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Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド
リリース1.3.1 for Windows, Linux, Solaris, and AIX
E48234-03
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6 Oracle R Enterpriseのインストール後のタスク

この章では、Oracle R Enterpriseのインストール後に、作業環境を確立および検証する方法を説明します。この章の内容は次のとおりです。

6.1 Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーの作成

Oracle R Enterprise ClientおよびServerのインストールの完了後、次の手順として、Oracle R Enterprise向けに構成されたデータベース・ユーザーを1人以上作成します。

Oracle R Enterpriseのserverディレクトリに含まれているスクリプトを実行することで、RQUSERというサンプル・ユーザーが作成されます。スクリプトによって、このユーザーが作成される前にOracle DatabaseおよびOracle R Enterpriseのインストールの検証が行われます。スクリプトを変更すると、追加のユーザーを作成できます。

6.1.1 RQUSERの作成

Oracle R Enterpriseのサンプル・ユーザーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. ご使用のオペレーティング・システムのユーザーIDが、OSDBAグループ(LinuxおよびUNIXの場合はDBA、Windowsの場合はora_dba)のメンバーであることを確認します。OSDBAの詳細は、第4.2.3.1項を参照してください。

  2. Oracle R Enterpriseのserverディレクトリに移動します。

    % cd download_directory/server
    
  3. demo_userスクリプトを実行します。

    -- Linux or UNIX
    % ./demo_user.sh
    
    -- Windows
    > demo_user.bat
    

スクリプトによって、オプションでRQSYSスキーマの永続表領域および一時表領域の名前の入力を求めるプロンプトが表示されます。デフォルトの表領域は、SYSAUXおよびTEMPです。デフォルト名をそのまま使用する場合は、[Enter]を押します。

6.1.2 RQUSERへの権限付与

Oracle R Enterpriseのユーザーには、基本的な一連のデータベース権限が必要です。一部のユーザーには、実行するタスクおよびアクセスするデータに応じて、追加の権限が必要な場合があります。

RQUSERに基本的な権限を付与するには、sysdbaでSQL*Plusを起動して次のGRANT文を実行します。

% sqlplus /  AS SYSDBA
SQL> GRANT CREATE TABLE TO RQUSER;
SQL> GRANT CREATE PROCEDURE TO RQUSER;
SQL> GRANT CREATE VIEW TO RQUSER;
SQL> GRANT CREATE MINING MODEL TO RQUSER;

6.1.3 RQUSERへのRQADMINロールの付与

Oracle R Enterprise Serverをインストールすると、RQADMINというデータベース・ロールが作成されます。RQADMINロールを持つユーザーは、埋込みRエンジンを使用するRスクリプトを作成および削除できます。RQADMINロールは、埋込みRを実行する場合にも必要です。

RQUSERRQADMINを付与するには、sysdbaでSQL*Plusを起動して次のGRANTを実行します。

% sqlplus / AS SYSDBA
SQL> GRANT RQADMIN to RQUSER;

注意:

RQADMINロールを付与する場合は注意が必要です。Oracle R Enterpriseの管理権限を必要とするユーザーのみ、このロールを持つべきです。

6.2 Oracle R Enterprise ClientのOracle R Enterprise Serverへの接続

Oracle R Enterprise Clientをデータベースに接続するには、OREスクリプトを使用してRを起動します。

% ORE
R> library(ORE)

次の例では、ユーザーRQUSERパスワードRQUSERpswで接続しています。

  • リモート・データベースの場合は、Oracle Databaseサービス識別子(SID)、ホスト名および接続のポートを指定します。

    R> ore.connect(user="RQUSER", sid="orcl", host="SVR3", password="RQUSERpsw",
                   port=1521, all=TRUE)
    

    注意:

    パスワードやその他接続の詳細を埋込みRスクリプトに指定することを避けるには、Oracleウォレットを使用します。「Oracle R Enterprise接続のOracleウォレットの作成」を参照してください。

  • ローカル・データベースの場合は、次のように接続を指定します。

    R> ore.connect("RQUSER", password="RQUSERpsw", conn_string="", all=TRUE)
    

6.3 Oracle R Enterpriseの基本的な機能の検証

第6.2項の説明に従って接続した後、次のコマンドを使用して、Oracle R Enterpriseの基本的な機能の一部をテストできます。

## Is the ORE client connected to the ORE server?
## The output of this command should be TRUE.
R> ore.is.connected()

## List the available database tables 
        R> ore.ls()

## Push an R dataframe to a database table
        R> cars <- ore.push(cars)
R>      head(cars)

## Run embedded RR>       ore.doEval(function() { 123 })

6.4 Oracle R Enterpriseのスクリプト例の実行

Oracle R Enterpriseのデモ・スクリプトを実行することにより、インストールが正常に完了したことをさらに確認できます。エラーが発生せずスクリプトが完了した場合、スクリプト例は正常に実行されています。

スクリプト例は、$ORACLE_HOME/R/library/ORE/demoにあります。

次のコマンドで、使用可能なスクリプト例のリストが表示されます。

R> demo(package="ORE")

次のコマンドでは、Rを終了する前にスクリプト例のうちの2つを実行しています。aggregateスクリプトでは、データベース・メモリーに存在するデータへのR関数の使用がテストされ、row_applyスクリプトでは、埋込みRの実行がテストされます。

R> demo("aggregate", package="ORE")
R> demo("row_apply", package="ORE")
R> q()