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Oracle Data Mining管理者ガイド
11g リリース2(11.2)
E57718-01
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4 データ・マイニング用のユーザーと権限

この章では、データ・マイニング・ユーザーを作成する方法、データベース権限を使用してマイニング操作を制御する方法を説明します。


関連項目:

Oracle Databaseのセキュリティについては、『Oracle Database 2日でセキュリティ・ガイド』を参照してください。

この章には、次の項が含まれます。

データベース・ユーザーの作成

データベース・ユーザーを作成するには、システム管理者としてログインする必要があります。任意のツール、たとえばDatabase Control、SQL*Plus、SQL Developerなどを使用してSQLをデータベースに転送することができます。

例: SQL*Plusでのデータベース・ユーザーの作成

SQL*Plusでデータベース・ユーザーを作成するには、次の手順に従います。

  1. Windowsの「スタート」メニューから、ローカル・データベースのOracleホームを選択します。


    注意:

    n個のデータベースがインストールされている場合には、「スタート」メニューの「Oracle - OraDb11g_homen」に、Oracle - OraDb11g_home1Oracle - OraDb11g_home2などのように表示されます。

    このそれぞれが、別々のORACLE_HOMEです。適切なデータベースを選択してください。


  2. Application Development」を選択します。

  3. SQL*Plus」を選択します。

  4. システム権限でログインします。

        Enter user-name: sys / as sysdba
        Enter password: password
    
  5. dmuserというユーザーを作成するには、次のコマンドを入力します。選択したパスワードを指定します。

    CREATE USER dmuser IDENTIFIED BY password
           DEFAULT TABLESPACE USERS
           TEMPORARY TABLESPACE TEMP
           QUOTA UNLIMITED ON USERS;
    Commit;
    

    USERS表領域とTEMP表領域を指定します。これらの表領域はインストール時に作成される初期データベースに含まれ、通常はデータベースにデフォルトで含まれています。(「Oracle Databaseのインストール」を参照してください。)USERS表領域とTEMP表領域は通常、サンプルとデモンストレーションを生成するユーザーに割り当てられます。


    注意:

    データ・マイニング・ユーザーの表領域は、システム負荷およびシステム・リソースに応じて、DBAの通例に従い割り当てる必要があります。

  6. dmuserとしてログインするには、次を入力します。

    CONNECT dmuser
    Enter password: password
    

関連項目:

データベース・ユーザーの作成の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

CREATE USER文の完全な構文については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。


データ・マイニング権限の付与

データ・マイニングには、一連の基本的な権限が必要です。一部がどのマイニング操作にも必要がない場合もありますが、これらすべてをグループとして付与することをお薦めします。例4-1GRANT文は、dmuserにこれらの権限を付与します。システム権限でログインすると、SQL*Plusでこれらの文を実行できます。

例4-1 データ・マイニングに必要な権限

GRANT CREATE JOB TO dmuser;
GRANT CREATE MINING MODEL TO dmuser;        -- required for creating models
GRANT CREATE PROCEDURE TO dmuser;
GRANT CREATE SEQUENCE TO dmuser;
GRANT CREATE SESSION TO dmuser;
GRANT CREATE SYNONYM TO dmuser;
GRANT CREATE TABLE TO dmuser;
GRANT CREATE TYPE TO dmuser;
GRANT CREATE VIEW TO dmuser;
GRANT EXECUTE ON ctxsys.ctx_ddl TO dmuser;  -- required for text mining
GRANT SELECT ON data TO dmuser;             -- required for data 
                                               that is not in your schema

マイニング・モデルをエクスポートおよびインポートするには、別のアクセス権限が必要です(「マイニング・モデルのエクスポートおよびインポート」を参照)。

「データ・マイニングのシステム権限」「マイニング・モデルのオブジェクト権限」で説明されている追加のシステム権限とオブジェクト権限は、特定のマイニング操作を有効化または制限する際に使用できます。


注意:

データ・マイニングのサンプル・プログラム用にユーザーを作成するには、「インストールと設定」で説明されているように、2つの構成スクリプトを実行する必要があります。

データ・マイニングのシステム権限

システム権限は、データベースまたは特定のタイプのスキーマ・オブジェクトに対して特定の操作を実行する権限を制限します。たとえば、表領域を作成したり、データベース内の表の行を削除したりする権限は、システム権限になります。

システム権限を付与するには、ADMIN OPTIONを指定したシステム権限またはGRANT ANY PRIVILEGEシステム権限が必要です。

表4-1に示されているシステム権限は、マイニング・モデルに対する操作を制御します。

表4-1 データ・マイニングのシステム権限

システム権限 許可される操作

CREATE MINING MODEL

ユーザー自身のスキーマへのマイニング・モデルの作成

CREATE ANY MINING MODEL

任意のスキーマへのマイニング・モデルの作成

ALTER ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルの名前またはコスト・マトリックスの変更

DROP ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルの削除

SELECT ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルの適用(スコア)および任意のスキーマ内のモデルの詳細の表示を行う。

COMMENT ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルへのコメントの適用(「マイニング・モデルへのコメントの追加」を参照。)

AUDIT ANY

任意のスキーマ内のマイニング・モデル(または任意のオブジェクト)の監査証跡の生成(「マイニング・モデルの監査」を参照してください。)


例: データ・マイニングのシステム権限の付与

次の文は、dmuserによる任意のスキーマ内のモデルのスコアリングおよびモデルの詳細の表示を許可します(SELECTアクセス権がデータに付与されている場合)。ただし、dmuserがモデルを作成できるのはdmuserスキーマ内のみです。

GRANT CREATE MINING MODEL TO dmuser;
GRANT SELECT ANY MINING MODEL TO dmuser;

次の文は、他のスキーマ内のスコアリングまたはモデルの詳細の表示の権限を取り消します。この文が実行されると、dmuserがデータ・マイニング操作を実行できるのはdmuserスキーマ内のみになります。

REVOKE SELECT ANY MINING MODEL FROM dmuser;

マイニング・モデルのオブジェクト権限

オブジェクト権限は、特定のスキーマ・オブジェクトに対して特定のアクションを実行する権限を付与します。たとえば、SH.PRODUCTS表から行を削除する権限はオブジェクト権限になります。

ユーザーには、自身のスキーマに含まれるスキーマ・オブジェクトに対するオブジェクト権限がすべて自動的に付与されています。ユーザーは、自身のスキーマのオブジェクトに対するオブジェクト権限を、他のユーザーまたはロールに付与できます。

表4-2に示されているオブジェクト権限は、特定のマイニング・モデルに対する操作を制御します。

表4-2 マイニング・モデルのオブジェクト権限

オブジェクト権限 許可される操作

ALTER MINING MODEL

特定のマイニング・モデル・オブジェクトの名前またはコスト・マトリックスの変更

SELECT MINING MODEL

指定されたマイニング・モデル・オブジェクトのモデル詳細の適用(スコアリング)と表示


例: マイニング・モデルに対するオブジェクト権限の付与

次の文は、dmuserによるsales表へのモデルtestmodelの適用を許可し、適用ごとに異なるコスト・マトリックスを指定します。ユーザーdmuserは、モデルtestmodelの名前を変更することもできます。testmodelモデルおよびsales表は、dmuserスキーマ内ではなく、shスキーマ内にあります。

GRANT SELECT ON MINING MODEL sh.testmodel TO dmuser;
GRANT ALTER ON MINING MODEL sh.testmodel TO dmuser;
GRANT SELECT ON sh.sales TO dmuser;

この文は、dmusertestmodelのコスト・マトリックスの名前の変更またはコスト・マトリックスの変更を行うのを防ぎます。ただし、dmuserは引き続きtestmodelsales表に適用できます。

REVOKE ALTER ON MINING MODEL sh.testmodel FROM dmuser;

関連項目:

マイニング・モデルのスキーマ・オブジェクトの詳細は、第5章を参照してください。