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Oracle® Application Express管理ガイド
リリース3.2
B53791-03
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ワークスペースの作成

ユーザーがOracle Application Expressにログインする場合、ワークスペースという作業用の共有領域にログインします。ワークスペースは、複数のユーザーが同一のOracle Application Expressインストール内でプライベートなオブジェクト、データ、アプリケーションを維持したまま作業できる仮想プライベート・データベースです。各ワークスペースには、一意の数値IDおよび名前が含まれます。

ワークスペースに変更を加えるためには、ワークスペース管理者は変更リクエストをOracle Application Express管理者に送信します。変更リクエストの承認または新しいワークスペースの割当てを行うことができるのはOracle Application Express管理者のみです。

このセクションの構成は次のとおりです。

ワークスペースの割当てについて

Oracle Application Express管理者が新しいスキーマを使用してワークスペースを新規に作成する場合、新しい表領域およびデータファイルがそのスキーマに作成されます。Oracle Managed Filesが有効な場合、新しい表領域のデータファイルは、Oracle Managed Filesにより管理されます。

Oracle Managed Filesを使用すると、Oracle Databaseの管理が簡単になり、データベースを構成するオペレーティング・システム・ファイルをデータベース管理者(DBA)が直接管理する必要がなくなります。DBAは、Oracle Managed Filesを使用して、ファイル名ではなくデータベース・オブジェクトごとに操作を指定します。新しい表領域のデータファイルには、Oracle Managed Filesの表記規則に従って名前が付けられます。また、それらのファイルの配置は、データベース初期化パラメータDB_CREATE_FILE_DESTによって決定されます。

Oracle Managed Filesを有効にしていない場合は、Oracle Application Expressがインストールされた表領域の最初のデータファイルと同じディレクトリにデータファイルが作成されます。


参照:

『Oracle Database管理者ガイド』のOracle Managed Filesの使用

割当てモードの指定

Oracle Application Express管理者は、Oracle Application Express開発インスタンスでのワークスペースの割当て(または作成)プロセスの動作方法を決定できます。

「手動」割当てモードでは、Oracle Application Express管理者が新しいワークスペースを作成し、ワークスペース管理者にログイン情報を通知します。「リクエスト」または電子メールの検証割当てモードでは、ユーザーがセルフ・サービス方式でワークスペースを直接リクエストします。この方法では、ユーザーはログイン・ページ上のリンクを使用してリクエスト・フォームにアクセスします。ワークスペース・リクエストが承認されると、該当するログイン情報が電子メールで自動的にユーザーに送信されます。

割当てモードを指定するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「サービスの管理」をクリックします。

  3. 「環境設定の管理」で、「インスタンスの設定」をクリックします。

  4. 「セルフ・サービス」で、割当てステータスを選択します。

    • 手動 - Oracle Application Express管理者が新しいワークスペースを手動で作成し、ワークスペース管理者にログイン情報を通知します。

    • リクエスト - ユーザーがセルフ・サービス方式で直接ワークスペースをリクエストします。このオプションを選択することにより、ログイン・ページにユーザーがワークスペースをリクエストできるリンクが表示されます。ユーザーがワークスペースをリクエストすると、各リクエストは承認用のキューに送信されます。リクエストが承認されると、ユーザーにログイン資格証明(ワークスペース名、ユーザーIDおよびパスワード)を含む電子メールが送信されます。

    • 電子メールの検証 - 「リクエスト」とほぼ同じですが、各ユーザーは検証リンクを含んだ電子メールを最初に受信します。このリンクをクリックすると、ユーザーの電子メール・アドレスが検証されてからリクエストが処理されます。その後にログイン資格証明(ワークスペース名、ユーザーIDおよびパスワード)を含む電子メールが送信されます。

  5. 「電子メール・プロビジョニング」から「無効」を選択すると、電子メールの検証で割当てを行う場合に、ワークスペースの割当てが完全に無効になります。電子メール・プロビジョニングを無効にした理由を示すメッセージをユーザーに表示するには、「メッセージ」フィールドを使用します。

  6. 前のステップで「リクエスト」または「電子メールの検証」を選択した場合は、「開発サービスURL」にURLを入力します(オプション)。

    入力した値は、リクエスト承認時の電子メールで使用されます。この設定によって、サービスのURLが定義されます。この設定を行わなかった場合、このURLはご使用の環境から導出されます。

  7. 「変更の適用」をクリックします。


注意:

ログイン・ページのリンクを使用してユーザーがワークスペースをリクエストできるようにするには、Oracle Application Express管理者は前のステップで説明した「リクエスト」または「電子メールの検証」の割当てステータスを選択する必要があります。割当てステータスが「手動」に設定されている場合、ログイン・ページにリンクが表示されません。

ワークスペースの手動作成

Oracle Application Express管理者は、フル開発環境またはランタイム環境のいずれかで手動でワークスペースをプロビジョニングできます。

このセクションの構成は次のとおりです。

フル開発環境での手動によるワークスペースの作成

Oracle Application Express管理者は、ワークスペースの作成ウィザードを実行して、ワークスペースを手動で割り当てることができます。

ワークスペースを手動で作成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「ワークスペースの管理」をクリックします。

  3. 「ワークスペースの管理」で、「ワークスペースの作成」をクリックします。

    ワークスペースの作成ウィザードが表示されます。

  4. 「ワークスペースの指定」で、ワークスペースの名前と説明を入力し、「次へ」をクリックします。また、「スキーマの指定」で、既存のスキーマを再利用するか、新規スキーマを作成するかを指定します。

    既存のスキーマを使用する場合

    1. 「既存のスキーマを再利用」で、「はい」を選択します。

    2. リストからスキーマを選択します。

    3. 「次へ」をクリックします。

    新しいスキーマを作成する場合

    1. 「既存のスキーマを再利用」で、「いいえ」を選択します。

    2. スキーマの名前とパスワードを入力します。

    3. 領域割当てを指定します。

    4. 「次へ」をクリックします。

  5. 「管理者の指定」で、ワークスペース管理者の情報を入力して、「次へ」をクリックします。

  6. 選択内容を確認して、「作成」をクリックします。

ランタイム環境での手動によるワークスペースの作成

ランタイム環境にワークスペースを追加するには、次の手順を実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。

    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      

    プロンプトが表示されたら、適切なパスワードを入力します。

  2. 次の文を実行します。

    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_030200
    
  3. 次の文を実行します。

    BEGIN
    APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_WORKSPACE(WORKSPACE_ID,WORKSPACE_NAME, SCHEMA_NAME, SCHEMA_LIST)
    END;
    

    各要素の意味は次のとおりです。

    • WORKSPACE_IDは、ワークスペースのIDです。NULLの場合は、自動的に割り当てられます。

    • WORKSPACE_NAMEは、ワークスペースの名前です。

    • SCHEMA_NAMEは、ワークスペースに関連付けるプライマリ・スキーマの名前です。

    • SCHEMA_LISTは、コロン区切りのリストで、ワークスペースに関連付ける追加スキーマを示します。

スキーマへのワークスペースの割当ての管理

ユーザーがOracle Application Expressにログインする場合、ワークスペースという作業用の共有領域にログインします。各ワークスペースに、複数のスキーマを関連付ける(マップする)ことができます。開発者は、ワークスペースをスキーマに関連付けることによって、次のことを実行できます。

  • そのスキーマ内のデータベース・オブジェクトと相互作用するアプリケーションの構築

  • そのスキーマ内での新しいデータベース・オブジェクトの作成

このセクションの構成は次のとおりです。

開発環境でのスキーマおよびワークスペースの割当ての表示

Oracle Application Express管理者はワークスペースとスキーマの割当ての管理ページに、既存のスキーマとワークスペースの割当てを表示できます。

既存のスキーマへのワークスペースの割当てを表示するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「ワークスペースの管理」をクリックします。

  3. 「ワークスペースの管理」で、「ワークスペースとスキーマの割当ての管理」をクリックします。

    ワークスペースとスキーマの割当ての管理ページが表示されます。ここには関連付けられたスキーマと環境内のすべてのワークスペースが表示されます。

ランタイム環境のスキーマおよびワークスペースの割当ての表示

ランタイム環境で既存のスキーマへのワークスペースの割当てを表示するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。

    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      

    プロンプトが表示されたら、適切なパスワードを入力します。

  2. 次の文を実行します。

    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_030200
    
  3. 次の文を実行します。

    SELECT APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_SCHEMAS(WORKSPACE_NAME) 
    FROM DUAL;
    

    ここで、WORKSPACE_NAMEはワークスペースの名前です。

既存のスキーマおよびワークスペースの割当ての編集

次のステップで、既存のスキーマとワークスペースの割当てを編集します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「ワークスペースの管理」をクリックします。

  3. 「ワークスペースの管理」で、「ワークスペースとスキーマの割当ての管理」をクリックします。

    ワークスペースとスキーマの割当ての管理ページが表示されます。

  4. 既存のスキーマへのワークスペースの割当てを編集するには次のステップを実行します。

    1. ワークスペース名を選択します。

      スキーマとワークスペースの割当ての編集ページが表示されます。

    2. 新しいワークスペースまたはスキーマを選択します。

    3. 「変更の適用」をクリックします。

追加スキーマとワークスペースとの関連付け

Oracle Application Express管理者はその他の既存スキーマをワークスペースに関連付ける(マップする)ことができます。

完全開発環境での追加スキーマの関連付け

追加スキーマをワークスペースに関連付けるには、次のステップを実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「ワークスペースの管理」をクリックします。

  3. 「ワークスペースの管理」で、「ワークスペースとスキーマの割当ての管理」をクリックします。

    ワークスペースとスキーマの割当ての管理ページが表示されます。

  4. 「作成」をクリックします。

    スキーマの追加ウィザードが表示されます。

  5. 「新規または既存のスキーマ」で、「既存」を選択し「次へ」をクリックします。

  6. 画面に表示されるステップに従って、既存のスキーマをワークスペースに関連付けます。

  7. 新しいスキーマがワークスペースに追加されたことを検証するには次を実行します。

    1. Oracle Application Expressのワークスペースにログインします。

    2. 「ワークスペース」ホームページで、「ワークスペース・スキーマ」リストを確認します。このリストには、現在このワークスペースに関連付けられているすべてのスキーマが表示されます。

ランタイム環境での追加スキーマの関連付け

ランタイム環境で追加スキーマをワークスペースに関連付けるには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。

    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      

    プロンプトが表示されたら、適切なパスワードを入力します。

  2. 次の文を実行します。

    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_030200
    
  3. 次の文を実行します。

    BEGIN
    APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_SCHEMA(WORKSPACE_NAME, SCHEMA_NAME)
    END;
    

    各要素の意味は次のとおりです。

    • WORKSPACE_NAMEは、ワークスペースの名前です。

    • SCHEMA_NAMEは、スキーマの名前です。

ランタイム環境のワークスペースからのスキーマ・マッピングの削除

ランタイム環境でワークスペースからスキーマ・マッピングを削除するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。

    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      connect sys as sysdba
      

    プロンプトが表示されたら、適切なパスワードを入力します。

  2. 次の文を実行します。

    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_030200
    
  3. 次の文を実行します。

    BEGIN
    APEX_INSTANCE_ADMIN.REMOVE_SCHEMA(WORKSPACE_NAME, SCHEMA_NAME)
    END;
    

    各要素の意味は次のとおりです。

    • WORKSPACE_NAMEは、ワークスペースの名前です。

    • SCHEMA_NAMEは、スキーマの名前です。

新しいスキーマの作成

Oracle Application Express管理者は新しいスキーマを作成し、それをワークスペースに関連付けることができます。

ワークスペースに新しいスキーマを作成するには次を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「ワークスペースの管理」をクリックします。

  3. 「ワークスペースの管理」で、「ワークスペースとスキーマの割当ての管理」をクリックします。

    ワークスペースとスキーマの割当ての管理ページが表示されます。

  4. 「作成」をクリックします。

    スキーマの追加ウィザードが表示されます。

  5. 「新規または既存のスキーマ」で、「新規」を選択し「次へ」をクリックします。

  6. 「ワークスペースの選択」では、新しいスキーマを関連付けるワークスペースを選択し「次へ」を選択します。

  7. 「スキーマの指定」で次のようにします。

    1. スキーマ - 文字のみを使用した一意な名前を入力します。


      ヒント:

      新しいスキーマ名が一意かどうか検証するには、選択リストを開き、スキーマ名を検索します。

    2. パスワード - パスワードを大/小文字を区別して入力します。

    3. デフォルトの表領域 - このスキーマで使用するデフォルト表領域を指定します。

    4. 一時表領域 - このスキーマで使用する一時表領域を識別します。

    5. 「次へ」をクリックします。

  8. 情報を確認して「スキーマの追加」をクリックします。

  9. 新しいスキーマがワークスペースに追加されたことを検証するには次を実行します。

    1. Oracle Application Expressのワークスペースにログインします。

    2. 「ワークスペース」ホームページで、「ワークスペース・スキーマ」リストを確認します。このリストには、このワークスペースに関連付けられているすべてのスキーマが表示されます。