロファイル名、ローカルLU名、パートナTP、パートナLUとモードおよびセキュリティ・オプションを入力します。パートナTP名は、ホスト・トランザクション・プログラムの名前、またはTIPでオーバーライドされるダミー値です。
Local LUの場合、特定のLUを指定することも、デフォルトLUを選択することもできます。パートナLUには、完全なLU名または前に作成された別名を入力します。
モード名にはORAPLU62
と入力します。これらのセッションが使用するセキュリティのタイプを選択します。これは、セッションの認証方法に影響を与えます。
「OK」をクリックします。
ゲートウェイ構成タスクに進む前に、接続が機能しているかどうか確認します。それにはSNAP-IX Nodeを開始し、次に個別のリンク・ステーションを起動します。
図9-1に、SNAP-IXの定義とホスト上のVTAM定義の関係を示します。
Solaris用にSNA通信パッケージを構成し終わったら、第11章「OLTPの構成」に進んでネットワークの構成を続行します。