この章では、次の項目について説明します。
注意: この章には、Oracle Ultra Searchの全タイプのインストールに共通の情報と、Oracle DatabaseでOracle Ultra Searchをインストールし、構成する場合に固有の情報があります。Oracle Application ServerでOracle Ultra Searchをインストールする場合は、第3章「Oracle Application ServerでのOracle Ultra Searchの使用」を参照してください。 |
ここでは、Oracle Ultra Searchをインストールするためのシステム要件について説明します。
Oracle Ultra Searchのハードウェア要件は、Oracle Ultra Searchを使用して処理するデータの量に基づきます。Oracle Ultra Searchでは、索引エンジンとしてOracle Textを、そのリポジトリとしてOracle Databaseを使用します。
関連項目: 『Oracle Textアプリケーション開発者ガイド』および『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』 |
十分なRAM データベースおよびOracle Text索引付けエンジンのリソース要件に加え、Oracle Ultra Searchクローラのメモリー要件も考慮する必要があります。Oracle Ultra SearchクローラはPure Javaプログラムです。クローラを起動した際、Java Virtual Machine(JVM)は25MBで開始し、256MBまで増加するよう構成されています。著しく大量のデータをクロールする場合、これらの値を調整する必要があります。
Oracle Ultra Search管理ツールは、J2EE 1.2標準に準拠したWebアプリケーションです。Oracle Ultra Searchのバックエンドとは別のホストにインストールして実行できます。Oracle Ultra Searchのバックエンドと同じホストにインストールして実行することもできます。J2EEエンジンには十分なメモリーを割り当てる必要があります。Oracle HTTP Serverは、Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)とともに使用することをお薦めします。J2EEエンジンを実行するJava Development Kit(JDK)と同様に、HTTP Serverにも十分なメモリーを割り当ててください。
十分なディスク領域 顧客の要件は多様なため、ディスク領域に特定の値を推奨することはできません。一般的なガイドラインとして推奨する最小値は、次のとおりです。
Oracle Application Serverインフラストラクチャまたはデータベース、およびOracle Ultra Searchのバックエンド用のディスク領域として、3GB必要です。
Webサーバーのディスク領域に加え、Oracle Ultra Search中間層用のディスク領域として、15MB必要です。
各リモート・クローラ・ホストのディスク領域として、3GB必要です。
大きなTEMPORARY
表領域に必要なディスク領域は、ホスト上のRAMの量によって決まります。
Oracle Ultra Searchインスタンスのユーザー表領域に必要なディスク領域。
Oracle Ultra Searchインスタンスのユーザーは、作成する必要のあるデータベース・ユーザーです。クロール処理と索引付けの一部として収集および処理されるすべてのデータは、ユーザーのスキーマに格納されます。
索引付けするデータの合計と同じ大きさの表領域を作成します。たとえば、クロールおよび索引付けされるデータの合計を約10GBと見積った場合は、Oracle Ultra Searchインスタンスのユーザー用に10GB以上の表領域を作成する必要があります。この表領域を、Oracle Ultra Searchインスタンスのユーザー用のデフォルト表領域として確実に割り当ててください。
Oracle Ultra Searchのバックエンドは、次のコンポーネントで構成されます。
Oracle Ultra Searchデータベース・スキーマ: データ・ディクショナリおよびPL/SQLパッケージ
Oracle Ultra Searchクローラ: Javaプログラムおよびサポート・ファイル、ライブラリなど
Oracle Ultra Searchのリモート・クローラ: リモートのOracleホームにあるクローラ
Oracle Ultra Searchのバックエンドは、Oracle Database 11g製品のインストールの一部としてインストールされます。
関連項目: 『Oracle Universal Installer Concepts Guide』 |
Oracle Ultra Search中間層には、次のコンポーネントが含まれます。
Oracle Ultra Search管理ツール
Oracle Ultra SearchのJava Query API
Oracle Ultra Searchの問合せアプリケーション
ここでは、Oracle Ultra Searchのインストール後の作業について説明します。
Oracle Ultra Searchのインストーラでは、Oracle Ultra Searchテスト・ユーザーに基づいて、デフォルトのOracle Ultra Searchインスタンスが作成されます。Oracle Ultra Searchの機能は、インストール後にデフォルトのインスタンスに基づいてテストできます。
デフォルトのインスタンス名は、WK_INST
です。これは、データベース・ユーザーWK_TEST
に基づいて作成され、デフォルトのユーザー・パスワードはwk_test
です。パスワードはインストール後に失効します。セキュリティ上の理由から、WK_TEST
はインストール後にロックされます。
Oracle Ultra Searchスキーマおよびユーザーのロックを解除します。
DBAユーザー(SYS
など)としてデータベースにログインします。
必要に応じて、Oracle Ultra SearchスキーマのWKSYS
のロックを解除し、パスワードを設定します。
ALTER USER wksys account unlock identified by password
Oracle Ultra SearchのWK_TEST
スキーマのロックを解除します。パスワードはwk_test
です。
ALTER USER wk_test account unlock identified by password
パスワードをwk_test
以外に変更した場合は、キャッシュされているスキーマ・パスワードも更新する必要があります。これには、データベースのパスワードを変更した後に、管理ツールの「インスタンスの編集」ページを使用します。
デフォルト・インスタンスは、Oracle Ultra Search問合せアプリケーションにも使用されます。data-sources
.xml
ファイルを必ず更新してください。
次の行をdata-sources.xml
ファイルに追加します。このファイルは、$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/OC4J_SEARCH/config
ディレクトリにあります。
<connection-pool name="UltraSearchCPool" max-connections="100" used-connection-wait-timeout="60" inactivity-timeout="600" property-check-interval="60"> <connection-factory factory-class="oracle.jdbc.pool.OracleDataSource" user="{username}" password="{password}" url="jdbc:oracle:thin:@{hostname}:{listener_port}:{database_SID}"/> </connection-pool> <managed-data-source name="UltraSearchDS" connection-pool-name="UltraSearchCPool" jndi-name="jdbc/UltraSearchPooledDS"/>
この構文では、次の変数が使用されています。
usernameおよびpasswordは、Oracle Ultra Searchインスタンスの所有者のデータベース・ユーザー名およびパスワードです。
hostnameは、バックエンド・データベース・コンピュータのホスト名です。
listener_portは、ユーザーのOracle Databaseへのポートです。
database_sidは、ユーザーのOracle DatabaseのSIDです。
注意: data-sources .xml にクリア・テキストのパスワードを格納すると、セキュリティ上のリスクが発生します。これを防ぐには、パスワードの間接化を使用してパスワードを指定します。自動的に暗号化されるsystem-jazn-data .xml にパスワードを入力し、data-sources .xml からこのパスワードを指し示します。詳細は、『Oracle Application Server Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』の間接パスワードの作成に関する項を参照してください。 |
次のコマンドを使用して、Oracle Ultra Search中間層を起動します。インストール後にOracle Ultra Search中間層を起動するには、このコマンドを手動で実行する必要があります。
$ORACLE_HOME/bin/searchctl start
OC4J_Portalインスタンスを起動するには、Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)を使用します。次に例を示します。
$ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc instancename=OC4J_Portal
データベースの場合は、Oracle Ultra Search中間層を再起動します。次に例を示します。
$ORACLE_HOME/bin/searchctl stop $ORACLE_HOME/bin/searchctl start
Oracle Application Serverの場合は、Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)を使用してOC4J_Portalインスタンスを起動します。次に例を示します。
$ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc instancename=OC4J_Portal
インストール後にデータベース・キャラクタ・セットを変更した場合は、Oracle Ultra Searchのバックエンドを再構成して、新しいキャラクタ・セットに適応する必要があります。
再構成には、$ORACLE_HOME/ultrasearch/admin/
にある2つのSQLスクリプト(wk0prefcheck.sql
およびwk0idxcheck.sql
)を使用します。
wk0prefcheck.sql
はwksys
ユーザーで実行し、デフォルトのキャッシュ・キャラクタ・セットと索引プリファレンスを再構成します。
wk0idxcheck.sql
は、データベース・キャラクタ・セットを変更する前に作成されたインスタンス(デフォルト・インスタンスなど)を再構成するために必要です。このスクリプトはインスタンスの所有者で実行する必要があります。また、wk0prefcheck.sql
によって再構成済のデフォルト設定が生成されていることが前提となるため、wk0prefcheck.sql
を最初に実行する必要があります。
wk0idxcheck.sql
を実行すると、Oracle Ultra Searchが使用するOracle Text索引も削除され、再作成されます。データ・ソースにすでに索引が作成されている場合は、すべてのデータ・ソースを再クロールする必要があります。
wk0idxcheck.sql
は、インスタンスごとに1回実行する必要があります。たとえば、2つのインスタンス、inst1とinst2(所有者はそれぞれowner1とowner2)がある場合は、wk0idxcheck.sql
を2回(owner1で1回、owner2で1回)実行する必要があります。
注意: Oracle Ultra Searchでは、Oracle Textでサポートされるデータベース・キャラクタ・セットのみがサポートされます。たとえば、Unicodeの場合は、AL32UTF8を使用してください。サポートされるデータベース・キャラクタ・セットの完全なリストは、『Oracle Textリファレンス』でレクサー・タイプを確認してください。また、サポートされるグローバライゼーション・サポート・キャラクタ・セットの詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。 |
ここでは、インストールが正常に行われたかどうかを確認する方法について説明します。
Oracle Ultra Search管理ツールに正常にログオンできた場合は、Oracle Ultra Search管理ツールの構成処理が完了しています。Oracle Ultra Search管理ツールを確認するには、次の操作を実行します。
Webサーバーが実行中であるかどうかを確認します。
管理ツールにログオンします。
次のURLにアクセスします。
http://
host.domain:port
/ultrasearch/admin/index.jsp
このURLで、host.domainはOracle Ultra Search中間層をインストールしているホストのフルネーム、portはデフォルトのWebサーバー・ポートです。
Oracle Ultra Searchインスタンスの所有者のデータベース・ユーザー名とパスワードを入力して、Oracle Ultra Search管理ツールにログオンします。Oracle Ultra Searchのバックエンドのインストール時に、Ultra Searchインスタンスの所有者WK_TEST
が新しく作成されます。
JSPページに初めてアクセスすると、コンパイルに数秒かかります。2回目以降のアクセスでは、これより速くなります。
Oracle Ultra Search管理ツールが動作していることを確認できた場合は、Oracle Ultra Searchの問合せアプリケーションを実行できます。
Oracle Ultra Searchの問合せアプリケーションをテストするには、次のいずれかを実行します。
次のURLにアクセスします。
http://
host.domain:port
/ultrasearch/query/search.jsp
Oracle Ultra Searchの「ようこそ」ページ(http://
host.domain:port
/ultrasearch/index.html
)のリンクをたどります。
次の場所に、問合せアプリケーションの位置がリストされています。ディレクトリ・リストに移動して、問合せソース・コードにアクセスします。また、URLルートを使用して各問合せJSPページの動作デモを参照することも、URLルートの最後に正しいJSPファイル名を追加することも可能です。
問合せアプリケーションは、$ORACLE_HOME/ultrasearch/ultrasearch_query.ear
として提供されています。
ポートレットは、$ORACLE_HOME/ultrasearch/webapp/ultrasearch_portlet.ear
として提供されています。
ここでは、Oracle Ultra Searchのトラブルシューティングの方法について説明します。
デバッグ・モードは、Oracle Ultra Searchでのトラブルシューティングに役立ちます。デバッグ・モードを有効化するには、ultrasearch.properties
ファイルを、値debug
=true
を設定して更新し、Oracle Ultra Search中間層を再起動します。このファイルは、$ORACLE_HOME/ultrasearch/webapp/config
ディレクトリにあります。
検索結果が戻されない
「データベース・キャラクタ・セットのためのOracle Ultra Searchのバックエンドの再構成」を参照してください。
バイナリ・ファイルの処理中にエラーが発生
Oracle Ultra Searchクローラは、バイナリ・ファイルの処理にOracle Text AUTO_FILTERctxhx
を使用します。バイナリ・ファイルとは、PDFファイル、Microsoft Wordファイルなど、テキストやHTMLでないファイルです。Oracle Ultra SearchでAUTO_FILTERを使用するには、共有ライブラリ・パス環境変数に$ORACLE_HOME/ctx/lib
パスを含める必要があります。
インストール時に、Oracle Universal Installerにより、この変数に$ORACLE_HOME/ctx/lib
が含まれるよう自動的に設定されます。インストール後にデータベースを再起動する場合は、Oracleプロセスを開始する前に、共有ライブラリ・パス環境変数に$ORACLE_HOME/ctx/lib
が含まれるよう、手動で設定する必要があります。フィルタ処理を機能させるには、データベースを再起動して新しい値を選択する必要があります。
UNIXの場合は、$LD_LIBRARY_PATH
環境変数に$ORACLE_HOME/ctx/lib
が含まれるように設定します。
Windowsの場合は、$PATH
環境変数に$ORACLE_HOME\bin
が含まれるように設定します。
ファイル・データ・ソースのクロール時にエラーが発生
Oracle Databaseを起動する環境のグローバリゼーション設定にターゲット・ファイルのロケールとの互換性がない場合、ファイルが見つからないというエラーか、ファイルまたはディレクトリの名前にCJK文字が含まれているというエラーが発生します。このエラーは、中国語、日本語または韓国語などのマルチバイト言語環境で発生します。これは、クローラがオペレーティング・システム・ファイルを読み込むには、正しいロケール設定が必要なためです。
このエラーを解決するには、ロケールを正しく設定し、Oracle Databaseを再起動してから、Oracle Ultra Searchにデータ・ソースを再クロールさせます。次に例を示します。
Oracle Databaseインスタンスを停止します。
SQL> shutdown immediate
次のコマンドを実行して、ロケールをja
に設定します。
> setenv LANG ja > setenv LC_ALL ja
Oracle Databaseインスタンスを再起動します。
SQL> startup
強制再クロールを指定して、Oracle Ultra Searchスケジュールを再起動します。
Oracle Ultra Search管理ツールにログオンできない
ultrasearch.properties
ファイルには、Oracle Ultra Search中間層で使用される構成情報が含まれています。ファイルは、Oracle Universal Installerによって自動的に構成されます。
ソフトウェアまたは高度なデータベース・インストールの場合は、編集してOracle Ultra Search管理ツールを手動で構成する必要があります。%THIN_JDBC_CONN_STR%
をデータベースへのJDBC文字列に、%DOMAIN%
をドメイン名に置き換える必要があります。
次に、ultrasearch.properties
ファイルの例を示します。
connection.driver=oracle.jdbc.driver.OracleDriver #If set, The JDBC connection URL specified here will override the dynamically #acquired one from Oracle Internet Directory. #This setting is also used by the query sample (gsearch.jsp) #Example: connection.url=jdbc:oracle:thin:@<host>:<port>:<sid> connection.url=%JDBC_CONN_STR% oracle.net.encryption_client=REQUESTED oracle.net.encryption_types_client=(RC4_56,DES56C,RC4_40,DES40C) oracle.net.crypto_checksum_client=REQUESTED oracle.net.crypto_checksum_types_client=(MD5) oid.app_entity_cn=m16bi.sgtcnsun03.cn.oracle.com domain=us.oracle.com
この例では、次の変数が使用されています。
connection.driverは、使用しているJDBCドライバを指定します。
connection.urlは、中間層の接続先データベースを指定します。Oracle Ultra Searchでは、次の形式をサポートしています。
host:port:SID(hostはOracle Ultra Searchを実行しているOracle Databaseインスタンスのホストのフルネーム、portはOracle Databaseインスタンスのリスナー・ポート番号、SIDはOracle DatabaseインスタンスのID)
HAが認識される文字列(たとえばTNSキーワード-値の構文)
oracle.net.encryption_client、oracle.net.encryption_types_client、oracle.net.crypto_checksum_clientおよびoracle.net.crypto_checksum_types_clientは、データベースへのセキュアなJDBC接続のプロパティを制御します。詳細は、『Oracle Database JDBC開発者ガイドおよびリファレンス』を参照してください。
oid.app_entity_cn
は、Oracle Ultra Search中間層アプリケーションのエンティティ名を指定します。
domain
は、Identity ManagementのコンピュータとOracle Ultra Search中間層のコンピュータの共通ドメインを指定します。これにより、Delegated Administration Service(DAS)の値リストをInternet Explorerで使用できます。たとえば、Oracle Ultra Search中間層がus.oracle.comであり、Identity Managementコンピュータがuk.oracle.comである場合、共通ドメインはoracle.comです。
注意: Oracle Application Serverリリースの場合は、ultrasearch.properties ファイルでJDBC接続文字列を構成する必要はありません。データベース接続情報は、Oracle Internet Directoryから取得されます。 |
Oracle Ultra Searchリモート・クローラは、異なるホスト上で複数のクローラをパラレルに実行できます。ただし、すべてのリモート・クローラ・ホストは、共有ディレクトリやOracle Ultra Searchの共有データベースなどのリソースを共有する必要があります。
Oracle Ultra Searchリモート・クローラは、Oracle Ultra Searchのバックエンドの一部です。クローラのインストール手順は、Oracle Ultra Searchのバックエンドのインストール手順と同様です。
Oracle Ultra Searchのバックエンドは、各リモート・クローラ・ホスト上で、ORACLE_HOME
と呼ばれる共通ディレクトリにインストールされます。リモートのORACLE_HOME
ディレクトリは、$REMOTE_ORACLE_HOME
と呼ばれます。
Oracle Application Serverのインストール時にOracle HTTP Serverをインストールしなかった場合は、リモートのクロールを行うために次の一連の手順を手動で実行する必要があります。
環境を定義するファイルを検索します。
UNIXの場合は、$REMOTE_ORACLE_HOME/ultrasearch/tools/remotecrawler/scripts/unix/define_env
Windowsの場合は、$REMOTE_ORACLE_HOME\ultrasearch\tools\remotecrawler\ scripts\winnt\define_env
.bat
%ORACLE_HOME%
を、環境変数REMOTE_ORACLE_HOME
の値に置き換えます。
%s_jreLocation%
を、Java Runtime Environment(JRE)バージョン1.2.2以上のディレクトリ・パスに置き換えます。JREのルート・ディレクトリを指定する必要があります。
%s_jreJDBCclassfile%
を、Oracle JDBC Thinドライバ(バージョン12)のフルパスおよびファイル名に置き換えます。
リモート・クローラには、バックエンド・データベースとリモート・クローラ・ホストの間に通信チャネルが必要です。
通信メカニズムには、RMIとJDBCがあります。リモート・クローラの構成は、使用するメカニズムにより異なります。JDBCベースのメカニズムの場合は、登録処理中にデータベース・ユーザー(ロール)を指定する必要があります。
この登録処理は、Oracle Ultra Searchのリモート・クローラのホスト上でSQLスクリプトを実行することによって行われます。SQLスクリプトによって、SQL*PlusでOracleバックエンド・データベースに接続し、リモート・クローラ・ホストを登録します。
正確なOracleホームを指定します。
Oracle Ultra Search中間層は、共通ディレクトリであるORACLE_HOME
にインストールされます。Oracle Ultra Search中間層の前に他のOracle製品をインストールした場合は、使用中のホストに複数のORACLE_HOME
ディレクトリが存在している可能性があります。登録スクリプトを実行すると、Oracle Ultra Search中間層がインストールされているORACLE_HOME
ディレクトリを入力するように求められます。
WKSYS
スーパーユーザーまたはスーパーユーザー権限を付与されたデータベース・ユーザーとして登録スクリプトを実行する必要があります。
SQL*Plusを起動します。
他のOracle製品がインストールされている場合は、複数のバージョンのSQLPlusが同じホスト上に存在している可能性があるため、必ず適切なバージョンのSQL*Plusを実行してください。UNIXプラットフォームでは、変数PATH
, ORACLE_HOME
およびTNS_ADMIN
に適切な値が設定されていることを確認する必要があります。Windowsでは、「スタート」メニューから適切なメニュー項目を選択します。
適切なSQL*Plusクライアントの実行方法を確認してから、Oracle Ultra Searchデータベースにログオンする必要があります。そのためには、Oracle Ultra Searchデータベース用にOracle Net Servicesの設定を構成しておく必要があります。
SQL*Plusを実行した後、手順2で位置を指定したスキーマとパスワードを使用して、データベースにログオンします。
登録スクリプトを実行します。
SQL*PlusをWKSYS
スーパーユーザーで起動し、次のように入力します。
@full_path_of_registration_script
RMIベースのリモート・クロール用の登録スクリプトは次のスクリプトです。
$REMOTE_ORACLE_HOME/ultrasearch/tools/remotecrawler/scripts/<platform>/register.sql
たとえば、UNIXホスト上で$REMOTE_ORACLE_HOME
の値が/home/oracle11g
となっている場合は、SQL*Plusプロンプトで次のように入力してRMIベースのリモート・クローラを登録します。
@/home/oracle11g/ultrasearch/tools/remotecrawler/scripts/unix/register.sql
RMIベースの登録スクリプトによって、次の3つの変数を入力するプロンプトが表示されます。
RMI_HOSTNAME
: リモート・ホスト名。これは、RMIレジストリ/デーモンを実行するホストです。
RMI_REGISTRY_PORT
: RMIレジストリがリスニングするポートです。
ORACLE_HOME
: 手順1で位置を指定したOracleホーム。
たとえば、UNIXホストでは/u01/oracle11g
、Windowsホストではd:\u01\oracle11g
です。Windowsホストでは、スラッシュを使用していることに注意してください。
JDBCベースのリモート・クロール用の登録スクリプトは次のスクリプトです。
$REMOTE_ORACLE_HOME/ultrasearch/tools/remotecrawler/scripts/<platform>/register_jdbc.sql
たとえば、Windows上でSQL*Plusを実行中で、$REMOTE_ORACLE_HOME
がd:\Oracle\Oracle11g
にある場合は、SQL*Plusプロンプトで次のように入力して、JDBCベースのリモート・クローラを登録します。
@d:\Oracle\Oracle11g\ultrasearch\tools\remotecrawler\scripts\winnt\register_jdbc.sql
JDBCベースの登録スクリプトによって、次の3つの変数を入力するプロンプトが表示されます。
LAUNCHER_NAME
: JDBCベースのリモート・クローラ・ランチャの識別に使用する任意の文字列。JDBCベースのリモート・クローラ・ランチャを起動するときに必要です。
CONNECTUSER
: データベース接続を確立し、起動イベントをリスニングするためにJDBCベースのリモート・クローラ・ランチャが使用するデータベース・ユーザー(またはロール)。
ORACLE_HOME
: 手順1で位置を指定したOracleホーム。
登録スクリプトにより、wk_crw.register_remote_crawler
PL/SQL APIが起動します。wk_crw.register_remote_crawler
APIの引数を構成するには、変数REMOTE_CRAWLER_HOSTNAME
およびORACLE_HOME
を使用します。特に、複数のリモート・クローラをプログラムで登録する必要がある場合は、このAPIをコールすることを選択できます。
リモート・クローラ・プロファイル構成を検証し、完了します。2つの変数には、必ず適切な値を入力してください。登録が正しく完了したことを確認するには、次の操作を実行します。
Oracle Ultra Search管理ツールにログオンします。
「クローラ」タブで「リモート・クローラ・プロファイル」タブをクリックします。リモート・クローラ・プロファイル・リストに、登録したリモート・クローラ・ランチャが表示されます。
RMIベースのリモート・クローラの場合は、RMIサブシステムが一意に識別するhost:portの組合せが表示されます。
JDBCベースのリモート・クローラの場合は、ランチャ名が表示されます。
「編集」をクリックして、リモート・クローラ・プロファイルの構成を完了します。
関連項目: サービス設定の構成方法の詳細は、『Oracle Net Services管理者ガイド』を参照してください。 |
アップグレードを開始する前に、Oracle Ultra Search管理ツールにログオンします。Oracle Ultra Searchインスタンスごとに、すべてのクローラの同期スケジュールを停止し、無効にします。アップグレード後、すべてのクローラの同期スケジュールを有効にできます。
Oracle Database付属のOracle Ultra Searchをアップグレードするには、次の手順を実行します。
Oracle Ultra Searchのバックエンドのアップグレードを実行します。これには、Oracle Ultra Searchのデータベース・スキーマおよびサーバー・ファイルのアップグレードが含まれます。新しいOracleソフトウェアをインストールし、Oracle Database Upgrade Assistantを実行してデータベースとOracle Ultra Searchコンポーネントを新規リリースにアップグレードします。詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。
「Oracle Ultra Search中間層のインストール」の手順に従い、新規Oracle Ultra Search中間層をインストールします。