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Oracle Provider for OLE DB開発者ガイド
11gリリース1(11.1)
E05795-01
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1 Oracle Provider for OLE DBの概要

この章では、Oracle Provider for OLE DB(OraOLEDB)の概要を示します。

この章の項目は次のとおりです。

1.1 OLE DBの概要

OLE DBは、オープンで標準的なデータ・アクセス方法であり、様々なタイプのデータに対するアクセスおよび操作において、一連のComponent Object Model(COM)インタフェースを使用します。このインタフェースは様々なデータベース開発元から提供されています。

1.1.1 OLE DBの設計

OLE DBの設計の中心となるのは、コンシューマおよびプロバイダの概念です。 図1-1にOLE DBシステムを示します。コンシューマは旧来のクライアントを表します。プロバイダはデータを表形式で格納し、コンシューマにデータを返します。

図1-1 OLE DBの流れ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 OLE DBの流れ」の説明

OLE DBデータ・プロバイダ

OLE DBデータ・プロバイダは、データソースからコンシューマにデータを転送する、一連のCOMコンポーネントです。OLE DBプロバイダは、コンシューマからのコールに応答してデータを表形式で用意します。プロバイダは単純にも複雑にもできます。プロバイダは表を返すことができます。また、コンシューマに表の形式を決定させることや、データを操作することができます。

各プロバイダはコンシューマからの要求を処理する標準COMセットを実装します。プロバイダは、追加機能を提供するCOMインタフェースをオプションとして実装できます。

標準インタフェースにより、どのプロバイダからのデータに対しても、すべてのOLE DBコンシューマからアクセスできます。 COMコンポーネントにより、コンシューマはC++、Visual BasicおよびJavaなど、COMをサポートする任意のプログラム言語でアクセスできます。

OLE DBデータ・コンシューマ

OLE DBデータ・コンシューマは、プロバイダのOLE DBインタフェースを利用して様々なデータにアクセスするためのアプリケーションまたはツールです。

1.2 OraOLEDBの概要

Oracle Provider for OLE DB(OraOLEDB)は、高いパフォーマンスを提供し、OLE DBコンシューマがOracleデータへ効率的にアクセスできるようにするOLE DBデータ・プロバイダです。

通常、この開発者ガイドでは、OLE DBまたはADOを介してOraOLEDBを使用していることを想定しています。

Oracle Provider for OLE DBのサンプル・コード、最新のパッチおよびその他の技術情報は、次のWebサイトを参照してください。

http://otn.oracle.com/tech/windows/ole_db

.NETフレームワークの出現により、OraOLEDBでのOLEDB.NETデータ・プロバイダの使用がサポートされるようになりました。適切な接続属性を設定することで、OLEDB.NETデータ・プロバイダでOraOLEDBを利用してOracleデータベースにアクセスできます。


関連項目:

OLEDB.NETデータ・プロバイダのサポートの詳細は、「OLEDB.NETデータ・プロバイダの互換性」を参照

1.3 システム要件

Oracle Provider for OLE DBを使用するシステムには次の要件が必要です。

1.4 OraOLEDBのインストール

Oracle Provider for OLE DBは、Oracleのインストール時に一緒にインストールできます。Oracle Provider for OLE DBには、機能、およびこの製品を使用した実際の問題の解決方法を示すデモが含まれています。


関連項目:

インストールの手順は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照

インストール・プロセス中に、表1-1にリストされているファイルがシステムにインストールされます。一部のファイル名にあるverは、リリース・バージョンを示しています。

表1-1 Oracle Provider for OLE DBファイル

ファイル 説明 場所

OraOLEDBver.dll

Oracle Provider for OLE DB

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBrfcver.dll

Oracle行セット・ファイル・キャッシュ・マネージャ

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBrmcver.dll

Oracle行セット・メモリー・キャッシュ・マネージャ

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBrstver.dll

Oracle行セット

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBgmrver.dll

Oracle ODBC SQLパーサー

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBlangver.dll

langは必要な言語)

言語固有のリソースDLL

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBpusver.dll

プロパティの説明

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDButlver.dll

OraOLEDBユーティリティDLL

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDBver.tlb

OraOLEDBタイプ・ライブラリ

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\bin

OraOLEDB.h

OraOLEDBヘッダー・ファイル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\include

OraOLEDBver.lib

OraOLEDBライブラリ・ファイル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\lib

OraOLEDBlang.msb

langは必要な言語)

言語固有のメッセージ・ファイル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\mesg

READMEおよびドキュメント・ファイル

リリース・ノートおよびオンライン・マニュアル

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\directory

サンプル・ファイル

サンプル・コード

ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oledb\samples


1.5 コンポーネントのサポート

オラクル社では、各種プラットフォーム上のコンポーネントに関するサポート情報、互換性のあるクライアントとデータベース・バージョンの一覧、ならびにパッチと対処方法の情報を提供しています。

最新の認証情報は、次のサイトを参照してください。

http://metalink.oracle.com/

OracleMetaLinkを使用するには、オンラインでの登録が必要です。OracleMetaLinkにログインした後、左側の列から「Product Lifecycle」を選択します。「Product Lifecycle」ページから「Certifications」をクリックします。「Other Product Lifecycle」オプションには、「Product Availability」、「Desupport Notices」および「Alerts」があります。