用語集
D R S い お か こ し す て ふ よ ろ D
- Data Guard環境(Data Guard environment)
- プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースの物理構成。環境は、次の項目を含む多数の要因に依存する。
-
- プライマリ・データベースと関連付けられているスタンバイ・データベースの数
-
- データベースで使用されるホスト・システムの数
-
- データベースで使用されるマシンのディレクトリ構造
-
- ネットワーク構成
-
- REDO転送サービス
-
- ログ適用サービス
- Data Guard環境には、DBAが手動で管理する方法、Enterprise ManagerまたはData Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)を使用して自動的に管理する方法、これらすべてを組み合せて行う方法がある。
- Data Guard構成(Data Guard configuration)
- 予定されている停止時間(定期点検など)に加え、予定外のイベント(人為的エラー、環境災害、データの破損など)による損害を回避または最小限に抑える分散コンピュータ・システム。
- 「ブローカ構成」も参照。
- Data Guardコマンドライン・インタフェース(Data Guard command-line interface)
- Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)を使用すると、DGMGRLのプロンプトまたはスクリプトからData Guard構成を制御および監視できる。
R
- REDO Apply
- フィジカル・スタンバイ・データベースは、REDO Applyによってプライマリ・データベースとの同期が保たれる。REDO Applyでは、プライマリ・データベースから受け取ったREDOデータがリカバリされ、このREDOがフィジカル・スタンバイ・データベースに適用される。
S
- SQL Apply
- ロジカル・スタンバイ・データベースは、SQL Applyによってプライマリ・データベースとの同期が保たれる。SQL Applyでは、プライマリ・データベースから受け取ったREDOのデータがSQL文に変換され、スタンバイ・データベースでこのSQL文が実行される。
い
- インスタンス・オブジェクト(instance object)
- 名前付きオブジェクト。データベース・オブジェクトは1つ以上の名前付きインスタンス・オブジェクトの集合である。ブローカはこのオブジェクトを使用して、インスタンスが関連付けられているデータベースの状態を管理および制御し、このデータベース・インスタンスにインスタンス固有のプロパティを関連付ける。
- インテンド状態(intended state)
- ブローカによる管理が有効な間のデータベース・オブジェクトのランタイム状態。
- 「デフォルト状態」も参照。
お
- オブザーバ(observer)
- プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースを継続的に監視し、フェイルオーバーの必要性を評価して、条件を満たしたときにファスト・スタート・フェイルオーバーを開始するDGMGRLクライアント。
か
- 簡易式コンピューティング(lights out computing)
- 操作が自動化されており、管理者による操作がほとんど、またはまったく必要ないコンピューティング装置またはソフトウェアを指す。
- 完全自動という語は、コンピューティング・センターが1つの部屋にあり、そこで多数のサーバーが施錠され秘密に保管されていた頃に生じたもの。通常の動作では、この部屋に管理者が入ることはなく、この部屋のすべての操作が自動化されていた。
こ
- 構成オブジェクト(configuration object)
- データベース・オブジェクトの名前付きの集合。Data Guard構成を抽象化したもの。
し
- 手動フェイルオーバー(manual failover)
- DBAが開始するフェイルオーバー。DBAは、まずフェイルオーバーが必要であることを判断してから、Enterprise Managerで
FAILOVER
をクリックするか、DGMGRLのFAILOVER
コマンドを発行してフェイルオーバーを起動する。手動という用語は、このタイプのフェイルオーバーとファスト・スタート・フェイルオーバーを比較する目的で使用する。
- 「ファスト・スタート・フェイルオーバー」も参照。
す
- スタンバイ・データベース(standby database)
- プライマリ・データベースのバックアップを使用して作成されたプライマリ・データベースのコピー。各スタンバイ・データベースにはプライマリ・データベースからアーカイブREDOデータが適用され、各スタンバイ・データベースとプライマリ・データベースとの同期が保たれる。スタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースから処理を引き継ぐことができ、ほぼ継続的なデータベースの可用性を提供する。スタンバイ・データベースには、独自のサーバー・パラメータ・ファイル、制御ファイルおよびデータファイルがある。また、ブローカ構成ファイルのコピーがあり、プライマリ・データベース・インスタンスで実行中のDMONプロセスにより常に最新の状態に保たれる。
- ブローカは、スタンバイ・データベースを
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータに格納されているグローバルな一意名で参照する。
- 「ロジカル・スタンバイ・データベース」および「フィジカル・スタンバイ・データベース」も参照。
て
- 適用インスタンス(apply instance)
- Oracle Real Application Clusters(RAC)データベース環境で、アーカイブREDOデータをスタンバイ・データベースに適用する1つのインスタンス。
- データベース・オブジェクト(database object)
- Data Guard構成内のプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースに対応する名前付きオブジェクト。ブローカは、このオブジェクトを使用して単一データベースの状態を管理および制御し、プロパティをデータベースに関連付ける。
- データベース・ガード(database guard)
- データベース・ガードは、ロジカル・スタンバイ・データベース内の表を変更可能かどうかを制御する。
- デフォルト状態(default state)
- 構成のブローカ管理を有効化するときに、データベース・オブジェクトが実行される初期のランタイム状態。実際のデフォルト状態は、データベースが実行中のロール(プライマリまたはスタンバイ)によって異なることもある。
- 「インテンド状態」も参照。
ふ
- ファスト・スタート・フェイルオーバー(fast-start failover)
- プライマリ・データベースが使用できなくなった場合にフェイルオーバーを自動的に有効化する。ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化すると、ブローカはフェイルオーバーの必要性を判断し、指定されたスタンバイに自動的、迅速かつ確実にフェイルオーバーを実行する。このとき、フェイルオーバーの起動に手動の手順を実行する必要はない。
- 「手動フェイルオーバー」も参照。
- フィジカル・スタンバイ・データベース(physical standby database)
- プライマリ・データベースの正確なコピーであるスタンバイ・データベース。プライマリ・データベースがオープンされてアクティブな状態で、REDO適用サービスによりプライマリ・データベースから受け取ったREDOデータがフィジカル・スタンバイ・データベースに適用される。REDO適用サービスは、マウントされたフィジカル・スタンバイ・データベース・インスタンスで実行できる。Oracle Active Data Guardオプションのライセンスを購入済の場合は、REDO適用サービスをオープン状態のフィジカル・スタンバイ・データベース・インスタンスでも実行できる。詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照。
- フェイルオーバー(failover)
- スタンバイ・データベースをプライマリ・データベースのロールに変更し、元のプライマリ・データベースを無効化する操作。
- 「ファスト・スタート・フェイルオーバー」および「手動フェイルオーバー」も参照。
- プライマリ・データベース(primary database)
- 1つ以上のスタンバイ・データベースが作成され、メンテナンスされる本番データベース。すべてのスタンバイ・データベースは、1つのプライマリ・データベースと関連付けられる。しかし、1つのプライマリ・データベースは、複数のスタンバイ・データベースをサポートできる。Data Guard Brokerモニター(DMON)は、プライマリ・データベースを使用してバイナリ構成ファイルのマスター・コピーを保守し、変更があった場合に各スタンバイ・データベースのファイル・コピーが確実に更新されるようにする。
- ブローカは、グローバルで一意に定義されている
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの値を使用して、このデータベースを参照する。
- ブローカ(broker)
- Data Guard構成の作成、制御および監視に必要な、複雑な操作の大半を自動化および簡素化する分散管理フレームワーク。
- ブローカ構成(broker configuration)
- Data Guard構成のプライマリ・データベースとスタンバイ・データベース(REDO転送サービスとログ適用サービスを含む)を論理的にグループ化したもの。
- 「Data Guard構成」も参照。
- プロファイル(profiles)
- 現在の状態(オンまたはオフ)、プロパティおよび現在のステータス(たとえば健全性)など、データベース・オブジェクトの記述。この記述は、ブローカによりバイナリ構成ファイル内で永続的に保守される。
よ
- 読取り専用モード(read-only mode)
- このモードでデータベースをオープンすると、データベースの問合せは実行できるが、変更はできない。
- フィジカル・スタンバイ・データベースを読取り専用でオープンすると、スタンバイ・データベースに対する問合せを実行できる。Oracle Active Data Guardオプションのライセンスを購入済の場合は、REDO Applyがアクティブなときにフィジカル・スタンバイ・データベースをオープン状態にしておくことができる。この機能はリアルタイム問合せと呼ばれる。詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照。
ろ
- ロジカル・スタンバイ・データベース(logical standby database)
- ロジカル・スタンバイ・データベースは、標準のOracleアーカイブREDOログ・ファイルを取得し、SQLトランザクションに再変換した後で、オープン状態のスタンバイ・データベースに適用する。変更はエンド・ユーザー・アクセスと同時に適用されるが、再生成されたSQLトランザクションを介して保守されている表で許可されるのは、ロジカル・スタンバイ・データベースのユーザーに対する読取り専用アクセスである。データベースは、再構成されたSQLトランザクションを適用できるようにオープン状態になっているため、プライマリ・データベースとは物理的に異なる。データベース表の索引や物理特性は対応するプライマリ・データベースと異なる場合があるが、スタンバイ・データ・ソースとしてのロールを遂行するために、表はアプリケーション・アクセスの観点から論理的な一貫性を保つ必要がある。