この章の内容は、次のとおりです。
Oracle Data Guardは、Oracleデータベース・ソフトウェアのEnterprise Editionに組み込まれています。Data Guard構成は、SQL*Plus、Data Guard Brokerのコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)、またはOracle Enterprise Manager 10g Grid Controlを使用して管理できます。
DGMGRLを使用するには、Oracle Enterprise EditionまたはPersonal Editionのデータベース・ソフトウェアを、ブローカ構成に組み込む場所ごとにインストールすることをお薦めします。Data GuardにEnterprise ManagerのWebベースのユーザー・インタフェースを使用するには、Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlをインストールする必要があります。
さらに、ファスト・スタート・フェイルオーバーを使用するには、DGMGRLをインストールし、オブザーバ・ソフトウェアを実行する必要があります。オブザーバは、プライマリ・システムおよびスタンバイ・システムとは別のコンピュータ・システムで動作させることをお薦めします。DGMGRLをオブザーバ・コンピュータにインストールするには、次のリストに示すいずれかの方法を使用します。
Oracle Universal Installerの「Administrator
」オプションを選択し、Oracle Client Administratorを完全インストールします。
このインストールにはDGMGRLが含まれますが、Oracle Enterprise Managerエージェントは含まれません。これによって、Oracle Enterprise ManagerではなくDGMGRLコマンドを使用してオブザーバを管理できます。
Oracle Database 11gソフトウェア・キットを完全インストールします。
このインストールにはDGMGRLおよびOracle Enterprise Managerエージェントが含まれるため、Oracle Enterprise ManagerまたはDGMGRLコマンドを使用してオブザーバを管理できます。
注意: オブザーバはサポート対象のどのプラットフォームで実行することも可能であり、そのプラットフォームはプライマリ・データベースまたはターゲット・スタンバイ・データベースのプラットフォームと異なっていても構いません。 |
ブローカを使用するには、次の条件を満たしている必要があります。
プライマリおよびスタンバイ・データベースでは、Oracle Database 11g(11.1)を実行する必要があります。各データベースは、単一インスタンス環境または複数インスタンス環境にインストールできます。データベースには、Oracle Enterprise EditionまたはPersonal Editionのライセンスが必要です。
ブローカ・プロパティと関連する初期化パラメータ値との間でブローカが値を永続的に調整できるように、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を使用する必要があります。詳細は、4.3.2項を参照してください。
DG_BROKER_START
初期化パラメータの値は、TRUE
に設定されている必要があります。詳細は、3.3項を参照してください。(このパラメータはEnterprise Managerによって自動的に設定されます。)
構成にOracle RACデータベースが含まれる場合は、そのデータベースのDG_BROKER_CONFIG_FILE
n
初期化パラメータを、そのデータベースの全インスタンスについて同じ共有ファイルを指すように設定する必要があります。共有ファイルには、クラスタ・ファイル・システム上のファイル(該当する場合)、RAWデバイス上のファイルまたは自動ストレージ管理(ASM)を使用して格納されたファイルを使用できます。
既存のスタンバイ・データベースをブローカ構成に含める場合は、Oracle Net Servicesネットワーク・ファイルを、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースで設定する必要があります。それ以外の場合は、Enterprise Managerにより、スタンバイ・データベースの作成時にネットワーク・ファイルが自動的に設定されます。
ブローカ構成で、DGConnectIdentifier
プロパティを使用して各データベースに指定する接続識別子は、次の条件を満たす必要があります。
構成内のその他すべてのデータベースからアクセスできます。
Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスにアクセスできます。
Oracle RACデータベース上の接続時フェイルオーバーを可能にするため、すべてのインスタンスが動的にリスナーに登録するサービスを指定します。
プライマリ・データベースのREDO転送サービスによるOracle RACスタンバイ・データベースへのREDOデータの転送が、そのスタンバイ・データベースの受信インスタンスでエラーが発生した場合でも続行されるようにフェイルオーバー属性が設定されています。
DGMGRLでブローカ操作中にインスタンスを再起動できるようにするには、各インスタンスのローカル・リスナーにサービスを特定の名前で静的に登録する必要があります。また、ファスト・スタート・フェイルオーバーが発生した後、元のプライマリ・データベースの自動回復の一部としてオブザーバーがインスタンスを再起動できるようにするには、サービスを静的に登録する必要があります。GLOBAL_DBNAME
属性の値を、db_unique_name
_DGMGRL.
db_domain
の連結した値に設定してください。LISTENER.ORA
ファイルの例を次に示します。
LISTENER = (DESCRIPTION = (ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host_name
) (PORT=port_num
)))) SID_LIST_LISTENER=(SID_LIST=(SID_DESC=(SID_NAME=sid_name
) (GLOBAL_DBNAME=
db_unique_name
_DGMGRL.
db_domain
) (ORACLE_HOME=oracle_home
)))
プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方に対して、COMPATIBLE
初期化パラメータ値を10.2.0.1.0以上に設定する必要があります。ただし、Oracle Database 11gの新機能を利用する場合は、Data Guard構成内のすべてのデータベースでCOMPATIBLE
パラメータを11.0.0に設定します。
プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方で、COMPATIBLE
初期化パラメータ値が同じ値に設定されていることを確認します。値が異なる場合、REDO転送サービスでREDOデータをプライマリ・データベースからスタンバイ・データベースに転送できない場合があります。
『Oracle Data Guard概要および管理』の説明に従って、REDO転送認証方式を選択および構成してください。
関連項目:
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