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Oracle Data Mining管理者ガイド
11g リリース2(11.2)
E57718-01
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6 Oracle Data Miningのアップグレード

この章では、downgrade Oracle Data Mining 11g Release 2 (11.2)をアップグレードまたはダウングレードする方法について説明します。内容は次のとおりです。

データ・マイニング・アップグレードの概要

Oracle Data Miningのアップグレードは、Oracle Databaseのアップグレード・プロセスと完全に統合されています。リリース11.1とリリース10gのどちらからアップグレードする場合でも、データ・マイニング・モデルとメタデータはOracle Databaseのアップグレード中に自動的にアップグレードされます。

データベースのアップグレードには、Database Upgrade Assistant (DBUA)を使用することも、エクスポートおよびインポート・ユーティリティを使用して手動アップグレードを実行することもできます。


関連項目:

データベースの完全なアップグレード手順については、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

データ・マイニング・モデルのアップグレード

アップグレードされたモデルは、引き続き以前のリリースの場合と同様に機能します。アップグレードされた環境で作成した新しいモデルが、新しいリリースで導入された新しいマイニング機能を利用できます。


注意:

Oracle Data MiningのPL/SQL APIで作成されたモデルは、10.1から11gにアップグレードできます。

Oracle Data MiningのJava APIで作成されたモデルは、10.1から11gにアップグレードできません。Java APIの10.1バージョンは、Oracle Data Mining 10.2ではサポートされなくなりました。

リリース9.2からリリース11gへのモデルのアップグレードはサポートされていません。


10gからのアップグレード

Oracle Data Mining 10gでは、データ・マイニング・メタデータおよびPL/SQLパッケージはDMSYSスキーマに格納されます。Oracle Data Mining 11gにはDMSYSが存在せず、データ・マイニング・メタデータ・オブジェクトはSYSに格納されます。

10gから11gへのアップグレード中には、Data Miningのすべてのメタデータ・オブジェクトとPL/SQLパッケージがDMSYSからSYSに移行されます。アップグレード後に、ダウングレードの必要がないと確定したときには、初期化パラメータCOMPATIBLE11.2に設定し、DMSYSスキーマとそれに関連するオブジェクトを、次のようにしてアップグレード後のデータベースから削除します。

SQL> CONNECT / AS sysdba;
SQL> DROP USER dmsys CASCADE;
SQL> DELETE FROM sys.exppkgact$ WHERE schema = 'DMSYS';
SQL> SELECT COUNT(*) FROM dba_synonyms WHERE table_owner = 'DMSYS';

結果がゼロ以外の行になる場合は、次のようにSQLスクリプトを作成して実行します。

SQL> set head off 
SQL> spool directory_path/drop_dmsys_synonyms.sql 
SQL> SELECT 'Drop public synonym ' ||'"'||SYNONYM_NAME||'";' 
             FROM DBA_SYNONYMS WHERE TABLE_OWNER = 'DMSYS';
SQL> spool off 
SQL> @directory_path/drop_dmsys_synonyms.sql

DMSYSを削除すると、Oracle Data MiningはSYS.DBA_REGISTRYにコンポーネントとして表示されなくなります。

11gへのアップグレード後は、Data Mining Scoring Engine (DMSE)に切り替えられなくなります。スコアリング・エンジンは11gでは存在しません。

11.1からのアップグレード

リリース11.1から11.2にアップグレードする場合は、DMSYSがあるかどうかを確認します。データベースを以前に10gからアップグレードした場合には、DMSYSがまだ残っている可能性があります。まだDMSYSがデータベースに存在する場合は、削除する必要があります。

Database Upgrade Assistantを使用したアップグレード

Oracle Database Upgrade Assistantには、アップグレード・プロセスをインタラクティブに順を追って説明するグラフィカル・ユーザー・インタフェースが用意されています。Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。

  1. Windowsの「スタート」メニューから、Oracleホーム・ディレクトリを選択します。

  2. コンフィグレーションおよび移行ツール」メニューを選択します。

  3. Upgrade Assistantを起動します。

Linuxプラットフォームでは、DBUAユーティリティを実行してOracle Databaseをアップグレードします。

エクスポート/インポートを使用したアップグレード

必要に応じて、Oracle Data Miningを手動でアップグレードすることも可能です。以前のバージョンのOracle Databaseで作成されたモデルをエクスポートし、新しい11gリリース2 (11.2)データベースにインポートできます。

リリース11.1のデータ・マイニング・モデルのエクスポートとインポート

モデルを11.1データベースからダンプ・ファイルへエクスポートして11.2データベースにインポートするには、「マイニング・モデルのエクスポートおよびインポート」の手順に従います。

リリース10gのデータ・マイニング・モデルのエクスポートとインポート

モデルを10gデータベースからダンプ・ファイルへエクスポートするには、「マイニング・モデルのエクスポートおよびインポート」の手順に従います。10.1のJava APIで作成したモデルがある場合は、エクスポートに含めないでください。11gではサポートされていません。

ダンプ・ファイルからモデルをインポートする前に、DMEIDMSYSスクリプトを実行して、11gデータベースにDMSYSスキーマを作成します。

SQL>CONNECT / as sysdba;
SQL>@ORACLE_HOME\RDBMS\admin\dmeidmsys.sql
SQL>EXIT;

注意:

TEMP表領域がすでに11gデータベースに存在している必要があります。DMEIDMSYSスクリプトは、TEMP表領域およびSYSAUX表領域を使用してDMSYSスキーマを作成します。

ダンプ・ファイルをデータベースにインポートするには、次のコマンドを発行します。

%ORACLE_HOME\bin\impdp system\<password> 
       dumpfile=<dumpfile_name> 
       directory=<directory_name> 
       logfile=<logfile_name> .....
SQL>CONNECT / as sysdba;
SQL>EXECUTE dmp_sys.upgrade_models('11.0.0');
SQL>ALTER SYSTEM FLUSH SHARED_POOL;
SQL>EXIT;

アップグレードされたマイニング・モデルで操作を実行する前にデータベースを停止する場合、共有プールがフラッシュされます。

インポートが完了したら、データベースからDMSYSスキーマを削除する必要があります。

アップグレード後の手順

データベースのアップグレード後、アップグレード・ログ・ファイルおよびSYS.DBA_REGISTRYビューをチェックして、アップグレード・プロセスが正常に完了したことを確認します。アップグレードしたデータベースのDBA_MINING_MODELSビューも確認します。新しくアップグレードされたマイニング・モデルが、このビューに表示されます。

アップグレードを検証し、ダウングレードの必要がないことを確認した後は、初期化パラメータCOMPATIBLE11.2に設定する必要があります。


重要:

Oracle 11gでは、データ・マイニングのユーザー・アカウントにCREATE MINING MODEL権限を付与する必要があります。この権限は、11gでデータ・マイニング・モデルを作成する際に必要です。詳細は、第4章「データ・マイニング用のユーザーと権限」を参照してください。

Data Miningのダウングレード

データベースを以前のバージョンにダウングレードする前に、アップグレードしたデータベースで11gリリース2 (11.2)のマイニング・モデルが作成されていないことを確認します。確認には、SYSで次のSQL文を発行します。

SQL>SELECT o.name FROM sys.model$ m, sys.obj$ o 
                  WHERE m.obj#=o.obj# AND m.version=2;

データベースに11gリリース2 (11.2)のマイニング・モデルがある場合、データベースをダウングレードする前に、DBMS_DATA_MINING.DROP_MODELルーチンを使用して手動で削除します。削除しないと、データベースのダウングレード・プロセスは異常終了します。DROP_MODELを呼び出す構文の詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。