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Oracle Data Mining管理者ガイド
11g リリース2(11.2)
E57718-01
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5 マイニング・モデル・スキーマ・オブジェクトの使用

この章では、データ・ディクショナリからのマイニング・モデルに関する情報の検索方法と、マイニング・モデルに関する各種操作方法について説明します。

この章には、次の項が含まれます。

データ・ディクショナリ情報の入手

マイニング・モデルはデータベース・スキーマ・オブジェクトです。マイニング・モデルは、ALLDBAおよびUSERの各データ・ディクショナリ・ビューで問合せできます。

表5-1に、Oracle Data Miningで作成されるマイニング・モデルについてデータ・ディクショナリ・ビュー別に示します。

表5-1 マイニング・モデルのデータ・ディクショナリ・ビュー

ALLビュー DBAビュー USER_ビュー

ALL_MINING_MODELS

DBA_MINING_MODELS

USER_MINING_MODELS

ALL_MINING_MODEL_ATTRIBUTES

DBA_MINING_MODEL_ATTRIBUTES

USER_MINING_MODEL_ATTRIBUTES

ALL_MINING_MODEL_SETTINGS

DBA_MINING_MODEL_SETTINGS

USER_MINING_MODEL_SETTINGS


マイニング・モデルに関する情報の入手

すべてのアクセス可能なマイニング・モデル・オブジェクトに関する情報を入手するには、ALL_MINING_MODELSデータ・ディクショナリ・ビューを問い合せます。

SQL> DESCRIBE all_mining_models
 Name                                      Null?    Type
 ----------------------------------------- -------- ----------------------------
 OWNER                                     NOT NULL VARCHAR2(30)
 MODEL_NAME                                NOT NULL VARCHAR2(30)
 MINING_FUNCTION                                    VARCHAR2(30)
 ALGORITHM                                          VARCHAR2(30)
 CREATION_DATE                             NOT NULL DATE
 BUILD_DURATION                                     NUMBER
 MODEL_SIZE                                         NUMBER
 COMMENTS                                           VARCHAR2(4000)

COMMENTS列の情報は、SQL COMMENT文によって生成されます。コメントは、モデルに関する説明的な情報です。SQL COMMENTによってコメントが生成されなかった場合、COMMENTS列は空になります。「マイニング・モデルへのコメントの追加」を参照してください。


関連項目:

マイニング機能およびマイニング・アルゴリズムについては、『Oracle Data Mining概要』を参照してください。

ALL_MINING_MODELSの詳細は、Oracle Data Miningユーザーズ・ガイドを参照してください。


マイニング・モデル属性に関する情報の入手

すべてのアクセス可能なマイニング・モデル属性に関する情報を入手するには、ALL_MINING_MODEL_ATTRIBUTESデータ・ディクショナリ・ビューを問い合せます。

SQL> DESCRIBE all_mining_model_attributes
 Name                                      Null?    Type
 ----------------------------------------- -------- ----------------------------
 OWNER                                     NOT NULL VARCHAR2(30)
 MODEL_NAME                                NOT NULL VARCHAR2(30)
 ATTRIBUTE_NAME                            NOT NULL VARCHAR2(30)
 ATTRIBUTE_TYPE                                     VARCHAR2(11)
 DATA_TYPE                                          VARCHAR2(12)
 DATA_LENGTH                                        NUMBER
 DATA_PRECISION                                     NUMBER
 DATA_SCALE                                         NUMBER
 USAGE_TYPE                                         VARCHAR2(8)
 TARGET                                             VARCHAR2(3)

注意:

このデータ・ディクショナリ・ビューに表示される属性は、モデルの作成に使用された作成データの物理列です。スコアリングには、これらの列の一部またはすべてが必要です。こうしたデータ属性は、モデルのシグネチャと呼ばれます。

属性という用語は、アルゴリズムによる操作のためにデータ属性から導出された量的および質的な属性を示すために使用するほうが正確です。これらのモデル属性がデータ属性と一致するかどうかは、変換や列のネストの有無によって異なることがあります。モデル属性は、DBMS_DATA_MININGパッケージのGET_MODEL_DETAILSファンクションによって返されるモデル詳細で見ることができます。



関連項目:

属性の詳細は、Oracle Data Miningユーザーズ・ガイドを参照してください。

ALL_MINING_MODEL_ATTRIBUTESの詳細は、Oracle Data Miningユーザーズ・ガイドを参照してください。

GET_MODEL_DETAILSファンクションの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。


マイニング・モデル設定に関する情報の入手

すべてのアクセス可能なマイニング・モデル設定に関する情報を入手するには、ALL_MINING_MODEL_SETTINGSデータ・ディクショナリ・ビューを問い合せます。

SQL> DESCRIBE all_mining_model_settings
 Name                                      Null?    Type
 ----------------------------------------- -------- ----------------------------
 OWNER                                     NOT NULL VARCHAR2(30)
 MODEL_NAME                                NOT NULL VARCHAR2(30)
 SETTING_NAME                              NOT NULL VARCHAR2(30)
 SETTING_VALUE                                      VARCHAR2(4000)
 SETTING_TYPE                                       VARCHAR2(7)

モデル設定は、モデルの作成で使用する設定表で指定します。これらの設定はすべて、デフォルト値を持っています。デフォルト値は、設定表で指定された設定により変更されない場合、または設定表が存在しない場合に使用されます。


関連項目:

モデル設定の詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

ALL_MINING_MODEL_SETTINGSの詳細は、Oracle Data Miningユーザーズ・ガイドを参照してください。


マイニング・モデルのデータ定義言語

マイニング・モデルのDDL操作を、表5-2に示します。この操作は、PL/SQLのDBMS_DATA_MININGパッケージのプロシージャです。

表5-2 マイニング・モデルのDDL

DDL DBMS_DATA_MINING Procedure 説明

コスト・マトリックスの追加

ADD_COST_MATRIX

分類モデルにコスト・マトリックスを追加します。

逆変換式の変更

ALTER_REVERSE_EXPRESSION

モデルに関連付けられている逆変換式を変更する。

モデルの作成

CREATE_MODEL

モデルを作成します。

モデルの削除

DROP_MODEL

モデルを削除します。

コスト・マトリックスの削除

REMOVE_COST_MATRIX

分類モデルからコスト・マトリックスを削除する。

モデルの名前の変更

RENAME_MODEL

モデルの名前を変更する。



関連項目:

詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

マイニング・モデルへのコメントの追加

コメントは、記述情報をデータベース・オブジェクトに関連付けるために使用できます。SQL COMMENT文を使用して、コメントをマイニング・モデルに関連付けることができます。

COMMENT ON MINING MODEL schema_name.model_name IS string;

注意:

別のスキーマのモデルにコメントを追加するには、COMMENT ANY MODELシステム権限が必要です。

表4-1「データ・マイニングのシステム権限」を参照してください。


コメントを削除するには、コメントを空の''文字列に設定します。

自分のスキーマのモデルDT_SH_CLAS_SAMPLEにコメントを追加するには、次の文を使用します。

SQL> COMMENT ON MINING MODEL dt_sh_clas_sample IS
           'Decision Tree model predicts promotion response';

USER_MINING_MODELSカタログ・ビューを問い合せることによって、コメントを表示できます。

SQL> COLUMN comments FORMAT a22
SQL> SELECT model_name, mining_function, algorithm, comments FROM user_mining_models; 

MODEL_NAME        MINING_FUNCTION  ALGORITHM      COMMENTS
----------------- ---------------- -------------- -----------------------------------------------
DT_SH_CLAS_SAMPLE CLASSIFICATION   DECISION_TREE  Decision Tree model predicts promotion response 

データベースからこのコメントを削除するには、次の文を発行します。

SQL> COMMENT ON MINING MODEL dt_sh_clas_sample '';

マイニング・モデルの監査

SQL監査システムは、本番環境でデータベース・オブジェクトに対する操作を追跡できるDBAツールです。データ・マイニング・モデルは、SQL監査システムで追跡できます。


注意:

別のスキーマのマイニング・モデルを監査するには、AUDIT ANYシステム権限が必要です。

表4-1「データ・マイニングのシステム権限」を参照してください。


データベース内の監査の有効化

データベース管理者は、監査を利用してデータベースにおける活動を監視します。様々なデータベース操作を監視するために、監査レコードを生成できます。それらには、監査対象の操作、その操作を実行したユーザーおよび操作日時などの情報が含まれます。

監査レコードは、データベース監査証跡と呼ばれるデータ・ディクショナリ表、またはオペレーティング・システム監査証跡と呼ばれるオペレーティング・システム・ファイルのいずれかに格納できます。

データベース初期化パラメータAUDIT_TRAILは、データベースの監査機能を制御します。監査を有効にするには、AUDIT_TRAILを次のいずれかに設定します。

DB
DB,EXTENDED
OS
XML
XML,EXTENDED

監査情報が記録されないようにするには、AUDIT_TRAILNONEに設定します。デフォルトでは、AUDIT_TRAILDBに設定されています。


関連項目:

AUDIT_TRAIL設定の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

マイニング・モデルの監査証跡のオープン

データ・マイニング・モデルの監査証跡を開くには、SQLのAUDIT文を使用します。

AUDIT {operation|ALL} ON MINING MODEL schema_name.model_name;

マイニング・モデルに関する次の操作を追跡できます。

監査操作 説明
AUDIT マイニング・モデルの監査証跡の生成
COMMENT マイニング・モデルへのコメントの追加
GRANT ユーザーに対するモデルのアクセス権の付与
RENAME モデルの名前変更
SELECT モデルの適用またはモデル・シグネチャの表示

たとえば、次の文は、DMUSERスキーマのモデルNB_SH_CLAS_SAMPLEに関するすべてのGRANT操作の監査証跡を生成します。

SQL> AUDIT GRANT ON MINING MODEL dmuser.nb_sh_clas_sample;

次の文は、同じモデルに関するすべての操作の監査証跡を生成します。

SQL> AUDIT GRANT,AUDIT,COMMENT,RENAME,SELECT 
            ON MINING MODEL dmuser.nb_sh_clas_sample;

次のセマンティクスを追加することにより監査条件を絞り込むことができます。

AUDIT {operation|ALL} ON MINING MODEL schema_name.model_name
                                    [BY [SESSION|ACCESS]]
                                    [WHENEVER [NOT] SUCCESSFUL]];

監査証跡のクローズ

AUDIT文によって有効にした1つ以上の監査操作を停止するには、NOAUDIT文を使用します。

NOAUDIT {operation| ALL} ON MINING MODEL model_name
                                      [WHENEVER [NOT] SUCCESSFUL]];

監査証跡の表示

Oracle Databaseは、監査操作ごとに次の内容を含む監査レコードを作成します。

  • 操作を実行しているユーザーの名前

  • 操作のタイプ

  • 操作の対象となるオブジェクト

  • 操作の日時

一部のデータ・ディクショナリ・ビューは監査情報を表示します。次に例を示します。

  • DBA_AUDIT_OBJECTは、データベースのすべてのオブジェクトに関する監査証跡レコードを表示します。

  • USER_AUDIT_OBJECTは、現在のユーザーがアクセス可能なすべてのオブジェクトの監査証跡レコードを表示します。

  • DBA_OBJ_AUDIT_OPTSは、データベースのすべてのオブジェクトについて監査オプションを示します。

  • USER_OBJ_AUDIT_OPTSは、現在のユーザーが所有するすべてのオブジェクトの監査オプションを示します。


注意:

Oracle Database監査システムは、スキーマ・オブジェクトの操作を追跡するための、強力で高度に構成可能なツールです。詳細は、次のマニュアルを参照してください。
  • データベース監査全般については、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

  • AUDIT文およびNOAUDIT文については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

  • AUDIT_TRAIL初期化パラメータおよびデータベース監査証跡への問合せに関するデータ・ディクショナリ・ビューについては、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。


マイニング・モデルのエクスポートおよびインポート

データ・マイニング・モデルをフラット・ファイルにエクスポートして作業途中の操作をバックアップしたり、Oracle Database Enterprise Editionの別のインスタンスに(たとえば、開発用データベースから本番データベースに)モデルを移動したりできます。モデルをエクスポートおよびインポートする方法は、いずれもOracle Data Pumpのテクノロジに基づいています。

Oracle Data Pumpの使用

Oracle Data Pumpは、2つのコマンドライン・クライアントと2つのPL/SQL APIで構成されています。コマンドライン・クライアントのEXPDPおよびIMPDPにより、データ・ポンプ・エクスポートおよびインポート・ユーティリティに対する使いやすいインタフェースが提供されます。EXPDPIMPDPは、スキーマまたはデータベース全体をエクスポート/インポートする際に使用できます。

データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティは、マイニング・モデルを構成する表およびメタデータを含むスキーマ・オブジェクトを、ダンプ・ファイル・セットに書き出します。データ・ポンプ・インポート・ユーティリティは、ダンプ・ファイル・セットからモデル表およびメタデータを含むスキーマ・オブジェクトを取得し、それらをターゲット・データベースにリストアします。

EXPDPおよびIMPDPは、個々のマイニング・モデルのエクスポートおよびインポートには使用できません


関連項目:

Oracle Data Pumpと、expdpおよびimpdpユーティリティの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

EXPORT_MODELおよびIMPORT_MODELの使用

DBMS_DATA_MININGパッケージには、個々のマイニング・モデルのエクスポートとインポートを行うためのEXPORT_MODELプロシージャとIMPORT_MODELプロシージャが含まれています。EXPORT_MODELIMPORT_MODELでは、Oracle Data Pumpのエクスポート機能とインポート機能を使用します。


関連項目:

DBMS_DATA_MININGパッケージに含まれるエクスポートおよびインポート・プロシージャの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

エクスポート/インポートに必要なデータベース権限

マイニング・モデルのエクスポートとインポートに使用するオプションは、データベースでのアクセス権によって異なります。

  • DBAはEXPDPを使用してデータベース全体をエクスポートでき、IMPDPを使用してデータベース全体をインポートできます。エクスポート/インポートには、データベースのすべてのマイニング・モデルが含まれます。

  • データベース管理者または個々のユーザーが、EXPDPを使用してスキーマをエクスポートでき、IMPDPを使用してスキーマをインポートできます。エクスポート/インポートには、スキーマのすべてのマイニング・モデルが含まれます。

  • データベース管理者または個々のユーザーが、DBMS_DATA_MINING.EXPORT_MODELを使用して個々のモデルをエクスポートでき、DBMS_DATA_MINING.IMPORT_MODELを使用して個々のモデルをインポートできます。これらのプロシージャは、単一のマイニング・モデル、スキーマのすべてのマイニング・モデルまたは特定の基準に一致するマイニング・モデルのエクスポート/インポートを行うことができます。

    デフォルトでは、EXPORT_MODELIMPORT_MODELは同じスキーマ内のエクスポートとインポートをサポートします。モデルを別のスキーマにインポートするために、データベース内の特別な権限が必要になる場合があります。これらの権限は、EXP_FULL_DATABASEロールおよびIMP_FULL_DATABASEロールによって付与され、特権ユーザー(SYSユーザー、またはDBAロールを持つユーザーなど)のみが使用できます。独自のスキーマ内でモデルのエクスポート/インポートを行う場合は、これらのロールは必要ありません。

    モデルをインポートするには、ダンプ・ファイル・セットを作成したユーザーと同じデータベース権限を付与されている必要があります。そうでない場合は、完全なシステム権限を持つDBAがモデルのインポートを行います。

EXPORT_MODELおよびIMPORT_MODELのディレクトリ・オブジェクト

EXPORT_MODELおよびIMPORT_MODELは、ディレクトリ・オブジェクトを使用してダンプ・ファイル・セットの場所を特定します。ディレクトリ・オブジェクトとは、ホスト・コンピュータ上の物理ディレクトリのデータベース内での論理名です。

データ・マイニング・モデルをエクスポートするには、ディレクトリ・オブジェクトおよびそれが表すファイル・システム・ディレクトリに対する書込みアクセス権を持っている必要があります。データ・マイニング・モデルをインポートするには、ディレクトリ・オブジェクトおよびファイル・システム・ディレクトリに対する読取りアクセス権を持っている必要があります。また、データベース自体にはファイル・システムのディレクトリに対するアクセス権が必要です。

ディレクトリ・オブジェクトを作成するにはCREATE ANY DIRECTORY権限が必要です。

次のSQLコマンドにより、dmtestというディレクトリ・オブジェクトが作成されます(すでに存在している場合は、再作成されます)。ファイル・システムのディレクトリ(この例ではC:\oracle\product\11.1.0\dmining)がすでに存在し、オペレーティング・システムによって付与される共有読取り/書込みアクセス権限が設定されている必要があります。

CREATE OR REPLACE DIRECTORY dmtest AS 'c:\oracle\product\11.1.0\dmining';

このSQLコマンドを使用して、ユーザーdmuserに対しdmtestへの読取りおよび書込みアクセス権限を付与します。

GRANT READ,WRITE ON DIRECTORY dmtest TO dmuser;

注意:

セキュリティ上の理由から、権限の付与は慎重に行ってください。


関連項目:

CREATE DIRECTORY文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください

IMPORT_MODELの表領域

マイニング・モデルは、マイニング・モデルの所有者のデフォルト表領域か、または所有者がアクセス権を保持する表領域に格納されます。また、この表領域はターゲット・データベースに存在し、ターゲット・ユーザーはその表領域にアクセスできる必要があります。表領域がターゲット・データベースに存在しない場合、モデルをインポートする前に表領域を作成する必要があります。

たとえば、モデルがDMUSERスキーマに作成されており、DMUSERのデフォルト表領域がUSERSである場合、ターゲット・データベースにUSERS表領域が存在している必要があります。次のように、USERS表領域を作成し、適切な表領域割当て制限を指定してターゲット・ユーザーにアクセス権を付与できます。

connect / as sysdba;
create tablespace USERS datafile 'data_file_name' size 200M autoextend on;
alter user target_user quota unlimited on USERS;

EXPORT_MODELおよびIMPORT_MODELによって作成される表

データ・マイニングのエクスポート・ユーティリティとインポート・ユーティリティを使用すると、ユーザーのスキーマに内部用にのみ使用される表が作成されます。

  • DM$P_MODEL_EXPIMP_TEMP。エクスポートおよびインポート中に内部用に使用され、ジョブ履歴を提供します。

  • DM$P_MODEL_IMPORT_TEMP。インポート中に内部用にのみ使用されます。

  • DM$P_MODEL_TABKEY_TEMP。エクスポートおよびインポート中に、内部用にのみ使用されます。

これらの表は変更しないでください。ただし、エクスポート・ジョブまたはインポート・ジョブが実行中でないときは削除できます。ユーティリティによって、次のジョブ用にこれらが再作成されます。

例: マイニング・モデルのエクスポートおよびインポート

この例では、2つのモデルを含むダンプ・ファイルを作成し、このダンプ・ファイルからモデルをインポートします。

この例は、Linuxシステムで生成されたものです。ディレクトリ・オブジェクトmydirは、パス/scratch/dumpfilesを表します。(「EXPORT_MODELおよびIMPORT_MODELのディレクトリ・オブジェクト」を参照してください。)

DMUSERスキーマからのモデルのエクスポート

この例では、dmuserスキーマには2つのマイニング・モデルが含まれています。

SQL> CONNECT dmuser
Enter password: password

SQL> SELECT model_name FROM user_mining_models;
 
MODEL_NAME
------------------------------
GLMR_SH_REGR_SAMPLE
SVMC_SH_CLAS_SAMPLE

次のコマンドは、mydirというディレクトリ・オブジェクトを作成し、すべてのモデルをdmuserからmydirにエクスポートします。

SQL> CREATE OR REPLACE DIRECTORY mydir AS '/scratch/dumpfiles';
SQL> EXECUTE dbms_data_mining.export_model('all_dmuser_models.dmp', 'mydir');

エクスポートまたはインポートの際には、ダンプ・ファイルと同じディレクトリにログ・ファイルが作成されます。現在の出力デバイス(画面など)にエラー・メッセージが返され、ログ・ファイルに追加情報が記録される場合もあります。

このサンプル・エクスポートにより、mydirディレクトリに次の2つのファイルが作成されます。

  • ALL_DMUSER_MODELS01.DMPという名前のダンプ・ファイル(2桁の接尾辞が名前に追加される)

  • DMUSER_EXP_920.LOGという名前のログ・ファイル

ファイルのデフォルト名の詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

ログ・ファイルは、システム・コマンドまたはシステム・エディタで表示できます。ファイルを見つけるには、物理ディレクトリのパスを知っている必要があります。

DMUSER_EXP_920.LOGには、エクスポートされた2つのマイニング・モデルおよびサポートしているオブジェクトが表示されます。

Starting "DMUSER"."DMUSER_exp_17":  DM_EXPIMP_JOB_ID=17
Estimate in progress using BLOCKS method...
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/TABLE_DATA
Total estimation using BLOCKS method: 1.062 MB
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/TABLE
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/GRANT/OWNER_GRANT/OBJECT_GRANT
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/INDEX/INDEX
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/CONSTRAINT
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICS
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICS
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/POST_INSTANCE/PROCACT_INSTANCE
. . exported "DMUSER"."DM$PIGLMR_SH_REGR_SAMPLE"         7.085 KB      14 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PISVMC_SH_CLAS_SAMPLE"         7.507 KB      17 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PCGLMR_SH_REGR_SAMPLE"         53.27 KB    2278 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PAGLMR_SH_REGR_SAMPLE"         5.796 KB      24 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PBGLMR_SH_REGR_SAMPLE"         15.76 KB      67 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PDGLMR_SH_REGR_SAMPLE"             8 KB      66 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PDSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"         9.023 KB      88 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PFGLMR_SH_REGR_SAMPLE"         5.656 KB      10 rows
. . exported "DMUSER"."DM$POSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"         5.320 KB       8 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PXSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"         7.265 KB      77 rows
. . exported "DMUSER"."DM$PZSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"         6.164 KB       1 rows
. . exported "DMUSER"."DM$P_MODEL_EXPIMP_TEMP"           5.921 KB       2 rows
Master table "DMUSER"."DMUSER_exp_17" successfully loaded/unloaded
******************************************************************************
Dump file set for DMUSER.DMUSER_exp_17 is:
  /scratch/dumpfiles/all_dmuser_models01.dmp
Job "DMUSER"."DMUSER_exp_17" successfully completed at 10:30:19

同じスキーマへのモデルのインポート

モデルはエクスポートされた後もDMUSERに存在します。この例では、ダンプ・ファイルからインポートする前にモデルを削除します。インポートにより同じ名前を持つ既存のモデルが上書きされることはありません。

SQL> EXECUTE dbms_data_mining.drop_model('GLMR_SH_REGR_SAMPLE');
SQL> EXECUTE dbms_data_mining.drop_model('SVMC_SH_CLAS_SAMPLE');

次のコマンドは、ダンプ・ファイルのすべてのモデルをDMUSERスキーマにリストアします。

SQL> EXECUTE dbms_data_mining.import_model('all_dmuser_models01.dmp', 'mydir');

別のスキーマへのモデルのインポート

必要な権限を持つユーザーは、ダンプ・ファイルのモデルを別のスキーマにロードできます。ターゲット・スキーマは、モデルのエクスポート元となったスキーマと同一の表領域へのアクセス権限および同一の権限を持つ必要があります。

CREATE USER dmuser2 IDENTIFIED BY password
        default tablespace dmuser
        temporary tablespace temp
        quota unlimited on dmuser;

@ $ORACLE_HOME/RDBMS/demo/dmshgrants dmuser2

インポート・コマンドをSYSとして実行すると、2つのモデルがDMUSER2スキーマにロードされます。

SQL> EXECUTE dbms_data_mining.import_model('all_dmuser_models01.dmp', 'mydir', null, null, null, 'todmuser2', 'dmuser:dmuser2');

パラメータには、ログ・ファイルの名前としてTODMUSER2.LOGを指定します。名前には、拡張子.LOGが自動的に追加されます。ログ・ファイルには、インポートされたモデルの名前と、サポートするメタデータが示されます。

Master table "SYS"."todmusr2" successfully loaded/unloaded
Starting "SYS"."todmusr4":  DM_EXPIMP_JOB_ID=21
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/TABLE
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/TABLE_DATA
. . imported "DMUSER2"."DM$PIGLMR_SH_REGR_SAMPLE"        7.085 KB      14 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PISVMC_SH_CLAS_SAMPLE"        7.507 KB      17 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PCGLMR_SH_REGR_SAMPLE"        53.27 KB    2278 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PAGLMR_SH_REGR_SAMPLE"        5.796 KB      24 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PBGLMR_SH_REGR_SAMPLE"        15.76 KB      67 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PDGLMR_SH_REGR_SAMPLE"            8 KB      66 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PDSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"        9.023 KB      88 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PFGLMR_SH_REGR_SAMPLE"        5.656 KB      10 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$POSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"        5.320 KB       8 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PXSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"        7.265 KB      77 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$PZSVMC_SH_CLAS_SAMPLE"        6.164 KB       1 rows
. . imported "DMUSER2"."DM$P_MODEL_EXPIMP_TEMP"          5.921 KB       2 rows
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/GRANT/OWNER_GRANT/OBJECT_GRANT
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/INDEX/INDEX
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/CONSTRAINT
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICS
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICS
Processing object type TABLE_EXPORT/TABLE/POST_INSTANCE/PROCACT_INSTANCE
Job "SYS"."todmusr2" successfully completed at 11:15:26

特定モデルのエクスポートおよびインポート

単一のモデル、モデルのリストまたは特定の特性を共有するモデルのグループをエクスポート/インポートできます。たとえば次のコマンドは、ディレクトリ・オブジェクトEXP_OUTで指定されたディレクトリに、NMF_SH_SAMPLESVMR_SH_REGR_SAMPLEの2つのモデルをエクスポートします。

SQL>execute dbms_data_mining.export_model ( 'models2_out', 'EXP_OUT',
            'name in (''SVMR_SH_REGR_SAMPLE'')');

関連項目:

他の例については、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

PMMLからのインポート

この機能は、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以上のデータ・マイニングで使用できます。

Predictive Model Markup Language(PMML)で表現されたマイニング・モデルをインポートできます。モデルのタイプは、RegressionModel(線形回帰またはバイナリ・ロジスティック回帰)である必要があります。

PMMLは、Data Mining Group(http://www.dmg.org)によって策定されたXMLベースの規格です。PMMLに準拠しているアプリケーションは、任意のベンダーによって作成されたPMML準拠のモデルを配置できます。Oracle Data Miningでは、回帰モデルに対応するPMML 3.1のコア機能をサポートしています。


関連項目:

PMMLインポートの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。