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Oracle® Spatial開発者ガイド
11gリリース2 (11.2)
B72087-03
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Oracle Spatialの新機能

この項では、Oracle Databaseリリース11のOracle Spatialの新機能および変更された機能について説明します。

リリース11.2

Oracle Spatial 11g リリース2 (11.2)の新機能および変更された機能は次のとおりです。

WFSおよびCSWデータのアップグレード前後に索引のメンテナンスが必要

SpatialのWeb Feature Service (WFS)のサポートまたはCatalog Services for the Web (CSW)のサポートを使用している場合、および1つ以上のSYS.XMLTABLEINDEXの索引を使用して索引付けされた以前のリリースのデータがある場合は、アップグレード前に関連付けられた索引を削除し、アップグレード後に索引を再作成する必要があります。

詳細は、A.3項を参照してください。

新しい空間集計ファンクション

次の新しい空間集計ファンクションが追加されました(第20章を参照)。

新しいSDO_GEOMサブプログラム

次の新しいサブプログラムがSDO_GEOMパッケージに追加されました(第24章を参照)。

新しいSDO_UTILサブプログラム

次の新しいサブプログラムがSDO_UTILパッケージに追加されました(第32章を参照)。

新しいSDO_WFS_LOCKサブプログラム

次の新しいサブプログラムがSDO_WFS_LOCKパッケージに追加されました(第33章を参照)。

FIRST_ROWSヒントを使用したSDO_NN_DISTANCEのパフォーマンスの向上

SDO_NN_DISTANCE補助演算子の実装が変更され、FIRST_ROWSオプティマイザ・ヒントを指定するとパフォーマンスが向上するようになりました。FIRST_ROWSヒントの使用例は、第19章SDO_NN_DISTANCEを参照してください。

SpatialアプリケーションでのGoogle Mapsのサポート

Oracle Spatialアプリケーションを使用したGoogle Mapsのサポートが強化されました。リリース11.2.0.2より、EPSGルールを宣言したり、Google互換の結果を生成するためにユースケース名USE_SPHERICALを指定する必要がないため、SRID 3785に代わって、便利な新しいSRID 3857を指定できます。もう1つのオプション(リリース11.2.0.1より有効ですが、前述のオプションの方が便利です)では、SDO_CS.TRANSFORMファンクションまたはSDO_CS.TRANSFORM_LAYERプロシージャを使用してUSE_SPHERICALのユース・ケース名を指定できます。これらのオプションのどちらも、Spatialで、その投影で楕円体の計算ではなく、(Google Mapsが使用する)球体の計算が使用されます。詳細は、6.12項「Google Mapsに関する考慮事項」を参照してください。

WFSを使用したWorkspace Managerのサポート

データベース・トランザクションおよびOracle Workspace Managerワークスペース・メンテナンス操作を、WFS(WFS-T)と同じセッションで実行できます。以前のリリースでは、1 つ以上のワークスペースのWFS問合せのみがサポートされていました。Workspace ManagerでのWFSの使用方法の詳細は、15.5項を参照してください。

空間索引を含むトランスポート可能な表領域でサポートされるクロスエンディアン操作

SDO_UTIL.INITIALIZE_INDEXES_FOR_TTSプロシージャ(第32章を参照)では、空間索引を含むトランスポート可能な表領域,が、エンディアン形式のプラットフォーム(ビッグエンディアンからリトルエンディアンまたはリトルエンディアンからビッグエンディアン)でサポートされるようになりました。これらは、以前のリリースではサポートされていませんでした。

非常に大きなジオメトリのサポート(1,048,576より多い縦座標)

1,048,576より多い縦座標を含むジオメトリをサポートしている場合、新しいスクリプトを使用できますが、そうすると、多くの追加作業、データベースのダウンタイム、およびいくつかの考慮事項と制限事項が発生します。詳細は、A.4項を参照してください。

SDO_UTIL.PREPARE_FOR_TTS 非推奨

Oracle Database リリース11.2で有効なSDO_UTIL.PREPARE_FOR_TTSプロシージャは、非推奨となっています。トランスポータブル表領域のエクスポート操作を実行する前に、このプロシージャをコールする必要はありません。

GC_ADDRESS_POINT表

GC_ADDRESS_POINT_<suffix>表(たとえば、GC_ADDRESS_POINT_US)は、住所の実際の緯度と経度の座標を格納します。そのため、これを使用するとSpatialのジオコーダでより正確な位置を提供することができます。GC_ADDRESS_POINT表はジオコーディングに必要ではありませんが、この表が存在する場合は、ジオコーダによって自動的に使用され、結果が改善されます。この表およびこの表に関連付けられた索引については、11.5.1項を参照してください。

リリース11.1

Oracle Spatial 11g リリース1 (11.1)の新機能および変更された機能は次のとおりです。

3次元のジオメトリのサポート

1.11項で説明しているように、Oracle Spatialでは、3次元のジオメトリ・オブジェクトの作成と格納をサポートしています。

Webサービスのサポートの拡張: ビジネス・ディレクトリ、Web Feature Service、カタログ・サービスおよびOpenLS

SpatialのWebサービスに対するサポートが拡張されました。Webサービスを使用すると、Oracle Spatialアプリケーションの開発者は、アプリケーション・ユーザーに対してフィーチャ・データおよびメタデータをWeb経由で提供できます。第10章では、Webサービスに対するサポートと、全体的な要件および考慮事項について説明します。Webサービスを介してサポートされる新機能については、次に示す章で説明します。

ルーティング・エンジン機能の強化

ルーティング・エンジンは次の点が強化されました。

  • マヌーバ当たりの時間およびジオメトリ

  • 長いIDのサポート

  • ルート・レベルとセグメント・レベルの両方でのエッジIDのサポート

  • 運転方向の生成機能の向上

ルーティング・エンジンについては、第13章を参照してください。

SQL Multimedia型

SQL Multimedia空間型(ST_xxx)に対するサポートが強化されました。これらの型は、『ISO 13249-3, Information technology - Database languages - SQL Multimedia and Application Packages - Part 3: Spatial』で指定されています。これらの型に対するOracle Spatialのサポートについては、第3章を参照してください。

注釈テキスト

Oracle Spatialは、『OpenGIS Implementation Specification for Geographic information - Simple feature access - Part 1: Common architecture』で指定されているアノテーション・テキストをサポートするようになりました。このサポートについては、3.5項を参照してください。

RELAX_POSTAL_CODEと同等なジオコーディング操作のDEFAULT一致モード

ジオコーディング操作のDEFAULT一致モードは、RELAX_POSTAL_CODEモードと同等になりました。以前のリリースでは、このモードはRELAX_BASE_NAMEモードと同等でした。ジオコーディング操作の一致モードについては、11.1.2項を参照してください。

SDO_GEOR_ADDRの新しいMatchVector属性

MatchVectorは、SDO_GEO_ADDRオブジェクト型の最後の属性として追加されました。この属性は、各住所の属性がジオコーディングに使用されるデータとどのように一致したかを示す文字列です。MatchVector属性は、表11-6にリストされており、11.1.5項で詳細に説明されています。

SDO_GEOM.CLOSEST_POINTSプロシージャ

この新しいSDO_GEOM.SDO_CLOSEST_POINTSプロシージャ(第24章を参照)は、2つのジオメトリ間の最短距離、および最短距離を示す点(各ジオメトリに1つ)を計算します。

SDO_UTIL.BEARING_TILT_FOR_POINTSプロシージャ

この新しいSDO_UTIL.BEARING_TILT_FOR_POINTSプロシージャ(第32章を参照)は、開始点から終了点への方位と傾きを計算します。

SDO_NN演算子を使用した距離によるフィルタリング

SDO_NN演算子に、paramパラメータのdistanceキーワードを使用して(第19章を参照)、最近傍を検索する距離を制限します(たとえば、'distance=10 unit=mile')。