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Oracle Services for Microsoft Transaction Server開発者ガイド
11gリリース1(11.1) for Microsoft Windows
E05793-01
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1 Oracle DatabaseとMicrosoft Transaction Serverの連携

この章では、Microsoft Transaction ServerとOracle Databaseの統合について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

1.1 Microsoft Transaction Serverの概要

Microsoft Transaction Serverは、インターネットまたはネットワーク・サーバー上で動作する、独自規格のComponent Object Model(COM)トランザクション処理システムです。Microsoft Transaction Serverでは、クライアント・コンピュータにかわってアプリケーションおよびデータベース・トランザクションの要求をデプロイおよび管理します。Microsoft Transaction Serverによって提供される機能は次のとおりです。

Microsoft Transaction Serverは、サーバー中心のアーキテクチャ・モデルによる3層のコンポーネントです。このモデルにより、アプリケーションのプレゼンテーション、ビジネス・ロジックおよびデータ要素を分離して、ネットワークに接続された別々のコンピュータに配置できます。Microsoft Transaction Server機能は、COM+およびEnterprise Servicesにも実装されています。Microsoft Transaction Server、COM+およびEnterprise Servicesは、Oracle Services for Microsoft Transaction Server(OraMTS)によりサポートされます。


関連資料:

Microsoft Transaction Serverの追加情報は、Microsoftのドキュメントを参照してください。

1.1.1 Oracle Services for Microsoft Transaction Serverによる直列可能トランザクションのサポート

Oracle Services for Microsoft Transaction Serverでは、シリアライズ可能で読取りコミット済の分離レベルに対して、分散トランザクションのセットがサポートされるようになりました。

1.1.2 Oracle Services for Microsoft Transaction ServerによるDTCのサポート

Oracle Services for Microsoft Transaction Serverは、.NETのEnterprise ServicesコンポーネントであるMicrosoft分散トランザクション・コーディネータ(DTC)と連携して動作します。DTCは、トランザクションに関与するすべてのデータ・リソースで、トランザクションの結果に一貫性があるかどうかを確認するために、2フェーズ・コミット・プロトコルを実装しています。


関連資料:

Oracle Services for Microsoft Transaction ServerがReal Application Clustersで分散トランザクションに与える影響については、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

1.2 Microsoft Transaction ServerとOracleの統合の概要

特別な統合を行わなくても、Oracle Databaseに接続されたMicrosoft Transaction Serverに、Win32、Win64、COM、またはMicrosoft .NETを使用して作成したアプリケーションをデプロイできます。ただし、次のいずれかの機能を使用する場合は、Oracle Services for Microsoft Transaction Server(OraMTS)をインストールする必要があります。

Oracle Services for Microsoft Transaction Serverがインストールされた後、Oracle MTS Recovery Serviceも同じコンピュータに自動的にインストールされます。Oracle MTS Recovery Serviceは、そのコンピュータで開始されOracle Databaseインスタンスに残っているインダウト・トランザクションのリカバリに役立ちます。接続されているデータベースそれぞれについて、次の操作を行います。

これにより、データベースをMicrosoft Transaction Serverで開始されたトランザクションに登録することが可能になります。

次のいずれかのOracle製品を使用してCOMコンポーネントを作成します。

1.3 Microsoft Transaction ServerおよびOracleに関する参照先

これで、データベースでMicrosoft Transaction Serverを使用する準備が整いました。すぐに使用を開始するには、次のようにします。

  1. Microsoft Transaction Serverとデータベースの統合に必要なOracle製品およびMicrosoft製品をインストールします。

    第2章「Oracle製品のインストールおよび移行」を参照してください。

  2. Oracle Services for Microsoft Transaction Serverの以前のリリースから移行します。

    第2章「Oracle製品のインストールおよび移行」を参照してください。

  3. Microsoft Transaction Server管理者ユーザー・アカウントを作成します。

    第3章「リカバリのシナリオ管理」を参照してください。

  4. Microsoft Transaction Serverのトランザクション・リカバリ・ジョブのスケジューリングを行います。

    第3章「リカバリのシナリオ管理」を参照してください。

  5. Microsoftアプリケーション・デモを実行します。

    次の処理を行うアプリケーション・デモの実行については、第4章「Microsoftアプリケーション・デモの実行」を参照してください。

    • Microsoft Transaction Serverをホストとするトランザクション・コンポーネントの使用

    • Microsoft Transaction Serverによって制御されるトランザクション内のデータベースへのアクセス

  6. Microsoft Transaction Serverをホストとするアプリケーションを作成します。

    COMベースのアプリケーションでの、OCI、OO4O、Oracle ODBCドライバまたはOracle Provider for OLE DBの使用方法については、第5章「Microsoft Transaction ServerおよびOracle Databaseを使用したプログラミング」を参照してください。

  7. Microsoft Transaction Serverを異なるWindowsオペレーティング・システムで使用した場合の違いを確認します。